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後藤田正純「消費者庁長官」なんていらない
2008-07-22
/
Law/Politics
政界筋によると、福田内閣の改造で、目玉の「消費者庁」の長官(あるいは消費者問題担当相)に
後藤田正純氏
が有力視されているそうだ。彼は自民党の消費者問題調査会の事務局長だから、党内的にはありえない人事ではないようだが、「官製不況」を生んだ3Kの一つ、貸金業法をつくった疫病神が入閣とは、とんだブラック・ユーモアだ。
貸金業法の影響で特に目立つのが、闇金融の増加である。
週刊ダイヤモンド
によれば、貸金業大手7社の貸出残高は、この2年で2兆円近く減少し、全国信用情報センター連合会に加盟する「合法的」な貸金業者は約2000社から1500社に減った。その分が闇金に転じ、警察庁の摘発件数は2007年には前年の50%増になった。闇金の多くは山口組の資金源になっており、一時は暴対法による集中取り締りで激減したが、上限金利規制でふたたび活況を呈してきたわけだ。後藤田氏の入閣をもっとも喜ぶのは山口組だろう。
サラ金の問題は、アル中と基本的に同じだ。多重債務の原因は借金への依存症なので、これを直さないで借金を禁止するのは、昔のアメリカの「禁酒法」と同じで、問題が地下に潜って犯罪の温床になるだけだ。いくら闇金を取り締まっても、資金需要がある限り問題は解決しない。必要なのは金利規制ではなく、債務を整理するカウンセリングである。
後藤田氏が長官になって、消費者庁が規制強化の司令塔になったら、官製不況はさらに悪化し、福田政権の命取りになるだろう。フリードマンものべたように、競争政策以外に経済政策なんて必要ないのだから、経産省を解体して産業政策の予算と人員を公取委に移管し、「消費者行政委員会」としてはどうだろうか。
コメント (
16
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コメント
個人情報保護法を撤廃せよ
(
谷井
)
2008-07-22 12:17:07
たしか消費者金融の金利は元々高かったと思います。なぜならば借り手の情報が少なすぎるので、リスク回避として良い借り手であろうが借金を踏み倒す悪い借り手であろうが同じ金利に設定しているのでは?
であるとしたなら、上限金利規制の撤廃よりも個人情報をもっと消費者金融に広めさせる方が社会的に有意義かと思われます。
自由競争を作った上で上限金利規制も撤廃した方が心理的な抵抗も少ないかと!
最終的には3K全てなくすべきですけどね。
新記録
(
池田信夫
)
2008-07-22 12:47:57
きのうは7.5万PV、2.5万IPと、いずれも史上最高で、gooブログの第1位でした。「毎日新聞」の固定リンクへのアクセスが1万を超え、トップページを超えました。RSSリーダーなどのリンクをたどってくる人がメインになったわけです。
累計PVも、きのうまでに100万を超え、今月は150万を超えるペースです。さすがにここまでくると、書くのもちょっと緊張します。「ネタに困らないか?」とよくきかれますが、逆につまらない記事を書かないように気を使います。
ここ5年のヤミ金融被害の推移
(
田中大介
)
2008-07-22 13:09:03
ウェブ上から新聞記事の残骸を拾い集めてまとめただけですが、ここ5年のヤミ金融被害の推移は以下のようになるようです。
検挙件数 被害者数 被害総額
2003年: 556件、32万人、322億円 ヤミ金融対策法成立(7月)
2004年: 432件、28万人、348億円 ヤミ金融対策法施行(1月)
2005年: 339件、17万人、238億円
2006年: 327件、20万人、279億円 貸金業法改正成立(12月)
2007年: 484件、15万人、304億円
金貸しへの憎悪
(
池田信夫
)
2008-07-22 14:03:47
後藤田氏のようなナンセンスな政策が毎日新聞のような無知なメディアの拍手を浴びる背景には、「金貸し」や「利子」への伝統的な憎悪があると思います。これは世界中どこにもあることからみても、遺伝子レベルの感情のような気がします。「自分は働かないで他人の労働の果実を奪う」という行動は、集団内に対立を作り出すからでしょう。
「ベニスの商人」なんて、客観的にみれば契約の履行を求めるシャイロックのほうが正しいのに、彼は悪役にされる。こういう汚れ仕事は集団内ではきらわれるので、そこから排除されたユダヤ人がやるしかなかった。社会主義が支持された背景にも、こういう「反営利」の感情があると思います。
日本ではそれほど金貸しを卑しむ感情は強くないと思っていたけど、「グレーゾーン金利」をめぐる最高裁判決にはあきれました。あれは事実上、上限金利を過去に遡及して引き下げるもので、サラ金がつぶれるのは当たり前です。シティバンクが消費者金融から撤退するとき「ルールのない国でビジネスはできない」と言っていましたが、日本の司法の程度の低さは途上国なみです。
Unknown
(
小倉秀夫
)
2008-07-22 17:42:50
しかし、上限金利自体は米国の大半の州でありますし、欧州でも、国ごとに違うとはいえ、一定以上の金利は無効、暴利行為に対しては刑事罰という法制度が広く採用されています。
こんばんは
(
秦智紀
)
2008-07-22 18:49:18
政治家が経済学わからないのは今に始まったことではないと思うけど、過去にあった禁酒法の影響とかくらいわかっててやってる時点で頭がおかしいと思える。政治家は現状分析とか出来ないのに歴史分析も出来ないようじゃ政治家やりながら税金で生活して、ある種詐欺ですわな。
感情論というより単純思考では
(
コノハズク
)
2008-07-22 20:00:34
金貸しへの憎悪について、それもあるでしょうがもっと本質的に、「悪い事はしちゃいけない」って決まりを作れば解決する、という単純思考が世の中に蔓延してるんじゃないかと思うんですが。禁酒法も全く同じだし、「イジメをやめよう」とか「○○ナイフ禁止」なども皆同じでしょう。そんな事で世の中が良くなるなら、犯罪なんて起きません。
昔の街金はプロだったから、債務者を追い込む事はあっても殺すような事はなかった。今の闇金はチンピラくずれみたいのばかりになって、相手を自殺まで追い込んでしまう。余計に世の中が悪くなってしまってますね。
かつて、例外として高金利を認められていた金融業がありました。個人商店などを巡回して、月末の資金調整の為に数万円程度を貸すという業者です。業者が一人で回ることの出来る店舗数など知れている事と、元金は高くしてはいけない、長期はいけないなどの条件があって、高い金利が認められていたんですが、これにあるサラ金が目を付けた。
これがきっかけとなって、金利抑制政策が進められる事となったと聞きます。上述の金融業者は今では殆ど絶滅しちゃってまして、個人商店衰退の一要因と考える事もできるでしょう。(個人で店やってたら、公的資金の手続きなど出かけてられない)
そもそも問題なのは元金であって金利ではない。例え金利が年に100%であろうと元金が1万円だったら利子は1万円にしかならない。だから闇金はとにかく元金を高くしようとし、しかも返済は利子の分しか受け取らなかったりする訳です。金利上限を下げれば良いという単純思考が、文字通り如何に単純であるかこれで分かるというものです。大臣というよりマスコミも金利抑制の大合唱だったのだから、同罪でしょう。小学生にでも分かる計算が出来なかったわけです。
ヤミ金融被害の推移
(
風竜胆@文理両道
)
2008-07-22 21:19:21
>その分が闇金に転じ、警察庁の摘発件数は2007年には前年の50%増になった。
田中大介さんのデータを見ると、摘発件数は確かに前年度と比較して50%増だが、被害者数は逆に25%程度減っている。
被害総額は、1割弱増えているがこれは、過去5年のトレンドからは、増えているとは言い難い。
これは、闇金が活発化しているというよりは、警察が貸金業改正を受け、闇金の摘発を増やしたという解釈ができるのではないだろうか。
クレジット・ヒストリー(1)
(
在米日本人
)
2008-07-23 04:46:07
日本の貸金業の問題は、アメリカのように、クレジット・ヒストリー制度がないため、親類縁者などの他者を、信用の担保で巻き込むことだと思っていました。
ですから、半ば知らずに共同責任を負わされた親などが、それこそ取り立ての暴力団から「臓器を売ってでも借金返済しろ」と脅しを受け、一家心中などの悲惨な結末に追い込まれる。
貸金業規制の話題になると、すぐ日米の金利上限比較、が議論の的になるように思いますが、現時点で、日米の貸し金業は、「クレジット・ヒストリーに基づき責任が個人に限定された借金=アメリカ」と、
「共同責任のように他者を巻き込む借金=日本」という、似て非なるもの、ではないでしょうか。
クレジット・ヒストリー(2)
(
在米日本人
)
2008-07-23 04:49:03
(続き)
とすれば、また対応策も異なるべきで、前回、貸金業規制を導入した国会議員諸氏は、暴力的な取り立てから家族を守ることなどを主眼としていたように思います(私は、よく暴力団のプレッシャーをはねのけたものだ、感心しました)。
ということで、クレジット・ヒストリーの日本での導入について、もっと議論されてもよいと思うのですが。。。
クレジット・ヒストリーは、クレジット・カードで買い物をした後に、きちんと返済してきたか、という個人の借金返済の歴史です。その点数の上下によって、個人の財政上の信用力が決まる。
つまり、その個人の過去の行為に基づく合理的な判定だと思います。ただし、米国では自棄になった個人が、「借りるだけ借りて個人破産宣告」というモラル低下事態を招いている例もあるようなので、何か、もう一工夫、必要なのかもしれません。
Unknown
(
小倉秀夫
)
2008-07-23 08:25:39
金利の上限規制を撤廃した場合には、従前の闇金業者が正規の届け出をすることも予想されますが、その場合は、回収の方法等に問題があったことを捜査機関の側で確実に把握できなければこれを摘発することができなくなりますから、暴力団のフロント企業たる貸金業者が栄え、借金を苦にした自殺や犯罪は増加することが予想されます。
新記録おめでとうございます
(
Uesugi
)
2008-07-23 10:45:30
毎日池田さんのブログを拝見させていただき、ありがとうございます。
経済学の常識をより多くの日本人に伝えるようがんばってください。
Unknown
(
田中大介
)
2008-07-23 14:16:27
>風竜胆@文理両道さん
私も、摘発件数は警察のがんばり度合いに強く依存すると考えているので、摘発件数ベースでの議論はあまり意味がないかな、と考えています。
ただ、被害者数のデータも曲者で、数十万人という規模を考えると、警察(or関連機関)への被害届や相談の数などではなく、摘発業者から押収した顧客名簿や入出金記録の集計ではないかと考えられます。
摘発1件あたり被害者が数百人になることを考えても、案件によって当たり外れが大きそうな感じがします。要は、ボラリティが大きいというか。
ですので、トレンドを推し量るという意味では、被害総額がもっとも信用に足るような気がいます。
後藤田氏は金融教育の欠如を何とかしろ
(
伊藤
)
2008-07-24 21:26:55
競馬、パチンコ、デイトレード・・・世の中には損すると分かっていても敗者のゲームやめられない希望に溢れた愚か者で溢れています。しかし、この様な愚か者(自分も含め)は価値の流動性を担保する資本主義経済の宝でもあります。後藤田正純氏はこのような愚かな人を救うため義憤に駆られて貸金業法を作ったのでしょうが、流動性を阻害することになりますから官製不況になるのは当然です。ほとんどの人は自分の”愚かさ(希望)”と収入を天秤に掛け納得しながら賢く経済活動を行っております。そういう人達にとって貸金業法は最悪のお節介と言えるでしょう。
後藤田正純氏が行うべきは愚か者への無意味な施しではなく、幼少期からの徹底した金融教育と不幸にもその教育が身に付かなかった人への厳しい再教育だと思います。
実情はどうあれ
(
shousiminjp
)
2008-07-24 23:52:34
デイトレ(市場の価格形成に参加するという仕事)とギャンブル(胴元が得をするように設計された賭けごとの遊び)を一緒にするのはどうかと。
Unknown
(
伊藤
)
2008-07-25 10:59:02
>>shousiminjpさん
お気に障ったらすみませんでした。
デイトレでも、仕事としてきちんとトレーニングを積み自らを律しながら目標を持って頑張っている人が多くなっていることを十分存じております。そういう人にとっては今回の件は明らかに他人事なので笑って読み飛ばしてくれると思っておりました。
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であるとしたなら、上限金利規制の撤廃よりも個人情報をもっと消費者金融に広めさせる方が社会的に有意義かと思われます。
自由競争を作った上で上限金利規制も撤廃した方が心理的な抵抗も少ないかと!
最終的には3K全てなくすべきですけどね。
累計PVも、きのうまでに100万を超え、今月は150万を超えるペースです。さすがにここまでくると、書くのもちょっと緊張します。「ネタに困らないか?」とよくきかれますが、逆につまらない記事を書かないように気を使います。
検挙件数 被害者数 被害総額
2003年: 556件、32万人、322億円 ヤミ金融対策法成立(7月)
2004年: 432件、28万人、348億円 ヤミ金融対策法施行(1月)
2005年: 339件、17万人、238億円
2006年: 327件、20万人、279億円 貸金業法改正成立(12月)
2007年: 484件、15万人、304億円
「ベニスの商人」なんて、客観的にみれば契約の履行を求めるシャイロックのほうが正しいのに、彼は悪役にされる。こういう汚れ仕事は集団内ではきらわれるので、そこから排除されたユダヤ人がやるしかなかった。社会主義が支持された背景にも、こういう「反営利」の感情があると思います。
日本ではそれほど金貸しを卑しむ感情は強くないと思っていたけど、「グレーゾーン金利」をめぐる最高裁判決にはあきれました。あれは事実上、上限金利を過去に遡及して引き下げるもので、サラ金がつぶれるのは当たり前です。シティバンクが消費者金融から撤退するとき「ルールのない国でビジネスはできない」と言っていましたが、日本の司法の程度の低さは途上国なみです。
昔の街金はプロだったから、債務者を追い込む事はあっても殺すような事はなかった。今の闇金はチンピラくずれみたいのばかりになって、相手を自殺まで追い込んでしまう。余計に世の中が悪くなってしまってますね。
かつて、例外として高金利を認められていた金融業がありました。個人商店などを巡回して、月末の資金調整の為に数万円程度を貸すという業者です。業者が一人で回ることの出来る店舗数など知れている事と、元金は高くしてはいけない、長期はいけないなどの条件があって、高い金利が認められていたんですが、これにあるサラ金が目を付けた。
これがきっかけとなって、金利抑制政策が進められる事となったと聞きます。上述の金融業者は今では殆ど絶滅しちゃってまして、個人商店衰退の一要因と考える事もできるでしょう。(個人で店やってたら、公的資金の手続きなど出かけてられない)
そもそも問題なのは元金であって金利ではない。例え金利が年に100%であろうと元金が1万円だったら利子は1万円にしかならない。だから闇金はとにかく元金を高くしようとし、しかも返済は利子の分しか受け取らなかったりする訳です。金利上限を下げれば良いという単純思考が、文字通り如何に単純であるかこれで分かるというものです。大臣というよりマスコミも金利抑制の大合唱だったのだから、同罪でしょう。小学生にでも分かる計算が出来なかったわけです。
田中大介さんのデータを見ると、摘発件数は確かに前年度と比較して50%増だが、被害者数は逆に25%程度減っている。
被害総額は、1割弱増えているがこれは、過去5年のトレンドからは、増えているとは言い難い。
これは、闇金が活発化しているというよりは、警察が貸金業改正を受け、闇金の摘発を増やしたという解釈ができるのではないだろうか。
ですから、半ば知らずに共同責任を負わされた親などが、それこそ取り立ての暴力団から「臓器を売ってでも借金返済しろ」と脅しを受け、一家心中などの悲惨な結末に追い込まれる。
貸金業規制の話題になると、すぐ日米の金利上限比較、が議論の的になるように思いますが、現時点で、日米の貸し金業は、「クレジット・ヒストリーに基づき責任が個人に限定された借金=アメリカ」と、
「共同責任のように他者を巻き込む借金=日本」という、似て非なるもの、ではないでしょうか。
とすれば、また対応策も異なるべきで、前回、貸金業規制を導入した国会議員諸氏は、暴力的な取り立てから家族を守ることなどを主眼としていたように思います(私は、よく暴力団のプレッシャーをはねのけたものだ、感心しました)。
ということで、クレジット・ヒストリーの日本での導入について、もっと議論されてもよいと思うのですが。。。
クレジット・ヒストリーは、クレジット・カードで買い物をした後に、きちんと返済してきたか、という個人の借金返済の歴史です。その点数の上下によって、個人の財政上の信用力が決まる。
つまり、その個人の過去の行為に基づく合理的な判定だと思います。ただし、米国では自棄になった個人が、「借りるだけ借りて個人破産宣告」というモラル低下事態を招いている例もあるようなので、何か、もう一工夫、必要なのかもしれません。
経済学の常識をより多くの日本人に伝えるようがんばってください。
私も、摘発件数は警察のがんばり度合いに強く依存すると考えているので、摘発件数ベースでの議論はあまり意味がないかな、と考えています。
ただ、被害者数のデータも曲者で、数十万人という規模を考えると、警察(or関連機関)への被害届や相談の数などではなく、摘発業者から押収した顧客名簿や入出金記録の集計ではないかと考えられます。
摘発1件あたり被害者が数百人になることを考えても、案件によって当たり外れが大きそうな感じがします。要は、ボラリティが大きいというか。
ですので、トレンドを推し量るという意味では、被害総額がもっとも信用に足るような気がいます。
後藤田正純氏が行うべきは愚か者への無意味な施しではなく、幼少期からの徹底した金融教育と不幸にもその教育が身に付かなかった人への厳しい再教育だと思います。
お気に障ったらすみませんでした。
デイトレでも、仕事としてきちんとトレーニングを積み自らを律しながら目標を持って頑張っている人が多くなっていることを十分存じております。そういう人にとっては今回の件は明らかに他人事なので笑って読み飛ばしてくれると思っておりました。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
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