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戸別所得補償制度は意外と専業農家向けの制度となっている

2010年06月05日 | 農政 農業問題
この一週間は本当に驚いた。
事業仕分けのナンセンスさを書いていたら、突然鳩山が辞任。
民主党の政策体系のなさを嘆いて、政調を作れと書いていたら、菅が代表当選後、早速政調を作って玄馬に任せるという(まだ情報は定かではないが}。

今度はまともな政策論議ができるのかもしれない。
菅が代表になって、密室と選挙の好きな小沢を外したところが大きい。
なにより政調も作ると言うのが大きいし、、国家戦略局をどう機能させるのか、官邸機能をどう主導的なものに再編するのか、官僚との距離感もどう正常なものにするのか、、
国会議員を選挙屋にしてしまった罪は重い。
必要なのは、経済成長を如何に実現するかしかない、、日本の政治は、これは安倍政権の時も言ったことだが、、経済さえしっかりしていれば、子供手当も、戸別所得補償も、消費税も、みんなうまくいくはずなのだ。
しかし菅の成長戦略は怪しい。
民主党内部での専門家に任せるべきだろう。


戸別所得補償の最大の課題は制度の持続可能性
一に財政問題だが、農民の対応が、民主党が抽象的に考えてきたのと明らかに違うことが明らかになってきた。
当初の農民イメージは、金をばらまけばついてくると言ったもの。
直接所得補償制度は、戸別所得補償と言った小沢プランとなって、全農家対象にと換骨奪胎。
07年の参院選以来、自民も、民主も票ほしさのバラマキ合戦を繰り広げた。

しかし、農家は意外とクールにみている。
この戸別所得補償の論点は三つ。
①生産調整を強制的なものから選択制へシフト
②米をいっぱい作らせて自給率を向上する
③米を中心として新規ビジネスを起こす六次産業化

とするなら、これは小規模な農家にとっては何のメリットもない。
元々小規模農家には生産調整に参加していないフリーライダーが多かった。
生産調整は、米生産のかなりのシェアーを大規模農家が占めることによって初めて有効に機能するもの。しかし、大規模農家の生産シェア-はわずか四割程度。
六割がモラルハザードを起こしてる人が多い小規模農家=農協出荷者と自給農業者なのだから、いくら締め付け的強制をしても生産調整達成率100%にならないのはあたりまえ。
つまり小規模農家にとっては選択制になろうが関係ないのだ。

二番目の自給率向上のためにもっと米を作るというのも、小規模農家にとってはむしろ逆ねじを巻かれるようなもの。
彼らの最大関心事は米価を維持し、作った物を市価より高く売れればいいというモノ。だから、「もっと作ったら過剰になって米価が下がるのではないか」、、との懸念が広がり、これも彼らの意向に沿わない。
彼らは自分で価格を作るという感覚は皆無。
米価は政府から与えられるモノ。
その政府が過剰を放置している、放置どころか推進しているのては、この制度に疑問をもつのは当然かもしれない。

米価を下げることが六次産業化や輸出を可能とさせると考えるのは本当の農家のみ。イノベーターのみだ。
だから戸別所得補償は、本物の農家、たとえば大潟村の農家のような、そんな農家には意味のある制度となる。
つまり、①から③は小規模農家にとって、何らメリットはないのだ、そんな代償を払って10アール1万5千円もらうより、今のままで米価を維持してもらった方がいいというのが、農協=小規模農家の発想だ。

小沢が当初考えた小規模対策との思惑からは大きくそれてしまっている。
この辺は、浅川が、戸別所得補償は小規模農家対策でしかないとして批判していたのも結局は当たらなかったとみてよい。

結論は、戸別所得補償は、大規模複合農家を支える制度として機能しそうなこと。
来年度以降は、それらの農家を対象に直接支払いを仕組めば、予算は現在の半分以下ですんでしまうことになる。
制度参加への手上げ方式を主張している私にとっては思惑通りになっている感がある。
ただ、制度参加を促すために農協を通じた参加を募るという情報が入ってきているが、これなどやってはいけない禁じ手だろう。
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1 コメント

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大規模複合農家を支える制度? (uncorrelated)
2010-08-11 06:03:20
主業農家の収益源である、野菜や果物には優遇が少ない制度になっていますね。
また、変額部分は努力不足で収益が少ない農家が、恩恵を受けやすい制度になっているように感じます。

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