一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

美の競演・4「発想の転換」

2017-04-29 20:42:16 | 将棋イベント
室谷由紀女流二段は△2九銀成。ここは竜もあるが、すでに何手か動いたので、銀に活躍の場を譲ったのだ。中村桃子女流初段は、「次の対戦を楽しみにしておる。今日はここまでじゃ。無念じゃ」と投了した。

【投了図は△2九銀成まで】

この勝敗はすかさず織田信長に伝えられた。
対局者のコメント。
由紀女流二段「駒たちがよく動いてくれて、見晴らしもよくて、またこの舞台で指したいと思いました」
桃子女流初段「きょうは皆さんといっしょに将棋を指しているような一体感を味わいました。またこの場でリベンジできるようにがんばります」
続いて阿部健治郎七段。「銀冠からすべての駒を活用して、最後は綺麗な詰みだったと思います」
聞き手の北尾まどか女流二段。「おふたりの掛け合いが楽しくて、いいイベントだったと思います」
最後に西軍の勝鬨が行われる。由紀女流二段と20人の兵がズラッと並び、「エイ、エイ、オー!!」とやった。将棋は孤独な戦いだが、これはある種の団体戦であり、由紀女流二段のよろこびも格別だったと思われる。感動的な大団円であった。





この後は由紀女流二段と阿部七段、武者らによる「縁起餅まき」があるらしい。しかしその後、私は衝撃的な放送を聞くことになる。それは何と、3時からの指導対局の参加者への案内だった。
…何!? もう参加者は決まったのか!? そんな受付、どこでやってたのだ!?
私もこの手の放送には気を付けていたのだが、受付云々は聞かなかった。どこかで一言言ってくれてもいいじゃないか!
私が人間将棋に夢中になっていたのも悪いのだが、納得がいかない。本日最大の楽しみが奪われて、私は消沈した。
室谷女流二段らの餅まきが始まった。もしキャッチできれば一生の宝物になるが、まあこういうモノは捕れないとしたものだ。私は室谷女流二段の笑顔を目に焼き付けるに留まった。ただ何だか、流れがすごく悪くなっていた。



とりあえず人間将棋会場を出ると、フーリオ君がいた。午前中も見たが、先月の府中に続き、また彼に再会できるとは思わなかった。もはやフーリオだけだ、私を癒してくれるのは。
人間将棋会場では、参加者の記念撮影が行われていた。







このあとの指導対局者は、阿部七段、室谷女流二段、中村女流初段であろう。女流のふたりに指導を受けるファンは夢心地だろうが、私はおもしろくない。もう帰っちゃおうかと思ったが、ホテルにチェックインするには早すぎるし、ほかに行きたいところもない。結局私は指導対局を見るしかないのだった。
裏の原っぱにはすでに準備がなされていた。対局を待つ客の中に、東京で見た愛棋家が何人かいた。彼らがそこに座っているということは、ちゃんと受付を済ませたということだ。クソッ、いまいましい。彼らもわざわざ山形くんだりまで、ご苦労なこった。
まず阿部七段が現れ、指導対局を始めた。盤面は数えていないが、たぶん15面指しだろう。ちなみに9年前の私は片上大輔六段に当たり、飛車落ちで教えていただいたものだ。
やや遅れて、室谷女流二段と中村女流初段も登場した。おふたりとも春の装いだ。そして、何という美しさであろう。満開の桜か、室谷由紀か中村桃子か、というところである。
私はカメラを構えたが、あれっと思った。このシチュエーションなら、ここでうんうん将棋を考えるより、観戦者として室谷女流二段と中村女流初段を撮影させていただくほうがベターなのではないか?
で、さっそく室谷女流二段を撮った。こんな至近距離で撮るのは初めてで、緊張する。関係者からお咎めがあればすぐにカメラを仕舞うつもりだったが、撮影は黙認のようだった。何だかカメラ小僧の血が騒いできた。
室谷女流二段が髪をかき上げる。左手の人差し指に指環がはめられている。これの意味するところを由紀ファンは理解しないといけないと思う。
あ、いま室谷女流二段がこっちを見たんじゃないか? な、何で私がオロオロしなくちゃいけないんだろう。盗撮しているわけじゃないのに、咎められた気分だ。
中村女流初段のほうに行ってみる。ふたりは並んで指しているので、私の移動距離が短くて済むのだ。
彼女は室谷女流二段比べてやや顔を上げているので撮りやすい。既婚女流棋士には関心度は落ちるが、中村女流初段のみずみずしさは特筆モノだと思う。
傍らでは一般の将棋も行われている。ガタイのいいサングラスのオッサンが、女性相手に3面指しをしている。しかも彼の横にも美女がいる。彼はカタギじゃないなと思った。
奥の阿部七段は黙々と指している。私は室谷女流二段と山口女流初段を交互に撮り、合間に阿部七段を撮る感じだ。



対局者は年配の男性からちびっ子諸君まで幅広い。中には妙齢の女性もいるが、そこは女流棋士のお姉様が、巧妙に緩めてくれるのだろう。
…あれっ!? ミスター中飛車氏!? さっきのサングラスのオッサンがサングラスを外したら、ミスター中飛車氏だった!!
人恋しさもあって、私はつい声を掛けてしまった。
それにしても中飛車氏、天童まで来て女性相手に3面指しとは、訳が分からない。彼女らは現地調達なのか、東京から同行してきたのか。
何だかそこに触れてはいけない気がして、たいして話もせず、私はその場を離れた。
対局開始から小一時間、そろそろ終わったところも出てきたようだ。室谷女流二段は感想戦に入ると、しゃがむ。つまり対局者の眼下に室谷女流二段の顔が位置するわけだ。それで下から見つめられたらたまらない。男性陣はこれで全員陥落する。由紀教の仲間入りというわけだ。
感想戦が終わると、女流棋士から終了証が渡されていた。
中村女流初段の一局は、詰むや詰まざるやになっている。

第1図から男性氏は▲7一角と打ったが、中村女流初段は「…うーん、ちょっと詰まないようです」と、指し直しを促す。「たぶん、ほかの順で詰みがあると思います」
この辺が女流棋士の優しいところで、負けることに抵抗がない。ちなみに私だったら、ニンマリしてそのまま進めてしまう。
私も考えるが、17手詰のようだ。
(つづく)
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