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IPアドレスは枯渇していない
2007-06-10 / IT
コメントで教えてもらったが、総務省はIPアドレスの「枯渇対策会議」を今月中に立ち上げるそうだ。アドレスの配分を検討するのはいいが、それが枯渇するという事実認識は間違いである。IPv4のアドレスは約43億個、全世界のユーザー(約11億人)ひとり当たり4個もある。これに対して、現在のホスト数は約4億3000万なので、アドレスはまだ1割しか使われていないのだ。
また、IPv6は「枯渇」の対策にはならない。v6サイトはv4サイトからは見えないので、v6は実際には携帯電話などの(v4サイトから直接アクセスする必要のない)ローカルなアドレスとしてしか使えない。総務省の委託調査でも、v6のトラフィックはインターネット全体の0.1%以下で、最近は減少している。またIPv6普及・高度化推進協議会の調べでも、v6を商用サービスで提供するISPは、200社中わずか1社という状態だ。
本質的な問題は、なぜ全アドレスの1割しか使われていないのに「枯渇」が問題になるのかということだ。これは山田肇氏と私が5年前に書いたように、初期にアドレスを大きなブロックで配ったため、そのの配分がきわめて歪んでいることが原因だ。特にアメリカでは、たとえばMITがクラスAを1ブロック(1670万個)まるごと持っている(これは中国全体とほぼ同じ)ように、大学や企業が莫大なアドレスを割り当てられたまま使っていない。
だから問題を解決する方法は、簡単である。未使用のアドレスを、オークションで再配分すればいいのだ。こう提案すると「公共的なアドレスを私有財産として売買するのはけしからん」という類の反論があるが、経済学の通常の定義でいえば、競合的で排除可能なアドレスは私的財であり、市場でもっとも効率的に配分できる。ICANNが制度設計をしてはどうか――と前から提案しているのだが、聞いてくれない。だれかオークションの専門家がやってみませんか?
追記:お約束どおり、小飼弾氏からTBがついた。「IPでは、ネットワークの指定を2のベキ乗でまとめないと出来ないのだ」というのはおっしゃる通りだが、今はその必要な量(を超えて最小の2n)よりはるかに大きなブロックを取っているから「枯渇」が起こるのだ。たとえばBBNが取っている3ブロックのクラスAを再配分するだけで、アジア全域の需要は当分まかなえる。
私はIPv6の理想に反対するものではないが、それが代替策にならないという事実を認めないと、現実的な対策はとれない。デュアルスタックではv4のアドレスもとるので、「枯渇」の対策にはならない。
アドレスを再編するとネットワークの再構築が必要になるというのもその通りだが、市場で取引すればそういうコストも織り込んで価格がつく。小飼氏もいうように、ドメイン名は堂々と売買されているのに、アドレスの売買に抵抗が強いのは不可解だ。
「全世界の人口の方がIPv4アドレスよりも少ない」というのは誤記だろう。全世界の人口のほうがアドレスより多いが、世界の人がすべてグローバルアドレスでインターネットに接続する必要はないし、幸か不幸かそういう日は来ない。
また、IPv6は「枯渇」の対策にはならない。v6サイトはv4サイトからは見えないので、v6は実際には携帯電話などの(v4サイトから直接アクセスする必要のない)ローカルなアドレスとしてしか使えない。総務省の委託調査でも、v6のトラフィックはインターネット全体の0.1%以下で、最近は減少している。またIPv6普及・高度化推進協議会の調べでも、v6を商用サービスで提供するISPは、200社中わずか1社という状態だ。
本質的な問題は、なぜ全アドレスの1割しか使われていないのに「枯渇」が問題になるのかということだ。これは山田肇氏と私が5年前に書いたように、初期にアドレスを大きなブロックで配ったため、そのの配分がきわめて歪んでいることが原因だ。特にアメリカでは、たとえばMITがクラスAを1ブロック(1670万個)まるごと持っている(これは中国全体とほぼ同じ)ように、大学や企業が莫大なアドレスを割り当てられたまま使っていない。
だから問題を解決する方法は、簡単である。未使用のアドレスを、オークションで再配分すればいいのだ。こう提案すると「公共的なアドレスを私有財産として売買するのはけしからん」という類の反論があるが、経済学の通常の定義でいえば、競合的で排除可能なアドレスは私的財であり、市場でもっとも効率的に配分できる。ICANNが制度設計をしてはどうか――と前から提案しているのだが、聞いてくれない。だれかオークションの専門家がやってみませんか?
追記:お約束どおり、小飼弾氏からTBがついた。「IPでは、ネットワークの指定を2のベキ乗でまとめないと出来ないのだ」というのはおっしゃる通りだが、今はその必要な量(を超えて最小の2n)よりはるかに大きなブロックを取っているから「枯渇」が起こるのだ。たとえばBBNが取っている3ブロックのクラスAを再配分するだけで、アジア全域の需要は当分まかなえる。
私はIPv6の理想に反対するものではないが、それが代替策にならないという事実を認めないと、現実的な対策はとれない。デュアルスタックではv4のアドレスもとるので、「枯渇」の対策にはならない。
アドレスを再編するとネットワークの再構築が必要になるというのもその通りだが、市場で取引すればそういうコストも織り込んで価格がつく。小飼氏もいうように、ドメイン名は堂々と売買されているのに、アドレスの売買に抵抗が強いのは不可解だ。
「全世界の人口の方がIPv4アドレスよりも少ない」というのは誤記だろう。全世界の人口のほうがアドレスより多いが、世界の人がすべてグローバルアドレスでインターネットに接続する必要はないし、幸か不幸かそういう日は来ない。
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IPアドレス枯渇問題というのは、NATなしの時代に考えられた問題で、池田さんのおっしゃるとおり、配分さえ適切なら、枯渇するはずがありません。
質問なのですが、その結論から考えると、
相対的に枯渇しそうな国が逆オークションでIPアドレスを買い上げるというのもアリなんでしょうか?
また、人間の使うPCだけではなく生活家電とか今まではIPアドレスを全く付与されなかったものに付与してもv4でまかなえますか?(外部から家電をコントロールする程度ならIPアドレスを割り当てる必要などないかもしれないですけど)
特に問題なのは、ICANNがルールを提案しても、だれもそれに従わないという無政府状態です。アドレスを売買するには、それに財産権を設定する必要がありますが、ユーザーの反発を恐れてそういう制度改革を提案できない。
これは電波政策とよく似ていて、建て前上はユーザーはNICからアドレスを借りているだけなのですが、実質的には財産権が発生している。ところが建て前が変更できないので、ユーザー同士の取引ができないのです。電波についても経済財政諮問会議で提案されているようにsecondary marketが必要だし、それは実質的に企業買収という形で存在しています。
無料で割り当てられたアドレスを有料で売るのは「不公正」だという批判には一理ありますが、現在の不均衡な配分が続くことによる社会的コストのほうがはるかに大きい。こういう場合には、既得権をもつ人にbribeを出して問題を解決すべきだ、というのが「コースの定理」の教えるところです。
↓のページに分かりやすい図があります。
http://www.v6.wide.ad.jp/Papers/socks64/
現実として、2006年だけでクラスAが10ブロック消費されています。クラスAが3ブロック程度じゃ4ヵ月延命できるだけです。
http://www.iana.org/assignments/ipv4-address-space
この表を見てもわかるように、アドレスを死蔵しているのはMITやBBNだけではありません。フォードやハリバートンやメルクは社員数の100倍ぐらいアドレスを取っているし、国防総省は1億個も持っている。
これを「返却」させようとするから、挫折するのです。彼らの既得権を認め、ドメイン名のように自由に売買させれば、いくらでも出てくるでしょう。40年前に「石油は40年後に枯渇する」といわれたように、価格メカニズムが機能すれば、資源が絶対的に枯渇することはありえないのです。
毎年同一のRIRへの移管が継続している以上、少なくとも数年程度の時間差で移管されたものは消費はされると思っております。まさか、RIRが使わないでため込んでるとは考えにくいのですが。実際RIRは向こう18か月で使う分をIANAからもらうルールだったと思います。
僕のポイントは、ここ数年で継続してクラスAのブロックが塊として消えていっている事実です。
インターネット初期の既得権で押さえられているクラスAなんて所詮50ブロック程度しかないので、そういう意味で焼け石に水と言っています。
私は、v6を否定しているわけではありません。それはNTTがBフレッツでやっているように、ローカルアドレスとしては使えます。セキュリティも高いみたいだし、各デバイスに固定アドレスを振れるなど、それなりの意味はあるでしょう。ただ皮肉なことに、そういう使い方をすると、NATがv6ゲートウェイに置き換わるだけで、インターネットを本来のE2Eに戻すというv6の理想とは逆の方向に行ってしまう。
たぶんグローバルなアドレス体系としては、50年後もv4が使われていると思います。それは技術ではなく、「言語」だからです。いくらエスペラントが機能的にすぐれた言語であっても、英語を置き換えることはないのです。
金は、稀少な金属です。その需要は、供給量をはるかに上回っています。しかし、金の「枯渇」は問題にならない。なぜでしょうか。かりに金鉱山が枯渇しても、市場に出ている金を買えばいいからです。
この場合、金がいくら大量に消費されようと、何の問題もない。需給が逼迫すれば価格が上がり、本当に必要な人だけが買うからです。つまり価格が機能する限り、絶対的な枯渇は論理的にありえない。電波と同じく、不足しているのはアドレスではなく、それを効率的に配分するメカニズムなのです。
v4でも、こんなコト↓は出来るのでしょうか?
http://labs.cybozu.co.jp/blog/akky/archives/2007/05/google-in-20years.html
各家庭ごとにNATで名前(IP)を付けるよりも、工場出荷時などにユニークな名前を付けてしまった方が便利に思えます。
過渡的にデュアルスタックでやり、長期的にはv6ネイティブに移行するという戦略も、デュアルスタックでやるコストを上回るメリットがないと無理です。現実には、v6にもっとも熱心な日本で実証実験に参加した企業でさえ、商用サービスに移行できない。顧客にメリットが説明できないからです。
本題に戻ると、
- 新規割り当てが終わること(金の例でいえば採掘量がゼロになること)
が、「枯渇」の定義だと思ってたんですが、池田さんの定義は
- 新規割り当てが終わり、かつ再分配が止まった状態になること
なんですね(これが絶対的な枯渇?)。
さて、さらに整理すると、枯渇対策ですが、
1. 再分配を進めることによって、新規割り当てができなくなる日を遠い未来にもっていくこと
2. 再分配に価格メカニズムを機能させることによって、新規割り当てがなくなった世界でも誰も困らないようにする
で、池田さんは2の話をしてらっしゃるんですね?
僕は1の話をしてると思ったので、焼け石に水といったつもりです。
さて、2の話をするのであれば、無料からはじまってるIPアドレスの価格がいくら程度が許容範囲かというのがあるかと思います。鉄が金の値段になっちゃったら、これは実質的な鉄の枯渇ですよね?
IPアドレスの価格は再分配コストにからんできます。再分配コストが相対的に高くなると鉄の例であるように実質的な枯渇になるかと思います。
なお、再分配コストは小飼さんも指摘していますが、ドメイン名ともっとも大きな違いは、「再分配コストを局所化」できないことだと思います。ルーティングの問題があるので、再分配に関係しない人たちも再分配コストを被ることになっていまいますので、少なくとも「ドメイン名でやれてるからIPアドレスでもやれる」とは言えません。
だからどうだと言えないんですが、ここら辺が議論ポイントかと。
アドレスが断片化すると、ルーティングテーブルが大きくなって転送速度が落ちる、といったコストも考えられますが、これは小飼氏もいうようにCIDRなどでカバーでき、大した問題ではない。ルータの性能が上がった現在では、ルーティングの効率よりアドレスの配分効率のほうが大事です。
本質的な問題は、アドレスに財産権を設定するというルールの変更に合意が得られるかどうかということです。これについては、JPNICの人々は悲観的ですが、私はできると思います。たしかにICANNには、政府のような強制力はないが、アドレスを配分する権限がある。これを利用して、ドメイン名のように実質的な財産権をつくりだすことは可能です。
ひとつだけ質問があるのですが、売買方式を支持される理由は何でしょうか。わたしは、IPアドレス税を支持しているのですが。つまり、IPアドレスに、1IPアドレス年間1ドルとかの税金をかける、ってことですね。土地の固定資産税と一緒。
これは、実際の土地に関する経済学論争と同じになると思いますが、IPアドレス税をかけず、売買だけを認めると、既得権者に一方的に有利になるという意見があると思うのですが、いかがでしょうか。
有限会社デジタルインフラ 岡島
他方、コスト負担なしで、たとえばBBNが5000万個のアドレスを1個10ドルで売って5億ドルもうけた、なんてことになったら、一般ユーザーが怒るでしょう。だから電波と同じように、本当に「枯渇」して困るところまで改革は行なわれないと思います。逆にいうと、いよいよ困ったら、市場メカニズムが採用されることは確実です。ドメイン名の場合は、特定の名前が絶対的に不足したから市場が発生したので、アドレスも同じことが起こるでしょう。
Coaseが1959年の論文で周波数オークションを提案してから、FCCが実施するまでに30年以上かかりました。私も、今アドレス・オークションを提案すれば、30年後にノーベル賞がもらえるかな・・・
IPアドレス税が出ていますが、税金の設定額が難しそうなので、毎年所有者をオークションで決めなおすのが良いかもしれません。IPアドレスを記念に所有したまま、死んじゃう人がいるかもしれませんしねw
デュアルスタックはIPv4の枯渇の対策ではなくてIPv6の普及の手段です。IPv6では現在IPv4で起きている問題は起きないように考えているので枯渇対策としてではなくIPv6そのものにメリットがあります。ですが、IPv6でなければならい決定的なアプリケーションの不足が普及を遅らせています。
アナログテレビをデジタルテレビに政府レベルで強制的に移行させるようにしてIPv6に移行させることもできるでしょう。ですが、IPv6に移行するときにはIPv4を廃止する必要はないですから、一緒に使えばよいのです。
IPv6でなければならない圧倒的なサービスがでてくれば自然にそれは起こると思います。
IPv4が標準言語で永久に変化しないということはないと考えます。英語ですら200年前の英語をそのまま読み書きする人はいませんし200年前の日本語を読める人ももはやまれですし、何よりIPv4はたった30年程度使われた単なる仮想的な番号の合意で、電話番号も郵便番号も制定されたときのまま使われていることはないのですから、合わなくなれば変えたらいいことだと思います。
政治問題として不要IPv4アドレスの売買を総務省が強制や推奨するのであれば同時にIPv6を強制や推奨をしてもよいと思います。
小飼さんからも反論がないように、事実関係はもうわかりきっているのです。同じ話をWIDEやJPNICの人々と何度もしましたが、結論は同じ:v6の将来は絶望的だが、日本としては後に引けない。
最近では、中国政府がv6を熱心に推進しているようです。アメリカ主導のv4と切り離せるし、E2Eで政府が全ユーザーを監視できるからです。今でも中国は、海外からの情報をプロキシで遮断しているので、国内をv6にするのは容易でしょう。しかし、これはへたをすると、インターネットの国営化とbalkanizationをもたらしかねない。
そうなんですが、昔は庶民の食い物であったものが、需要と供給のバランスが崩れた結果値がつり上がって、食卓から消えていったしまったものは多々ありますよね。IPアドレスがそうなっちゃったら、それは実質的な「IPv4の終わり」だと思うんです。
市場メカニズム導入後のIPアドレスの価格に悲観的な理由としては、ざっと思いつく限りでは、
1. IPアドレスは電話番号より空間が小さい。つまり、IPアドレスは電話番号より稀少な資源である。単純な理屈でいえば、電話コストより高くつくことになる
2. プライベートアドレスを使った格安ISPが出てくるかもしれませんが、NATを使ったら使ったでこれもコストがかかります。結局、このISPもそれなりのお値段になって、グローバルIPアドレスISPはさらにそれより高くなる。
3.繰り返しになりますが、IPアドレスの場合は、ドメイン名と違い再分配コストを世の中全体で背負うことになります。世の中全体が単調的に値上げ方向に向かう気がします。
なお、補足ですが、
> アドレスが断片化すると、ルーティングテーブルが大きくなって転送速度が落ちる
転送速度ではなくて、メモリの枯渇の問題です。
(実装にもよりますが)ルーティングテーブルを保持してるのはTCAMと呼ばれる特殊なメモリです(HDDでもDRAMでもありません)。DRAMと違って簡単に増設できるものではありません。
ある閾値を超えるとルーティングテーブルを収容できなくなるので、世界中のISPやキャリアが機器増設や買い直しをすることになります。このコストがエンドユーザに賦課されます。
金属資源に例えたせいもありますが、再分配コストを世の中に広く求める点でリサイクルの世界に近い気がします。多分に直観的ではありますが、リサイクルと同様にIPアドレスの再分配には(コストが現実的でないのではないかという)幻想を感じます。
現在のインターネットの構造では、グローバルアドレスはユーザー数の半分も必要ありません。したがってインターネットの普及率が世界の人口の50%になったとしても、アドレスは(クラス構造を勘案しても)40億個あれば十分でしょう。この場合、供給が需要を上回るので、アドレスは自由財(価格ゼロ)になります。
「使う当てはないが取れるなら全部とる」というユーザーが出てきたとしても、競争的な市場では価格=限界費用になります。NATの組み方しだいでアドレスの供給はどうにでもなるので、限界費用はきわめて低く、情報財でよく見られるように、アドレス1個あたりにすれば実質的にはゼロでしょう。
要は、退蔵されているアドレスが全部出てきて競争的になるような制度設計が重要で、億単位の量が出てくれば、そんなに高価になるはずがない。
放っておいても害はないのではないですか?
再配分の必要があるのは既得権益者の資源退蔵が悪だという価値基準からではないですよね?
市場取引していない以上、ロスが発生しているということでしょうか。
また、供給より需要が少ない自由財といっても再配分して使い回しをする(IPv4)のと使い捨てにする(IPv6)では無限に洗って使える布のおしめと無限に手に入る紙おむつのような運用方法の違いがあると思います。後者がいまのところ完全にぶっコケているのはわかりますが、流行ってないからといって使用禁止にするものでもないですよね。目の敵にすることはないのでは?
「CIDRを使うとサブネットが増えるから、ルーティングテーブルが大きくなる。古いルーターだと2006年にルーティングテーブルが20万エントリを超えた時にこけた。最新のルーターが急に普及するわけでもなく、ルーティングテーブルの集約も考えなくてはいけない。なので、IPアドレスの再分配はなかなか面倒だ」
という認識でいたのですが、私は間違っていたのでしょうか?
・NAPTを推し進める
・IPv4ベースでより賢いNAPTみたいなものを開発する
・IPv4アドレスの再分配を行う
・IPv6を併用する
くらいの対応策がある。たぶんコストが一番安い方法に落ち着くだろうけれど、それぞれどのくらいのコストがかかるか、誰も正確に見積もれていない、といった印象を受けます。まあ正確に見積もるのはそもそも無理なんでしょうけれど。
普通のエンドユーザー視点だと、今まで通りの値段で、今まで通りにWebが見られてメールが使えて、P2Pでファイル交換できればIPv4だろうがIPv6だろうが気にしない、なんでしょうねえ。IPv6でしか使えないキラーアプリケーションでもできない限り、いったいどれが妥当なのやら……。
ただ、技術的な話として、アドレスはCIDRで分割すればいいってのはあまりに乱暴です。ネットワーク間で交換される経路情報が爆発的に増えるのは恐怖です。機器の性能を強化すればいい、というのも本当に大丈夫か、保証できる人がいるのか。
別にv6に肩入れする気はありませんが、たくさんアドレス持ってる組織から上手に召し上げる方法さえあれば技術的には問題ないという結論にはならないと思います。
繰り返しますが、このトピックでは技術的課題は技術屋が解決することであって、今は制度的な話をしているのだ、ということなのでしょうけど。
<JPNICが2007年2月にAPNICにて、IPv4アドレスを(事実上)人為的に涸渇させてIPv6への移行を促す提案をして否決されました。>
http://www.apnic.net/mailing-lists/sig-policy/archive/2007/03/msg00015.html
JPNICは、v6のアドレスをとらないとv4のアドレスを割り当てないという方針をとっており、多くのユーザーはv6の申請だけして捨てています。勝てない戦さを玉砕するまで戦うのは、帝国陸軍の遺伝子ですかね。
直観的には、
- 32bit CIDR IPv4 のコスト
- 同ノードに適当に割り当てた場合の 128bit IPv6 のコスト
は同程度なのでしょうけども、現実的にどの程度性能損失/改善があるのかは不明ですね。
これは一部の詳しい方でないと分からなさそうです。
テレマティクスなど IPv6 の方が向いていそうなジャンルもあるので、
資源論だけの IPv6 不要論はどうかな、と思います。
国プロに対する不信感は共感します。
それも価格に反映されるようにすればよい話ではないでしょうか。コストが大きく違うなら「うちはIPv6オンリーですがすごく安いです」あるいは「IPv4オプションは高価です」というIXやISPが出てくるはずでしょう。
私は別にIPv6不要論者でも推進論者でもありませんが、どちらでも安いほうに市場に選ばせれば、効率的な結果が得られるという点で池田さんに同意します。「コストが反映されていない」なら、やるべきことはコストが反映される仕組みを作ることでしょう。
IPv4アドレスの「涸渇」(笑)が近づいているというなら、やるべきことはIPv4アドレスの価格を上げてシグナルを利用者に伝えることのはずなのに、JPNICはそれはIPv4を延命させるから駄目だという。つまり「IPv4が延命しては困る」という結論が先にある。
IPv6の方がコストを考慮してもメリットがあるというなら堂々と市場で勝負すればよいだけのはずなのに。
http://www.unixuser.org/~euske/doc/ipv6ex/
IPv4のリンクローカルは、ほとんど使い物にならないので、DHCPか固定アドレス割り当てを用いなければIPv4をうまく使うことができません。ルーティングの話題もでていますが、こうしたIPv4アドレスの複雑さにより、IPv4の管理者はIPv4のアドレス管理を綿密に行わなければならないことで、ネットワークがつながらないというトラブルの対応に多くのコストをかけています。
(単にアドレスだけでなくアプリケーションからサービスから)IPv6に移行してくれるなら、その苦労が楽になるので、それを期待しているわけです。
また、モバイルIPの機器でも同様の理由からIPv4を使うことに困難があり、IPv6を標準にしたいのだけれど、それ以外の機器がいつまでもIPv4なのでIPv6標準することができず、そのためにはIPv4をモバイルでうまく使う技術を考えなければならなずモバイルIPの機器の製品化の障害にもなっています。
IPアドレスをすべての電子機器に搭載したいと考えるとき一人1アドレスどころか家庭にあるすべての機器、将来には冷蔵庫から時計、リモコン、充電器までネットワーク化した世界において、1人に
およそ10〜100程度のアドレスを割り当てたいと考えるときには、そこにIPv4とIPv6が混在している世界はできることならば避けたい事態です。
そのようなことから現場はそれなりにIPv4に悩まされています。
IPv4は充分に延命できることについては賛成します。グローバルアドレスが枯渇することとIPv4のネットワーク
IPv4の代替にならない = IPv6は不要であるという理論には賛成できません。
IPv4とIPv6の共存技術には一切触れず、「v6は実際には携帯電話などの(v4から接続する必要のない)ローカルなアドレスとしてしか使えない」のでIPv4からIPv6に全取っ替えする必要があり、そのコストは莫大なのでIPv6はいらない、「寝言は、寝ているときに言ってほしいものですね」とするのはあまりにも乱暴です。
実際の移行は緩やかに行われるでしょう。利用者はそれがIPv4かIPv6か意識しなくて済むでしょうし、実際意識する必要もありません。
IANAの保有アドレスが無くなり、RIRの保有アドレスが無くなればISP各社は実質グローバルアドレスを確保する手段がなくなります。
オークションで誰かが売ってくれるだろうからいいやー、ではありません。現実的な選択肢としてIPv6の併用や、IPv4のプライベートアドレス払い出しを検討し、実装する段階に入っているのではないでしょうか。
しかしながら、これ以上は空論にしかならないので筆を置きたいと思います。おつきあいくださってありがとうございました。
・グローバルに同期する
・現状の方法を最後の瞬間まで維持する
・未使用のアドレス空間をリカバリするのは分けて議論する
ってのはOK。で、
・期限を切る
・いくつかブロックを残しておく
はダメ。ってだけに読める。まあ俺の英語力がプアなのかもしれないが。
JPNIC自身http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol434.htmlで『参加者の総意としては「世界的に検討が必要な課題ではあるとは考えるが、枯渇時期に関する人為的な介入には反対」とのスタンスであることが見て取れます。』って書いてる。もっともhttp://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol458.htmlだと、『パネリストと会場のいずれからも「IPv4アドレス枯渇に対する長期的かつ根本的な解は、IPv6の利用であるという」コメントが聞かれ、』なあんて書いてるけど。LACNICのwebのほうはってえと……俺には会場の雰囲気はわからないなあ。技術者的にはやっぱり「v6でしょう」なんだろうか? まあ、「ほんとにv4がなくなりそうだ、どうしよう?」って議論の口火を切ったってことになるのかな。
v6とらないとv4もらえないというのは初耳だけど、http://www.nic.ad.jp/ja/stat/ip/20070607.htmlだと、2006年5月のv6の割り当てが378ブロック、v4の割り当てが3638で返却が1289だから差し引き2349。ブロックの大きさが違うから乱暴な比較だけど、v6を1個とると、v4が65個もらえるのか。しかし、指定事業者つーのがユーザーのことなのかな、これ見ると全部で379のうち67のユーザーがv6の割り振りを受けている、と。だとすると2割にも満たないから多くのユーザーというにはちょっと抵抗を感じるな。大口のユーザーなのかもしれないけど。
いきなりIPv4がなくなるはずが無い以上、IPv4とIPv6は少なくともしばらく共存するわけですよね? その過程ではIPv4を管理するコスト プラスIPv6を管理する(低いとはいえゼロではない)コストが加わるんですよね? ユーザがそうするインセンティブは何ですか?
> IPv4を延命させることと、IPv4がIPv6に置き換わることは切り離して考えるべきでは無いでしょうか。
実際問題として切り離して考えてはいけないでしょう。IPv4が延命して問題ないなら、置き換えは起きないだろうし、その裏もまた真ですから。
>IANAの保有アドレスが無くなり、RIRの保有アドレスが無くなればISP各社は実質グローバルアドレスを確保する手段がなくなります。
オークションで誰かが売ってくれるだろうからいいやー、ではありません。
実際ブラックマーケットがすでに存在するんですよね。ですからグローバルアドレスを確保する手段がなくなることはあり得ません。禁止して資源の浪費と闇市場を選ぶか、公的な市場を設けて皆の資源を有効に使うかという選択肢があるだけです。
>アドレス分配が無料を前提とした条件で正当に分配されていると信じた上で
信仰ってのは恐ろしいもんですね。
まあ、こういう大事な問題が信仰によってでなく科学的な議論で決められることを「祈ります」w
しかしJPNICの計算では、5年後にdoomsdayは来るようだから、現実が問題を解決するでしょう。「もうv4のアドレスはないので、v6にしてください」と言って、ユーザーが納得するかどうか、やってみればわかります。
APNICでさえ「v6より市場化を考えるべきだ」といっているのに、日本でそういう意見がpolitically incorrectになるのは困ったものです。新聞の「特殊指定」騒ぎと似た体質を感じますね。
旧ソ連における不動産取引を思い起こします。いかに広大なソ連でも、都市部の利用価値の高い土地は有限なのに、市場取引を許さなかったために、先住者の既得権が優先され、郊外に住む人は、都市部でしか供給されないサービス(教育、医療、有利な就職)を享受できませんでした(プロピースカ制度)
・IPv4リロケーションで発生するエンジニアのコスト、リソース不足になった場合の設備更新のコスト、(日本国外での)人口爆発に対応できない将来性
これらをちゃんと天秤にかけろと。
またIPv6普及・高度化推進協議会の調べでも、v6を商用サービスで提供するISPは、200社中わずか1社という状態だ。
引用するなら「200社中回答のあった22社中1社」とちゃんと書いて下さいよ。変に省略するからこんなザマになって2003年のドキュメントをソースにしたりするんですか?
ほんとですねえ。コストを天秤にかけることもせずIPv4を無理やり終了させるなんて許せません。ちゃんと価格に反映させてコストを比べられるようにしないと。
そうすれば、本当に人口爆発とかが問題になったら移行するだろうし、たいした問題でないならいつまでも移行しないでしょう。「こっちのコストの方が高いのだ!」とか不毛なあてずっぽはなくなる。
アドレスのオークションを実現したところで、アドレスが流通するか疑問です。売り惜しみが心配されます。基本的に、IPv4アドレスというのは維持費はタダみたいなものでしょうし、持っておいても価値は上がることはあっても下がることはないでしょうから。
市場原理でなんとかならないとすれば、政治で何とかすることになります。例えば、米国政府にアドレス保持者に手放すよう圧力をかけてもらうのです。アドレス税も似たような考え方だと思います。しかし、米国は巨大ハリケーンに襲われるまで、環境問題には無頓着だったことを忘れてはなりません。よほど美味しい飴があるか、逆に、ケツに火がつかない限りは非協力的でしょう。
政府レベルでは「国益」が重要になります。米国にとっては、既得権である IPv4 アドレスを所持しつづけるほうが国益に叶うでしょう。米国政府にとって、 IPv4 アドレスを手放すことで得られるインセンティブって何でしょうか。
そんなことを考えていると、当て馬として IPv6 が必要な気がしてきました。「米国が IPv4 アドレスを手放してくれないと、アジア主導で IPv6 世界を構築し、インターネットの主導権をアジアが奪うぞ!」と脅すのです。つまり、米国抜きでもインターネットが発展しつづける選択肢として、IPv6 は存在価値が有るのではないかと思いました。どっかの野党政党みたいなものですね。それが民○党なのか、共○党なのかは意見が分かれるところだと思いますが。
APNICのMLでARIN議長が書いていたように、すでに闇市場は以前から存在しているのですから、今後はブラックマーケットを選ぶかホワイトマーケットを選ぶかという選択になるでしょう。
ARINが「うちの国では売買を始めます」と言ったときにIANAがやめさせる手段があるでしょうか? 問題は、BBNやフォードの既得権益をそのまま認めるのかとか、そういう些末な点だけでしょう。
たとえば「売買開始前に、ごく安価で(ゼロでも良い)ARINが買い上げる期間を設ける。歴史的PIアドレスは、そこで売らない限りは永久に(5年間とかでもよい)売ることはできない。売買開始後は毎年課税(維持管理料徴収)する。」といえば、安く売らざるを得ないでしょう。そうすれば既得権益者が不当に巨額な利益を得ることもない。
http://www.apnic.net/mailing-lists/sig-policy/archive/2007/03/msg00008.html
IPv4 is not going away. Persons will continue to have a need for it. Given the lower cost of using IPv4 as a start up (there is much more used IPv4 equipment available at the moment than used IPv6 equipment or used dual stack equipment) it will still be an attractive option for those who have a limited amount of money and do not necessarily need large amounts of address space.
IPv4 space will come available because of conversion to IPv6 or changes of business activity that will require recycling of that address space. This can occur in the current RIR system or it could cause the growth of a black market particularly in areas where there is still a strong demand for IPv4 address space.
http://www.arin.net/billing/fee_schedule.html
http://lacnic.net/en/registro/table.html
http://www.apnic.net/docs/corpdocs/member-fee-schedule.html
http://www.afrinic.net/docs/billing/afadm-fee200405.htm
このあたりを見る限り、IPアドレスは持っているだけでコストがかかるように読めるなあ。RIPE NCCのWebサイトからは料金体系の説明を見つけられなかったけど、こういう状況じゃあRIPE NCCだけタダで配っているとも思えない。池田さん、いまだにタダでIPアドレスを配っているという主張に関する根拠を提示いただければ幸いです。
ここ3年くらいで、「JPNICがv4アドレスの残り具合を計算した」というのは初耳だなあ。
http://www.apnic.net/docs/policy/discussions/prop-046-v001.txt
http://www.nic.ad.jp/ja/research/ipv4exhaustion/ipv4exh-report.pdf
どっちも、他人の計算を使ってるけど。池田さん、ほかに「JPNICが計算した」という資料があったら、教えていただければ幸いです。
あんれ、
http://www.apnic.net/mailing-lists/sig-policy/archive/2007/03/msg00015.html
って、SIGのレポートだよねえ。APNICが主催したオペレーターミーティングみたいなもんだと思ってたんだけど、APNICという組織が正式に「市場化を考えるべきだ」って言ったんですかねえ。
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まあ確かにv6一本槍より、v4再利用メカニズムと併用して市場原理に訴えた方がいい、というのは納得できる。でも、事実誤認、もしくは誤解、もしくは曲解と読めちゃう記述をこうも連発されると、「この人、ほんとにわかってんのかいな」と思っちゃうな。
ざっくり考えて、v4アドレスの在庫がなくなってからv4アドレスほしいユーザーは、v4再利用ないしオークションないし再配布がOKになったとして
・v4アドレス調達のコスト
オークションになるか、持ってるとこに直接交渉するのかは知らないけど。
あんまりふっかけると別のとこにいくかv6に移行するかしちゃうから、そこ
そこの値段で落ち着くはず。
・ルーティングテーブルを書き換えるコスト
これは今でもあるし、v6でもあるだろう。けど、今はたぶんv4アドレスのイ
ニシャルコストとかランニングコストに上乗せされている。なのでアンバン
ドルして明確化する、と。どのくらいのルーターが影響を受けて、どのくら
い変更コストがかかるんだろう。いちいち調べていたら大変だから、ISPな
りレジストリなりが代行して請求、後で精算、なんてなるのかも。
・v6ネットワークに接続するコスト
これはオプションかな。既存のv4ネットワークだけを相手にするならいらな
い。でも、v4がなくなった後v6オンリーのネットワークが増えていったりす
ると考えなくちゃいけないかも。
を負担することになるのかな。
で、v6のほうだと
・v6アドレス調達コスト
まあこれは今のv4アドレスと同じくらい?
・ルーティングテーブルを書き換えるコスト
v4と同じなのかな。でも最初から集約を考えて配布するって言うし、使える
アドレスがだいぶ多くてゆったり配置できるから、v4より安くなるかも。ま
さか、全然必要ないってことはないよね。
・アプリケーション開発コスト
v4でしか動かないアプリケーション、たくさんありそう。
・v4ネットワークへの接続コスト
これは必須だろうなあ。今までのwebとかメールとかが使えないと意味ない
し。
この辺のコストや、メリット/デメリットを考えて好きなほう選べればOKってことだよね。
>
> それも価格に反映されるようにすればよい話ではないでしょうか。
> コストが大きく違うなら「うちはIPv6オンリーですがすごく安いです」あるいは
> 「IPv4オプションは高価です」というIXやISPが出てくるはずでしょう。
ルーティングコストの負担、つまりテーブル再構築・ルックアップ効率低下の影響が出るのは、新規アドレス保持者が契約している ISP とは限らないので、ISP が自主的に v4 を高価にする理由はないですよね。(現実には逆ですね)
そうすると v4 を高価に設定するためには ISP 間で合意が必要ということになりますが、これは v4 税に他ならず、池田さんによれば「既得権を侵すから問題外」とのこと。もっともアドレス取得時だけに課税すれば既得権も侵されないような気もしますが。
「タダ」が『定額』に変わったとして何か違いがあるんですかね。ポイントは『希少性が価格に反映されていない』という点なんだけどそれが理解できてないのかな。
たとえアドレスの割り振り・割り当て自身に対価を取っていないとして、トランザクションコストがかかるのは自明だし。
その他の点については、
>JPNICが計算した
→ JPNICが(他の人の計算を用いて)検討した
>APNICが「市場化を考えるべきだ」といった
→ APNICで「市場化を考えるべきだ」という意見が出た
が正確でしょうね。
>「この人、ほんとにわかってんのかいな」と思っちゃうな。
まあ、ちゃんとした文章を書くときには池田氏も言い回しに気をつけた方がいいでしょうね(というか気をつけるでしょうね)。しかし、ブログのコメント欄(しかもこれだけの分量をさばいてるところ)で、あんまり重箱の隅をつついて言葉じりを捕らえててもと「必死だなw」てな感じがしちゃいますよ。
前に「アドレスが不足する(超過需要がある)のは手数料が低すぎるからで、審査なんかしなくても、需給が一致する水準まで値上げすればいい」と提案したら、JPNICの某幹部に「金持ちだけがアドレスを取るのは不公平だ」と反論されました。資源配分の効率と所得分配の公平の区別もついていない人々が支配する「アドレス社会主義」が崩壊するのは、歴史的必然です。
このあたりは経済学が大昔からフツーに扱っている問題なので、新しい「解決策」を技術者が発明しようとするより、教科書的な対策を用いればよいのではないでしょうか。
>これは v4 税に他ならず、池田さんによれば「既得権を侵すから問題外」
「税だから駄目」なのではなく「税だけだと既得権者が損をするから受け入れられない」のでしょう。
上の方のコメントで書いたとおり、税とオークションの組み合わせなど、既得権者がトータルで損をしない(ただしあまり大きく得もしない)案はあると思います。(上の私の案はいい加減な思い付きですが、ゲーム理論やオークション理論などのミクロ屋さんや、産業組織論や制度設計論の専門家に聞くとよいと思います。)
これは失言でした。おわびします。
関野さんが長い投稿の後半で述べてらっしゃる価格の計算ですが、「前もって個々のコストを精密に計算してトータルコストに反映させる」必要はないのです。それをやろうとするのが社会主義(計画経済)ということになります。
「コストはすべて価格に反映させる」システムだけ作って、あとはもっとも儲かるように各自が行動すると、競争的な市場なら最適な資源配分になるのです。(その仕組みは入門書をお読みください。)
競争的な市場だと、個々の主体は勝手に値段をつけること(「ふっかける」とか)はできず(しても損をするだけ)、市場の価格を受け入れる「プライステイカー」として行動することになります。
たとえばRIRが仲介してオークションにかけるとき、ある程度連続したアドレスでなければ売れないように制限すればいい。逆に、アドレスに「穴」があいているユーザーが、その部分を持っているユーザーからアドレスを買って連続にすることもできます。
連続したアドレスのほうが価値があるのは、土地と同じです。広い土地のほうが単価が上がるので、「地上げ」によって連続にするインセンティブが発生します。ただし、これをうまくコーディネートするためにはブラックマーケットではだめなので、公式の市場を設けたほうがいいのです。
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Sat, 27 Dec 2003, **** wrote:
> IPアドレスの分配ルールのキモは、「明示的に提示された需要に対
> する必要十分な配分」です。市場メカニズムと聞くと、「金を持っ
> ている人間が好きなだけ買い占められる」と言う風にしか聞けない
> のです。
この「需要が明示的に(正直に)提示される」かどうかが問題です。たとえばアドレスの使い道のはっきりしないA社と、足りなくて困っているB社があるが、APNICには実情がわからないとします。こうした「情報の非対称性」のある状況では、「需要を申告しろ」といっても、A社は過大な需要を申告してアドレスを余分に取ろうとするでしょう。過大に申告するコストがかからないからです。これを「モラル・ハザード」といいます。
こういう場合、ユーザーに評判の悪いややこしい審査をしなくても、2社でオークションをやれば、その価値を高く評価するB社が高い価格を出し、落札します。つまりオークションは、言葉だけではなくコストを負担させることによって「本当のことをいわせるメカニズム」なのです。
金を持っている大企業が大量に買い占めるのを防ぐには、米国のPCSや欧州の3Gオークションのように、買える枠を決めればよいだけです。この例でいえば、B社が所定の枠まで優先的にアドレスを取り、残りをA社に配分するわけです。実際には、アドレスが十分あれば、こういう枠も必要ありません。落札した電波のsecondary marketができても、起こるのは買い占めではなく、逆に余分に買いすぎた電波の売却です。土地でも何でもそうですが、供給が十分あれば投機は起こらないのです。
このまま放置すると、アドレスが逼迫したらブラックマーケットができて、ドメインネームのような混乱が起こるおそれが強い。そうなる前に、FCCのように「市場指向」で問題を解決してはどうでしょうか。
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池田信夫
池田さん
・IPv6を普及させるために使われている「IPv4枯渇論」は正しいか
という話と、
・IPv6がIPv4よりもメリットがあるか
という話を一緒くたにするはどうかと思います。
IPv6が良かろうと悪かろうと、
IPv6の普及手段として「IPv4枯渇論」を持ち出すのはよろしくない
と主張すれば、話はスムーズに進むと思います。
>供給が需要を上回るので、アドレスは自由財(価格ゼロ)になります
NATを組むことで初めて枯渇が回避されるという前提なら、IPv4を市場で流通させても自由財にはなり得ないと思います。NATを組むことは業界で働いていると分かりますが世界中で計り知れないコストが支払われています。(他の方も同様なコメントが目立ちますが。)
ITの革新によってビットあたりの通信、記憶、計算の単価が、ここ何十年かで想像できないくらいに下がったのに、社会的な理由でIPv6とv4の差の16ビット問題に対してごたごた言うこと(取引するエネルギーも含めて)自体が無駄なコストだと思います。
>アドレスはまだ1割しか使われていない
この1割という数値は現象を予測する自然科学においては少ない数字ではないと思います。ビット単価が高くて問題を先送りした2000年問題を、ビット単価が安くなった現代で踏襲するようなことになるのではないでしょうか。
僕の個人的な見解では政治的に速やかにIPv6移行が図られるのが最善だと考えています。
・IPv4アドレスは手に入りにくくなっている
・IPv6は色々なメリットがある
・IPv6はすぐに使える状況になっている
・IPv6はIPv4との相互運用も考慮されている
などとIPv6を擁護しようとする人が多いが、こういう意見は全てIPv6の将来に対する≪悲観的な≫予測を支持する根拠であることに気がつかないのだろうか。
「にもかかわらず皆IPv6を使おうとしない」と後に続けてみれば明らかだと思うのだが。
IPv4の不便さ、IPv6の便利さを強調すればするほど、それを上回る移行のデメリットの大きさを証明していることになる。
それでも、がんばってIPv6対応製品を普及させた人々の努力には感謝すべきだと思う。
・IPv6はすぐに使える状況になっている
が正しいなら、移行を急ぐ必要は全くないことになる。安心してIPv4を使い続けていてよいわけだ。
コストをかけても普及しないって意味で?
たとえば
タダなのが悪い -> 課金する
定額なのが悪い -> 従量制にする
希少性が価格に反映されないのが悪い -> 反映させる
と、問題が違えば解決策が違うので、ここは間違えてはいけない大事な部分だと思います。他はまあ重箱の隅といえば隅ですが、受ける印象はずいぶん違いますね。
何より、せっかく有意義な意見を書かれているのですから、重箱の隅をつつかれたり揚げ足を取られたりするのは大変もったいないと思います。
>定額なのが悪い -> 従量制にする
>希少性が価格に反映されないのが悪い -> 反映させる
>
>と、問題が違えば解決策が違うので、
今おこなわれている「定額」というのは、当然従量制(同じ大きさのアドレス空間での価格が一定)です。これはダメです。そして「タダ」も定額のうちです。したがって「解決策が違う」ということはありません。問題は同じで、解決策も同じです。
せっかくv6作ったんだし
専門家じゃないからしっかりとはわからんが、v4のIPを取引可能にするのと、v6のネットワークをメインにするのは、どっちも大変だと思う
ならば、IPアドレスが枯渇しない道があるが、v6に移行する
これでいいと思う
v6に移行する
>これでいいと思う
どうぞご自由に。あなたは移行してください。
私は、各人が得な方を選ぶ選択肢を奪ってほしくないと望むばかりです。
池田さんの考え方は、「今の使われ方ならば」というのが前提になっています。この前提は絶対では無いと思います。今、米国で高燃費な日本車が大人気なのは、石油の供給が減って、ガソリンの価格が高騰しているからです。石油の供給量が回復して、前提がひっくり返れば、この傾向もひっくり返るでしょう。何が言いたいかというと、利用できるIPアドレスの量が増えると、IPアドレスをじゃぶじゃぶ使うようなサービスや事業者が登場する可能性があるということです。そうなると、また、枯渇がはじまります。IPv6のアドレス空間は事実上の無限といってもいいくらいのゆとりがありますが、IPv4では(例えアドレスが返納されたとしても)、そこまでゆとりはありません。したがって、IPアドレスを無駄遣いしないような仕組みが必要になると思います。このような仕組みとしても、「IPアドレス税」は有望だと思います。
ISPがIPv4アドレスの入手や維持に対して支払っている価格は現実にはゼロではないでしょうが:
・ISPが今と同じ価格でグローバルアドレスを入手できれば、今と同じ価格で同じ量のサービスを提供できるはずだ。
・今の何倍ものIPv4アドレスが市場に出回り、効率的に配分されたとする。すると、今より少々(何割とか2倍とか)多い程度の需要があったとしても、IPアドレスの価格は今以上にはならない。むしろ下がるはずだ。
ここまでは問題ありませんね?
> 利用できるIPアドレスの量が増えると、IPアドレスをじゃぶじゃぶ使うようなサービスや事業者が登場する可能性があるということです。
「IPアドレスをじゃぶじゃぶ使う」というのが「IPアドレスの価格が現在より安いので、使用できるIPアドレスの数が現在より多い」という意味なら、現在より高い価格になることはありませんね。それで「涸渇」(笑)するというのはどういう意味でしょう?
もし、画期的な「じゃぶじゃぶサービス」提供者(たとえばユーザあたりで従来のISPの10倍つかう)だけが高い価格を支払えるが、従来のISPは同じような高い価格を支払えないとすると、「じゃぶじゃぶサービス」は消費者にとって従来のISPより(10倍以上のアドレス価格を負担してもペイする)価値のあるサービスということになるでしょう。それならそれでよいことではないでしょうか。
>IPアドレスを無駄遣いしないような仕組みが必要になると思います。
市場機構こそがその仕組みだと思うのですが。「あまっていれば安くなるし、足りなければ高くなる」仕組みですから。
>それで「涸渇」(笑)するというのはどういう意味でしょう?
石油で考えてみます。仮に大きな油田が見つかって、生産量が増えて、価格が下落したとすると、省エネの努力は不要でしょうか?そんなことはありません。石油は有限の資源だからです。足りなくなってから騒いでも手遅れなのです。同じように、一時的にIPアドレスが増えても、アドレスを効率的に使う努力はすべきなのです。じゃぶじゃぶ使っているといつか枯渇する(=高値で安定する)ときは来るのですから。そうなると現在の問題がまた起きます。そのときは、貧乏人から使用中のアドレスを無理やり巻き上げることになるのでしょうか(地上げ屋みたいなものですね)。
また、先進国にとっては手ごろでも、発展途上国からすると高価かもしれません。すると、発展途上国はインターネットから締め出され、先進国だけのインターネットになることも考えられます。
仮にアドレスの価格が安くなったとしても、大切に使わせるような仕組みがほしいと思います。
・石油が「涸渇」することはありません。長期的に逼迫が続いて代替エネルギーより高くなったら使われなくなっていく。代替エネルギーが技術革新で安くなったら、やはり使われなくなる。ただそれだけです。今も、石油より高い代替エネルギーなら石炭・シェールオイルなどいろいろあります。(ようするに「まだある」「もうない」のデジタルではないのです。見合うコストによって埋蔵量は連続的に変わる。コストが見合わなくなれば使われなくなる。
http://cruel.org/economist/oil/lotofoil.html もご参照ください。)
・だからといって化石燃料消費削減の努力が不要というわけではありません。CO2や大気汚染などの社会的費用が経済の外部にあってコストに反映されていないなら、炭素税や排出権によってコストに反映させて節約を促進できます。
・アドレスや土地は、全部所有者がいる状態でも別に「涸渇」して困るということはありません。日本の土地は涸渇していますか?
・いずれにせよ、石油の例が何を言いたいのかよくわかりません。「市場機構ではダメ」と言いたいのでしょうか? タダ同然の定額で配り続けたらもっと早く問題が起きるのではないですか?
>貧乏人から使用中のアドレスを無理やり巻き上げることになるのでしょうか(地上げ屋みたいなものですね)。
暴力や脅迫・詐欺などの手段を使わないとして、商取引というのはお互いに自発的に行われるものですから「無理やり」というのは変です。売った方が損ならなぜ売るのでしょう。
また、「効率的な資源配分(アロケーション)」と「公平な所得再分配(ディストリビューション)」は全く別の話です。両者をごっちゃにしてはいけません。2つの政策目標を達成するには、2つの異なる政策手段が必要です(ティンバーゲンの定理)。割当ポリシーは前者に関連します。効率の悪いやり方をすると、低所得者も含めてみな困るだけで、何の解決にもなりません。
低所得者を援助したいなら、資源配分とは別にお金を援助する(値引き・補助金等)しかありません。
くまさんは、今の効率の悪いやり方(このままだと「涸渇」するのですよね??)が、どのように発展途上国を助けると思うのでしょう。涸渇して皆が困るような非効率なやり方が発展途上国のためでしょうか?
それとも、今は(損だから)移行したがらないIPv6に無理やり(損なのに)移行させることが発展途上国のためだということでしょうか? なんとも偽善的な独裁国家のようなパターナリズムですね。
>大切に使わせるような仕組みがほしいと思います。
じゃあ、需給が逼迫してもタダ同然で配る、あまりにも無駄な現在の仕組みは一刻も早くやめないといけませんね?
(なぜ「大切に」とか「涸渇するから節約」といいながら、現在のムダ使いを擁護するのかわかりません。明らかに矛盾しているのですが。)
かといってV4のままで行くのもで政治的に不可能なのではないでしょうか?
しかし、かと言ってV4継続には費用が発生します。
これを踏まえてV6 は普及すれば安価となります。
結局、V6は今後も進められていくと思います。
http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2007/20071207-01.html
への池田さんの御批判・御意見を伺いたく思います。
9月5日 20時57分 NHKニュース 暮らし
>インターネットの利用に必要な登録番号「IPアドレス」が、今後、世界的に不足するおそれがあるため、5日、国と民間団体による組織が発足して、次世代の通信規格の導入を支援するなど、本格的な対策を進めていくことになりました。
>発足式には、総務省とインターネット関連の13の民間団体の代表が出席し、アドレス不足の問題について話し合いました。インターネットの利用に必要な「IPアドレス」という登録番号は、3年後の平成23年までに世界的に不足して、ネットの利用が一部で制限されるおそれが出ています。このため、アドレスの数を事実上、無制限に増やすことができる次世代の通信規格に変えようという動きが進んでおり、この日の発足式では「利用者への影響を避けるため、インターネットの接続業者などが対応を急ぐ必要がある」といった意見が出されました。新たな通信設備の導入には費用がかかり、特に中小の接続業者では対応の遅れが懸念されていることから、この組織では今後、相談の窓口を設けて、必要な技術や運用方法などについて、具体的な支援を進めることにしています。
http://www.itworld.com/networking/54369/study-shows-glacial-pace-ipv6-adoption
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