「会津ジャーナル」遠藤勝利取材メモ

遠藤勝利の取材内容を掲載していきます。

〔取材メモ1、2、3〕

2017-11-30 11:27:48 | 疑惑の真相

 〔取材メモ1〕

 地域に根ざした言論誌「会津ジャーナル」の発刊と衆議院選挙等が重なったため、「取材メモ」の書き込みを中断していたが、区切りがついたので再開します。

 今回は、これまで5回にわたる「取材メモ」の内容を整理し、問題点を明確にしていきたい。

 アクーズ会津[管工事業者]所有の旧半沢ビル

 県知事、国会議員、市長が選挙事務所に使用

 なぜか収支報告書には不記載

 平成26年10月から翌27年7月末にかけて福島県知事選、衆議院選、そして会津若松市長選(市議選と同日選)がたて続けに行われた。

 この一連の選挙でそれぞれ内堀雅雄、小熊慎司、室井照平の各候補は選挙事務所を会津若松市白虎町の旧半沢ビル(現白虎ビル)に設置した。内堀氏の場合は会津方部の選挙事務所ということである。

 当時の半沢ビルの土地・建物所有者は同市千石町の管・設備工事業者、(株)アクーズ会津(熊田広美代表取締役)である。

 小熊、室井両候補が県、市の選挙管理委員会に届け出た選挙事務所の所在地は「白虎町116—29」の半沢ビル。

 ところが小熊候補(小選挙区第4区)の選挙運動費用収支報告書には半沢ビルを選挙事務所に借上げたという記載はなく、「選挙事務所費」の項目に「立候補準備 事務所借上料」として、磐梯町源橋、人材派遣業の(株)ソルカ(鈴木政英代表取締役)に37万4,000円余の支払いを記載しているだけである。

 室井候補(無投票で再選)は、選挙事務所の所在地「白虎町116―29」(半沢ビルである)の「事務所借上料5万円」と記載。「むろい照平連合後援会」が身内の「むろい照平選挙事務所」宛に借上料5万円の領収書を発行しているのである。連合後援会の代表者は室井氏本人。

 つまり室井氏(連合後援会代表)は、自分が使う選挙事務所を自分で貸し、その借上げ料の領収書をこれまた自分で発行するという、なんともおかしな形になっている。

 では室井氏および連合後援会はどこの誰から実際に選挙事務所を借上げていたのか。ビル所有者はアクーズ会津である。しかし、何故か不記載なのである。こうした実態と違う記載は、公選法にもとづく選挙運動費用収支報告書の虚偽記載にあたる可能性が高い。

 ちなみに「イス・テーブル借上料」や「事務所看板」「事務用品」等々、選挙運動および立候補準備のために支出した金額、相手方の個人名、会社・団体名などは、収支報告書にそれぞれ明記されている。

 内堀候補も半沢ビルを会津方部の選挙事務所に使った事実の記載はなく、選挙事務所費の項目に「立候補準備」の「事務所賃料」として、会津若松市内の吉原産業(センチュリーホテル内)に32万円余の支払いを記載、同社が領収書を発行している。

 県知事、国会議員、市長(いずれも現職)の3人の選挙運動費用収支報告書が、何故このような不透明な記載になるのか。ビル所有者であるアクーズ会津の名前を表に出さないために作為的に行ったのか、それとも半沢ビルの実質的な所有者が実はソルカ社だった、ということなのかもしれない。

 この点については、アクーズ会津とソルカ社、半沢ビルとの関係のなかで明らかにしていきたい。

 それにしても裏金ではなく表帳簿の収支報告書なのだから、さまざまな疑惑をもたれることがないよう適正に記載すべきである。

 取材メモ〈2〉

〔選挙運動費用収支報告書〕市選管委はノーチェック

 これまで重箱の隅をつつくような報告をしてきたが、ついでに室井照平氏の前回市長選(平成27年7月26日投票)の選挙運動費用収支報告書と、県選管委に提出した政治資金収支報告書(同27年分)を突き合わせてみる。

 政治資金収支報告書には、前述のソルカ社に対して①コピー機リース料6万4,800円②事務所賃料(5、6、7月分)162万円③駐車場賃料21万6,000円④駐車場整備料7万200円―の計197万1,000円の支払いを記載している。

 繰り返し述べてきたように、室井候補は選挙事務所を旧半沢ビルに設置していた。しかし、選挙運動費用収支報告書にはそのように記載されていない。

 駐車場というのは半沢ビル東隣り、当時、会津若松ワシントンホテルの第3駐車場である。舗装をかけて整備し、選挙事務所の駐車場に使ったということであろう。
 半沢ビルの土地・建物、第3駐車場の土地は平成25年12月3日付で(株)半沢商事社長の半沢重男氏からアクーズ会津に所有権が移転(売買)。第3駐車場の土地(650㎡)は1年半後の27年5月18日付でアクーズ会津から福島県に売却されている。震災復興公営住宅整備事業のために県会津若松建設事務所が取得した。
 一方、半沢ビルの土地(733㎡)、1部4階建ての建物(延べ1,377㎡)は丸2年後の平成27年12月3日付でアクーズ会津からソルカ社に売却されている。会津若松市長選の約4ヶ月後である。
 したがって、半沢ビルの所有者がアクーズ会津であったなかで市長選が行われ、室井候補は半沢ビルの何室かを選挙事務所に借上げ、駐車場も使っていた。この事実関係ははっきりしている。
 しかし、選挙運動費用収支報告書にはそのことが記載されていない。それは何故か。そして、これまで指摘してきた室井氏の連合後援会が自身の選挙事務所に支払ったという「事務所借上料5万円」との整合性はどうなるのか。
 さらに、政治資金収支報告書に記載された①コピー機リース料②事務所賃料(5、6、7月分)③駐車場賃料④駐車場整備料-のソルカ社に対する支払いは、明らかに市長選の選挙運動に関するものだが、それが選挙運動費用収支報告書には記載されていない。

 ところで公選法に定められた前回市長選の選挙運動に関する支払いの制限額は1,121万7,400円。室井候補の収支報告書では、平成27年7月10日から30日まで21日間の収支が次のようになっている。
 収入が室井氏の自己資金として120万円。寄付は記載されていない。

 支出は、①立候補準備のための支出が60万2,816円②選挙運動のための支出58万2,152円の合計118万4,968円。

 無投票当選だったとはいえ、収入の範囲内で支出をおさめる収支報告書になっていて、カネをかけない選挙の典型のような、もっともらしい記載になっている。
 この収支報告書を、公選法第189条の規定にしたがい、「真実の記載がなされていることを誓って」市選管委に提出したのが、出納責任者の庄條徳一氏(元県農協五連会長)である。

 公職選挙法、政治資金規正法と法律が別で、それぞれ書面の様式通りに、収支の金額に誤りがなく、領収書等がそろっていれば、収支報告書は受理されるようである。したがって、2つの収支報告書をうまく使い分けて記載することが肝要ということになる。

 公選法第193条は「報告書の調査に関し、必要があると認めたときは、候補者その他の関係人に対し、報告または資料の提出を求めることができる」と定めている。
 この条項に照らした室井氏の「事務所借上料5万円」の領収書等の疑問点について、市選管委事務局を再度取材した。だが、「(調査の)必要性はないと判断した」「報告または資料の提出を求めることができる、ということで、しなければならない、ということではない」と木で鼻を括るような回答であった。
 つまり、記載内容や領収書の裏付けに関してはノーチェックということであり、実態とは違う収支報告書になっていても罷り通るのである。

 この間、室井氏の選挙運動収支報告書について出納責任者だった庄條氏を取材したが、「度忘れしていた」などとふざけた応対に終始。室井市長にも秘書課長を通じて取材を申し入れたが、梨の礫である。またアクーズ会津の熊田社長にも取材を申し入れているが、返事がないままである。

 以上のように、会津若松市においては「説明責任を果たす」などという言葉は、「死に語」になっているようである。

 〈取材メモ3〉      

[若松市役所汚職事件の背景―その1]

 室井市長、逮捕業者と親密関係

 後援会がデスクトップパソコン購入

 昨年2月、福島県警捜査2課と会津若松署は会津若松市商工課主査(当時42)を収賄容疑で、同市内の情報サービス会社「C.S.D」の取締役(当時46)を贈賄容疑で逮捕した。

 市発注の「商店街コミュニティ構築促進事業」の委託者選定をめぐり、平成26年7月、商工課主査が受注に便宜を図った謝礼として、会社役員からノートパソコン1台とソフトウェア1点(計12万430円相当)を受け取った汚職事件。

 商工課主査は懲戒免職、加重収賄罪で有罪判決を受け、会社役員も贈賄罪で有罪判決となった。C.S.D(株)(白井武男代表取締役)は本社所在地が同じ(株)白井設計(同代表取締役)の子会社。

 平成27年7月には同市長選挙が行われ、室井照平氏が無投票で再選されているが、政治団体「むろい照平連合後援会」(室井照平代表)が同年3月、問題のC.S.D社からデスクトップパソコンを11万4,912円で購入していたことが分かった。平成27年分の政治資金収支報告書に記載されていた。

 市長選はデスクトップパソコン購入の4ヶ月後である。

 市発注業務をめぐる汚職事件を受け、市はC.S.D社を今年3月16日から12月15日まで、9ヶ月間の入札参加停止処分とした。親会社の白井設計は別法人であるため処分の対象外。

 問われる室井市長の政治姿勢

 この汚職事件と室井市長の政治資金収支報告書の記載から浮かび上がってくるのは、C.S.D社および白井設計と室井市長との親密な関係である。

 新聞報道などから事件に至るまでを整理すると以下のようになる。

  ①平成26年5月、市商工課主査がC.S.D社の役員に委託業者選定審査の便宜を図る。

 ②その見返りに同年7月、ノートパソコン1台とソフトウェアを受け取る。裁判で主査は「カメラやレンズなども受け取った」と供述。

 ③平成27年3月20日、室井市長の連合後援会がC.S.D社からデスクトップパソコンを購入。

 ④市民からの情報にもとづき市当局が同年7、8月の2回、この主査から聞き取り調査を行う。

 ⑤同年7月26日、市長選。室井氏が無投票で再選される。

 ⑥平成28年2月11日、市商工課主査とC.S.D社役員が贈収賄の疑いで逮捕される。

 逮捕された2人は平成26年5月以前からの親しい付き合いということであろう。室井市長も後援会事務所で使うデスクトップパソコンをわざわざC.S.D社から購入しているわけで、親会社の白井設計を含めた親密な関係がうかがわれる。室井市長の目玉政策であるICTオフィス環境整備事業をめぐっても白井設計などとの不透明な関係が取沙汰されており、今後、室井市長の政治姿勢が問われることになりそうだ。

 

 

 

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