今の日本でも貧困にあえいでいる人はいると思う。そうした環境でも歯を食いしばって生きているのである。貧しい家庭の子供たちも必死になって耐えているのだ。年収一千数百万ももらっているNHKの人間が、上から目線で女子高校生の貧困を取り上げるからややっこしくなるのである▼去る18日にNHKが放送した番組に登場した女子高校生がネットで話題になっている。貧困のせいでパソコンが買ってもらえず、キーボードだけで練習したというエピソードを流したら、部屋に高級なペンセットがあったりで、贅沢三昧をしていることがネットによって暴露された▼NHKはお涙頂戴の番組をつくれば評価されると考えているのだろう。自分たちの周辺に実際に困っている人がいないから、無理をしてやらせ番組を流したのだろう。普通の勤労者が必死に働いても、年収6百万程度が精一杯である。地方になればなるほどその数字は少なくなる。NHKは勝ち組のくせに負け組に同情する振りをするのは迷惑な話である。シモーヌ・ヴェイユであれば、自分の給料の大部分を貧しい人たちに寄付するはずだ▼親の庇護のもとで育った人間よりは、どん底を経験した方が最後は強いのである。名誉とか地位とか学歴では、逆境に打ち克つことはことはできないのである。貧乏人のことは貧乏人しかわからない。雑草のごとく生きていくのだから、口先だけで身銭を切らない勝ち組に同情してもらわなくても結構なのである。
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