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官僚たちの夏
2009-07-05
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Media
TBSで『官僚たちの夏』という連続ドラマが始まった。多少は皮肉をまじえているのかと思ったら、原作以上に産業政策バンザイで驚いた。いまテレビ番組をつくる世代には、あの時代の失敗の体験が受け継がれていないとすると、困ったものだ。
城山三郎の原作(1975年)は、佐橋滋という実在の通産事務次官をモデルにしたもので、私の世代には、この小説に感動して大蔵省を蹴って通産省に入った学生もいた。小説はかなり史実にもとづいているが、このドラマは冒頭に出てくる「国民車構想」からして完全なフィクションだ。通産省がそんな事業を推進した事実も、そういう自動車が試作された事実もない。むしろ自動車は、失敗だらけの産業政策の中で役所が干渉しなかったから成功した数少ないケースだ、というのが
ポーター
などの評価だ。
原作の中心になっているのは、1962年に佐橋が立案した特振法(特定産業振興臨時措置法)で、企業の合併などによって外資に対抗し、国際競争力を高めようとするものだったが、実際には時代錯誤の統制経済だとして民間の反発をまねいて挫折した。佐橋自身も退官後は余暇開発センター理事長となって、産業振興とは逆の仕事で余生を送った。
しかし特振法の精神は通産省の行政指導として残り、外資を排除して国内企業の「体質強化」をはかる保護行政が続いた。原作で印象的なのは、「自由化したら国力の圧倒的に大きいアメリカにつぶされる」という被害者意識と、「自分たちが指導しないと民間には力がない」という国士意識が強いことで、このDNAは経産省にも受け継がれている。21世紀になっても、「日の丸検索エンジン」とかエルピーダ救済とか、
産業政策の亡霊
はまだ霞ヶ関を徘徊しているようだ。
コメント (
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コメント
見るか迷いましたが
(
zaizeno
)
2009-07-06 00:44:15
>多少は皮肉をまじえているのかと思ったら、原作以上に産業政策バンザイで驚いた。
やっぱりそうでしたか。
見ようかどうしようか迷いましたが、見るとかえって気が滅入りそうな予感がして録画もしませんでしたが、やっぱり見なくて正解だったかな。
おかげでキッパリあきらめがつきました。
通産省の誇りの残滓
(
島崎丈太
)
2009-07-06 00:59:57
私の知り合いの女性で、通産省の面接の際「『官僚たちの夏』を読んで感動してここを受けました。」と言って大受けし合格、職場結婚という方がいらっしゃいましたので、かなり省内での作品への評価は高いのではないでしょうか。 私の知る時代では、第五世代とかシグマとか、大失敗ばかりなので、もうそろそろ意識を変えて貰いたいですけれどね。
時代錯誤と言い切れないのが
(
robins
)
2009-07-06 01:37:18
十数年前にNHKでもドラマ化されていて、その時に観たときも「話としては面白いが時代錯誤だな」と思ったものです。
しかし現在改めて観て見ると、時代錯誤だと一刀両断に言い切れないのが悲しい所。
もちろん全体としては、脱官僚・地方分権・自由化の流れに逆行している事は明らかです。
しかし一方で、日本の採るべき道を理想を持って語り、法律・政策として具体化できる人材が今の日本の政財官界にどれだけいるか。
利権談合・派閥次元・目先の保身ばかりの今の日本で、時代錯誤だと分かっていても思わず「うらやましい」と感じてしまう。
そう思う人は多いはずで、おそらくドラマとしてはヒットするでしょう。
官僚とマスコミたちの質
(
tanakac
)
2009-07-06 11:37:46
赤字続きでも、セレブな生活は保証され、老後も安泰、しかも権限は絶大で日本国内に反抗する人間はいない(反抗する人間はつぶす)。ある先輩(官僚)は天下りと愛人のことしか考えていないし、また別の先輩(マスコミ)は組合活動と芸能人の愛人のことしか考えていない。大学卒業してこんな環境に5年もいれば人間的には相当歪むでしょうね。彼らは少なくとも自分たちが異常だとか悪いとかは絶対考えないでしょう。中高年層が幼稚化し若年層が無気力でニートが増加しているのも、合わせ鏡という気がします。模範となるべきトップ層(政治家・官僚・マスコミ・連合)がこれでは…
最近は中国の役人やマスコミ関係者の方がまともに見えてきました。その筋の知人に日本の官僚やマスコミは北朝鮮の労働党幹部のようだといったら、「いや彼らの方が上だよ。自助努力で外貨も稼ぎ赤坂に不動産を所有しそのお店で日本のお偉方を超美女で接待している彼らの営業努力をみると日本の将来の方が心配だね」といわれてしまいました。
人情ドラマでしたね
(
yahoo
)
2009-07-06 11:48:55
初めての投稿です。
いつも池田さんのご意見、拝読させていただいております。有難うございます。
原作を読んでいたので、期待して見ましたが、いきなり原作にない「国民車構想」が出てきて、「???」という感じでした。
「高度経済成長のころの日本人は、こんなに頑張っていたんだよ」との礼賛人情ドラマで続きそうな感じですね。まあ、TBSも経産省に相当配慮したのではないでしょうか。
産業政策の是非等々、本質的なテーマはきっと今後も出てこないでしょうね。
以前、経産省とは仕事でお付き合いがあったのですが、池田さんが指摘されていたような、「自分たちが指導しないと民間には力がない」という、国士意識というか、強烈なエリート意識は、いまだ色濃く残っている感じがしました。
経産省は本当にいるのか?(エネ庁など、一部必要なところはあるかもしれませんが)という国民的議論が必要だと痛切に感じます。
ドラマ見ての雑感
(
フロレスタン
)
2009-07-06 12:21:53
ブログ見ながら、チラチラこのドラマを見てましたが、皆さん俳優なので「官僚顔」でないため、現実感が漂っていない。実際に霞ヶ関に行ったらあんな顔の人はいませんからね。まあドラマだからしかたないけれど。
吹石一恵の演ずる山本真を見ていたら、駒場の新入生時代にたまたま知り合った当時経済学部4年(経産省に入省)の女性のことを思い出しました。
彼女も並みの男で太刀打ちできない有能な女性だと周囲から言われてましたね。池田さんと同期くらいだと思います。「山本真」は後に続く女性の先鞭をつけた。そういう能力がどれくらい無駄遣いされてきたのか、というのを掘り下げて欲しいというのは無い物ねだりなのでしょうね。
団塊の世代あたりには受けるドラマかもしれません。
今、テレビで自動車各社がエコカー減税をうたってCM打ってますが、管轄の役所は違うけれどこれも一種の産業政策でしょうね。今までにこれほど露骨に減税を前面に出したCMは記憶にない。エコに悪のりしているとしか言いようがない。
産業政策の数々の失敗は今更言うまでもないけれど、旧通産省、経産省に反省の色はありませんね。先日、経産省の某課(対応してくれたのは若手の担当者)にある補助金がらみの案件で話を聞くきかいがありましたが、民間の先行事例を外部の調査会社に委託して調べて一覧にした表が出てきました。こういう手法は(経産省に限らないけれど)十年一日なのでしょう。こういう中からちょっかい出される会社が選ばれる。いい加減に放っておけばよいと、腹の中で思いました。
見ました
(
rollcabbage
)
2009-07-06 12:44:21
うちの奥さんは目をウルウルさせながら
佐藤浩市を見ていましたw
今の日本はこういう人がいないから駄目なんだとw
そういうドラマです。
あと、セットがチャチじゃなく
お金をかけて作っていて感心しました。
内容は池田さんの仰るとおり
産業政策バンザイです。
私は国民車構想というのが本当にあったのかと
誤解してしまいました。
このドラマをとりあげていただいて良かったです。
国民車構想
(
佐藤秀
)
2009-07-06 13:13:34
これはフィクションでなく、実際にありましたよ。ただ、構想が非現実的なので各メーカーはまともに相手にせずに独自の構想で作り上げていったというのが事実でしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%A1%86%E8%BB%8A#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E3.80.8C.E5.9B.BD.E6.B0.91.E8.BB.8A.E6.A7.8B.E6.83.B3.E3.80.8D
本田宗一郎をいじめた人間
(
tanakac
)
2009-07-06 14:02:42
感想をコメントするのを忘れました。この作品の感想については、国民車構想など嘘をつくな!です。本田宗一郎など民間にこそイノベーターがいたのに、この主人公のモデルとなった佐橋滋は、その本田宗一郎を徹底的にいじめた有名な官僚です。トヨタや日産に続き四輪業界への進出をはたそうとする本田宗一郎に対し佐橋滋は「私たち官庁は国のためにどうあるべきかを考えている。あなたは自分の欲望や会社のことしか考えてないのではありませんか?」本田「なんだと?俺が私利私欲で会社をやっているとでも思っているのか!俺たちが、オートバイで世界一位になったとき、お前らはなんて言った。日本のために日の丸を揚げてくれて感謝しています、なんて言ってやがったじゃないか。いいか、俺がもし自動車で日の丸を揚げたときには、お前は切腹するぐらいの覚悟をしておけ」
さてその後の佐橋滋はどうなったかというと…
>佐橋自身も退官後は余暇開発センター理事長となって、産業振興とは逆の仕事で余生を送った。
切腹どころかセレブな余生を送られたようで…
え?国民車構想がウソなんですか!
(
くず
)
2009-07-06 15:39:03
ならば、過去の実績もなく、今後の実績も期待されない省庁ですね・・・。
実績を誇張する傾向は最近のほうが強いのではないでしょうかね。
シンガポール国立大学に留学してビル・ゲイツと渡り合うとか経歴に書いてしまいますし、会社法を改正したのは経産省とか言ったり、マイクロソフトを訴訟したとか、色々言いまわっています。
それに、二酸化炭素は経産省の管轄だからと環境省と喧嘩しますし、貿易も外務省と農水省と喧嘩しますし、減税も財務省と喧嘩しますし、物流は国交省と喧嘩しますし、信販は金融庁と喧嘩しますし、経済構造改革は経済産業省の管轄だから全ての官庁と喧嘩しますし。
プリンシパルのあるナントカも虚勢が何割か入っているんじゃないでしょうか。通産官僚だし。
その昔・・・
(
Unknown
)
2009-07-06 17:04:01
20年程前ですが、通産省原子力政策課に「野に咲くゆり一輪」と称される美人高級官僚がいました。
彼女は、青森県むつ市生れで子供の頃から原子力船「むつ」に憧れて通産省に入省したと言われてました。
その「むつ」が役目を終えて陸奥湾で係留されることになった頃、彼女は退官して地元の高校の同級生と結婚をしてしまいました。
丁度、時を同じくして通産省はウルグアイランドと日米構造協議の圧力により、これまでの保護貿易を金繰り捨てて一気に輸入促進への道を走り出す訳ですが、
その後、ココム問題も手伝って国内産業保護政策が音を立てて瓦解するのがこの頃でした。
太宰的な社会の終焉
(
まさき
)
2009-07-06 19:34:12
親(国)がいても子(国民)は育つ。
から
親がいると子は育だたん、という
世界に変わりましたとさ。
Re: 国民車構想
(
池田信夫
)
2009-07-06 20:35:29
ウィキペディアの拾い読みで、いい加減なコメントをするな。その記事にさえ、これは日刊工業の「飛ばし」記事だと書いてあるだろ。
「国民車」という言葉は、ヒトラーのVolkswagenを連想させるので、通産省は使わなかった。トヨタのパブリカがpublic carという言葉を使ったのが、ほぼ唯一でしょう。
尊王攘夷?
(
Inoue
)
2009-07-06 21:14:05
外国資本だろうが国内資本だろうが、日本国内で生産活動をしてくれれば、雇用も税収も増えるのだから、差別する理由がよくわかりません。
見てないんですけど・・・
(
藤田泰男
)
2009-07-06 22:39:05
多分、池田氏の言うような内容だと思っていたので見ませんでした。
見ないであれこれ言うのもアレなんですけど、近頃の「ETC優遇」や「エコカー減税」など露骨な自動車業界援助だと疑問をいだいていたところに国を憂える官僚+「国民車構想」の話なんで、正直見る前からネタばれしていると思ったわけです。
テレビ局の収益は大企業からのスポンサー料金なので、大企業よりの姿勢はしかたないとは思うのですが、それにしてもこの時期にこの内容、、ドラマ、つまり物語りの作り手としてのテレビ局はもう終わっているんでしょうか、、
一般企業とくらべてはるかにめぐまれた地位と収入がありながら創作能力のみが劣化していったと思うとなさけないの一言です。
見ないで批判してすいません・・・
テレビ業界の方々からの反論を期待します
原作
(
kumo
)
2009-07-07 00:17:27
たしか原作では、一省庁の中堅官僚(風越こと佐橋氏)が、ときには真の意図を隠して政・財界を説き伏せ、日本の経済システム構築の基本指針となる法律をつくってしまおうとしていました。そういうことをしたいのなら選挙の洗礼を受けろよ、と言いたくなりました。さすがに現在では、天下国家のことを考えているのは我々○○省の官僚だけだ、という国士タイプの人は減っていると思いますが……。
ちなみに産業政策については、最近アニメとか漫画にも力を入れているようですが、これも役所が気がついたらグローバルな人気を得ていたのであって、いまさら海外のフェスに人員を派遣したり、箱物をつくったりするのは、「何かやっている」というアリバイ作りにすら思えてしまいます。
亡霊たち
(
フロレスタン
)
2009-07-07 12:34:07
かつて通産省だった頃、1980年代にはニューメディアコミュニティやテクノポリスといった構想が打ち上げられました。ものになったものはほとんどないと思いますが、気になって検索してみたら、当時これらの政策に対応して設立された公益法人が、未だに生き残っています。
本来役目を終えたら解散すべきだと思うのですが、例えばニューメディア開発協会なる1981年設立(現在の名前になったのは1984年)の財団法人は、他の財団を吸収しつつ存続し、臆面もなくユビキタスだのクラウドコンビューティングだのバイオメトリクスだのとテーマを掲げて事業を継続しています。
Re:佐藤浩市
(
絵描き
)
2009-07-07 17:00:07
原作小説もTVドラマも見ていないけど興味は持っておりました。
でもエントリとコメント読んだら、知らなくてもいいかという気持ちになりました。
>うちの奥さんは目をウルウルさせながら佐藤浩市を見ていました
どこがいいの?
Unknown
(
Unknown
)
2009-07-07 21:05:36
官僚関連の話題は気分が悪くなるので深く読まないようにしていますが、コメント欄の本田宗一郎氏の逸話は勉強になりました。
「社長なんて偉くも何ともない。次長、課長、包丁、盲腸と同じだ。」という科白は有名ですが……人物を掘り下げてもっと深く勉強したほうがいいみたいです。企業活動全般に関わる金言が沢山見つかるに違いありません。もう車を買うときはホンダ以外考えられなくなってしまいました…貧乏なので簡単に買えませんけど ^^;)
何が主役か?
(
kikiextra
)
2009-07-07 23:22:33
”三丁目の夕日”の頃から、映画の中で丁寧に配置された、レトロ調の当時の風景や、生活用品のできばえが、その作品の人気に影響を与えているとの認識が、業界人にあったのではないかと思われ、そのような、状況の下で、今回のようなアナクロな作品が登場してきたのではないかと推察いたします。A 級の作品なら、ストーリーや時代背景が主で、風景や、時代物の意匠は、従となるはずだが、おそらく、今回の映画は、ストーリーの今日性や、現代的な意味は二の次で、懐かしい当時の風景や(若い人にとっては、骨董的価値を持つ意匠)、事物を、過去の懐旧趣味的な意匠として配した映像作りが、主たる目的ではないか、豪華な俳優陣も、その添え物として、映像の中に、注意深く配置されているのではないかと、勝手に推量しております。もちろん、拝見する予定はないですが、当時を、一面的ではあっても、懐旧するするためにだけ存在する娯楽作品というのも、存在価値はそれなりにあるでしょう・・・・・・・・・。
いわゆる国民者構想はあったそうです
(
とくのすけ
)
2009-07-08 00:47:58
池田信夫さん、トヨタ紡績株式会社が、ホームページに「戦後の日本政府は国産自動車産業確立のため、『昭和30年に国民車育成要綱案(いわゆる国民車構想)』を発表した」と、記しております。
http://www.toyota-boshoku.co.jp/discovercruise/takaniti.html
Re: いわゆる国民者構想はあったそうです
(
池田信夫
)
2009-07-08 07:24:52
非公式の「構想」はあったようですが、「発表された」は間違いです。そういう政府のプロジェクトは実施されなかった(だからポーターが評価している)。それに佐橋は自動車課長をやったことはないので、第1話は完全な作り話です。
政府は「国民車」という名称も使っていません。すばる360やパブリカがそれに近いといわれましたが、これは通産省の仕様にもとづいたものではない。当時(1955年)すでに国産車は開発されており、別に政府御用達の車をつくる必要なんかなかったからです。このドラマは、時間軸を終戦直後と意図的に混同しています。
昭和30年、通産省は発表してるそうです
(
とくのすけ
)
2009-07-08 09:45:07
ですが、池田信夫さん、次の様に記しているホームページもあるんです。
「昭和30年、通産省が"国民車構想"なるものを発表した。
そろそろ日本でも大衆車を開発する時期に来ているのではなかろうかというのだ。
敗戦で焼け野原になった国土から立ち上がり、再建のために働き続け、途中朝鮮戦争の特需景気の助けも借りて、どうやら目処がたち、戦前の贅沢を少しだが思い出した時期が、昭和30年頃だった。
もっとも自動車などというものは、戦前から特権階級の持ち物で、大企業の経営者、高級役人、大物政治家、大商人や医者などの高所得者に、戦後にヤミ成金が加わったほかは、自動車ユーザーは戦前の形態のままだった。
しかしそろそろ、ということで"時速100キロ以上、定員4名、60km/hのとき燃費が30km/L以上、大修理なしで10万キロ以上走行可、排気量350〜500cc、月産2000台で25万円以下、そんな車が開発できたら国が援助する"というのが国民車育成要綱だった。」
ハッキリ言って、ドラマとか佐橋云々は関係ないんですよ。国民者構想があったか否かを問うているんです。
池田さん、如何でしょうか。
http://cars.hi-ho.ne.jp/news/index.html?itemid=1922
これで最後
(
池田信夫
)
2009-07-08 11:02:15
「通産省が発表した」というなら、どこやらのウェブサイトじゃなくて、ちゃんとした公式情報を根拠にしてください。「発表」といわれているのは日経の観測記事のことで、これは国会などでも話題になったらしいけど、最終的に通産省は発表もしてないし、予算要求もしていない。
だいたい1955年にもなって、試作車が壊れて社長が過労で死んだなんて、それこそ自動車産業をバカにした話です。当時すでにクラウンもダットサン(日産)も製造され、輸出もされていました。特にダットサンは「大衆車」として人気があり、タクシーにも使われていました。
特定産業振興臨時措置法
(
ひろ"ゆ"き
)
2009-07-08 12:56:54
後に通産省企業局長 となる佐橋滋氏が立案し、企業局第一課長 両角良彦らと共に推し進めた国内産業向けの合理化構想の法案として特定産業振興臨時措置法(特振法案)と言うものが有った。
それは1963年(昭和38年)に自動車産業(乗用車・自動車タイヤ)などを特定産業に指定し、企業合併ないし整理統合、設備投資を進めることを骨子として、閣議決定され、国会に提出されたが、特振法案は三度にわたって審議未了で廃案のうきめを見た。
通産省は自動車業界における新規参入を阻もうとしていたのだ。
この頃、四輪進出を目指していた本田宗一郎氏は佐橋滋氏と直談判し、自由競争こそ自動車産業を伸ばすものだと掛け合い、特振法案に明確に意を唱えたことがあった。
もし特振法案が可決されホンダの自動車市場への参入が阻止されていたとしたならば…
この日本の国富がかなり毀損され、自動車技術の進歩も見られなかったろうし、雇用も生まれなかっただろう。
今、放映されているドラマの中で佐橋滋氏は「国民車構想」を掲げ経済拡大を自由主義により推し進めている、と描かれているのかもしれないが、事実は彼ら官庁・官僚が経済界を仕切り・統制しようしていたのだ。
さて政権交代が現実となった今、官庁・官僚をヨイショするドラマを放映するTBSは一体どんな意図を持っているのだろうか?
Unknown
(
Unknown
)
2009-07-08 20:04:45
これで最後、との後に無粋であることを承知で・・・
あいかわらずHPがソースではありますが、”当事者”に近い社団法人・日本自動車工業会(自工会)の記事です。
http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/199912/03.html
国民車構想とモータリゼーションの進展
1955年(昭和30年)、通産省は「国民車構想」を発表します。2〜4人乗り、最高時速100km以上…、等の乗用車で、1958年(昭和33年)秋には生産開始できることが望ましい…という意向でした。結局この構想は立ち消えになります。
『立ち消え』にはなりますが、そしてそれが『日経の観測記事』だけだったのかは、当方の知る由ではありませんが、『発表』はしたというのが、現在の自動車製造業界ふくむ大多数の『理解』であることは間違いないでしょう。池田様が理解されている、行政における厳密な言葉の定義では発表は無かったという括りなのかもしれませんが・・・池田様の文面そのままでは多くの誤解や困惑を生むと思われます。
なお、当時の『国民車構想』に最も近かったと言われているのは、『すばる360やパブリカ』ではなくミツビシ500(1960)といわれています。
Unknown
(
池田信夫
)
2009-07-08 21:19:42
私の記事をよく読んでください。「通産省が国民車構想を推進して試作したという事実はない」と書いており、「構想も何もなかった」とは書いていない。
みなさん誤解しているみたいだけど、この程度の「構想」は、役所の机の上には山ほどあります。政策として「推進」できるのは、予算がついたものだけ。予算さえつかないで「立ち消え」になったものは、事業とはいわないのです。
構想と政策は違いますものね
(
くず
)
2009-07-08 23:03:07
コメント者の方々に議論のずれを感じますが、たしかに「発表」と「実施」は別問題ですね。
ドラマは途中しか見てませんが、主人公が社長に頼み込んでバイヤーまで買ったんだから、これは「実施」になってますね。
これが「構想」段階だとすれば、所轄外の仕事ですわ。
原丈人
(
yoshidkj
)
2009-07-08 23:19:34
産業政策復活は原丈人氏の書籍を読んでいたら、臭うなと感じました。
株主=悪 だから、規制と政府が・・・みたいな。
彼の「株式会社」というのは一種類なんでしょう。日本の企業法には株式会社は何種類もある。他に合同・合資・合名なども。外資排斥を強調しても株主持合で「大きな黒い猫」だけが残ることの方が問題だ。本書にもアクティビスト悪玉論がある。もちろんそこをどう交渉するのかが経営者の腕の見せ所だ。TCIのJパワー経営参加拒否は経産省が介入した。
「法学部卒(正しくは法学性善説脳)バンカー」だらけの日本の商業銀行・経産省がヴェンチャーを分かるのだろうか。理系もMOTやMBAのイロハくらい知る必要がある。
彼が経産省の審議会に呼ばれないことを祈りたい。日の丸検索エンジンの次はやめていただきたい。
re:原丈人
(
Unknown
)
2009-07-09 00:17:20
彼自身がベンチャーキャピタリストなんでしょ?
ビジネスマン自身が規制を本心から望むなんて不自然ですから、最近の「投資家や投資銀行や投資ファンドの連中は金の亡者だ」みたいな世の中の(一部の)変な雰囲気に媚びるようなことを言ってみたくなっただけなんじゃありませんか? 彼は変わり身は素早いようですから、世の中の風向きを見て世間にええかっこうをしたくなったとか。
反論になってない
(
フロレスタン
)
2009-07-09 02:11:09
>>Unknown (Unknown) 2009-07-08 20:04:45
「現在の自動車製造業界ふくむ大多数の『理解』であることは間違いないでしょう。」
大多数がどう理解しようと、事実は新聞の観測記事で、政策としては執行されなかったし、通産省が正式に発表もしていない、ということでしょう。
自分に都合のいいように理解してウェブに記載するのは勝手だけれど、それは根拠のないガセネタであって、情報としての信頼性は著しく低い。それを持ち出して反論の根拠にするのでは、噂話に踊らされているのと大差ない。
通産省担当の日経、日刊工業の記者が担当者から個人的に聞き出した構想に過ぎないものを、あたかも予算のついた政策のように記事にしたのが恐らく真相でしょう(当時私は生まれていないし、当事者でもないので確認のしようはありませんが)。
自動車と産業政策
(
池田信夫
)
2009-07-09 08:46:58
昔の記事にも書いたように、通産省が自動車にまったく干渉しなかったというポーターの理解は極端で、この「国民車構想」のようにいろいろ口は出したのでしょう。しかし1950年代の日本にとって圧倒的に重要なのは重化学工業や道路・鉄道などのインフラ再建であり、「消費財」にすぎない自動車や家電に乏しい財政資金を出す余裕はなかったのです。
通産省が自動車産業の育成に最大の役割を果たしたのは、関税や外貨割当や資本自由化阻止などの保護貿易によってです。また興銀は日産に社長を送り込んだりして支援したので、自動車が産業政策の恩恵をまったく受けなかったというのは正確ではない。しかし政府の補助金を受けなかった自動車と家電が成功したという事実は、産業政策(ターゲティング政策)の有害性を示しています。
産業政策のくびき
(
kikiextra
)
2009-07-09 09:34:04
20世紀の初頭から、現役で各国のの経済政策に接してきた ドラッカーが、かつて、ほとんどの先進国が、土地政策とオイルショック時の経済政策に失敗してきた中で、日本だけが、うまく乗り越えてきていると評していたのを、思い出しました。その理由は、単に、日本の行政府(官僚)が無策だったからと、冷徹に語っています。民間の活力が、困難を乗り越えてきたということでしょうね。
ところで、この映画のポスターは、アツ過ぎますね。”官僚達の熱い夏”と主張しているようです。日本の誇るべき、電気産業や自動車産業の製品群をフューチャーしたほうが、映画の隠れた趣旨(サブテーマ)にも共鳴し、その斬新さが、受けるのではないでしょうか・・・・・・。
官僚たちの夏の夜の夢
(
江戸川アダモ
)
2009-07-09 11:01:10
「国民車構想」は構想で終わりましたが、軽自動車枠は実施され今でも残っていますね。そして、実際に軽自動車は売れていますが、それは価格が安いからでも燃費が良いからでもありません。単に税金などの法定費用が安いからです。
よく「軽自動車は世界に誇れる日本製品だ」という人がいますが、これは狭い敷地の上にハイテクで積み上げた狭小住宅みたいなもので、まさにガラパゴスの典型例です。よって、輸出はほぼゼロの完全ドメスティックな商品です。これがもしもっとマトモなバランスだったら、世界に輸出できるマイクロカーになったことでしょう。
昨今「低燃費車」への優遇税制が大流行ですが、こうした政府による格付け制度は製品の進化を歪める危険があります。以前にも言いましたが、低燃費に誘導したければ燃料に課税すれば済む話です。
今やこれは世界的な傾向ですが、国民は普段「役人はけしからん」という割には、何かあるとすぐに国に頼ろうとします。しかし実際には国家が干渉・保護した分野はほぼ間違いなく衰退しますね。
産業政策は要らないが
(
kakusei3
)
2009-07-09 18:16:09
役所が民間を「指導したらうまくいく」のはモデルのあった、キャッチアップの時代だからです。
先頭集団にいると、どの方向に行けばよいかなど官僚に思いつくことさえできない。
だから、産業政策などという民間を混乱させるようなことはやめるべしという話を普遍化しないといけない。40年前でも本田宗一郎氏が喝破したように邪魔だったのだから、今に於いておや、である。
しかし、産業政策は要らないが、アメリカの技術進化の歴史を見れば、国防産業の技術開発がアメリカの先進産業を作ってきた。ITなどはその例だと思う。
国家調達に於いて、そういう意味での開発的なトライアルがあってもよいように思うが、評価段階での役人や識者の介入で、新たな利権に堕する危険性もある。しかし、今のような既存技術だけの安値入札ばかりではチャレンジすることが馬鹿げたことになってしまうのは危険だ。
>>re:原丈人 (Unknown) 2009-07-09 00:17:20
(
yoshidkj
)
2009-07-09 22:35:23
「サムライ経営者・技術者」には非常に好感が持てますが、感情論に走っていると感じます。スピリッツや技術が一番大切なのも共感できます。「古き良き西海岸」を一番よく知っているのでしょう。著書にあるように最近のアメリカの投資家の鼻息の荒さは事実なのでしょう。
しかし、「日本の財界は村上、堀江、三木谷、TCIのような米国追従をやめるべきだ」みたいなのはTVの話で実態ではない。日本の経営者や市場関係者だってIRRとROE以外にも様々な指標や成長のストーリーを意思決定にしているのが実態ではないか。ベンチャーキャピタルとM&Aとヘッジファンドと金融危機をごちゃまぜに議論しているのはがっかりしました。5年以上の株式市場構想にしろどうやって流動性を確保するのか。議決権のない株式があるということを知らないような記述もあった。
「いい人」は経産省に担がれたら断れないのではないか。
国民車構想のこと…
(
ユニゾン
)
2009-07-11 14:06:17
はじめてお邪魔します。
池田様のブログ、いつもたのしく”ななめ読み”させてもらっていますww
ただ、僕は学力が著しく不足しているためw、むつかしくってよくわからない記事も多くて、それがまた、ハイソな感じで気に入っていますw
で、国民車構想の件で、ちょっと、あれ?って思ってはじめてコメントさせてもらいました。
以前に読んでた、佐藤正明・著『ホンダ神話』って本に国民車構想について書いてあった気がして、引っ張り出してみたんですが、
P167〜171
のあたりにやっぱり書いてありましたよ。
(これもあくまで水面下だったのかもしれませんが…)
【引用P169〜171】
日本の自動車産業は、明らかに曲がり角にさし掛かっていた。タイミング良く安保騒動の責任を取って退陣した岸信介に代わって、所得倍増計画の大風呂敷を広げた池田勇人が首相の座に就いた。高度経済成長に弾みがつき、池田の公約通り国民所得が倍増すれば、十年後の日本の自動車の生産台数は、年間百万台の大台に乗り、日本は自動車先進国の仲間入りをする。
日本の自動車市場の将来性は、豊かでバラ色にみえた。ただし貿易自由化が実現すれば、米ビッグスリーが巨大な資本を背景に、日本に上陸するのは目に見えている。”黒船襲来”による影響を最小限に食い止めるには、その前に国内メーカーの集約をはかり、体力をつけておかなければならない。
ところが肝心の自動車産業の国際競争力は、機械産業の中でも工作機械と共に最も弱いとされていた。といって自由化の時期を二年以上遅らせるのは難しい。
こうなると通産省の出番である。通産省は貿易・資本の自由化とモータリゼーションの進展をにらみ、昭和三十年代の初期から国民車構想を進めており、トヨタはその絡みで三十五年に米フォードと日本で合弁生産する交渉に入った。
一方、二十八年に米ウィリス社と提携して四輪駆動車「ジープ」のライセンス生産を始めた新三菱重工業(現三菱重工業)は、今度はイタリア・フィアットとの技術提携による乗用車のライセンス生産を計画していた。両社は貿易の自由化に続いて「資本の自由化が実施されれば、日本メーカーの存立基盤が危うくなる」と判断して、外資との提携に走った。
トヨタとフォードの合弁生産は、トヨタが開発した排気量八00ccの大衆車「パプリカ」が前提になっているので、問題は比較的少なかった。一方、新三菱はフィアット車のKD(ノックダウン=組み立て)生産のため、国産車の育成にはつながりにくいことから、通産省としては認可すべきかどうか苦慮していた。
その通産省自体も大きく揺れ動いていた。将来の日本の通商政策を左右する経済自由化の是非を巡り”異色官僚”の名をほしいままにし、民族資本育成派の頂点に立っていた重工業局長の佐藤滋とそれに反対する国際派とに分かれ、激しい政策論争を繰り広げていた。しかし自由化が秒読み段階に入るとともに、佐藤の率いる民族派が次第に主流に伸し上がってきた。
通産省の基本政策は、三十八年の貿易自由化を前提に、短期間で国際競争力をつけることにあった。それには乗用車への新規参入を抑え、過当競争を排除すると同時に、既存メーカーを再編成して量産効果を上げるしかない。
こうした通産省の動きを察知して、三菱中心の東洋工業(現マツダ)、ダイハツ工業、オートバイの鈴木自動車工業(現スズキ)、スクーターの富士重工業などの非四輪車メーカーが、続々と乗用車への新規参入を表明した。【引用おわり】
主人公のモデル、佐藤滋は自動車の担当ではなかったとのことですが、フィクションのドラマとしては、花形のクルマを中心にハナシをつくって、現代のGM破綻、ニッポン勝利!につなげようって胆でしょうかwww
『ホンダ神話』は95年の出版なので、今現在はまた通産省のかかわりへの評価がちがってきてるのかもしれません。いろいろ新事実がでてたりして……
>1950年代の日本にとって圧倒的に重要なのは重化学工業や道路・鉄道などのインフラ再建であり、「消費財」にすぎない自動車や家電に乏しい財政資金を出す余裕はなかったのです。
あと、池田様のこの箇所に対しても、おもしろいとこがあったので引用しますw
【引用P167〜168】
日本の自動車産業は、昭和二十五年の朝鮮戦争に伴う特需で産業として一本立ち出来るキッカケをつかんだ。それ以前には自動車産業、とりわけ乗用車の国産化無用論が大手を振って罷り通っていた。
日銀総裁の一万田尚登がこれを強力に唱えていた。”日銀の法王”と呼ばれていた一万田の在任期間は、二一年六月から二十九年十二月まで実に八年半の長期にわたり、この間内閣が七つ、大蔵大臣は九人を数えた。公職追放によって有力財界人が少なかったこともあり、一万田は法王として権勢を振るった。
「日本で乗用車工場を建設しても成り立たない。日本はトラックの生産に徹し、乗用車は欧米先進国から輸入すればよい。これこそ理想的な国際分業だ。」
一万田が唱える「乗用車工業育成不要論」の根拠は二つあった。一つは乗用車というのは限られた特権階級の人だけが乗る贅沢品であること。もう一つが乗用車産業はエンジン、ボディーを含め二万点を超す部品からなっており、大規模な資本を必要とするが、その投資に見合う需要は日本では期待できないというところにあった。【引用おわり】
日本の自動車産業ってさいしょから輸出前提でペイする産業だったのでしょうかww
引用ばっかり長くなりましたが、国民車構想、どうなんでしょうか?
公式文書でもなんでもなくって、ノンフィクションのなかからですがww
完全なフィクション
(
池田信夫
)
2009-07-19 09:50:35
TBで教えてもらったが、ドラマの公式サイトにも「国民車構想」がフィクションであることが断ってあります:
<この年の5月18日、「官僚たちの夏」第1話のモチーフとなる、通産省の「国民車構想」が明らかになりました。「4人乗り、最高時速100キロ、大がかりな修理なしで10万キロを走れる車を開発して25万円で売るならば、国家補助して国民車に育成する」という構想です。
「官僚たちの夏」のドラマ化にあたって、この構想の原案を書いたご本人、元通産省自動車課技官の方にお話を伺うことができました。現在85歳になる方です。その方の証言によると、この構想は正式に発表されたわけではないとのこと。省内での組織決定を待たずに、通産省幹部が構想案を、新聞記者の目に付きやすいよう、わざと机上に放置したそうなんです。いわゆる、意図的に情報を漏らす“リーク”で、その狙い通り、新聞に大きく扱われて大騒ぎになりました。その騒ぎの中、当時の自動車課長は「世の中を騒がすぐらいでなければ、事態は前に進まない」と落ち着いていたそうです。>
http://www.tbs.co.jp/kanryou09/kiso/01.html
これはドラマなのだから「フィクション」であるのは当たり前。その中でも、特振法の部分は史実にもとづくセミ・フィクションだが、国民車の話は新聞の誤報を素材にした「完全なフィクション」なのです。その意味も理解しないで粘着するバカは、出入り禁止にしました。
官僚の発想
(
ある起業関係者
)
2009-07-19 11:41:58
「官僚たちの夏」がきっかけで、池田様のブログを初めて拝見しました。昔のことは詳しく知りませんが、経済産業省による起業振興の施策については、現場の関係者としてピント外れを強く感じています。官僚は本当に頭が良いのか悪いのか、よくわからなくなってきたので、池田様のご意見を伺いたいと思います。
「1円株式会社」だの「大学発ベンチャー」だのと、経産省は起業促進の旗振りをやってきましたが、単に誤解をまき散らすだけの効果しかないのではないか?と思えて仕方がありません。少なくともまともな起業であれば、当面の運転資金として1000万円は用意しておくべきなのに、その1000万円の枠を撤廃して、「1円の資本金で株式会社」と喧伝すれば、起業の現実を知らない若者をミスリードしてしまいます。
また、ベンチャーの本場であるアメリカでは、利益相反から大学教授が社長を兼務することは禁止されているのに、経産省は逆に兼務を煽ってきました。たまにはアメリカの反対をやっても良いのですが、現実問題として、教授職と社長職が両立するはずがありません。起業時の社長職は次々に襲ってくる雑用の山との格闘であり、優れた研究者であればあるほど、こんなことに時間を浪費してはいけません。税金の無駄遣いだけではなく、日本や世界に産業振興にとって大きな損失です。
起業関連だけではなく、昔から官僚は現実をよく知らないままにいろんな施策を打ち出してきたのでしょうか?だとすれば、国民にとっては本当に迷惑な話です。
ある起業関係者さんへ
(
猫
)
2009-07-19 17:31:01
個々の役人をけしからんと言ってもしょうがないですよ。やはり構造的な問題として考えないとどうしようもないですね。
民主党が政権を取って統治機構をイギリス型に変更すれば、やがて国会が決算議決するようになるでしょう。そうなると、官僚の裁量権、とりわけ財務省官僚の裁量権が大きく狭まる。
もんだいは、そういう方法がよいかどうかです。私は反対なのですが、自民党が政権を失うのはもはや確実と言っていいでしょう。民主党はやるでしょうから、有識者のみなさんがしっかり議論して妥当な措置を施していただきたいと思いますね。
これは政治家も同じなんですが、最近の官僚はハウツー本を読んでそれで勉強した気分になってしまうのが多い。経済素人の私でさえ、「ジェントルマン資本主義の帝国(上・下)」を読みましたよ。それで、イギリス型が本当にいいのかと思ってもいるのですが、最近の政治家や官僚は勉強をしないであれこれ言うのが多すぎる。
あの、、
(
nanako
)
2009-08-06 01:05:05
一意見です。
このドラマは、何が事実か否か、
頭でっかちなところに視点を置くべき作品ではないと思います。
このドラマの台本の言葉の使い方、ちから、
役者の演技力、
人間の生命力。
5年に一度でるかでないかの作品です。
芸術性が秀でています。
みなさん、それを受信できる能力が退化している。
一流の人間は、そこが退化しません。
常に知識、理論と同じレベルの、真っ白な魂を持ち合わせている。
繊細であり大胆。
現実的であり、理想主義。
細部に通じながらも、子供にもどれる。
だからなぜだか解らないけど涙がでる。
私が一流と思うのは、そういう人間です。
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やっぱりそうでしたか。
見ようかどうしようか迷いましたが、見るとかえって気が滅入りそうな予感がして録画もしませんでしたが、やっぱり見なくて正解だったかな。
おかげでキッパリあきらめがつきました。
しかし現在改めて観て見ると、時代錯誤だと一刀両断に言い切れないのが悲しい所。
もちろん全体としては、脱官僚・地方分権・自由化の流れに逆行している事は明らかです。
しかし一方で、日本の採るべき道を理想を持って語り、法律・政策として具体化できる人材が今の日本の政財官界にどれだけいるか。
利権談合・派閥次元・目先の保身ばかりの今の日本で、時代錯誤だと分かっていても思わず「うらやましい」と感じてしまう。
そう思う人は多いはずで、おそらくドラマとしてはヒットするでしょう。
最近は中国の役人やマスコミ関係者の方がまともに見えてきました。その筋の知人に日本の官僚やマスコミは北朝鮮の労働党幹部のようだといったら、「いや彼らの方が上だよ。自助努力で外貨も稼ぎ赤坂に不動産を所有しそのお店で日本のお偉方を超美女で接待している彼らの営業努力をみると日本の将来の方が心配だね」といわれてしまいました。
初めての投稿です。
いつも池田さんのご意見、拝読させていただいております。有難うございます。
原作を読んでいたので、期待して見ましたが、いきなり原作にない「国民車構想」が出てきて、「???」という感じでした。
「高度経済成長のころの日本人は、こんなに頑張っていたんだよ」との礼賛人情ドラマで続きそうな感じですね。まあ、TBSも経産省に相当配慮したのではないでしょうか。
産業政策の是非等々、本質的なテーマはきっと今後も出てこないでしょうね。
以前、経産省とは仕事でお付き合いがあったのですが、池田さんが指摘されていたような、「自分たちが指導しないと民間には力がない」という、国士意識というか、強烈なエリート意識は、いまだ色濃く残っている感じがしました。
経産省は本当にいるのか?(エネ庁など、一部必要なところはあるかもしれませんが)という国民的議論が必要だと痛切に感じます。
吹石一恵の演ずる山本真を見ていたら、駒場の新入生時代にたまたま知り合った当時経済学部4年(経産省に入省)の女性のことを思い出しました。
彼女も並みの男で太刀打ちできない有能な女性だと周囲から言われてましたね。池田さんと同期くらいだと思います。「山本真」は後に続く女性の先鞭をつけた。そういう能力がどれくらい無駄遣いされてきたのか、というのを掘り下げて欲しいというのは無い物ねだりなのでしょうね。
団塊の世代あたりには受けるドラマかもしれません。
今、テレビで自動車各社がエコカー減税をうたってCM打ってますが、管轄の役所は違うけれどこれも一種の産業政策でしょうね。今までにこれほど露骨に減税を前面に出したCMは記憶にない。エコに悪のりしているとしか言いようがない。
産業政策の数々の失敗は今更言うまでもないけれど、旧通産省、経産省に反省の色はありませんね。先日、経産省の某課(対応してくれたのは若手の担当者)にある補助金がらみの案件で話を聞くきかいがありましたが、民間の先行事例を外部の調査会社に委託して調べて一覧にした表が出てきました。こういう手法は(経産省に限らないけれど)十年一日なのでしょう。こういう中からちょっかい出される会社が選ばれる。いい加減に放っておけばよいと、腹の中で思いました。
佐藤浩市を見ていましたw
今の日本はこういう人がいないから駄目なんだとw
そういうドラマです。
あと、セットがチャチじゃなく
お金をかけて作っていて感心しました。
内容は池田さんの仰るとおり
産業政策バンザイです。
私は国民車構想というのが本当にあったのかと
誤解してしまいました。
このドラマをとりあげていただいて良かったです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%A1%86%E8%BB%8A#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E3.80.8C.E5.9B.BD.E6.B0.91.E8.BB.8A.E6.A7.8B.E6.83.B3.E3.80.8D
さてその後の佐橋滋はどうなったかというと…
>佐橋自身も退官後は余暇開発センター理事長となって、産業振興とは逆の仕事で余生を送った。
切腹どころかセレブな余生を送られたようで…
実績を誇張する傾向は最近のほうが強いのではないでしょうかね。
シンガポール国立大学に留学してビル・ゲイツと渡り合うとか経歴に書いてしまいますし、会社法を改正したのは経産省とか言ったり、マイクロソフトを訴訟したとか、色々言いまわっています。
それに、二酸化炭素は経産省の管轄だからと環境省と喧嘩しますし、貿易も外務省と農水省と喧嘩しますし、減税も財務省と喧嘩しますし、物流は国交省と喧嘩しますし、信販は金融庁と喧嘩しますし、経済構造改革は経済産業省の管轄だから全ての官庁と喧嘩しますし。
プリンシパルのあるナントカも虚勢が何割か入っているんじゃないでしょうか。通産官僚だし。
彼女は、青森県むつ市生れで子供の頃から原子力船「むつ」に憧れて通産省に入省したと言われてました。
その「むつ」が役目を終えて陸奥湾で係留されることになった頃、彼女は退官して地元の高校の同級生と結婚をしてしまいました。
丁度、時を同じくして通産省はウルグアイランドと日米構造協議の圧力により、これまでの保護貿易を金繰り捨てて一気に輸入促進への道を走り出す訳ですが、
その後、ココム問題も手伝って国内産業保護政策が音を立てて瓦解するのがこの頃でした。
から
親がいると子は育だたん、という
世界に変わりましたとさ。
「国民車」という言葉は、ヒトラーのVolkswagenを連想させるので、通産省は使わなかった。トヨタのパブリカがpublic carという言葉を使ったのが、ほぼ唯一でしょう。
見ないであれこれ言うのもアレなんですけど、近頃の「ETC優遇」や「エコカー減税」など露骨な自動車業界援助だと疑問をいだいていたところに国を憂える官僚+「国民車構想」の話なんで、正直見る前からネタばれしていると思ったわけです。
テレビ局の収益は大企業からのスポンサー料金なので、大企業よりの姿勢はしかたないとは思うのですが、それにしてもこの時期にこの内容、、ドラマ、つまり物語りの作り手としてのテレビ局はもう終わっているんでしょうか、、
一般企業とくらべてはるかにめぐまれた地位と収入がありながら創作能力のみが劣化していったと思うとなさけないの一言です。
見ないで批判してすいません・・・
テレビ業界の方々からの反論を期待します
ちなみに産業政策については、最近アニメとか漫画にも力を入れているようですが、これも役所が気がついたらグローバルな人気を得ていたのであって、いまさら海外のフェスに人員を派遣したり、箱物をつくったりするのは、「何かやっている」というアリバイ作りにすら思えてしまいます。
本来役目を終えたら解散すべきだと思うのですが、例えばニューメディア開発協会なる1981年設立(現在の名前になったのは1984年)の財団法人は、他の財団を吸収しつつ存続し、臆面もなくユビキタスだのクラウドコンビューティングだのバイオメトリクスだのとテーマを掲げて事業を継続しています。
でもエントリとコメント読んだら、知らなくてもいいかという気持ちになりました。
>うちの奥さんは目をウルウルさせながら佐藤浩市を見ていました
どこがいいの?
「社長なんて偉くも何ともない。次長、課長、包丁、盲腸と同じだ。」という科白は有名ですが……人物を掘り下げてもっと深く勉強したほうがいいみたいです。企業活動全般に関わる金言が沢山見つかるに違いありません。もう車を買うときはホンダ以外考えられなくなってしまいました…貧乏なので簡単に買えませんけど ^^;)
http://www.toyota-boshoku.co.jp/discovercruise/takaniti.html
政府は「国民車」という名称も使っていません。すばる360やパブリカがそれに近いといわれましたが、これは通産省の仕様にもとづいたものではない。当時(1955年)すでに国産車は開発されており、別に政府御用達の車をつくる必要なんかなかったからです。このドラマは、時間軸を終戦直後と意図的に混同しています。
「昭和30年、通産省が"国民車構想"なるものを発表した。
そろそろ日本でも大衆車を開発する時期に来ているのではなかろうかというのだ。
敗戦で焼け野原になった国土から立ち上がり、再建のために働き続け、途中朝鮮戦争の特需景気の助けも借りて、どうやら目処がたち、戦前の贅沢を少しだが思い出した時期が、昭和30年頃だった。
もっとも自動車などというものは、戦前から特権階級の持ち物で、大企業の経営者、高級役人、大物政治家、大商人や医者などの高所得者に、戦後にヤミ成金が加わったほかは、自動車ユーザーは戦前の形態のままだった。
しかしそろそろ、ということで"時速100キロ以上、定員4名、60km/hのとき燃費が30km/L以上、大修理なしで10万キロ以上走行可、排気量350〜500cc、月産2000台で25万円以下、そんな車が開発できたら国が援助する"というのが国民車育成要綱だった。」
ハッキリ言って、ドラマとか佐橋云々は関係ないんですよ。国民者構想があったか否かを問うているんです。
池田さん、如何でしょうか。
http://cars.hi-ho.ne.jp/news/index.html?itemid=1922
だいたい1955年にもなって、試作車が壊れて社長が過労で死んだなんて、それこそ自動車産業をバカにした話です。当時すでにクラウンもダットサン(日産)も製造され、輸出もされていました。特にダットサンは「大衆車」として人気があり、タクシーにも使われていました。
後に通産省企業局長 となる佐橋滋氏が立案し、企業局第一課長 両角良彦らと共に推し進めた国内産業向けの合理化構想の法案として特定産業振興臨時措置法(特振法案)と言うものが有った。
それは1963年(昭和38年)に自動車産業(乗用車・自動車タイヤ)などを特定産業に指定し、企業合併ないし整理統合、設備投資を進めることを骨子として、閣議決定され、国会に提出されたが、特振法案は三度にわたって審議未了で廃案のうきめを見た。
通産省は自動車業界における新規参入を阻もうとしていたのだ。
この頃、四輪進出を目指していた本田宗一郎氏は佐橋滋氏と直談判し、自由競争こそ自動車産業を伸ばすものだと掛け合い、特振法案に明確に意を唱えたことがあった。
もし特振法案が可決されホンダの自動車市場への参入が阻止されていたとしたならば…
この日本の国富がかなり毀損され、自動車技術の進歩も見られなかったろうし、雇用も生まれなかっただろう。
今、放映されているドラマの中で佐橋滋氏は「国民車構想」を掲げ経済拡大を自由主義により推し進めている、と描かれているのかもしれないが、事実は彼ら官庁・官僚が経済界を仕切り・統制しようしていたのだ。
さて政権交代が現実となった今、官庁・官僚をヨイショするドラマを放映するTBSは一体どんな意図を持っているのだろうか?
あいかわらずHPがソースではありますが、”当事者”に近い社団法人・日本自動車工業会(自工会)の記事です。
http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/199912/03.html
国民車構想とモータリゼーションの進展
1955年(昭和30年)、通産省は「国民車構想」を発表します。2〜4人乗り、最高時速100km以上…、等の乗用車で、1958年(昭和33年)秋には生産開始できることが望ましい…という意向でした。結局この構想は立ち消えになります。
『立ち消え』にはなりますが、そしてそれが『日経の観測記事』だけだったのかは、当方の知る由ではありませんが、『発表』はしたというのが、現在の自動車製造業界ふくむ大多数の『理解』であることは間違いないでしょう。池田様が理解されている、行政における厳密な言葉の定義では発表は無かったという括りなのかもしれませんが・・・池田様の文面そのままでは多くの誤解や困惑を生むと思われます。
なお、当時の『国民車構想』に最も近かったと言われているのは、『すばる360やパブリカ』ではなくミツビシ500(1960)といわれています。
みなさん誤解しているみたいだけど、この程度の「構想」は、役所の机の上には山ほどあります。政策として「推進」できるのは、予算がついたものだけ。予算さえつかないで「立ち消え」になったものは、事業とはいわないのです。
ドラマは途中しか見てませんが、主人公が社長に頼み込んでバイヤーまで買ったんだから、これは「実施」になってますね。
これが「構想」段階だとすれば、所轄外の仕事ですわ。
株主=悪 だから、規制と政府が・・・みたいな。
彼の「株式会社」というのは一種類なんでしょう。日本の企業法には株式会社は何種類もある。他に合同・合資・合名なども。外資排斥を強調しても株主持合で「大きな黒い猫」だけが残ることの方が問題だ。本書にもアクティビスト悪玉論がある。もちろんそこをどう交渉するのかが経営者の腕の見せ所だ。TCIのJパワー経営参加拒否は経産省が介入した。
「法学部卒(正しくは法学性善説脳)バンカー」だらけの日本の商業銀行・経産省がヴェンチャーを分かるのだろうか。理系もMOTやMBAのイロハくらい知る必要がある。
彼が経産省の審議会に呼ばれないことを祈りたい。日の丸検索エンジンの次はやめていただきたい。
ビジネスマン自身が規制を本心から望むなんて不自然ですから、最近の「投資家や投資銀行や投資ファンドの連中は金の亡者だ」みたいな世の中の(一部の)変な雰囲気に媚びるようなことを言ってみたくなっただけなんじゃありませんか? 彼は変わり身は素早いようですから、世の中の風向きを見て世間にええかっこうをしたくなったとか。
「現在の自動車製造業界ふくむ大多数の『理解』であることは間違いないでしょう。」
大多数がどう理解しようと、事実は新聞の観測記事で、政策としては執行されなかったし、通産省が正式に発表もしていない、ということでしょう。
自分に都合のいいように理解してウェブに記載するのは勝手だけれど、それは根拠のないガセネタであって、情報としての信頼性は著しく低い。それを持ち出して反論の根拠にするのでは、噂話に踊らされているのと大差ない。
通産省担当の日経、日刊工業の記者が担当者から個人的に聞き出した構想に過ぎないものを、あたかも予算のついた政策のように記事にしたのが恐らく真相でしょう(当時私は生まれていないし、当事者でもないので確認のしようはありませんが)。
通産省が自動車産業の育成に最大の役割を果たしたのは、関税や外貨割当や資本自由化阻止などの保護貿易によってです。また興銀は日産に社長を送り込んだりして支援したので、自動車が産業政策の恩恵をまったく受けなかったというのは正確ではない。しかし政府の補助金を受けなかった自動車と家電が成功したという事実は、産業政策(ターゲティング政策)の有害性を示しています。
ところで、この映画のポスターは、アツ過ぎますね。”官僚達の熱い夏”と主張しているようです。日本の誇るべき、電気産業や自動車産業の製品群をフューチャーしたほうが、映画の隠れた趣旨(サブテーマ)にも共鳴し、その斬新さが、受けるのではないでしょうか・・・・・・。
よく「軽自動車は世界に誇れる日本製品だ」という人がいますが、これは狭い敷地の上にハイテクで積み上げた狭小住宅みたいなもので、まさにガラパゴスの典型例です。よって、輸出はほぼゼロの完全ドメスティックな商品です。これがもしもっとマトモなバランスだったら、世界に輸出できるマイクロカーになったことでしょう。
昨今「低燃費車」への優遇税制が大流行ですが、こうした政府による格付け制度は製品の進化を歪める危険があります。以前にも言いましたが、低燃費に誘導したければ燃料に課税すれば済む話です。
今やこれは世界的な傾向ですが、国民は普段「役人はけしからん」という割には、何かあるとすぐに国に頼ろうとします。しかし実際には国家が干渉・保護した分野はほぼ間違いなく衰退しますね。
先頭集団にいると、どの方向に行けばよいかなど官僚に思いつくことさえできない。
だから、産業政策などという民間を混乱させるようなことはやめるべしという話を普遍化しないといけない。40年前でも本田宗一郎氏が喝破したように邪魔だったのだから、今に於いておや、である。
しかし、産業政策は要らないが、アメリカの技術進化の歴史を見れば、国防産業の技術開発がアメリカの先進産業を作ってきた。ITなどはその例だと思う。
国家調達に於いて、そういう意味での開発的なトライアルがあってもよいように思うが、評価段階での役人や識者の介入で、新たな利権に堕する危険性もある。しかし、今のような既存技術だけの安値入札ばかりではチャレンジすることが馬鹿げたことになってしまうのは危険だ。
しかし、「日本の財界は村上、堀江、三木谷、TCIのような米国追従をやめるべきだ」みたいなのはTVの話で実態ではない。日本の経営者や市場関係者だってIRRとROE以外にも様々な指標や成長のストーリーを意思決定にしているのが実態ではないか。ベンチャーキャピタルとM&Aとヘッジファンドと金融危機をごちゃまぜに議論しているのはがっかりしました。5年以上の株式市場構想にしろどうやって流動性を確保するのか。議決権のない株式があるということを知らないような記述もあった。
「いい人」は経産省に担がれたら断れないのではないか。
池田様のブログ、いつもたのしく”ななめ読み”させてもらっていますww
ただ、僕は学力が著しく不足しているためw、むつかしくってよくわからない記事も多くて、それがまた、ハイソな感じで気に入っていますw
で、国民車構想の件で、ちょっと、あれ?って思ってはじめてコメントさせてもらいました。
以前に読んでた、佐藤正明・著『ホンダ神話』って本に国民車構想について書いてあった気がして、引っ張り出してみたんですが、
P167〜171
のあたりにやっぱり書いてありましたよ。
(これもあくまで水面下だったのかもしれませんが…)
【引用P169〜171】
日本の自動車産業は、明らかに曲がり角にさし掛かっていた。タイミング良く安保騒動の責任を取って退陣した岸信介に代わって、所得倍増計画の大風呂敷を広げた池田勇人が首相の座に就いた。高度経済成長に弾みがつき、池田の公約通り国民所得が倍増すれば、十年後の日本の自動車の生産台数は、年間百万台の大台に乗り、日本は自動車先進国の仲間入りをする。
日本の自動車市場の将来性は、豊かでバラ色にみえた。ただし貿易自由化が実現すれば、米ビッグスリーが巨大な資本を背景に、日本に上陸するのは目に見えている。”黒船襲来”による影響を最小限に食い止めるには、その前に国内メーカーの集約をはかり、体力をつけておかなければならない。
ところが肝心の自動車産業の国際競争力は、機械産業の中でも工作機械と共に最も弱いとされていた。といって自由化の時期を二年以上遅らせるのは難しい。
こうなると通産省の出番である。通産省は貿易・資本の自由化とモータリゼーションの進展をにらみ、昭和三十年代の初期から国民車構想を進めており、トヨタはその絡みで三十五年に米フォードと日本で合弁生産する交渉に入った。
一方、二十八年に米ウィリス社と提携して四輪駆動車「ジープ」のライセンス生産を始めた新三菱重工業(現三菱重工業)は、今度はイタリア・フィアットとの技術提携による乗用車のライセンス生産を計画していた。両社は貿易の自由化に続いて「資本の自由化が実施されれば、日本メーカーの存立基盤が危うくなる」と判断して、外資との提携に走った。
トヨタとフォードの合弁生産は、トヨタが開発した排気量八00ccの大衆車「パプリカ」が前提になっているので、問題は比較的少なかった。一方、新三菱はフィアット車のKD(ノックダウン=組み立て)生産のため、国産車の育成にはつながりにくいことから、通産省としては認可すべきかどうか苦慮していた。
その通産省自体も大きく揺れ動いていた。将来の日本の通商政策を左右する経済自由化の是非を巡り”異色官僚”の名をほしいままにし、民族資本育成派の頂点に立っていた重工業局長の佐藤滋とそれに反対する国際派とに分かれ、激しい政策論争を繰り広げていた。しかし自由化が秒読み段階に入るとともに、佐藤の率いる民族派が次第に主流に伸し上がってきた。
通産省の基本政策は、三十八年の貿易自由化を前提に、短期間で国際競争力をつけることにあった。それには乗用車への新規参入を抑え、過当競争を排除すると同時に、既存メーカーを再編成して量産効果を上げるしかない。
こうした通産省の動きを察知して、三菱中心の東洋工業(現マツダ)、ダイハツ工業、オートバイの鈴木自動車工業(現スズキ)、スクーターの富士重工業などの非四輪車メーカーが、続々と乗用車への新規参入を表明した。【引用おわり】
主人公のモデル、佐藤滋は自動車の担当ではなかったとのことですが、フィクションのドラマとしては、花形のクルマを中心にハナシをつくって、現代のGM破綻、ニッポン勝利!につなげようって胆でしょうかwww
『ホンダ神話』は95年の出版なので、今現在はまた通産省のかかわりへの評価がちがってきてるのかもしれません。いろいろ新事実がでてたりして……
>1950年代の日本にとって圧倒的に重要なのは重化学工業や道路・鉄道などのインフラ再建であり、「消費財」にすぎない自動車や家電に乏しい財政資金を出す余裕はなかったのです。
あと、池田様のこの箇所に対しても、おもしろいとこがあったので引用しますw
【引用P167〜168】
日本の自動車産業は、昭和二十五年の朝鮮戦争に伴う特需で産業として一本立ち出来るキッカケをつかんだ。それ以前には自動車産業、とりわけ乗用車の国産化無用論が大手を振って罷り通っていた。
日銀総裁の一万田尚登がこれを強力に唱えていた。”日銀の法王”と呼ばれていた一万田の在任期間は、二一年六月から二十九年十二月まで実に八年半の長期にわたり、この間内閣が七つ、大蔵大臣は九人を数えた。公職追放によって有力財界人が少なかったこともあり、一万田は法王として権勢を振るった。
「日本で乗用車工場を建設しても成り立たない。日本はトラックの生産に徹し、乗用車は欧米先進国から輸入すればよい。これこそ理想的な国際分業だ。」
一万田が唱える「乗用車工業育成不要論」の根拠は二つあった。一つは乗用車というのは限られた特権階級の人だけが乗る贅沢品であること。もう一つが乗用車産業はエンジン、ボディーを含め二万点を超す部品からなっており、大規模な資本を必要とするが、その投資に見合う需要は日本では期待できないというところにあった。【引用おわり】
日本の自動車産業ってさいしょから輸出前提でペイする産業だったのでしょうかww
引用ばっかり長くなりましたが、国民車構想、どうなんでしょうか?
公式文書でもなんでもなくって、ノンフィクションのなかからですがww
<この年の5月18日、「官僚たちの夏」第1話のモチーフとなる、通産省の「国民車構想」が明らかになりました。「4人乗り、最高時速100キロ、大がかりな修理なしで10万キロを走れる車を開発して25万円で売るならば、国家補助して国民車に育成する」という構想です。
「官僚たちの夏」のドラマ化にあたって、この構想の原案を書いたご本人、元通産省自動車課技官の方にお話を伺うことができました。現在85歳になる方です。その方の証言によると、この構想は正式に発表されたわけではないとのこと。省内での組織決定を待たずに、通産省幹部が構想案を、新聞記者の目に付きやすいよう、わざと机上に放置したそうなんです。いわゆる、意図的に情報を漏らす“リーク”で、その狙い通り、新聞に大きく扱われて大騒ぎになりました。その騒ぎの中、当時の自動車課長は「世の中を騒がすぐらいでなければ、事態は前に進まない」と落ち着いていたそうです。>
http://www.tbs.co.jp/kanryou09/kiso/01.html
これはドラマなのだから「フィクション」であるのは当たり前。その中でも、特振法の部分は史実にもとづくセミ・フィクションだが、国民車の話は新聞の誤報を素材にした「完全なフィクション」なのです。その意味も理解しないで粘着するバカは、出入り禁止にしました。
「1円株式会社」だの「大学発ベンチャー」だのと、経産省は起業促進の旗振りをやってきましたが、単に誤解をまき散らすだけの効果しかないのではないか?と思えて仕方がありません。少なくともまともな起業であれば、当面の運転資金として1000万円は用意しておくべきなのに、その1000万円の枠を撤廃して、「1円の資本金で株式会社」と喧伝すれば、起業の現実を知らない若者をミスリードしてしまいます。
また、ベンチャーの本場であるアメリカでは、利益相反から大学教授が社長を兼務することは禁止されているのに、経産省は逆に兼務を煽ってきました。たまにはアメリカの反対をやっても良いのですが、現実問題として、教授職と社長職が両立するはずがありません。起業時の社長職は次々に襲ってくる雑用の山との格闘であり、優れた研究者であればあるほど、こんなことに時間を浪費してはいけません。税金の無駄遣いだけではなく、日本や世界に産業振興にとって大きな損失です。
起業関連だけではなく、昔から官僚は現実をよく知らないままにいろんな施策を打ち出してきたのでしょうか?だとすれば、国民にとっては本当に迷惑な話です。
民主党が政権を取って統治機構をイギリス型に変更すれば、やがて国会が決算議決するようになるでしょう。そうなると、官僚の裁量権、とりわけ財務省官僚の裁量権が大きく狭まる。
もんだいは、そういう方法がよいかどうかです。私は反対なのですが、自民党が政権を失うのはもはや確実と言っていいでしょう。民主党はやるでしょうから、有識者のみなさんがしっかり議論して妥当な措置を施していただきたいと思いますね。
これは政治家も同じなんですが、最近の官僚はハウツー本を読んでそれで勉強した気分になってしまうのが多い。経済素人の私でさえ、「ジェントルマン資本主義の帝国(上・下)」を読みましたよ。それで、イギリス型が本当にいいのかと思ってもいるのですが、最近の政治家や官僚は勉強をしないであれこれ言うのが多すぎる。
このドラマは、何が事実か否か、
頭でっかちなところに視点を置くべき作品ではないと思います。
このドラマの台本の言葉の使い方、ちから、
役者の演技力、
人間の生命力。
5年に一度でるかでないかの作品です。
芸術性が秀でています。
みなさん、それを受信できる能力が退化している。
一流の人間は、そこが退化しません。
常に知識、理論と同じレベルの、真っ白な魂を持ち合わせている。
繊細であり大胆。
現実的であり、理想主義。
細部に通じながらも、子供にもどれる。
だからなぜだか解らないけど涙がでる。
私が一流と思うのは、そういう人間です。
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