一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第29期竜王戦第7局(第2日)

2016-12-24 12:25:27 | 男性棋戦

竜王戦第7局2日目。封じ手は予想通り▲6七金直だった。△7六歩をまともに喰ってはたまらない。
それでも△7六歩に▲同銀が強手。ここ▲6八銀もあるが、拠点を残しては戦えないと見たのだろう。
△9七香成▲同玉△9二飛▲8八玉△7六桂▲同金△7七歩▲同玉△9九飛成▲7九香。丸山忠久九段は手順を尽くして△9九飛成。私たちレヴェルでは飛車成りの得点が大きく、これで後手優勢→勝ちとなる。だが渡辺明竜王は▲7九香と打って(たぶん)涼しい顔だ。今さらだが、渡辺竜王は受けの力が強い。森内俊之九段に劣らぬ鋼鉄の受けと見る。
△9五角▲6七玉。これも私たちレヴェルでは意外に指せない。角の侵入を恐れて▲8六香と一枚おごっちゃいそうだからだ。
△5九角成▲7七角△同馬▲同金引。角成りには▲7七角が好打で、竜取りにもなっているから△同馬の一手。
これを▲同玉では前の局面に戻ってしまう。渡辺竜王は▲同金引だが、この折衝で玉は危険地帯から遠ざかり、金も引き締まった。ずいぶん先手が得をした感じで、このあたりは丸山九段に誤算があったように思われた。
△6九銀。これも部分的には厳しいが、▲7八の金には7七金が密着しているので、先手はさして痛痒を感じない。△6九銀はもっと前に打つ手はなかったのか。
▲8八銀△8九竜▲6八玉△7八銀成▲同金。先手はただ受けているだけなのに、ずいぶん形がよくなってきた。まるで大山十五世名人の受けを見るようだ。
△4九角▲5八銀△3八金▲4九銀△2八金。丸山九段は攻め続けるよりないが、角金の攻めなので技を掛けにくい。▲5八銀に△3八金の飛車取りは冴えないが、ほかに手もない。
渡辺竜王はここで▲8三角(第2図)。

ここは私も打ちたいところだが、後手玉は飛車がないと寄らないように見える。しかしここにきて▲3四歩が光り輝いてきた。△9五歩の先攻を許す代わりに築いたものだが、この歩の存在が大きい。
丸山九段は飛車を手持ちにしているが、△2八金の存在がややボケている。総合すると、やっと私にも先手持ちに見えた。
△5二金▲5六桂△2九金▲7七銀△2八飛▲5八銀△1九金▲4四桂△同歩▲6一角成。渡辺竜王が自然に指して、優位を拡大していく。このあたりの寄せ方がアマには参考になるところで、私だったらむやみに駒を渡して逆転されている。渡辺竜王のそれは勝ちを急がず、真綿で首を絞めるように寄せの網をしぼっていく。この将棋、最も勉強になったのがこの数手である。
△6四桂▲3五香△4一玉▲3三銀△3一香▲3二銀成△同香▲3三歩成△同桂▲3四角。▲3五香が痛打。歩の後ろの香は威力が倍増する。最後は▲3三歩成がシャレた手で、△同桂に▲3四角(投了図)まで丸山九段が投了、全7局の激闘に終止符が打たれた。渡辺竜王、(恐らく)笑みのない防衛であった。

本シリーズは開幕前に前代未聞の出来事があった。それも七番勝負が始まれば外野スズメの声もシャットアウトされ、最終的には七番勝負も盛り上がった。しかし常識的に見ても、この事件をこのまま何もなかったことのように幕引きするわけにもいかないだろう。
将棋連盟の正式な発表が待たれる。
ともあれ渡辺竜王、丸山九段、お疲れ様でした。
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