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(for PC & MOBILE)
マイクロソフトの高い買い物
2008-02-07
/
IT
きのうヤフーとグーグルの(間接的な)関係者と話したら、当然のことながら、今度の買収の話題が出たが、みんな一様に否定的だった。
クビになった
テリー・セメル
のおかげでぐちゃぐちゃになったヤフーを、また62%ものプレミアムで(借金までして)買おうって、ビル・ゲイツはどうかしたんじゃないの?
古川享氏
もいっているように、孫正義氏がヤフーのスタートアップの際、ゲイツに相談したとき買っていれば、数百万ドルですんだのに・・・
NYタイムズの社説
まで、「この買収はどうせ失敗するから、規制当局はほっておけ」と冷たい。
経済学的に考えると、MSの戦略は一時代古い。製造業なら、物的資産の所有権によって被買収企業をコントロールできるが、ネット企業の
不可欠資産
は物的な工場ではないからだ。たとえば、かつて世界最大級の広告代理店だった
サーチ&サーチ
が1995年に創立者のサーチ兄弟を追い出したとき、彼らが仲間を引き連れて新しい会社をつくり、元の会社は没落してしまった。
情報サービス業の不可欠資産は人的資本だから、「株主価値を最大化する」という資本主義のマントラは必ずしも正しくない。その代わり重要になってきたのは、
Rajan-Zingales
の指摘するように、
ブランド
と
社風
*
(corporate culture)と社員の
モチベーション
だ。
海部美知さん
のいう「シリコンバレーとシアトルのDNAの違い」というのが、実はいちばん大事なのである。
たとえば、シスコシステムズは100近い企業を買収してきた結果、一つの企業というよりサンノゼ市内に散在する数十の企業のゆるやかな連合体だ。それを統合しているのは、垂直統合企業のような命令系統ではなく、シスコのブランドと社風である(どこのビルでも、スーツを着た社員は1人もいない)。ジョン・チェンバースCEOが企業を買収するときの基準は、「カルチャーが合うかどうか」。いくら高収益でも、社風の合わない企業は買収しない。特に敵対的買収は、絶対にしない。
他方、グーグルは
「株主価値は最優先の目標ではない」
と公言し、資本主義の次の社会をめざしている。MSは、資本主義の企業としては最強だったかもしれないが、いま始まっているのは、資本主義とその次の社会の闘いだ。異なるカルチャーの企業が敵対的買収で合体しても、AOL=タイム・ワーナーのように社内政治で自壊するのが関の山ではないか。
(*)Rajan-Zingalesはintegrityと書いている。Corporate cultureについては、
Kreps
参照。
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コメント
同業者にはチャンス到来でしょう
(
behindthemask1979
)
2008-02-07 03:43:10
>きのうヤフーとグーグルの(間接的な)関係者と話したら、当然のことならがら、今度の買収の話題が出たが、みんな一様に否定的だった。
MSやYahooの立場に立ったらそうでしょうが、同業者であれば「これでチャンスだぜ!」と思うのが普通ではないでしょうかね?
これで、MSが日本のヤフージャパンにも食指を伸ばしてくれれば言うことなしです。
そうなると、ヤフージャパンにしてみれば、「なんだよ、オレたちうまくやってるのにさぁ、親亀(Yahoo US)がしくじりやがって」ってな感じでしょうが。
社風を決めるもの
(
ひでき
)
2008-02-07 06:08:47
非民主的なまでの強いリーダーシップとこそが全く「自由」と感じられるほどの社風を作るのではないでしょうか?「合議」的意思決定の会社は官僚性に陥りがちです。それは池田さんが一人物によってヤフーが目茶苦茶にさせられたとおっしゃる通り「一国は一人で興り、一人で廃れる」ということでは?
それでも日本企業に比べれば・・・
(
elm200
)
2008-02-07 07:38:13
> 経済学的に考えると、MSの戦略は一時代古い。
おっしゃるとおりだと思います。思いますが、それでも大半の製造業中心の日本企業群にくらべるとはるかに先を行っているのかと思うと、彼我の格差にめまいがする思いです。
PrimeTime
(
Maki
)
2008-02-07 07:58:50
米国が国家をあげて「人材戦略」に注力していることは、2007年8月に成立した「2007年米国競争力法案」からも垣間見ることができます。同法案は、通称、パルミザーノ・レポートと呼ばれている「Innovate America」に基づいているようです。次なる社会は、「人材獲得競争」に転換していく可能性あるのではないでしょうか・・・・日本社会は大きな転換期に直面しているかもしれません。
*「なぜ、海外企業は人材に注目しているのか・・・?!」(背景には人材不足の問題も):
http://prewire.blogspot.com/2008/02/blog-post_03.html
Unknown
(
はやと
)
2008-02-07 12:23:32
仮に上手くいっても日本には殆ど影響がないようなのですが(上手くいかなくなった場合は別でしょうが)私の友達も「恒例行事みたいなものじゃないの?」と言っていました。
ゲイツのせいで
(
Yoca
)
2008-02-07 16:18:23
PCが使いづらくならなければいいんですが。
本来、便利になるためのツールのはずなのに。
MS-ボス
(
江戸川アダモ
)
2008-02-07 22:55:24
「ネットにおけるGoogleの独占を許すな」というのはMSの建前であって、実際には「OSやOffice系アプリにおけるMSの独占を守りたい」訳ですよね。
ネット経由で文書作成や表計算やCADまで出来ると言うことは、アプリはブラウザだけで良い、と言うことはOSもLinuxとかでよい。これはMSにとっては悪夢かもしれませんが、我々ユーザーにとっては愉快な話です。
MSはこれまで、自分たちの独占にとって障害になりそうな相手は全て潰すという戦略できましたが、こうした「全正面作戦」がいつでも上手くいくと考えているのかな? だとすれば、奢りで自分の置かれた状況が判らない、という意味でゾンビ化がかなり進行していると言うことでしょうか。
Unknown
(
ペール
)
2008-02-07 22:57:09
>「株主価値を最大化する」という資本主義のマントラは必ずしも正しくない
大前研一氏のコラムで読んだことがあるのですが、かつて高成長時代のアメリカでは終身雇用、年功序列の労働形態があり、そして低成長期により崩壊したというものでした。これは日本の状況と同じですよね。もし、大前氏のいうことが本当ならば、ITによる新しい経済ではなく、高成長産業での成功するモデルのひとつであると考えられませんか?
むしろネット広告市場の成長が止まり、一人当たり労働生産性の成長が鈍化して平準化がおきた時のグーグルの選択に注目したいです。
Unknown
(
ペール
)
2008-02-07 23:25:24
いずれにしろ、「株主価値を最大化する」ために優秀な人材を集めるという経営能力の重要性は他の産業よりは高いと思いますが。
”縛られない発想”が命のWeb企業をどう縛るのか
(
【磐石SEO】仲居一平
)
2008-02-07 23:36:12
タイトル通りです。
自由闊達な社風が根底にないWeb関連企業って
面白くもなんともないですね。
特にYahooやGoogleの価値を決定つけるのは,
勿論検索技術ですが,同時に”遊び心”っぽい
発想が必要だと思う。
「マイクロソフトの軍門に下るくらいなら切腹」
そんな社内の雰囲気で,お互い溶け合うような
合併など,望めないのではと思います。
そんなわけないでしょう
(
behindthemask1979
)
2008-02-09 03:19:24
# 古川享氏もいっているように、孫正義氏がヤフーのスタートアップの際、ゲイツに相談したとき買っていれば、数百万ドルですんだのに・・・
MSが創業期のYahooの経営権を得る程度に出資していたら、YahooはいまのようなYahooにはなっていないはずです。
だから、「MSがあのときYahooを買っておけば、数億円で済んだ」、というのは、的外れでしょう。
まさか絵画や骨董品じゃあるまいし・・・対象は、人間のように、生きている「会社」ですよ。
コントロール
(
nekocat2005
)
2008-02-14 03:13:45
ネット企業の不可欠資産は物的な工場ではないから、被買収企業を全然コントロールできないかと言えば、少し違うと思います。webの売買が当然のように行われていますし、それらを支えているのは優れたシステムとそれを活用する人々の習慣だからです。
例としてあげている広告代理店よりも、優れたweb企業が持つシステム、そしてアマゾンで買い物し、ヤフーで検索し、イーベイでオークションをする何億の人々の生活習慣は物的な競争力を持つと思います。技術革新、システムとして完成されたこれらの企業を根本的に倒す可能性を秘めてるのは、創業者の新会社ではなく新たなビジネスモデルではないですか。
それと同時に、製造業であっても、ファブレス企業の任天堂はもとより、トヨタ自動車や松下のようにブランドを大事にする企業を敵対的に買収して、工場を物的に支配下にいれたとしても、簡単にコントロールできるとも思いません。
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MSやYahooの立場に立ったらそうでしょうが、同業者であれば「これでチャンスだぜ!」と思うのが普通ではないでしょうかね?
これで、MSが日本のヤフージャパンにも食指を伸ばしてくれれば言うことなしです。
そうなると、ヤフージャパンにしてみれば、「なんだよ、オレたちうまくやってるのにさぁ、親亀(Yahoo US)がしくじりやがって」ってな感じでしょうが。
おっしゃるとおりだと思います。思いますが、それでも大半の製造業中心の日本企業群にくらべるとはるかに先を行っているのかと思うと、彼我の格差にめまいがする思いです。
*「なぜ、海外企業は人材に注目しているのか・・・?!」(背景には人材不足の問題も):
http://prewire.blogspot.com/2008/02/blog-post_03.html
本来、便利になるためのツールのはずなのに。
ネット経由で文書作成や表計算やCADまで出来ると言うことは、アプリはブラウザだけで良い、と言うことはOSもLinuxとかでよい。これはMSにとっては悪夢かもしれませんが、我々ユーザーにとっては愉快な話です。
MSはこれまで、自分たちの独占にとって障害になりそうな相手は全て潰すという戦略できましたが、こうした「全正面作戦」がいつでも上手くいくと考えているのかな? だとすれば、奢りで自分の置かれた状況が判らない、という意味でゾンビ化がかなり進行していると言うことでしょうか。
大前研一氏のコラムで読んだことがあるのですが、かつて高成長時代のアメリカでは終身雇用、年功序列の労働形態があり、そして低成長期により崩壊したというものでした。これは日本の状況と同じですよね。もし、大前氏のいうことが本当ならば、ITによる新しい経済ではなく、高成長産業での成功するモデルのひとつであると考えられませんか?
むしろネット広告市場の成長が止まり、一人当たり労働生産性の成長が鈍化して平準化がおきた時のグーグルの選択に注目したいです。
自由闊達な社風が根底にないWeb関連企業って
面白くもなんともないですね。
特にYahooやGoogleの価値を決定つけるのは,
勿論検索技術ですが,同時に”遊び心”っぽい
発想が必要だと思う。
「マイクロソフトの軍門に下るくらいなら切腹」
そんな社内の雰囲気で,お互い溶け合うような
合併など,望めないのではと思います。
MSが創業期のYahooの経営権を得る程度に出資していたら、YahooはいまのようなYahooにはなっていないはずです。
だから、「MSがあのときYahooを買っておけば、数億円で済んだ」、というのは、的外れでしょう。
まさか絵画や骨董品じゃあるまいし・・・対象は、人間のように、生きている「会社」ですよ。
例としてあげている広告代理店よりも、優れたweb企業が持つシステム、そしてアマゾンで買い物し、ヤフーで検索し、イーベイでオークションをする何億の人々の生活習慣は物的な競争力を持つと思います。技術革新、システムとして完成されたこれらの企業を根本的に倒す可能性を秘めてるのは、創業者の新会社ではなく新たなビジネスモデルではないですか。
それと同時に、製造業であっても、ファブレス企業の任天堂はもとより、トヨタ自動車や松下のようにブランドを大事にする企業を敵対的に買収して、工場を物的に支配下にいれたとしても、簡単にコントロールできるとも思いません。
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