一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第6回シモキタ名人戦(前編)

2017-05-26 00:19:05 | 将棋イベント
4月29日の世田谷花みず木女流オープン戦の翌30日(日)は、同じ世田谷区の「第6回シモキタ名人戦」を見に行った。2日連続のイベント観戦は、9年前の天童人間将棋→横須賀LPSAイベント以来になろうか。私もKaz氏を笑えず、かなりの将棋バカだ。
昼すぎに下北沢に着いた。「シモキタ」といえば私には青森県の「下北半島」で、そのくらい私は下北沢に縁がない。
南口を出るとスタッフ氏が将棋を指していて、その傍らにシモキタ名人戦のチラシがあったのでいただいた。現在あずま通りというところで開会式をやっているのだが、それはちょっと離れたところにある。
駅近くの「しもきたスクエア」では午後1時から、熊倉紫野女流初段や飯野愛女流1級らが指導を行う。私の主目的はこれで、撮影が可能な場合も考え、今日もカメラ持参であった。
あずま通りに向かうが、世田谷区の道は迷路のごとくで、不案内な私は右往左往するばかり。それでしもきたスクエアに行ったが、まだ人はいなかった。
その後、あずま通りに着いた。将棋のイベントにしてはかなり人が多いが、たまたま通りがかった観光客もいると思われる。
現在ちびっ子諸君が大勢で踊っているが、その中にフーリオ君がいた。フーリオ君を見るのはこれで3度目。子供たちに混じって機敏な動きで踊っていた。
開会式の最後は、棋士ら関係者がそろって記念撮影。かなりの数で、何だか楽しい会になりそうだ。
しもきたスクエアに再び向かうと、その近くに、時代に取り残されたような古色蒼然たる商店街があった。しかし営業はほとんどしておらず、一部では足場も組まれている。
この一帯は早晩取り壊される運命にあるのだろう。こうしてまた、昭和の風景がひとつ消えてゆく。
お腹が減ったので、まずは昼食である。シモキタをぶらぶら歩くが、オシャレな店が立ち並び、これは地方の人が憧れると思った。
味わい深い佇まいの蕎麦屋があった。昼食時なので小カレーライスが200円のサービスである。それで入店し、大もりとセットで頼んだ。
蕎麦は香り高く甘みがあり、美味い。その合間にカレーを食したのだが、この取り合わせはどうだったか。蕎麦もカレーも、別々に食したほうがいいと思った。
2時少し前にしもきたスクエアに戻ると、大勢の客が指導対局を行っていた。さっき商店街からチラッと見えた気もするのだが、昼食を優先してしまったのだからしょうがない。
入場すると、飯野女流1級が目に入った。青空のもとで拝見する飯野女流1級は、室内の5割増しでかわいらしく、観戦する人々も多かった。
その右には飯野健二七段で、親子並んでの指導対局である。しかし父親が横にいては、何となく写真も撮りづらい。
と、Shin氏に声を掛けられた。これは意外な人物である。Shin氏は川口在住のはずだが、はるばるご苦労なことだ。もっとも今回の場合、私のほうが遠出なのだが。
指導対局は飯野七段から反時計回りに鈴木大介九段、中村真梨花女流三段、井出隼平四段、佐藤慎一五段、北尾まどか女流二段だった。
「指導対局は指さないんですか? フッフッフ」
とShin氏。
「愛ちゃんや紫野ちゃんと当たるなら指すけど、そうでないなら指す気持ちはないよ」
「指してくださいよォ。私、大沢さんが指してるところを見たいんですよ。フフッ」
何だか言っていることがKaz氏みたいだ。
Tag氏もいた。指導対局のシステムを教えてもらうと、1局30分で1,000円。指導棋士は選べないとのこと。
後者はやむを得ないとして、前者の「30分」は短くないか? 将棋はそんな簡単に終わるものではない。もう少し余裕をもたせられなかったのか。
その奥にはLPSAのブースがあった。中倉彰子女流二段、中倉宏美女流二段が中心になって、絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん」のPRをしていた。島井咲緒里女流二段の姿がないが、よそに行っているのだろうか。
ほかには囲碁、どうぶつしょうぎのコーナーがある。いろいろひっくるめたイベントなのだ。
佐藤五段の一局が終わったようである。
「ここでの桂跳ねがなかなか鋭い手だったんですが、ちょっと気前が良すぎたでしょうか」
佐藤五段は局面を戻し、修正手順を教示する。自身が相当な苦労人だけに、アマチュアへの教えも一味違うと思った。
4月と思えぬ暑さになり、飯野女流1級は上衣を脱ぐ。ウン、と伸びをしてそれが絵になるのだが、隣りにオヤジさんの目が光っていては、写真も撮れない。
「ワタシ、盤駒持ってきてるんですよ。後で指しませんか。フッフッフ」
とShin氏。昨日のKaz氏と言ってることがまるで同じだが、何で私の回りにはこの手のキャラしかいないのだろう。
エリア内をぶらぶらしていると2時半になり、エリアの一角で、先崎学九段による「3月のライオン・トークショー」が始まった。司会進行は宏美女流二段である。
先崎九段は茶髪に無精ヒゲで、ただのオッサンにしか見えない。宏美女流二段はネコSHOGIバトル・フーリオ君のTシャツを着用し、シャレた帽子をかぶっている。しっかりシモキタ仕様だった。
先崎九段「私はマンガ『3月のライオン』の監修をしてるんですけれども、担当者の指示が大ざっぱなんですよ」
先崎九段、いろいろ話してくれそうである。「それで、局面もこちらで作りましてね…。
映画も先日から後編が始まりましたが、私はその制作にも関わっていて、2月から『3月のライオン』以外の仕事はしてないんですよ。もちろん将棋以外のですが」
以下、映画の話になる。「大友(啓史)監督は、『棋士は将棋を1日かけて指す』と呆れるんです。私も『映画だって5分のシーンを1日かけて撮るじゃないですか』と返す。それで大友監督が『どちらもおかしなことをやってるんだ』って笑っていました」







「この映画を作るうえで力説したのは、出演者の駒を持つ手つきですね。ほかをどんなにリアルに作っても、棋士役の手つきがヘンだとどうしようもない。連盟からは藤森(哲也)五段と村中(秀史)六段を派遣したんですが、俳優陣は、将棋の手つきなんてどうにでもなると思っていたフシがあるんですね」
私たちは興味深く聞く。「だけど伊藤英明さんたちは、10分でネを上げた。うまくなるにはどうしたらいいんですか、と。それで私は、とにかく駒を持ってください、馴れてください、とお願いしたんです」
「そうしたらさすがに俳優ですね、神木隆之介クンなんか、見違えるようにうまくなった。それで彼に、もう神木クンは駒の練習はいいから、これからコーチ役をやってくださいとお願いしたんです」
「あと伊藤英明さんには、対局時の棋士の心理を解説してくれって聞かれて、困りました」
先崎九段は筆が立つが、トークもうまい。
宏美女流二段が「将棋とは何でしょうか?」みたいなことを聞いた。
先崎九段「映画と将棋はムダなことを延々とやる。それをファンに楽しんでもらう。それって『夢』なんじゃないでしょうか」
宏美女流二段「子供さんが将棋を指す機会が増えていますが、アドバイスはありますか」
先崎九段「将棋の世界で勝つためには、小さいうちからやること。勝った人と負けた人の数は同じです。勝った人間と負けた人間で、大きな価値を作る。謙虚になる。威張らない。これが大切です」
最後は先チャンらしからぬマジメなまとめだった。
今回のイベントももちろん無料だが、このトークショーを聞けただけでも、数千円の価値があると思った。



(つづく)
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