北朝鮮の金正恩は追い詰められている。アメリカは必ずや北朝鮮の指導部を抹殺し、ミサイルや核施設を破壊するだろう。もはや確率の問題ではないのである。日本の政治家やマスコミに危機感が乏しいのは、危機的な状況にどのように身を処していいかわからないからだろう。日本国憲法に問題があるからだ。憲法9条第二項によって、交戦権が否定されている。日本は本来の意味での国家ではないのである▼カールシュミットは『政治的なものの概念』(田中浩・原田武雄訳)において「本質的に政治的な単位としての国家には、交戦権がある。すなわち、現実の事態のなかで、みずからの決定によって敵を定め、それと戦う現実的可能性である」と書いている。お花畑の日本の憲法を無視して、東アジアは戦争に向かって突き進んでいる。そこで問われるのは「政治的に一体である国民が、みずからの存在と独立のために戦う用意」があるかどうかなのである▼それは同時に「内敵」を認めないということである。外部の敵に呼応する勢力が内部に存在すれば「内部的に平和であり、領土内がまとまって、外部からの浸透を許さない、組織化された政治的単位としての国家が崩壊」しかねないからだ▼つまり危機的な状況にあっては、国家が最優先されなければならないのである。日本にも陸海空の自衛隊がある。しかし、交戦権は否定されたままである。そんなことで日本人の命を守ることができるのだろうか。
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