一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第10回世田谷花みず木女流オープン戦(1)

2017-05-17 00:03:59 | 将棋イベント
第10期マイナビ女子オープン五番勝負は、3連勝で加藤桃子女王が防衛した。挑戦者の上田初美女流三段も好調と見られていただけに、この数字は意外だった。
加藤女王は賞金500万円獲得。棋士四段を目指すのもいいが、女流棋士のトップを目指すのもわるくないと思う。

   ◇

4月29日(祝・土)は、世田谷区の二子玉川まで、「第10回世田谷花みず木女流オープン戦」を見に行った。
今回の出場女流棋士は、渡部愛女流初段、里見咲紀女流初段、飯野愛女流1級、塚田恵梨花女流2級の4人。前週に続いて、「女流棋士ファンランキング」の1位を拝見できるのだ。なお室谷由紀女流二段は前回の優勝で慣例により卒業。今日は別所でのイベントに出演するため、こちらへは聞き手の出演もなかった。
また今回は第10回記念ということで、夕方から中村真梨花女流三段、鈴木環那女流二段らのトークショーも予定されていた。
会場はおなじみの「玉川高島屋S・C」6階、開演は午前10時30分。その10分前に会場入りしたが、今年は昨年ほど混んではいなかった。やはり昨年は室谷人気が絶大だったのだろう。
後ろのほうのベンチに座ると、肩を叩かれた。振りむくとKaz氏である。彼がこの場に来るのは珍しいが、仕事は大丈夫なのだろうか。
定刻になり、対局者と解説者が登場した。向かって左から対局者4人、中村修九段、森下卓九段、上田初美女流三段、中井広恵女流六段である。
今年も撮影タイムが設けられていて、ここで1回目。だがフラッシュ禁止のうえ、撮影者も多く、思うように撮れなかった。写真の巧拙はともかく、自由に撮影ができた天童は本当によい環境だった。
準決勝第1局は渡部女流初段VS里見女流初段。まず戦前のインタビュー。
渡部女流初段「優勝したいんですけど、まず目の前の一局をがんばります」
里見女流初段は昨日誕生日だったらしい。「今日はがんばります」
里見女流初段は身長が165cmあるとのことで、そこはポイントが高い。もっと活躍すれば、私の「女流棋士ファンランキング」にランクインするだろう(ただし、それを発表する気力が私に残っているかどうか)。
中村アナウンサーの紹介文では、渡部女流初段が「北海道の若き妃」、里見女流初段が「終盤が強い」とされていた。
解説担当の中村九段「居飛車対振り飛車の綺麗な将棋が見られると思います」
聞き手担当の上田女流三段「この年代は仲がいいですが、盤の上では火花が散る将棋が見られると思います」
控え室脇には、中倉宏美女流二段と島井咲緒里女流二段の姿があった。島井女流二段を目にするのは1週間ぶり。もっとも私がLPSAに入れ込んでいたころは、このくらいの間隔で会うのも珍しくはなかった。
いよいよ対局開始である。

初手からの指し手。▲7六歩△8四歩▲5六歩△3四歩▲5五歩△6二銀▲5八飛△4二玉▲4八玉△3二玉▲6八銀△5二金右▲5七銀△8五歩▲7七角△3三角▲5六銀△4四歩▲3八銀△2二玉
▲2八玉△1二香▲1六歩△1一玉▲3八銀△2二銀▲6五銀△4三金▲5六飛△3一金▲7五歩△4二角▲7六飛△9四歩▲9六歩△1四歩▲4六歩△5一銀(第1図)

先番里見女流初段の中飛車に、渡部女流初段の居飛車となった。
この対局室の壁には、「在此一戦」(コノイッセンニアリ)の額が掲げられている。関根金次郎十三世名人の書だという。
中村九段「これからの将棋界は、女流棋士も解説しないといけません」
それだけ女流棋士のレベルが上がってきたと認めているのだ。
渡部女流初段は△3三角から△1二香。渡部女流初段は意外に穴熊採用率が高い。
中村九段「中飛車は▲5八金左~▲4七金とできないからやりたくないんですよ」
先手は腰掛銀から▲6五銀と出た。上田女流三段「(この形は)私はイヤな思い出があるんですよ。お姉さん(里見香奈女流名人)と指しまして」
先の女流名人戦五番勝負のことをいっているのだろう。
里見女流初段は▲5六飛と浮き、▲7六飛。中村九段は△5四歩の変化を解説する。大盤なので、当然「こうきて、こうきて…」と、指し手の符号は言わない。ただし私の位置からでは、盤の下半分が見えない。これは毎年の課題なのだが、設営側に改善の意識がないのだからしょうがない。
大盤解説は指し手の変化なかりでなく、ユルイ話も入れなければならない。渡部女流初段らの年代は、今がいちばん楽しい時期、という話になる。上田女流三段もいまがいちばん楽しいのではないか。

第1図以下の指し手。▲7四歩△6二銀▲5八金左△7四歩▲同銀△5四歩(途中1図)

▲4五歩△7五歩▲5六飛△8四飛▲6五銀△5五歩▲同角△7三桂▲4四歩△同金▲同角△同飛▲5四銀(第2図)

里見女流初段、▲7四歩と突っかけた。「若い!」と中村九段。渡部女流初段は△5一に引いた銀を再び△6二銀と上がった。
上田女流三段「最近の若手は序盤がうまいなという気がします」
▲5八金左。「振り飛車でいつも思うことは、香を1つ上がるか2つ上がるかです」と中村九段。プロでさえ迷っているのだから、私レベルで分かるわけがない。結局香上がりは指運だ。
この間に渡部女流初段が秒読みに入った。両者は盤に顔をくっつけるようにして考えている。△7四歩と歩を取り、▲同銀に待望の△5四歩。
再び、子供を産んだ女流棋士の話になる。上田女流三段は幸せいっぱいで、オーラがあふれている。中村九段「子供を産んだ女流棋士は怖いもんないでしょ。しかも復帰した女流棋士は、将棋が1.5倍強くなっています」
将棋は中央から小競り合いが始まった。
中村九段「将棋は相手がいるから、自分のイメージ通りにならないんですよ」

第2図以下の指し手。△8三角▲4五歩△5六角▲4四歩△8八飛▲7九金△8七飛成▲4三銀成(途中2図)

△6四角▲5二飛△3八角成▲同玉△5一銀打▲5六飛成△7六竜▲同竜△同歩▲5二歩△5七歩▲同金△6五桂▲5六金(第3図)

渡部女流初段、△8三角と放つ。「え?」「え?」と解説の2人が同時に発した。「これは全然気が付きませんでした」
お互い飛車を取り、渡部女流初段△8八飛。中村九段「もう、切り飛ばす準備してますヨ」
そこで里見女流初段は▲7九金と当てた。中村九段「あ! 受ける棋風なのか」
△8七飛成▲4三銀成(途中2図)。ここは歩が成りたいところだが、上田女流三段は「柔軟な発想ですね」と感心する。
△6四角に▲5二飛が角銀両取りだ。里見女流初段はこの手を指したかったのか。
渡部女流初段は△3八角成と切って△5一銀打。「おおー」と中村九段。凄まじいねじりあいだ。中村九段と上田女流三段も唸る回数が増えてきた。
上田女流三段「里見さんは自信を持って指している気がします」
第3図で渡部女流初段は銀取りになっており忙しい。私は次の手がまったく分からなかった。

(つづく)
ジャンル:
ウェブログ
コメント (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 美の競演・14「帰京」 | トップ | 第10回世田谷花みず木女流オ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
第3図から・・・ (Tod氏)
2017-05-18 00:15:54
第3図から後手は4筋と5筋に歩を打てますが・・・
持ち駒・・・歩が二枚と飛車一枚、さて如何に?
渡部愛女流初段の次の一手は?
いい読み (一公)
2017-05-18 00:38:56
>Tod氏さん
いい線いっています。
どうせなら一手書いてもらいたかったです。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。