一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

美の競演・14「帰京」

2017-05-16 00:19:05 | 将棋イベント
(14日のつづき)
シャトルバス乗り場に行くと、意外と人はいなかった。
天童駅行きのバスは定員に満たず、16時20分の便が出発した。
天童駅に着く。私は駅の窓口で東京までの普通切符を買わなければならない。順番待ちをしていると、「週末パス」のポスターが目に入った。
…これ、売られていたのか?
「週末パス」は、土日のJR東日本の在来線一部エリアが乗り放題で8,730円。新幹線利用の場合はその都度特急券を買う必要があるが、それでもふつうに目的地を往復するよりははるかに安い。私の場合、行きは高速バスで安く来られたが、帰りは通常料金を払うので、結果的には週末パスのほうが安く上がった計算だ。
ただそれだと霞城公園の桜並木は観られなかったし、桜まつりも開幕から見られなかった。それぞれ一長一短があるわけで、結果オーライだったと割り切るよりない。
私の番がきた。
「東京まで普通列車のみの切符をください。新幹線は途中で乗ります」
新幹線は当日中に帰京できる時間に乗るつもりだ。
「仙台回りですか?」
「仙台…? 早く着くほうで」
「では仙台ですね。もうこちらのほうで発券しておきました」
切符を見ると6,800円である。私の調べでは6,260円だったから、おかしい。私は東北地方の路線図に弱いのだが、そもそも仙台はどこにある? 福島の上だ。
私は奥羽本線を乗り継いで山形→福島に出るつもりだったのだが、山形から仙山線に乗り換えて仙台→福島と出たほうが早く着くのだろうか。
よく分からないが、小腹がすいた。よく考えたら、私は朝からおにぎり3コしか食べていなかった。
駅に隣接する建物には1階に軽食喫茶があったので、そこでかけそばを頼んだ(350円)。
かけそばとはいえ蕎麦どころだから期待したのだが、味はやや期待はずれだったか。ただし店のオバチャンがキャンディーをくれたのはうれしかった。
駅に戻り、17時03分の上り奥羽本線に乗る。タイム20分で山形に着いた。次の仙山線仙台行きは17時59分、奥羽本線米沢行きは17時35分である。
仙山線の接続の悪さはなんだろう。しかも仙台回りは、米沢回りよりやっぱり距離が長い。だから運賃も高くなったのだが、私は仙台から新幹線に乗るつもりはないので、米沢行きに乗る。正規のルートから外れたが、こっちは540円も余計に払っているから、文句は言わせない。
出発を待っていると、右手に山形新幹線つばさが入線した。17時32分発の東京行きである。これに乗れば簡明だが、特急料金(自由席)が4,300円もかかり、とても利用する気がしない。新幹線は特権階級の乗り物である。
とはいえこの「つばさ」に乗れば、仙台から新幹線に乗るより、早く東京に着く。
…チッ、あの天童駅員、適当なこと言いやがって、在来線でも新幹線でも、米沢周りのほうが早ぇじゃねぇか!!
結局頼れるのは自分自身。どの行程で行くか、しっかり決めなかった自分がわるいのだ。
つばさが発車したあと、我が列車も発車する。再び小腹がすいたので、朝に買ったみたらし団子を食べる。さっきのかけそばと合わせ、これが今日の夕食だ。しかし今回の旅も、まことに味気ない食事ばかりだった。
18時25分、米沢着。次は17分の待ち合わせで、18時42分発の福島行きだ。
この区間は乗客が多く、立ちっぱなしを余儀なくされた。
あたりはすっかり暗くなって、19時28分、福島着。再び17分の待ち合わせで、19時45分発の黒磯行きに乗った。
私はドア付近のシートに座り、スマホでAbema TVを観る。今日は羽生善治三冠VS藤井聡太四段の対局が放送されているのだ。
解説は佐藤天彦名人と阿久津主税八段、聞き手は中村桃子女流初段だった。中村女流初段はさっきまでナマで拝見していたから、奇異に映る。
将棋は角桂と金の交換で羽生三冠が駒得だが、藤井四段は虎の子の金を3五に据えて、けっこう攻め筋がある。
これをずぅっと見ていたいが、スマホの電池に限りがある。新幹線に乗れば、コンセントが備えてあるかもしれないので、それに期待した。
21時45分、黒磯着。8分の待ち合わせで宇都宮行きに乗った。
さらに鈍行を乗り継げば00時37分に赤羽に着くが、その先の当日運行がもうない。赤羽からタクシーを利用すればいいが、タクシーは使わない主義である。よって黒磯の1つ先、那須塩原で東北新幹線に乗ることになった。
21時57分、那須塩原着。ここから22時10分の「なすの284号」東京行き最終がある。
券売機に行って特急券の購入を試みるが、往復切符の表示が出たりする。片道切符にして再度購入を試みるが、やはり運賃が5,180円(特急料金の2倍)になってしまう。
もう時間がないので、特急券は車内で買うことにさせてもらい、入場した。
新幹線の時間の正確さは世界一で、だいぶ昔東海道新幹線に乗った時、時計を片手に終点東京の到着時間のズレを調べたら、「00秒」にスーッとドアが開き、恐れ入ったことを覚えている。
なすのはガラガラ。私は窓際に座り、足元にあるコンセントにプラグを挿して、Abema TVの将棋中継を見た。昔なら松本清張を読んだりボンヤリしたりしたものだが、時代は変わったのだ。
ああ、と思った。那須塩原から東京までの在来線料金と特急料金自由席は、たまたま同じ2,590円だった。だから私は混乱してしまったのだ。
車掌がきたので、特急料金を払う。だがこれだけ在来線に乗っても、山形からつばさを利用したとして、1,710円しか節約できていない。しかも今回は540円を余計に払ったから、さらに費用対効果がわるい。これなら舞鶴山で最後まで女流棋士を撮影するべきだったが、もう遅い。この判断の甘さが、私の人生のすべてである。
将棋は藤井四段が優勢。解説の二人ははっきり言わぬが、「もう将棋は終わっている」感じだ。
藤井四段が羽生玉を受けなしに追い込んだかに見えたが、羽生三冠は捨て身の粘りを見せる。
しかし藤井四段は冷静に対処し、▲4七金と角を外した。
…というところで23時04分、なすのは上野に到着した。私はスマホを閉じて降りたが、これは藤井四段が勝つと思った。
(おわり)
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