一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

過去記事を推敲する

2016-10-13 21:54:01 | 将棋雑記
過去記事を読んでいると、我が駄文に呆れることがある。ふつうに書けばいいものを、こねくり回して冗長にしている。
ブログの便利なところは加筆訂正がいつでもできることだが、当時の文章を削除してしまうことにも、ある種の抵抗を覚える。
そこで今日は、過去記事のひとつを現在の目で推敲してみた。
素材は2013年1月18日の記事である。けっこう最近なんだな。

●原文
「1月16日のLPSA芝浦サロン(前編)・松尾香織女流初段復帰」

一昨年12月2日のLPSA芝浦サロンは、松尾香織女流初段の担当だった。私もお邪魔して指導対局を受けたが、松尾女流初段は調子が悪そうで、そのとき行っていた「芋焼酎勝負」も、「もう私の負け」と投げやりになっていた。
松尾女流初段が休場を表明したのはその直後。びっくりした半面、あの体調ならやむなしと、妙に納得したところもあった。
その松尾女流初段が昨年末に休場を解いた。私は松尾女流初段がこのまま休場を続けるか、最悪引退も覚悟していたので、これはうれしい誤算だった。
そして松尾女流初段は今月の16日に、芝浦サロンの指導対局にも名を連ねたのである。
松尾女流初段は、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」の5位である。「松尾香織復帰記念」として、これは芝浦サロンに行かねばと思っていた。
さて当日になったが、外は2日前の雪が残りすこぶる寒い。仕事を終えてからこの寒空を田町まで向かうのが億劫に感じ、予約の電話を入れるのに躊躇した。サロンに入れば現実的に出費もあるし、いっそのこと自宅でテレビでも観る方が賢明では…の思いもよぎった。
しかし、私は昨年の12月2日から駒を触っていない。どうせ指し初めをするなら、「大野教室」の大野八一雄七段より、女流棋士のほうが縁起がいい。
後悔するなら行ってからでよい。私はLPSAに電話を入れた。6時ごろ入る予定ですと言うと、聞き覚えのない声の女性から、では7時半の回にお越しください、と返された。ちょっと杓子定規な応対だな、と思った。
午後5時に仕事を終え、芝浦に向かう。芝浦サロンは昨年の3月以来、実に9か月ぶりである。田町駅で下車したがサロンには直行せず、「小諸そば」に入った。芝浦の小諸そばも久しぶりである。二枚もり・290円はもちろん健在で、これをチョイスする。
ゆでたてを冷水でしめた、つやのある蕎麦が出された。立ち食い蕎麦とは思えぬ完成度だ。蕎麦にワサビをつけ、そばつゆに付けてズルズルッ。うまい!! この蕎麦が毎日食べられる芝浦の人は幸せである。
いよいよサロンに入るが、緊張の極みだ。ドアを開けると、セミロングの髪をストレートに伸ばした女性が、初老の男性に指導対局中だった。貞子にも見えるが、あれが松尾女流初段だろうか?
時刻は6時5分。きょうの手合い係は藤森奈津子女流四段。3,500円の席料を払うと、あの彼女がこちらを見た。やはり松尾女流初段だった。懐かしい! 彼女はもともと快活なふうではなかったからアレだが、一応は元気そうで安心した。
予約は7時半の回だが、ほかに客もいないので、前倒しして対局をお願いする。
「髪、ストレートにされました?」
「私クセっ毛だから…」
松尾女流初段はそう答えつつも、うれしそうだ。髪型の変化を褒めると女性はよろこぶらしいが、確かにそうだ。
と、しばらくして松尾女流初段が
「少しふくよかになられました?」
と付け加えた。
ギクッ!! 再会早々ご挨拶ではないか。しかしこれが厳しい現実なのだ。
「アイスクリームを食べすぎまして…」
私は妙な言い訳をする。でも、頭の毛に言及されないだけマシだった。肥満は痩せる可能性があるが、抜け毛はよほどのことがない限り再生しない。
対局開始。松尾女流初段はブルーのアイシャドーを引いている。落ち着いた雰囲気だが、精気が抜けたようにも見えてしまう。
藤森女流四段がクジ箱を持ってきた。今月はキャンペーンとして、お年玉くじがあるのだ。1等は榧卓上盤である。1枚引いたら6等だった。いわゆる末等で、私はグッズ箱の中からAKB48の「永遠プレッシャー」のCDをいただいた。
「マッカラン勝負はどうなったっけ?」
と松尾女流初段。
「もちろんやってますよ。この将棋もそうですから」
松尾女流初段とは芋焼酎を懸けて一昨年から12番勝負を始めた。だがおととしは松尾女流初段に金曜日の登板があまりなく、昨年はお互い「休場状態」だった。だが私の中では、まだ芋焼酎勝負(その後、ワインに変更)は続いているのであった。私は改めて、松尾女流初段に継続の宣言をした。
その後も当たり障りのない会話をしながら指し手を進める。松尾女流初段は休場中、何をしていたのか。東京にいたのか。故郷の下蒲刈島に帰っていたのか。それとも各地を放浪していたのか。
ここでそれを聞く絶好のチャンスではあるのだが、それはヤボというものである。
将棋は私の大作戦負け。投了も考えていたのだが、それはあんまりなので指し継いでいたら、一瞬だけ逆転のチャンスが訪れた。しかしそれを見逃して、最後は無残な負け。松尾女流初段は、「大沢さんにお年玉をいただいちゃいましたー」とか無邪気によろこんでいるが、こっちはおもしろくない。
感想戦をやっていると、Tod氏が現れた。Tod氏は私を見るなり「帰らないでよー」と言う。もとより私も、1局だけで帰るつもりはない。おかわりの1,000円を出して、2局目をお願いした。ちなみにこの時点で、「大野教室」の席料を上回った。
Tod氏もお年玉くじを引く。やはり6等で、彼は歯ブラシを選んだ。しかしこれは未使用である。渡部愛女流3級か島井咲緒里女流二段が一度でも使用してくれたら、特等になるのだが…。そんな意味のことを言うと、藤森女流四段が「まだそういう話題をする時間じゃありません」とばかり、「シーッ」のポーズを取った。
私の将棋は、序盤の作戦が当たって優勢。しかし▲2四歩の突き捨てを怠ったため、意外に難しい戦いになった。最後は粘りを欠き50手までで投了。
スタッフのS氏も交えた感想戦が終わると、7時50分である。いま帰れば「相棒」が観られるのだが、Tod氏を置いて帰るわけにもいかない。
そのTod氏の局面は、下のようになっていた。

上手(飛車落ち)・松尾女流初段:1二香、2四歩、3二金、3四歩、4四銀、4五歩、5三角、5四銀、6二金、6三歩、7二玉、7三歩、8一桂、8三歩、9一香、9四歩 持駒:銀
下手・Tod:1六歩、1七香、2六歩、3六歩、3七銀、3八玉、4七金、4八金、5六歩、7九飛、8七歩、8八角、8九桂、9六歩、9九香 持駒:桂2、歩5

△4四銀まで。ここで下手の次の一手は。
(つづく)


●推敲後
「1月16日のLPSA芝浦サロン(前編)・松尾香織女流初段復帰」

一昨年12月2日のLPSA芝浦サロンは、松尾香織女流初段の担当だった。私もお邪魔して指導対局を受けたが、松尾女流初段は調子が悪そうで、そのとき行っていた「芋焼酎勝負」も、「もう私の負け」と投げやりになっていた。
松尾女流初段が休場を表明したのはその直後である。ビックリしたが、あの体調ならやむなしと、妙に納得したところもあった。
その松尾女流初段が昨年末に休場を解いた。私は彼女の引退も覚悟していたので、これはうれしい誤算だった。
そして松尾女流初段は今月の16日に、芝浦サロンの指導対局にも名を連ねたのである。これは芝浦サロンに行かねばと思った。
当日になったが、外は2日前の雪が残りすこぶる寒い。予約の電話を入れるのに躊躇したが、考えてみたら、今年になってから私は駒を触っていない。どうせ指し初めをするなら、「大野教室」より、女流棋士のほうがいいと思った。
LPSAに電話を入れると、聞き覚えのない声の女性から、7時半の回を指定された。
午後5時に仕事を終え、芝浦に向かう。芝浦サロンは昨年の3月以来、実に9か月ぶりである。田町で下車したがサロンには直行せず、「小諸そば」に入った。芝浦の小諸そばも久しぶりである。私が頼むはもちろん、二枚もり(290円)である。
ゆでたてを冷水でしめた、つやのある蕎麦が出された。蕎麦にワサビをつけ、そばつゆに付けてズルズルッ。うまい!! この蕎麦が毎日食べられる芝浦の人は幸せである。

サロンのドアを開けると、セミロングの髪をストレートに伸ばした女性が、初老の男性と対局中だった。貞子にも見えるが、あれが松尾女流初段だろうか?
時刻は6時5分。きょうの手合い係は藤森奈津子女流四段。席料を払うと、貞子がこちらを見た。やはり松尾女流初段だった。懐かしい! 彼女はもともと快活ではなかったが、元気そうで安心した。
予約は7時半だが、ほかに客もいないので、前倒しして対局をお願いする。
「髪、ストレートにされました?」
と私。
「私クセっ毛だから…」
松尾女流初段はそう答えつつも、うれしそうだ。「少しふくよかになられました?」
ギクッ!! 再会早々ご挨拶ではないか。
「アイスクリームを食べすぎまして…」
というどうでもいい会話を経て、対局開始。松尾女流初段はブルーのアイシャドーを引いている。落ち着いた雰囲気だが、精気が抜けたようにも見える。
藤森女流四段がクジ箱を持ってきた。今月はキャンペーンとして、お年玉くじがあるのだ。1等は榧卓上盤である。1枚引いたら6等(末等)だった。AKB48の「永遠プレッシャー」のCDをいただいた。
「マッカラン勝負はどうなったっけ?」
「もちろんやってますよ。この将棋もそうですから」
松尾女流初段とは芋焼酎を懸けて一昨年から12番勝負を始めた。だがおととしは松尾女流初段に金曜日の登板があまりなく、昨年はお互い休場状態だった。だが私はもちろん、芋焼酎勝負を続けていた。私は改めて、松尾女流初段に継続の宣言をした。
その後も当たり障りのない会話をしながら指し手を進める。松尾女流初段は休場中、何をしていたのか。それを聞くチャンスではあるのだが、それはヤボというものであろう。
将棋は私の大作戦負け。投了も考えたのだが、それはあんまりなので指し継いでいたら、一瞬だけ逆転のチャンスが訪れた。しかしそれを逃して、最後は無残な負け。松尾女流初段に「大沢さんにお年玉をいただいちゃいましたー」とよろこばれてしまった。
感想戦をやっていると、Tod氏が現れた。私を見るなり「帰らないでよー」と言う。私も1局だけで帰るつもりはないので、おかわり対局をお願いした。
ちなみにこの時点で、「大野教室」の席料を上回った。
Tod氏もお年玉くじを引くと6等で、彼は歯ブラシを選んだ。しかしこれは未使用である。
「愛ちゃんか島井ちゃんが使ってくれたら、特等になるのにねえ」
私が軽口を飛ばすと、まだそういう話題をする時間じゃありません、とばかり藤森女流四段がシーッ、のポーズを取った。
私の将棋は、序盤の作戦が当たって優勢。しかし▲2四歩の突き捨てを怠ったため、意外に難しい戦いになった。最後は粘りを欠き52手まで投了。
スタッフのS氏も交えた感想戦が終わると、7時50分である。いま帰れば「相棒」が観られるのだが、Tod氏を置いて帰るわけにもいかない。
Tod氏の将棋は、以下になっていた。

ここで次の一手は。
(つづく)


こんな感じか。少し文章がスッキリしたと思う。
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4 コメント

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初稿 (田楽)
2016-10-14 19:41:34
 私の無責任な好みから言えば、原文の方が圧倒的にいいと思いました。

 失礼ながら、推敲後の文章は、一目、お役所文書みたいで、つまらなく感じました。

 私の経験でいえば、私自身の文章も推敲を重ねるごとにつまらなくなります。最後にはカスカスの骨だけが残った感じになります。公表論文の話ですが。 
 (一公)
2016-10-14 22:48:11
>田楽さん
おお、そうですか。
原文は何かごちゃごちゃした感じですが、それが生々しくていいんですかネ。
いろいろな見方がありますね。
いや、勉強になりました。
図面 (Tod氏)
2016-10-15 08:29:41
超お久し振りのコメントです。
お疲れ様です。
いつも相変わらずにブログを楽しませて頂いておりやす。
吾輩が出ていたのでコメント致しやす。
吾輩は直した方の図面がある方がイイと思います。
局面が端的に解りやすいので図面があった方がネ・・・。
ちなみに将棋が終わった後に確かサイゼリヤに食事に行ったのを覚えています。(確か、途中コンビニに立ち寄りこの飛車落ち戦をコピーしたのも覚えています。)
コピー (一公)
2016-10-16 02:40:48
>Tod氏さん
図面はあったほうがいいでしょうね。田楽さんもそこは首肯すると思います。
サイゼリヤに行きましたかネ。記譜をコピーしたのは何となく思い出しました。
人間、けっこう物事を憶えているものですね。

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