一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

美の競演・11「帰るか否か」

2017-05-12 00:12:07 | 将棋イベント
11日のTBSラジオ「伊集院光とらじおと」のゲストは三浦弘行九段。なかなか興味深いトークだった。
聞き逃した人は「Radiko」で、次週のこの時間まで、3時間だけ聴けます。

   ◇

中盤のむずかしいところ。阿部健治郎七段は▲9九玉と寄った。松尾流穴熊からパンツを脱いだ形で、▲9八香の一手を活かしている。さすがにプロはうまく指すものだ。
ここで織田信長とワハハ本舗の佐藤正宏が登場した。佐藤正宏は「天童観光大使」のタスキを掛けていた。さっきのトークショーの3人目は、氏だったかもしれない。
佐藤正宏は藤井猛九段らに形勢を聞くが、むずかしい、の返事。そこに神木隆之介と大友啓史監督が三たび現れた。神木ファンもこの展開は読めなかったのではないか? 両人はけっこう時間があるみたいだ。ふたりとはトークショーのときよりはるかに距離が近くなり、ここまで残っていた神木ファンには、大変なご褒美となっただろう。
神木隆之介と大友監督は別所でキャンペーンがあるとかで、佐藤正宏とともに去っていった。
しばらくして聞き手が室谷由紀女流二段から中村桃子女流初段に交代した。
三浦弘行九段が△3七馬を△4七馬とする。▲4七歩が動き、これで不動駒がなくなった。
「これを待っていた」と阿部七段は▲5五桂(第2図)。飛車銀両取りで、馬筋が逸れたので打てたのだ。三浦九段も△5七歩成と攻め合いに転じ、おもしろい戦いになった。

第2図以下の指し手。△5七歩成▲4三桂成△6七と▲5二成桂△7八金▲8九香△7七と▲7八銀△同と▲7九金△同と▲同銀△5二金▲5三歩△5七馬▲5二歩成(第3図)

中村女流初段は春らしいミニスカートで、聞き手もソツなくこなす。笑顔もかわいらしく、人妻なのに、おのが女流棋士ファンランキングがぐんぐんアップしていく感じだ。





第2図からは壮絶な攻め合い。後手が有利に見えるが、「先手は▲8九香が意外によく利いていますね」と藤井九段。私はどちらが勝ちだかまったく分からなかった。

第3図以下の指し手。△6六馬▲8八香△8七桂▲8九玉△6七馬▲7八金△7七桂(投了図)
まで、三浦九段の勝ち。

第3図で後手玉は詰まないから、ここは△7九馬と踏み込むと思った。
が、三浦九段は「この将棋が終わるのは残念じゃ」と言って、△6六馬!! と一マス引いた。
「あっ!!」と阿部七段が叫ぶ。
即詰みだったのだ。先手は▲8九香がよく利いているから、まだ粘れると私たちは見ていた。とはいえこの詰みは阿部七段もうっかりしていたようだ。
以下詰み上がりまで指して、「三浦殿が元気そうで安心したぞ。負けました」と、阿部七段が投了した。

「珍しい詰め形ですね」
と藤井九段。
武者がさっそく織田信長に結果を報告し、三浦九段と西軍が勝鬨を挙げた。三浦先生、素晴らしい将棋でした。
さて、このあとが問題である。現在午後2時30分。帰りは高速バスかJRの鈍行で帰りたいが、夕方発の東京行き高速バスはなさそうだ。夜行バスで帰る手もなくはないが、往復の利用は避けたい。よってJR利用となるが、15時12分の上り奥羽本線に乗れば、6度の乗り換えを経て、翌日00時14分に自宅最寄り駅に着くことが分かった。
それには今から天童駅行きのシャトルバスに乗らねばならない。しかし3時からは藤井九段らによる「天童百面指し」がある。今回の対局者100人は事前に決められているので私は教えてもらえないが、前日のように室谷女流二段や中村女流初段を鑑賞はできる。
しかしそこで時間を食えば、ワープのために新幹線を利用せねばならない。すなわち女流棋士の撮影&鑑賞時間が、そのまま新幹線代に化けるのだ。
私は相当苦悩したが、昨日両女流棋士を堪能したので、ここは帰ることにした。室谷女流二段の撮影機会さえ蹴る。この理解不能な選択もまた、私の性分なのだ。
…が、シャトルバス乗り場に行くと、長蛇の列である。そうか、これだけの観覧客がいたのだ、当然そういうことになる。
あとは徒歩で駅まで行くしかないが、30分余では到底着かない。
これは「女流棋士をまだ撮れ」という神様のお導きかと私は踵を返したが、三浦九段の縁起餅まきは終わってしまっていた。これも逡巡した報いだ。
なお、1,500人分の無料蕎麦は店じまい。もうハケてしまっていた。
人間将棋会場裏の芝生ゾーンに行くと、100面指しの準備が整っていた。テーブルは桜の花びらの形に設えられ、櫓側が男性棋士ゾーン、その奥が女流棋士ゾーンとなっていた。
時刻は3時を過ぎ、まず藤井九段が指導対局を始めた。今回は5棋士だから、男性棋士は25局前後、女流棋士は12局前後となろうか。しかしこれらを1時間半で終わらせることはできるだろうか。
その後三浦九段と阿部七段も順次登場し、対局を始める。こちらの観戦に夢中になっていたら、いつの間にか室谷女流二段と中村女流初段が登場し、指導を始めていた。



















女流棋士は前日と違う服装で、室谷女流二段は紺のカーディガン系を羽織り、中村女流初段は白のワンピース系だ。男性棋士は連投でもスーツひとつで済むからラクだが、女流棋士は大変だ。
私はカメラを構えるが、室谷女流二段に「近づくな」オーラが出ている気がして、気軽にシャッターを押せない。むしろ今日は中村女流初段のほうにカメラを向けたい感じだ。
しかし不思議なのは、5棋士に均等に観戦者がいることだ。東京で同じ事をやったら、両女流棋士に将棋ファンが集まるのではないか?
対局者には子供や女性の姿が多い。棋士方はどのくらい緩めてくれるのだろう。
ミスター中飛車氏の姿があった。今日は将棋盤の余裕がないので、中飛車氏は見学のみだ。
芝生席には各ブースが出ていて、「ネコSHOGIバトル」もあった。島井咲緒里女流二段もいたが、完全にスタッフだ。
もう片付けに入っていて、一段落したらツーショット写真でも撮らしてもらおうかと思うが、うまく事が運ぶかどうか。
中村女流初段は陽があたって撮りやすいが、室谷女流二段はいつも奥まったところにいて、撮りにくい。
シャトルバスの最終は16時40分、の放送があった。しかしさっきの行列を考えると、早めに行って並ぶ必要がある。
「ネコSHOGIバトル」のブースは閉まり、島井女流二段は風のように帰ってしまった。私は絶好のチャンスを逃したわけだが、まあ、そうなるであろう。
指導対局は続いている。4時10分を過ぎ、そろそろ感想戦に入ってください、の放送が入った。中村女流初段が対局途中で感想戦に転じる。やはり時間が足りなかった。指導対局の場合、下手は常時ノータイムで指す感覚でないと、必ず時間が足りなくなる。
名残惜しいが、これで天童桜まつり会場ともお別れである。私は両女流棋士を間近で拝見できて、夢のような2日間だった。本当に天童に来てよかった。
(つづく)
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