生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

日本医師会の定例記者会見の不見識さ

2010-10-08 13:57:41 | 日記

去る10月6日、「医師不足および偏在解消に向けての日医の見解を示す」と題して、日本医師会の定例記者会見がありました。
興味のある方は一度日医のホームページをご覧になって下さい。

改めて、日医の反省の無さと不見識に驚かされました。
曰く
1.医師数を増やすための医学部新設反対。拙速な対応は避けるべきだ。
  現状の医学部定員のままで十分。10年後には医師は充足する。
2.現状でも、決して医師不足ではない。
  地域間、診療科間での偏在にすぎない。

そこで私の独断と偏見に基づく反論です。

1.10年先の話をのんびりとやっている状況ではないと思います。足下の「医療崩壊」を日医がどう受け止めているのか、大いに疑問です。
多分他人事のような感覚なのでしょう。
また、今後の患者数の急増をどう把握・分析しているのでしょうか。大いに疑問です。
団塊の世代が高齢世代に突入しました。この世代の患者の急増は間違いありません。現状の延長線上で患者数を予測しているのであれば、とんでもない事態になることは必至です。
その時になっても、日医は今と同じ主張を繰り返していることでしょう。

2.日医は医師の偏在を強調していますが、従来通り「地域間・診療科」の2つに限定しています。
本当は「病院と開業医」間の偏在なのですが、日医としては禁句のようで、今になってもこの点については一切口にしません。

3.ただし病院と開業医の偏在の解決はそう簡単ではありませんが、偏在は偏在としても医師会として緊急にやるべきことがあります。以前にも話をしましたが、一次救急を開業医全体で担うことです。
本来当然のことなのですが現状はそうはなっていません。夜間・休日診療をやっていませんし、そもそも連絡さえもできない開業医が大半です。そのつけが二次救急を担う病院に行っているのです。病院が疲弊している原因の大きな一つです。

いずれにしても、過去の間違いを謙虚に反省することが全ての出発点です。今の日医にはこれが決定的に欠けています。致命的でもあります。よって、医療崩壊に対する具体策も出ようがありません。
今になっても無反省で具体策も出せない日医の不見識さには怒りよりも空しさを感じる次第です。
公益法人改革が日医の変革のきっかけになってくれれば良いとも思っています。

日本医師会の意向とは離れて、独自に地元医療の再生に立ち上がる地域の医師会が出現することを願うばかりです。


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