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姿を現した抵抗勢力・民放連

総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会」は先月26日の会合で民放連からの意見聴取を行なった。通信・放送の一元化に反対する方針は今までどおりだが、注目されるのは電波利権を守る意図を露骨に表明したことだ。彼らの資料では
  • 「放送用」周波数は基幹放送たる地上放送の安全性・信頼性を担保するために、他用途利用を行うべきではない。
  • 取材・制作の素材伝送等に使う「放送事業用」周波数の一部については、例えば放送目的以外の一時的な映像伝送などのニーズがあるような場合には、放送事業者による自律的運用のもとで、他用途利用を検討する余地はありうると考える。
と書いている。関係者しかわからない表現になっているが、最初はホワイトスペース、2番目は800MHz帯のことだ。注目されるのは、後者については「他用途利用を検討する」と、空いているのを認めたことである。当たり前だ。36MHzも占拠して月に数十時間しか使っていない、でたらめな電波利用を「・・・余地はありうる」などと偉そうにいう資格は、免許人にはない。総務省は、ただちに800MHz帯について通信事業者の2次業務への参入を認めるべきだ。

そして民放連は、わざわざ<参考>として「いわゆる『ホワイトスペース論』について」というスライドをつけ、こう補足している:
日本ではテレビ中継局の置局密度が高く、欧米よりも周波数事情が厳しいと思われる。遠隔地を含め多数のテレビ中継局から電波が到来しているため、ホワイトスペースとされるチャンネルの多くにも実際には潜在電界が存在しており、実質的に使用できるチャンネルはほとんどないものと見込まれる。
「中継局の置局密度」なんて、ホワイトスペースの可否とは無関係である。問題は、占拠周波数と利用周波数の差だ。放送局は470〜710MHzの240MHzも占拠するのに、関東地方でも(物理チャンネルで)13〜17、19、29、31、33〜52の28チャンネル=168MHzは空いている。これがホワイトスペースである。置局密度が高ければスイッチングを頻繁にすればいいだけだ。「潜在電界」云々も意味不明だ。ホワイトスペースに通信業者が入って妨害電波が来たら、cognitive radioで回避すればよい。たとえそれで通信が妨害されたとしても困るのは通信業者であり、放送局が心配するのはよけいなお世話だ。

今週のASCII.jpにも書いたが、こういうナンセンスな議論がまかり通ったのは、メディアによる情報独占が可能だった時代の話だ。B-CASも著作権延長もダウンロード違法化も、ウェブの世論につぶされた。今や大手メディアや御用学者より、ウェブの影響力のほうが強い。少なくとも800MHzについては、放送局も空いていることを認めたのだから、即刻ホワイトスペースとして開放すべきだ。
コメント ( 14 ) | Trackback ( 2 )
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コメント
 
 
 
もったいない (雲のパン屋)
2008-10-07 16:48:38
>>関東地方でも13〜42の30チャンネル=180MHzは空いている。これがホワイトスペースである。
ここを読んでホワイトスペースとは何かやっと胃にストンと落ちてきました。
チャンネル桜とかお金無くて放送できなくてCSから追い出された人にあげればいいのに


 
 
 
いつものイナゴです (田中健)
2008-10-07 21:44:51
小役人が偉そうなのはいつもの事なので「またか」程度にしか感じませんが、
今まで(というか今現在も)間違っていた事についての謝罪というか釈明というか、そういった物が無いのが納得いかないですね

官僚が密室で好き勝手やるのはもう仕方が無いと諦めてますが、過去の罪状は不問という風潮をあらためないと未来永劫に官僚政治の腐敗は修正されませんね
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-10-07 21:52:59
このままホワイトスペースが活用されずに5年ほど経つと、海外製のチップとソフトを使った安価な小出力広帯域無線が普及してしまいそうな気がします。当然違法ですが、既存の電波を避けるロジックは積むでしょうから実害は全くありません。そして、本来そこから得られるはずの電波利用料や事業利益が失われるわけです。

B-CASと同じように、そこまで行かないと御奉行様は動かないのではないでしょうか。
 
 
 
B-CAS (池田信夫)
2008-10-08 02:28:35
ASCII.jpの記事(http://ascii.jp/elem/000/000/177/177381)について、あちこちのブログで関係者が驚いてコメントしているので、ここで補足しておきます。私が「B-CASの廃止が事実上決まった」と書いたのは、一次情報にもとづく話で、推測ではありません。

「霞ヶ関文学」のリテラシーがない人が多いようだけど、「見直す」というのはこの場合、やめることしかない。何もしない場合は「検討する」と書きます。総務省も「2011年問題」対策としてつぶそうとしており、公取委も出てきたので、B-CASを延命したら強制捜査が入るでしょう。公取委が事情聴取をやっていることは絶対に間違いありません。私が聴取を受けたのだから。
 
 
 
オークションがいいなあ・ (shousiminjp)
2008-10-08 02:51:33
案外、民主党政権になった瞬間に、ロビー活動を活発に行えば、放送周波数を全部オークションにする方向になってめでたしめでたしとなるんじゃないでしょうか?3年ごとにオークションしてチャネルの周波数が2−3年ごとにかわっても、そんなたいした問題じゃない・・ ですよね?
 
 
 
相変わらす誤解があるようですが (伊藤 武志)
2008-10-08 21:58:16
800MHz帯のいわゆるFPU帯が”36MHzも占拠して月に数十時間しか使っていない”と書かれていますが、事実誤認があります。

FPU帯のうち2帯、4帯の計18MHzは全国に何万本もあるA帯ワイヤレスマイクと周波数が共用されています。
(免許本数は現在1万7千本、放送局が使用している分も考えると3万本を超えるでしょう)

ワイヤレスマイクは混信を回避するのが非常に困難なので(携帯電話のようにほぼ理想的に受信点を一元管理して配置して、送信機と受信点が双方向通信しながら運用できれば周波数利用効率は高くなりますが、ワイヤレスマイクは個別に運用しますし、受信アンテナの設置場所も非常に制限される)、国際展示会などで多数のワイヤレスマイクを使用する場合は、担当者が集まって周波数調整を行うことで、どうにか周波数をひねり出している状況です。

演劇方面にいたっては日本で使用可能なワイヤレスマイクのチャンネルが不足しているため、国内で上映出来ない演目があるほどです。

では1,3帯があいているからここが使えるかというと、現実的には相当難しいです。

URLは総務省が特定ラジオマイクをデジタル化して周波数を拡大するために作った報告書です。「デジタルになればすべてうまくいく」と盲目的に信じられるほどの科学力では理解されるかどうか、かなり不安な面もありますがご一読ください。

放送局が過剰に保護を求めているのはそれはそうなんですが、携帯電話あたりと比較すると放送は非常に高い可用性や無駄に高い公共性を求められていることもご理解ください。

放送局としては、携帯電話が使えないような地域にTV流しても少しも儲からないわけです。
現在、北海道では放送中継局と親局あわせて20局で全人口の95%くらいをカバーしています。ところが、後の5%弱をカバーするために、あと140局の中継局が存在しています(当然それなりに電波もつかっています)

放送局だって、人口が希薄なエリアにわざわざ放送したくはありません。総務省が全人口のうち5%テレビが見えなくてもいいですよといいさえすれば、周波数なんていっぱいあくんです。
 
 
 
30チャンネルあいているは事実誤認では? (伊藤 武志)
2008-10-08 22:33:37
あの... テレビの放送の場合周波数は物理チャンネルに依存するので、20〜28チャンネルは全部埋まってますし東京タワーとサービスエリアがかぶる平塚、水戸、多摩あたりの存在を考えたら、関東でどこも使っていないチャンネルなんてほとんど無いですよ!

東京タワーデジタル局のチャンネル割り当ては

MXテレビ 20
フジテレビ 21
東京放送 22
テレビ東京 23
テレビ朝日 24
日本テレビ 25
NHK東京 教育 26
NHK東京 総合 27
放送大学 28

ですよ!
 
 
 
Re: 相変わらす誤解があるようですが (池田信夫)
2008-10-08 22:43:39
誤解しているのはあなたの方です。こっちは関係者に取材してるんだから、疑問があれば特定ラジオマイク利用者連盟に問い合わせてみれば。
 
 
 
Re: 30チャンネルあいているは事実誤認では? (池田信夫)
2008-10-08 23:04:14
これは誤解をまねくので、物理チャンネルに修正しました。それでも28チャンネル空いているのは同じ。中継局が何局あろうと、ホワイトスペースの位置が変わるだけで、任意の地点で28チャンネル以上あいています。
 
 
 
衛星にいきなはれ (へなちょこエンジニア)
2008-10-09 08:31:50
伊藤 武志さんへ
>放送局だって、人口が希薄なエリアにわざわざ放送したくはありません。
じゃあ、地上局全部捨てて衛星にいかれたらいかがですか?チャンネル全部開いちゃいますよ。
 
 
 
どれだけ儲けてんの? (Unknown)
2008-10-09 09:48:46
>現在、北海道では放送中継局と親局あわせて20局で全人口の95%くらいをカバーしています。ところが、後の5%弱をカバーするために、あと140局の中継局が存在しています(当然それなりに電波もつかっています)

こんな壮大な無駄をやってても
社員に高給払える収益構造ってどんなもの?

残りの5%を捨てたら
いったい幾ら儲かってんのかね。

95%の視聴者はそのため見たくも無い劣悪な番組をCMと一緒に見せられる羽目になる。
 
 
 
解りやすく教えて下さい > 伊藤様 (一般人)
2008-10-10 12:53:38
>「デジタルになればすべてうまくいく」と盲目的に信じられるほどの科学力では理解されるかどうか、かなり不安な面もありますがご一読ください。

>>>>>>>>>>>>>>>

伊藤様

私は盲目的にデジタルで全て解決とは思ってはいません。但し、どうして「特定ラジオマイク」の為に周波数をデジタル化しなければならないのか?一般人に解る程度に教えて頂けないでしょうか?

>>>>>>>
携帯電話あたりと比較すると放送は非常に高い可用性や無駄に高い公共性を求められていることもご理解ください。

*具体的な事例とそれに伴うコスト増等の数字が無いと、抽象的すぎます。説得力が無いと思いますのでもう少し具体的な数字をあげるなりして、一般人にでも解るようにして頂けませんでしょうか?


 
 
 
特定ラジオマイク (Unknown)
2008-10-10 19:45:53
特定ラジオマイクというものが面白そうなので少し調べてみましたが、100年近く前の技術ですね(笑)。そして、管理団体もデジタル化に反対する理由は無く、実際に反対もしていないように思います。(駆け引きとして移行補助を求めるくらいはするでしょうが)

現状でも、放送中継用帯域を事前届出制で特ラ連とやらに貸し出しているのですから、その余りを更に(電子的)届出制で貸し出しても何の問題も無いでしょう。もちろん貸主は国・国民であって、放送事業者ではありません。

一般企業なら3秒で決まるような話ですね。
 
 
 
北海道は衛星にいったほうがよかったと個人的には思っています (伊藤 武志)
2008-10-13 15:33:38
へなちょこエンジニアさん ありがとうございます。


>じゃあ、地上局全部捨てて衛星にいかれたらいかがですか?チャンネル全部開いちゃいますよ。

放送局だって、今のまま地上波にいるのではなく、衛星に行ったほうがいいと判断すればそちらに行ったでしょう。

個人的には少なくとも北海道は衛星に移行したほうがよかったと思いますし、地上デジタルの周波数を割り当てるときに総務省が大ミスをやらかして、周波数をかなり大量に無駄にしたという感想はもっています。

ただし、簡単な話ではないのが「全国ほとんど同じものを放送しているから、衛星で送っちゃえばおしまい」って話はうまくいかないということは認識していただきたいです。

理由は2つあって
1. サービスエリアをどう決めるか
放送局は「報道」をするという使命があるとされています(私は個人的にはしなくてもいいのに...と思っています)。
全国で単一の放送を行うと、地方発地方向けの報道はほとんどなくなります。
たとえば台風が日本に上陸した場合、台風が東北を越えた時点で全国ネットでは台風中継はほとんどなくなります。県知事の選挙にかかわる報道も多分全国放送で行うのは難しいでしょう。衛星に移行する際に、放送を行うときに「地方をどこまでまとめていいか」という議論が必要になるでしょう。(現在放送は県域免許ですし、総合通信局は沖縄の扱いがちょっと微妙ですが全国を10管区に分けています。これの見直しがまず必要)

ビジネスモデルの面でも地方での放送が出来ないと問題があります。
北海道と東京が同じ番組を放送しているときでも実はCMは東京と北海道で異なるものが流れています。(統計とったわけではないですが、3割以上は差し替えられているはずです)
BSデジタルで全国放送している局が多数あるにもかかわらす、地上民放と同じビジネスモデルが有効ではないのは、全国同じCMで問題ないスポンサーは実はそう多くはないという事情があります。

2. 受信対策が結構大変
衛星に移行した際に現在のアンテナは使えなくなりますし、南側に建築物があるなど、直接受信できない世帯が相当数出るので、それをどう対策するかが問題(でも、これは地上デジタルでもこれから相当に問題になってくることなので、程度問題でしかないと思います)

 
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