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JASRACを分割・民営化せよ
2008-03-25
/
Media
今週の
「サイバーリバタリアン」
は、「はじめに文化ありき」とかいうスローガンをかかげる団体の話だ。オーウェルは『1984年』で、
ニュースピーク
という言語の使われる国を描いたが、彼らのニュースピークを日本語に翻訳すると、「私的録音補償金をiPodから取りたい」という意味だ。新聞もテレビもそうだが、文化をダシに使って利権あさりをする見え見えのレトリックは、もうやめてはどうか。
これに比べると、
ネット法
の「ハリウッドのようにプロデューサーに権利を集中しろ」という話は、許諾権を残したままでは改革とはいえないが、権利処理を一元化するのはいいことだ。特に映像の分野では、JASRACのような団体さえないので、権利処理が禁止的に複雑だ。音楽・映像・活字のライセンスを一元的に管理するイタリアの
SIAE
のような団体が必要だ。JASRACを他の分野に拡張してもよい。
その場合、JASRACと他のライセンス業者との競争が不可欠だが、JASRACだけが社団法人では公正な競争ができない。特にJASRACが膨大な顧客データベースを独占しているので、他のライセンス業者が参入できない。そこで
白田秀彰氏
の提案しているのが、JASRACの
分割・民営化
だ
(*)
。郵政民営化で
日本郵政
を4分社化し、プラットフォーム(郵便局会社)の上に郵便・貯金・簡保の3社が乗る構造をとったように、JASRACを民営化して4分社化し、顧客データベースを図のように
データベース会社
として分離するのだ。
このプラットフォームは、ウェブサイトでよい。これによっていろいろなライセンス業者がデータベース会社を利用して競争でき、クリエイターもユーザーもライセンス方式を自由に選ぶことができる。この場合のライセンス方式は何でもよく、著作権法に従う必要もない。民法上の契約は著作権法に優先するからだ。
おそらくクリエイターにとってもユーザーにとっても使いやすいのは、通常の財産権と同じようにクリエイターがライセンス権をライセンス会社に売り切り、料金を支払ってライセンスを受けたユーザーはコンテンツを二次利用するのも加工するのも自由なシステムだろう。コピーフリーとする代わりに、一定の報酬請求権を認めてもいい。
このような
水平分離
で競争を促進するのは、世界の民営化政策の主流である。NTTに先駆けてJASRACが自己改革すれば、「カスラック」などと悪口をいわれることもなくなるだろう。
(*)これは彼の学会での発言で、WiredVisionには書かれていない。
コメント (
11
)
|
Trackback (
3
)
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コメント
Unknown
(
一ファン
)
2008-03-25 17:14:03
「ダブルシンク」の誤りではと書こうとしたのですが、「ダブルスピーク」の飛び先のwikiにも書いてありましたね。
ありがとう
(
池田信夫
)
2008-03-25 18:04:21
本文を訂正しました。
いつものイナゴです
(
田中健
)
2008-03-25 18:16:07
財政難なんだし誰からも必要とされてないし収支が不明瞭だし代替はいくらでもきくし、もう解体でいいじゃないですか
何か問題でもありますか?
…ああ、天下り先が無くなると自分らが困るんですかそうですか
知れば知るほど政治の腐敗が深刻でいやになりますね
Unknown
(
N
)
2008-03-25 20:57:53
カバー曲の演奏をする素人音楽家です。
音楽のライセンス業者が多数になると、カバー曲の演奏の許可を誰から得れば良いのか、調べるのは大変になりそうですね。
データベースは一本で、何処のライセンス業者が扱っているのかを「逆検索」できるのであれば、嬉しいのですが。
いつものイナゴです
(
田中健
)
2008-03-25 22:08:09
> Nさん
著作権管理団体が不要だと言ってるのではなくて
もっとちゃんと管理運営できる団体というか仕組みを作るべきです
池田さんも言われてますがまず分割でしょう
そして相互に監視できるような仕組みにする必要がありますね
そうしないとまた天下り先を増やすだけなので
…なんで私のようなド素人にでも思いつくような事が実現できないのか、しかも悪い方向に突っ走っているのか理解不能です
とりあえず政治家はもっとその分野の専門家の話を聞くべきですね
データベース
(
池田信夫
)
2008-03-26 05:41:38
>音楽のライセンス業者が多数になると、カバー曲の演奏の許可を誰から得れば良いのか、調べるのは大変になりそうですね。
そういうデータも含めて公開するのです。JASRACが自主的に公開するなら、それでもいいけど、おそらくしないから、分割して別会社にするのです(法人格が別なら子会社でもいい)。どうせ文化庁はやらないから、所管を「消費者庁」に移してやればいい。
Unknown
(
藤井 まり子
)
2008-03-26 11:18:17
池田先生、いつも良い刺激を受けさせていただいております。ありがとうございます。
昨夜、奇遇にも、私のブログでも公益法人について記しましたので、こちらにリンクを張らせていただきます。お手すきの時にお読みいただけたら嬉しいです。
「道路財源と特別会計と特殊法人と公益法人」
http://diary.jp.aol.com/uvsmfn2xc/1052.html
理想は「マイルドなJASRAC」だと思う
(
start
)
2008-03-26 11:59:43
池田先生
> JASRACが自主的に公開するなら、それでもいいけど、おそらくしないから、
JASRACは「自分たちが権利を信託されている楽曲とその支分権」についてはデータベースで公開してるはずです。
JASRACが「委託されてない」分の楽曲については当然ながら「どこに信託されてるか」なんて公開されていませんけれども、それは流石に仕方がないでしょうね。
「その曲のその権利を自分たちは持ってない」ことは明かすことが出来ても、
「それが何処にあるかを明かす」筋合いがJASRACにあるとも思えない。
理想だけで言えば、一番いいのは「融通が利き、柔軟に課金対応が可能なJASRAC」なんですよね。
音楽を「使う」側の、特に一般のアマチュアからしてみたら、
「なんとか権とか良く分からんが、JASRACに行って書類を書いていくらか金を払えばいいんだろ?」
で済むのが一番手っ取り早くて分かり易くていいわけですからね。
というかJASRACってのはそういう「権利を一元管理して分かり易くして流通を促進する」ことが存在意義なわけで。
ただし、「いくらか金を払う」の額やそれが必要なケースの基準が
「常識で考えて無茶すぎる」というケースが多いというのが最大の問題だから、「カスラック」などと叩かれるわけで。
今現在のJASRACの課金基準も、大企業とかから見たらそれこそコピーフリーに近いぐらいの負担なんじゃないかなぁ。
個人レベルでいうと「CD-Rのメディア代を払えばコピーフリー」ぐらいの感覚だったりしませんかね。
DBは統合、JASRACは解体
(
江戸川アダモ
)
2008-03-26 17:57:40
>>「それが何処にあるかを明かす」筋合いがJASRACにある
そんな事は誰も言っていないと思いますよ。そういう面倒なことを避けるためにデータベース会社を作れという話でしょう。
包括的なDBさえあれば、その上に乗っかる管理会社は幾つあってもよい。Jasracの横にe-licence何がし…と並ぶわけです。逆に、そうした競争状態になっていないと、独占法人が「常識で考えて無茶すぎる」条件を吹っかけてくるのは当然ですよね。
まあ、私もJASRACは解体で良いと思いますよ。独占してきたコンテンツを一旦開放しないと、新規参入は難しい気がするので。
Unknown
(
中島悟
)
2008-04-23 14:32:08
ようやく公取が動いたようですね<カスラック
会社にすべきところと、すべきでないところ
(
ぼくと
)
2008-04-24 01:00:30
データベース管理という独占的かつ非競争的(一度寡占状態になると規模の効率によって寡占状態が続く)な分野を会社にしてしまうと、どの独占的地位を利用して暴利に走る恐れが大きいと思うのですが、いかがでしょう。
分割そのものはすべきだと思いますが、データベース管理に限っては営利目的の会社組織ではなく、非営利の社団法人、もしくはいっそのことどこかの省で管理して完全にフリーにしてしまったほうが良いのではないかと思います。
会社にしてしまえば、契約の自由ってことで、元JASRACだった著作権管理会社には安価で契約し、新規参入の会社には高値で契約ってこともできるようになる恐れもありますし。
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何か問題でもありますか?
…ああ、天下り先が無くなると自分らが困るんですかそうですか
知れば知るほど政治の腐敗が深刻でいやになりますね
音楽のライセンス業者が多数になると、カバー曲の演奏の許可を誰から得れば良いのか、調べるのは大変になりそうですね。
データベースは一本で、何処のライセンス業者が扱っているのかを「逆検索」できるのであれば、嬉しいのですが。
著作権管理団体が不要だと言ってるのではなくて
もっとちゃんと管理運営できる団体というか仕組みを作るべきです
池田さんも言われてますがまず分割でしょう
そして相互に監視できるような仕組みにする必要がありますね
そうしないとまた天下り先を増やすだけなので
…なんで私のようなド素人にでも思いつくような事が実現できないのか、しかも悪い方向に突っ走っているのか理解不能です
とりあえず政治家はもっとその分野の専門家の話を聞くべきですね
そういうデータも含めて公開するのです。JASRACが自主的に公開するなら、それでもいいけど、おそらくしないから、分割して別会社にするのです(法人格が別なら子会社でもいい)。どうせ文化庁はやらないから、所管を「消費者庁」に移してやればいい。
昨夜、奇遇にも、私のブログでも公益法人について記しましたので、こちらにリンクを張らせていただきます。お手すきの時にお読みいただけたら嬉しいです。
「道路財源と特別会計と特殊法人と公益法人」
http://diary.jp.aol.com/uvsmfn2xc/1052.html
> JASRACが自主的に公開するなら、それでもいいけど、おそらくしないから、
JASRACは「自分たちが権利を信託されている楽曲とその支分権」についてはデータベースで公開してるはずです。
JASRACが「委託されてない」分の楽曲については当然ながら「どこに信託されてるか」なんて公開されていませんけれども、それは流石に仕方がないでしょうね。
「その曲のその権利を自分たちは持ってない」ことは明かすことが出来ても、
「それが何処にあるかを明かす」筋合いがJASRACにあるとも思えない。
理想だけで言えば、一番いいのは「融通が利き、柔軟に課金対応が可能なJASRAC」なんですよね。
音楽を「使う」側の、特に一般のアマチュアからしてみたら、
「なんとか権とか良く分からんが、JASRACに行って書類を書いていくらか金を払えばいいんだろ?」
で済むのが一番手っ取り早くて分かり易くていいわけですからね。
というかJASRACってのはそういう「権利を一元管理して分かり易くして流通を促進する」ことが存在意義なわけで。
ただし、「いくらか金を払う」の額やそれが必要なケースの基準が
「常識で考えて無茶すぎる」というケースが多いというのが最大の問題だから、「カスラック」などと叩かれるわけで。
今現在のJASRACの課金基準も、大企業とかから見たらそれこそコピーフリーに近いぐらいの負担なんじゃないかなぁ。
個人レベルでいうと「CD-Rのメディア代を払えばコピーフリー」ぐらいの感覚だったりしませんかね。
そんな事は誰も言っていないと思いますよ。そういう面倒なことを避けるためにデータベース会社を作れという話でしょう。
包括的なDBさえあれば、その上に乗っかる管理会社は幾つあってもよい。Jasracの横にe-licence何がし…と並ぶわけです。逆に、そうした競争状態になっていないと、独占法人が「常識で考えて無茶すぎる」条件を吹っかけてくるのは当然ですよね。
まあ、私もJASRACは解体で良いと思いますよ。独占してきたコンテンツを一旦開放しないと、新規参入は難しい気がするので。
分割そのものはすべきだと思いますが、データベース管理に限っては営利目的の会社組織ではなく、非営利の社団法人、もしくはいっそのことどこかの省で管理して完全にフリーにしてしまったほうが良いのではないかと思います。
会社にしてしまえば、契約の自由ってことで、元JASRACだった著作権管理会社には安価で契約し、新規参入の会社には高値で契約ってこともできるようになる恐れもありますし。
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