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MonsterTV事件の怪
2008-08-05
/
IT
SKネットから発売されていた地デジチューナーユニット、「MonsterTV HDUS」が突然、
出荷停止
になった。SK社のウェブサイトにある7月30日付の
ニュースリリース
には、「ソフトウェアを故意的に改ざんすると、本来持ち合わせている機能が正常に動作しない」ために出荷停止すると発表されているが、ユーザーによる改造の責任をメーカーが負ういわれはない。関係者によると、SK社は30日にB-CAS社から呼び出しを受け、即日、出荷を停止したという。
Wiki
に情報が集められているが、問題は要するにHDUSのドライバを改造すると、B-CASのコピー制御信号を無視してコピー自由になるということだ。これは
Friio
と同じく違法行為ではなく、ARIBの決めた私的な規格に違反するだけだ。ましてSK社はコピー制御を守っているのだから、出荷停止する理由はない。B-CAS社が「HDUSを出荷停止しないとB-CASカードを発行しない」とSK社を脅したとすると、
独禁法違反
(不当な取引制限)の疑いがある。
さらにこれと同等のチューナーユニット(MonsterTV HDU)は、デルのPCにもOEM供給されており、これも同様の改造でコピー制御が解除できる。SK社がデルへのOEM供給を停止したら、OEM契約違反だ。デル社がSK社に供給を続けるよう法的措置を取れば、誰が出荷を止めたのかもはっきりするだろう。B-CASの問題はUSTR(米通商代表部)も注目しているので、
非関税障壁
として日米協議の議題になる可能性もある。
ドライバの改造だけでコピー制御が外れるとすれば、他の同様のチューナーやボードでも改造は可能だ。関係者によれば、「SKの件は表に出たから騒ぎになっただけで、実態はほとんどの製品(テレビも含めて)がコピーフリーにできる。そういう改造部品がアキバで堂々と売られている」。つまり
地デジのコピー制御は破綻した
ということだ。欧米では、デジタル放送の普及のためにチューナーのPCへの搭載を奨励しているのに、日本ではこのようにPCによる地デジ視聴を妨害して、家電メーカーの独占を守ってきた。それが破綻したのは当然であり、2011年の地デジ完全移行にとっても朗報である。
コメント (
11
)
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コメント
火種
(
コノハズク
)
2008-08-05 16:24:59
この際ですから、この騒ぎが拡大してボロがどんどん明るみに出ると面白いかもしれませんね。ごたいそうに守ろうとする物ほど、開けてみれば大した事はない。
チューナに関しては、いわゆるTS抜きという手法も知られております。私は今の地上波放送なんて何も改めてパソコン上で見たいなどとは殆ど思いませんが、優れたブルーレイディスクコンテンツなら見たい。これについてMacintoshがサポートしていませんが、Blu-Rayドライブを接続してみるとちゃんとUDF2.5を認識します。つまり、iTunesを見れば分かるような、元々オープン市場を目指すアップルの戦略と、DRMかけまくりとが矛盾しているから敢えてサポートしないのだろうと私は解釈してます。
SIM Lock
(
常岡浩介
)
2008-08-06 03:40:26
数年前のSIM Lock解除騒動を思い出させられました。
Re: SIM Lock
(
池田信夫
)
2008-08-06 09:14:01
SIMロックと比較すると、これは(たとえば)シャープの端末のSIMロックが外されたからといって、ソフトバンクがシャープの端末にSIMカードを供給しないと脅して出荷停止させるような行為です。B-CAS社はついに「一線を越えた」と思いますね。英文ブログにも書きました:
http://open-spectrum.blogspot.com/2008/08/copy-protection-of-b-cas-was-broken.html
Unknown
(
ある学生
)
2008-08-06 22:06:51
不当な取引制限規制(独禁法3条後段,2条6項)は,カルテルの規制です。不当な取引制限というためには,「共同して」行うことが要件ですので(2条6項),「B-CAS社が「HDUSを出荷停止しないとB-CASカードを発行しない」とSK社を脅した」としても不当な取引制限にはあたりません。
ちょっと最近勉強したことなので気になって。
取引制限
(
池田信夫
)
2008-08-07 01:53:35
B-CAS社自体がテレビ局と電機メーカーのカルテルのようなものなので、「不当な取引制限」は適用できます。過去にもそういう事案があります。同じ第3条の「私的独占」で摘発することも可能です。
どっちにしても、B-CAS社の行為が独禁法第3条に違反することは確実です。こういう反社会的な企業の筆頭株主が公共放送のNHKであるという事実は、そのうち大問題になるでしょう。
Re:SIM Lock
(
常岡浩介
)
2008-08-07 07:28:20
なるほど。実は、SIM Lockの件でも、ユーザ
によってSIM Lockが解除されたあと、有効
な対策(より強力なロックのかけ直し)が
取れなかったメーカーは、その後、当時の
Vodafone社から端末販売を断られたりして
います。たとえばSonyEricssonは802SEと
いう機種がLock解除され、大量の海外流出
があったあと、V社から扱いを断られました。
一方、SHARPは解除されるたびに次々に強力
化したSIM Lockをかけ直して、現在もS社の
主要な端末供給元となっています。
B-casの件との大きな違いは、出荷停止の
理由がSIM Lockを解除されたせいだとは
公表しないし、端末供給を断られた理由も
SIM Lockのかけ直しができなかったからだ
とは公表しないということぐらいでしょう
か。
SK社の見解
(
池田信夫
)
2008-08-07 14:38:43
この事件のあと、各社がSK社に取材していますが、SK社の見解は「あくまでも当社が自主的に出荷を停止したもので、B-CAS社の圧力などはありません」。
霞ヶ関の官僚が行政指導をするとき、「ヒアリング」と称して業者を呼び出し、微にいり細にうがって「事情」を聞き、業者がお上の「御意」を忖度して自粛する、というのと似てますね。こういう時代劇みたいな光景が、21世紀の日本にも残っているわけです。
Unknown
(
技術屋
)
2008-08-10 15:42:11
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20080809/etc_shopwatch.html
HDUSですが秋葉原を中心に奪い合いになっていたようですね。
むろん一部の先進的なメディアを欲しがるユーザに限った現象なのでしょうけれど、こういったユーザは一般に身近なユーザからIT機器やAV家電に関するオピニオンリーダとして扱われていることが多く、そういった人々がHDUSを求める理由と影響力を考えれば、B-CASの無意味さが改めて浮き彫りになっていくようです。
著作権法が文化の広範な普及を第一義に求める法令である以上、結果としてTVというメディアを退廃させかねないB-CAS社や同社を作り上げたTV局各社こそが、広義的には著作権法に違反しているのではないかと感じます。
自称権利者の諸氏が本当に自己の利益の最大化を求めるのであれば、こういった仕組みを広め維持しようとしている人々をこそ目の敵にすべきなのかもしれません。
JVAが援護射撃
(
ペンギン
)
2008-08-14 20:32:03
社団法人日本映像ソフト業界という、あまり聞いたこと無い団体(?)が、デジコンに対して意見を出したようです。
この意見書の中に、「バグを放置した機器の販売を禁止するなど、著作権保護技術の実効性を確保する制度的エンフォースメントを強く要望する」ということも書かれているようです。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080812/jva.htm
著作権管理機能の無い機器を売らせないようにすることが「制度的エンフォース」なんですか?
いったいどういうロジックでそんな事を言い出したのか、頭の中を見てみたい感じです。
これってお笑いネタにしていいですよね?
エンフォースメント
(
池田信夫
)
2008-08-14 22:51:27
情通審で、b-flagのように法的にフラグを検知する機能の搭載を義務づけることも検討されているようです。B-CASが役に立たないことが判明した以上、法的にエンフォースするしか方法はありません。
しかしこのためには、無線通信機能を備えたあらゆる電機製品やDVD-Rなどにダビング10のフラグを検知する機能を義務づけなければならない。そんな法律はとうてい実施不可能であるばかりでなく、電機製品の所管は経産省であって、情通審で決めることはできません。またそういう法律が反競争的な効果をもつことは、ダビング10の現状をみても明らかで、公取委が容認するとは思えない。
好機
(
misora
)
2008-08-14 23:56:57
むしろこの時をおいて大衆がTVの影響力から脱するチャンスはないのではないかと
つまらないマスコミの体質は全く変わりそうもありませんし
TVの衰退にあわせてネットなど他の媒体がどう盛り上がって動くか、動くべきか考えたほうがいいような気がしてきました。
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チューナに関しては、いわゆるTS抜きという手法も知られております。私は今の地上波放送なんて何も改めてパソコン上で見たいなどとは殆ど思いませんが、優れたブルーレイディスクコンテンツなら見たい。これについてMacintoshがサポートしていませんが、Blu-Rayドライブを接続してみるとちゃんとUDF2.5を認識します。つまり、iTunesを見れば分かるような、元々オープン市場を目指すアップルの戦略と、DRMかけまくりとが矛盾しているから敢えてサポートしないのだろうと私は解釈してます。
http://open-spectrum.blogspot.com/2008/08/copy-protection-of-b-cas-was-broken.html
ちょっと最近勉強したことなので気になって。
どっちにしても、B-CAS社の行為が独禁法第3条に違反することは確実です。こういう反社会的な企業の筆頭株主が公共放送のNHKであるという事実は、そのうち大問題になるでしょう。
によってSIM Lockが解除されたあと、有効
な対策(より強力なロックのかけ直し)が
取れなかったメーカーは、その後、当時の
Vodafone社から端末販売を断られたりして
います。たとえばSonyEricssonは802SEと
いう機種がLock解除され、大量の海外流出
があったあと、V社から扱いを断られました。
一方、SHARPは解除されるたびに次々に強力
化したSIM Lockをかけ直して、現在もS社の
主要な端末供給元となっています。
B-casの件との大きな違いは、出荷停止の
理由がSIM Lockを解除されたせいだとは
公表しないし、端末供給を断られた理由も
SIM Lockのかけ直しができなかったからだ
とは公表しないということぐらいでしょう
か。
霞ヶ関の官僚が行政指導をするとき、「ヒアリング」と称して業者を呼び出し、微にいり細にうがって「事情」を聞き、業者がお上の「御意」を忖度して自粛する、というのと似てますね。こういう時代劇みたいな光景が、21世紀の日本にも残っているわけです。
HDUSですが秋葉原を中心に奪い合いになっていたようですね。
むろん一部の先進的なメディアを欲しがるユーザに限った現象なのでしょうけれど、こういったユーザは一般に身近なユーザからIT機器やAV家電に関するオピニオンリーダとして扱われていることが多く、そういった人々がHDUSを求める理由と影響力を考えれば、B-CASの無意味さが改めて浮き彫りになっていくようです。
著作権法が文化の広範な普及を第一義に求める法令である以上、結果としてTVというメディアを退廃させかねないB-CAS社や同社を作り上げたTV局各社こそが、広義的には著作権法に違反しているのではないかと感じます。
自称権利者の諸氏が本当に自己の利益の最大化を求めるのであれば、こういった仕組みを広め維持しようとしている人々をこそ目の敵にすべきなのかもしれません。
この意見書の中に、「バグを放置した機器の販売を禁止するなど、著作権保護技術の実効性を確保する制度的エンフォースメントを強く要望する」ということも書かれているようです。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080812/jva.htm
著作権管理機能の無い機器を売らせないようにすることが「制度的エンフォース」なんですか?
いったいどういうロジックでそんな事を言い出したのか、頭の中を見てみたい感じです。
これってお笑いネタにしていいですよね?
しかしこのためには、無線通信機能を備えたあらゆる電機製品やDVD-Rなどにダビング10のフラグを検知する機能を義務づけなければならない。そんな法律はとうてい実施不可能であるばかりでなく、電機製品の所管は経産省であって、情通審で決めることはできません。またそういう法律が反競争的な効果をもつことは、ダビング10の現状をみても明らかで、公取委が容認するとは思えない。
つまらないマスコミの体質は全く変わりそうもありませんし
TVの衰退にあわせてネットなど他の媒体がどう盛り上がって動くか、動くべきか考えたほうがいいような気がしてきました。
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