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余丁町散人が評価してくれた『ニッポンのコメ』

2006年08月25日 | 農政 農業問題
2001年に新しい職場に移ったのを記念して本を出した。
題して『ニッポンのコメ』。
これは本来中央集権的、利益誘導型社会の終わりをコメを例に語りたかったもの。
不利益配分がこれからの社会では必要とされる(これも当時はその様な認識は薄かった)が、それを護送船団、不利益平等配分発想の米政策では、日本のコメはダメになりますよと警鐘を鳴らしたかったもの。「不利益平等」などという言葉にも、違和感があったのだろう。
不利益を平等にではなく、分配するためには、市場原理を使い、かつ、他方に、経営所得安定政策のセーフティネットを張り、構造改革を進めることが肝要という趣旨の本。


小泉政権が誕生する1年前に出した本である。

この本を最近、ブログの世界では有名な、「余丁町散人の橋本さん」に「良書」と評価していただいた。うれしいかぎりである。
この年になると、正直にうれしいとは言えず照れてしまうのだが、5年たっても評価に値するというのはありがたい。

余丁町散人橋本尚幸さん。商社へ勤められたあとの隠居生活とのことだが、農業問題にも多くの意見をのべていてじっくりと読んでみたが、なんとあの「農協新聞」までターゲットになり、梶井功や高木勇樹など、普通の人は知らない名前まであるではないですか。商社時代には、穀物取引でも手がけられていたのでしょうか?
この方、もはやそんじょそこらの農業経済学者など足元にも及ばないぐらいの農政のプロですよ。

農協新聞には、私も記事を載せたことがあるが、一度は考えが違うとして執筆をことわったもの。そうしたら「私たちは別に偏よってる訳ではなく(そう思われてるからあえて弁明するのでしょうが、しかもその際にはK先生の実名を出して、決してその路線で編集しているわけではないとも申し添えておりました)、多くの方々のご意見を紹介したいと思っているので」という。今日HPを見ましたら、私の記事は消えていました。

余丁町散人の農業問題のコメントはなかなかに向こう受けします。
農業の問題はそれを特定グループだけでしか議論できないことにあります。それは彼らが農業界に自分の居場所を確保したいという保身があるからで、タブーになかなか切り込めない状況となっています。族議員ならぬ族学者、族評論家が跋扈し(ま〜これはどこでもそうか)、御用学者の方がまだましな世界。

仲間内で議論しているから、ますます中身は内向き複雑怪奇に、言語もジャーゴン化し、論点も不明確に。つきつめれば、「農業団体(彼らはこれを農民はといい変えている)は、幾ら予算(補助金)をもらえるのか?」につきるという非常に身も蓋もない構図なのですが、そのためには非常にわかりにくいロジックや言語を使わざるをえあないということ。要するに煙幕を張って普通の人はついてこれない世界を作ればいいのです。
国民的に農業問題を議論しようとすると、生協のおばちゃん達の、「かわいそうな農民」認識が頭をもたげじゃまをしてしまうし、あるいは、「複雑そうだし、よく分からない」から議論をしない、人を増殖させることにもなります。どうせ農林予算なんて3兆わってるじゃないか、、、と無視かあきらめが現状でしょうか。
「ニッポンのコメ」も小泉内閣以前に書いたものですが、その後、コメ改革はいろいろやってるものの、実質的改革はあれ以来一向に進展していない状況。農業構造改革は、アメリカからの『年次改革要望書』になかったせいか、小泉さんは一切農政改革に関心を持たなかった。唯一農産物の輸出促進政策ぐらいか。小泉政権下では、結局農協の言うがままに官僚が動いてきた感じだが、当の小泉さんは、食糧庁をつぶした功績で農水官僚を改革派として取り入れただけ。こうした状況に日本農業・農政のやるせない病理があるとかんじるのですが。

また、かつて「コメ食え食え団」という摩訶不思議だが、至極まっとうな名前の集団が『ニッポンのコメ』を評価してくれたことがあります。作者は、作家の石田豊さん。京都生まれの私的彷徨的探索に明け暮れる阿佐ヶ谷の考現学徒。乙未生まれと言うから55年か。
コメに関してはその後記事掲載がないようなので、できれば投稿してみたい気もしますが、石田さん一日に二杯ご飯を食べてるのでしょうか?

余丁町散人といい石田さんといい、趣味人が評価してくれているところに意を強くしています。
農業で、知的ハレを築くのが大切と思ってますが、日本のコメは余裕を持ったウイットに富んだ人たちが、少々過激で強引に改革する余地を残しているのがいいのですが、果たしてそうした良さを残しているのだろうか?昔の地主はたいがい文化人で、飯の種より地域や文化のことを考える人も多かったのだが。飯の種を必死に探して、惨めに利権にしがみついてる人たちに、豊かな農業の改革ができるかどうか疑問と思うのだが。
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