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佐藤優バブル
2007-12-25
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Books
今年のベストセラー第1位は『女性の品格』だそうだが、部数×点数で最大のベストセラー作家は、佐藤優氏だろう。今年15冊、今月だけで6冊も出している。雑誌などでも、彼の名前を見ない週はほとんどない。これは『正論』から『週刊金曜日』までカバーする彼の幅広さ(というか無節操)のおかげだろう。
当ブログでも、彼の初期の本(
『国家の罠』
と
『自壊する帝国』
)は評価したが、その後、山のように出た安直な対談本はすべて無視してきた。本書は書き下ろしだというので読んでみたが、神保町から自由が丘までの30分で読了。アマゾン的に表記すると、★☆☆☆☆である(だからこの画像にはリンクを張ってない)。
「国家論」と銘打っているのに、いきなり無関係な三位一体論の解説が延々と続き、『資本論』によって国家を論じるが、その解釈は宇野弘蔵。あとは柄谷行人やカール・バルトなどが脈絡なく出てきて、結論は「日本社会を強化するには、お互いに協力しあうことが必要だ」。これほど支離滅裂で無内容な本はまれにみるので、栄えある今年のワースト1にあげておこう。
こんなひどい本ができた原因は、著者がもう「貯金」を使い果たしたためと思われる。彼が系統的に勉強したのはキリスト教だけで、社会科学の基本的なトレーニングができていない。国家論という社会科学の中でも一番むずかしいテーマを、マルクスとバルトだけ読んで語ろうとするのは、めくら蛇に怖じずというしかない。致命的なのは、マルクス理解が宇野や柄谷、廣松渉などの特殊日本的マルクス解釈に依存していて、経済学の知識がまったく欠けていることだ。
そもそも『資本論』は国家なんか論じてない(篇別構成では資本論のあと国家論を書く予定だった)し、宇野も国家については何も語っていない。廣松は『存在と意味』の続編として国家論を書こうとしたが、行き詰まって放棄した。アルチュセールも晩年に気づいたように、マルクスの国家論はヘーゲル法哲学の焼き直しで、国家を市民社会の生み出した二次的イデオロギー装置と考える点で根本的に誤っているのだ(この図式の起源は、著者のいうようにキリスト教にあるのかもしれない)。
暴力装置としての国家は、市場より古い。人類の歴史は暴力とともにあったのであり、それを抑制する
「定住革命」
のメカニズムの一つとして市場が生まれたのだ。ところが著者の出発点は古くさい唯物史観だから、出てくる結論も「新自由主義の生み出す格差をいかに社会的に是正するか」といった陳腐な社民主義になってしまう。これが、おそらく著者の「地アタマ」の限界だろう。もうそろそろバブルは崩壊するのではないか。
コメント (
27
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1
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コメント
貯金
(
passers-by
)
2007-12-25 19:09:18
>著者がもう貯金を使い果たしたためと思われる
「知識又は知恵の」貯金を使い果たした…というわけですね(一瞬、現金の意味での貯金と勘違いしてしまったので)。
自身の投獄体験や、専門分野のソビエト・ロシアについての造詣の深さが初期の本には表われていただけに残念に思うと共に、継続して質の高い本を出版し続ける事の難しさを感じます。藤原正彦氏も、池田先生は酷評されていますが、初期の頃の『若き数学者の…』等は佳作でしょうし、大江健三郎氏の初期の頃の作品の佳作群は評価されてしかるべきかと(池田先生もblogにて大江先生の初期の作品群は評価していらっしゃいましたが)。
ただ、このことは組織を離れて自力で言論人として生きようとする人には少なからず共通するところだと思います(天木直人氏等)。何しろ、組織の後ろ盾を失っている以上、発信し続けることしか許されないのですから。自分のネタを出し切った後でも、小室哲也氏ばりに発信し続けるしかないことを考えると、一概に責められない気もします。
金融等への学問的造詣も深い財務省出身の高橋洋一氏が、同じ轍を踏まれないことを願うばかりです。
Unknown
(
PK
)
2007-12-25 19:54:37
書く方も書く方なら、出版する方も出版する方。
インテリジェンスでは、佐藤優と手嶋なんとかが繰り返し繰り返し出てくるのが日本的。
田中森一氏も全く同じ
(
田中大介
)
2007-12-25 21:38:43
同じような話を繰り返すばかりという意味では、田中森一氏の著作も全く同じでした。
『反転』だけ読めばすべて足ります。
ゴルゴ13
(
fuji
)
2007-12-25 21:54:27
佐藤氏の本が売れるのはコミック的だからかもしれないですね。
Unknown
(
SEKIYA Hiroyuki
)
2007-12-25 22:30:21
>社会科学の基本的なトレーニング
とはどのようなものを抑えておくべきなのでしょうか?
被害妄想
(
佐藤秀
)
2007-12-26 00:32:48
タイトル拝見して一瞬自分のことかとドキリとしました。そんなワケないんだけれど。
これで、「いいかげんにしろ池田信夫」なんて佐藤優さんから言われたら、どうなることやら。
↑はもちろん分かる人にはわかるジョークのつもりですけど。
Unknown
(
シジナ
)
2007-12-26 00:43:42
読んでないので内容は知りませんが、『国家の罠』での成功が「佐藤優バブル」の引き金となったのでしょうね。
出版業界も必死なようだ。
社会科学の素養
(
池田信夫
)
2007-12-26 01:43:37
彼の話がマスコミ受けするのは、外務省のスキャンダルを実名でボロボロしゃべるからでしょう。これは国家公務員法違反(退職後も守秘義務はある)だけど、どうせ逮捕されたんだから・・・
ただスキャンダルだけでは、天木氏のように一発で終わりだけど、佐藤氏の場合はキリスト教やらマルクス主義やら、何か深遠そうな味付けがあるから、けっこう賞味期限が長いのでしょう。
たしかにキリスト教については、彼の理解は古いけど正統派で、傾聴に値します。しかしマルクスについては、日本語の解説書ぐらいしか読んでないんじゃないか。私のころは(幸か不幸か)宇野経済学を4年間やらされましたが、それを通じてマル経がいかにナンセンスなものであるかを知りました。
佐藤氏が独学でここまで勉強したのは大したものですが、マルクスもキリスト教の延長上で理解しているから、ヘーゲル的な疎外論の図式で考えている。しかも本書を読むと、その欠陥に自分で気づいていない。
Unknown
(
日高
)
2007-12-26 10:44:52
マル経のナンセンスさの講釈を少ししていただけませんか?
Unknown
(
bob
)
2007-12-26 10:48:55
マルクス経済学は未だかつて存在したことのない空想上のシステムを、想像の中で論理で捏ね繰り回しているという点でキリスト教神学によく似ている気がします。科学と疑似科学(オカルト)の線引きは実験的な裏付けによって現実との整合性が取れるかどうかで決まりますが、そこから考えるとマルクス経済学は疑似経済学ですね。
門外漢ですが、私は、経済学というのは生産力・技術力・人口といった境界条件を与えられたとき社会的に最も安定な解(システム)を導き出す学問だと思っています。ところがマルクス経済学がやっていることは「こんな境界条件のときにはこんなに安定な解が得られます」と空想上の境界条件を持ち出して空想上の解を出しているだけです。重要なのは、今この社会に与えられている境界条件の中で安定な解を求めることなのに。
元牧師志望なだけに
(
strongaxe
)
2007-12-26 12:24:33
おなじ話を繰り返すのは得意だったりして。
卑近な個人的体験
(
kiki
)
2007-12-26 12:53:11
ほとんど記憶に残っていませんが、”国家の罠”は興味深く拝見いたしました。ただ、どこかの対談かなにかで、佐藤氏が、ロシア女性の性生活について、真顔で、論評していた記事に遭遇してからは、彼の”インテリジェンス”(情報分析能力)に対して、大きな疑念を持つようになり、それからの、著作物に対しては、興味が持てなくなりました。
茂木健一郎氏の著作物も拝見しておりますが、脳科学がジオグラフィでしかなかった時代をとうに過ぎているにもかかわらず、大いなる期待を持って寸読いたしましたが、新鮮な驚きも無く、読者の世界観を塗り替えるほどの構想力も無く、読者の浅薄さに切り込んでくるような、有益な鋭さも無く、がっかりしたのを憶えています。脳科学に関する書籍では、小生の運が悪いのか、日本発のもの関しては、特筆するような内容の深いものに出会ったことはありませんね。
地方巡業中の歌謡ショウに遭遇したような、そんな感じでした・・・・・・・。
資本主義の周辺
(
資本主義
)
2007-12-26 17:27:04
資本主義について詳しい知識はありませんが全体像だけは理解しています。それから、マルクスの資本論は、学者と名のつく人なら引用される回数が多い本だと思います。しかし、日本では個人の都合のいい結論を生む為の内容を度外視した印籠な気がしてなりません。つまり、中身はどうでもよく、人の無知につけこんで勝手な結論を出す装置に見えるということです。さらに、権威を出すためだけに使われている気もします。それは経済分野のマスメディアが国民に対して株価情報しか満足に提供していないし妥当な共通理解を教育として求めてこなかった功罪が象徴としてマルクスの資本論を通し、その言論周辺にあると思います。そういったマスメディア言論の上に乗る人が佐藤さんのような人だと思います。また、佐藤さんにしろ脳科学の人にしろどういう構造でプッシュされているのかわかりません。売り上げが必ずしもいいからではないですよね?なぜといえば本文でも女性の品格が売れています。また、タイトルも悪い冗談としか思えないです。国家から女性へ差異化しただけのように見えます。これは、ここ数年の出版社の編集方針として象徴的なタイトルのような気がします。そういう煮え切らなさの象徴が佐藤バブルなんじゃないでしょうか?
立ち読みしてみました
(
えへん
)
2007-12-26 19:27:46
中身がないですねえ、、、
佐藤さんは本当にマルクスを読んだのでしょうか?
だいたい、廣松渉と柄谷行人とではぜんぜんちがいます。フロイトとユングが同じと言ってるようなものでして、、、
Unknown
(
ななし
)
2007-12-26 22:04:58
まあ気持ちはわからないでもないですけど、あのソ連時代に現地で情報収集を行っていたわけだし、そんなにイチャモンつけたいのなら、お前は凍てつく寒いソ連でKGBが目をひからせているプレッシャーの中であれだけの活動できてたのか、そこは認めてもいいんじゃないですか。
まあ時の流れとともに、感覚も現場から離れればさびていくんでしょうが、出版社はちょっとやりすぎですよ。
中途半端が一番怖い
(
Unknown
)
2007-12-28 13:14:38
>国家を市民社会の生み出した二次的イデオロギー装置と考える点
社会契約論ですね。違いますかな。
キリスト教的理解がないと西洋史は語れないのだがそれに毒されると見えなくなる部分がありますよね。キリスト教もイデオロギーの一種だと思っています。
Unknown
(
rop
)
2007-12-28 20:33:06
私は「バブルは崩壊しない」と見ています。というより“バブル”は崩壊しても生き残りはするだろうと見ています。
なぜなら、佐藤優氏以上にメチャクチャで叩かれた落合信彦氏が未だにしぶとく生き残っていたりするからです。“バブル”は崩壊したのに固定ファンを確保し、ネタの使い回しと妄想の開陳だけで食い扶持を得ています。
池田先生は「『正論』から『週刊金曜日』までカバーする無節操さ」と小馬鹿にしておられますが、失礼ながら節穴とはいえないでしょうか。
「『諸君!』に執筆すると、文春ムラに入ったとみなされ、そっち系の雑誌からばかり注文が来るようになる」のに、佐藤優氏は左右を股にかけているわけです(普通は無節操でも片方に排除されます)。政治的スタンスは国家強権的なのに左派に食い込んでいる。左派の琴線に触れるような物言いで舞い上がらせているのでしょうね。
佐藤優氏がせっせと本を出しつづけるのはインテリジェンス論の普及などよりも、自身のサバイバルのためだと思います。知識をひけらかすことで、自身より知的レベルの低い(不毛なウヨサヨ神学論争にあけくれる人格障害の)左右の自称知識人を黙らせ、“落合ノビー難民”を取り込むことで固定ファンとする。
姉歯なみの偽装まで行かなければ手抜き商品の量産は可能でしょうし、裁判終結までに左右双方の政治気違いの気を引き付け、一般人の耳目を集められればよいのです。
彼の言説の矛盾や論の稚拙さを指摘しても仕方ないと思います。重要なのは、彼が左右を股にかけていること。そして左右の自称知識人が矛盾に気づかないタダの極楽トンボであった。というお寒い現実ではないでしょうか。
「議論などナンセンス。フィーリングこそが全て」ということを証明しているんですよ。彼の行動は。
国家に保護されていたのにですか?
(
えへん
)
2007-12-28 21:41:25
ななしさん、
凍てつく寒いソ連、KGBが目をひからせているプレッシャー、とか言っても餓死する危険はないわけですよねw
それに、いたのはモスクワでしょw
Unknown
(
まりお
)
2007-12-28 22:45:24
「私のマルクス」(笑)という本まで出しています。
こっちも書評でぶった切ってください。
今年ワースト1を決めるのはまだ早いです(笑)
冬のモスクワは寒いでしょう
(
おのころ金造
)
2007-12-29 09:43:04
えへん様;
日本の冬とは桁違いだと聞いたことがありますよ。バッテリーが上がったら凍死する危険性もあるそうですし(友人の話)。
それにしても思うのは、適当な事書いて、遂に消えもせず残ってる人が多い日本の言論界って何なんですかね〜。
小田実なんて、その際たるもんでしょ。北朝鮮は税金が無いとか書いておきながら、結局作家生命を絶たれる事も無く天寿を全うしたんですからね。恐ろしい事ですよ、ホント。
初笑いをありがとう
(
turkey
)
2008-01-02 17:14:35
佐藤優氏の文章は、週刊スパの連載でしか知りませんが、毎回、滅茶苦茶な論理?感想? を展開するので、なぜ?人気があるのか、いぶかっていたのですが、池田氏のブログ(おもしろいですね)をみて、なるほどバブルなのか? と納得しました。初笑いをありがとうございます。
佐藤さんの世渡り
(
Unknown
)
2008-01-15 04:07:24
佐藤優自身がすごく攻撃的になっていて、佐藤本人はやっぱり「生き残り」を危ぶんでいる気がします。
http://watashinim.exblog.jp/
上のブロガーに言われているようなことは米原万理にはじまって多くに言われていたのに(米原に対しては「釈明」していたのに*笑*)。
論文「<佐藤優現象>批判」 全文公開
(
ベリタふぁん
)
2008-01-27 23:45:50
http://www.nikkanberita.com/read2.cgi?id=200801271418390
2008年01月27日掲載 リンク記事
「<佐藤優現象>批判」
論文「<佐藤優現象>批判」 全文公開
ー金光翔(キム・ガンサン)
佐藤優現象批判全文
Re: 論文「<佐藤優現象>批判」 全文公開
(
池田信夫
)
2008-01-28 00:45:57
この記事は、よく書けてますね。月産500枚というのはすごい。まともな質が維持できないのは当然です。
しかも岩波の編集者が、彼を絶賛しているのが笑えます。大川周明に「全面的に賛成する」という著者を使わざるをえないとは、左翼の人材も払底しているのでしょう。しかも、沖縄について岩波に原稿を書くときは、「証拠があろうとなかろうと、軍がいたんだから強制はあったに決まってる」と、岩波と同じ非論理的な主張をするところは、彼も商売人です。
彼の初期のルポルタージュはおもしろいし、筆力もあると思いますが、『獄中記』の読書記録をみても、学問的にはアマチュアであることは明白です。悪いけど、同志社の神学部なんて、だれでも入れる偏差値ですよ。彼が「思想家」として祭り上げられるのは、日本の「論壇」の衰退を象徴しています。
ほんとに?
(
佐藤氏の同窓生
)
2008-11-03 23:09:01
国家論について、個人的には佐藤氏の切り口は面白いし、評価できると思いますが。私は理系なので、社会科学系の基礎は御座いませんが、マルクスの理解等について原書にあたる必要は無いでしょう。そもそも妄言なのですから。佐藤氏の文章の論理性云々について色々御高言されておられる方々は、その文言を拝読するに佐藤氏と同レベルの教養をお持ちではないと私思ってしまいます。私の中ではある社会科学系の人々の文章を読むに当たってある基準を設けておりまして、池田氏を別にして、コメントを寄せられた方々は自らの立場、論拠を示しておられず、批判以前の愚痴・文句・嫉妬のように思えてしまいます。
佐藤を左派が使う訳。
(
猫と犬
)
2009-01-22 00:12:29
>>しかも岩波の編集者が、彼を絶賛しているのが笑えます。大川周明に「全面的に賛成する」という著者を使わざるをえないとは、左翼の人材も払底しているのでしょう。
おそらく佐藤がキリスト教徒だからでしょう。
片岡鉄哉の「日本永久占領」という本を見ればわかると思いますが、戦後の社会党はキリスト教左派と共産主義者が集まったところです。
社民党の土井たか子もキリスト教徒です。イスラエルの外交官かなにかが日本について書いた本でそう言ってました。
だからたぶんその流れで左派の雑誌にも書かせてもらえるんでしょう。もちろん、それだけじゃなく外務省に入ったまじめな人であったり、マルクスがすきであったりもするでしょうが。
いろいろ
(
ぬに
)
2009-08-29 02:58:04
良い本も書けば、悪い本も書くってそれだけだと思いますよ。
1点でも傑作を書けば、それがずっと人に栄養を与え続ける。
本なんてそんなもんでしょう。
個々の作品を批評したり、時期時代に分け特徴を掴むのは良い
ことですが、そこから一気に飛躍し、作家の価値について
バブルだの何だのという視点で語るのは、嫉妬まじりに見えます。
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「知識又は知恵の」貯金を使い果たした…というわけですね(一瞬、現金の意味での貯金と勘違いしてしまったので)。
自身の投獄体験や、専門分野のソビエト・ロシアについての造詣の深さが初期の本には表われていただけに残念に思うと共に、継続して質の高い本を出版し続ける事の難しさを感じます。藤原正彦氏も、池田先生は酷評されていますが、初期の頃の『若き数学者の…』等は佳作でしょうし、大江健三郎氏の初期の頃の作品の佳作群は評価されてしかるべきかと(池田先生もblogにて大江先生の初期の作品群は評価していらっしゃいましたが)。
ただ、このことは組織を離れて自力で言論人として生きようとする人には少なからず共通するところだと思います(天木直人氏等)。何しろ、組織の後ろ盾を失っている以上、発信し続けることしか許されないのですから。自分のネタを出し切った後でも、小室哲也氏ばりに発信し続けるしかないことを考えると、一概に責められない気もします。
金融等への学問的造詣も深い財務省出身の高橋洋一氏が、同じ轍を踏まれないことを願うばかりです。
インテリジェンスでは、佐藤優と手嶋なんとかが繰り返し繰り返し出てくるのが日本的。
『反転』だけ読めばすべて足ります。
とはどのようなものを抑えておくべきなのでしょうか?
これで、「いいかげんにしろ池田信夫」なんて佐藤優さんから言われたら、どうなることやら。
↑はもちろん分かる人にはわかるジョークのつもりですけど。
出版業界も必死なようだ。
ただスキャンダルだけでは、天木氏のように一発で終わりだけど、佐藤氏の場合はキリスト教やらマルクス主義やら、何か深遠そうな味付けがあるから、けっこう賞味期限が長いのでしょう。
たしかにキリスト教については、彼の理解は古いけど正統派で、傾聴に値します。しかしマルクスについては、日本語の解説書ぐらいしか読んでないんじゃないか。私のころは(幸か不幸か)宇野経済学を4年間やらされましたが、それを通じてマル経がいかにナンセンスなものであるかを知りました。
佐藤氏が独学でここまで勉強したのは大したものですが、マルクスもキリスト教の延長上で理解しているから、ヘーゲル的な疎外論の図式で考えている。しかも本書を読むと、その欠陥に自分で気づいていない。
門外漢ですが、私は、経済学というのは生産力・技術力・人口といった境界条件を与えられたとき社会的に最も安定な解(システム)を導き出す学問だと思っています。ところがマルクス経済学がやっていることは「こんな境界条件のときにはこんなに安定な解が得られます」と空想上の境界条件を持ち出して空想上の解を出しているだけです。重要なのは、今この社会に与えられている境界条件の中で安定な解を求めることなのに。
茂木健一郎氏の著作物も拝見しておりますが、脳科学がジオグラフィでしかなかった時代をとうに過ぎているにもかかわらず、大いなる期待を持って寸読いたしましたが、新鮮な驚きも無く、読者の世界観を塗り替えるほどの構想力も無く、読者の浅薄さに切り込んでくるような、有益な鋭さも無く、がっかりしたのを憶えています。脳科学に関する書籍では、小生の運が悪いのか、日本発のもの関しては、特筆するような内容の深いものに出会ったことはありませんね。
地方巡業中の歌謡ショウに遭遇したような、そんな感じでした・・・・・・・。
佐藤さんは本当にマルクスを読んだのでしょうか?
だいたい、廣松渉と柄谷行人とではぜんぜんちがいます。フロイトとユングが同じと言ってるようなものでして、、、
まあ時の流れとともに、感覚も現場から離れればさびていくんでしょうが、出版社はちょっとやりすぎですよ。
社会契約論ですね。違いますかな。
キリスト教的理解がないと西洋史は語れないのだがそれに毒されると見えなくなる部分がありますよね。キリスト教もイデオロギーの一種だと思っています。
なぜなら、佐藤優氏以上にメチャクチャで叩かれた落合信彦氏が未だにしぶとく生き残っていたりするからです。“バブル”は崩壊したのに固定ファンを確保し、ネタの使い回しと妄想の開陳だけで食い扶持を得ています。
池田先生は「『正論』から『週刊金曜日』までカバーする無節操さ」と小馬鹿にしておられますが、失礼ながら節穴とはいえないでしょうか。
「『諸君!』に執筆すると、文春ムラに入ったとみなされ、そっち系の雑誌からばかり注文が来るようになる」のに、佐藤優氏は左右を股にかけているわけです(普通は無節操でも片方に排除されます)。政治的スタンスは国家強権的なのに左派に食い込んでいる。左派の琴線に触れるような物言いで舞い上がらせているのでしょうね。
佐藤優氏がせっせと本を出しつづけるのはインテリジェンス論の普及などよりも、自身のサバイバルのためだと思います。知識をひけらかすことで、自身より知的レベルの低い(不毛なウヨサヨ神学論争にあけくれる人格障害の)左右の自称知識人を黙らせ、“落合ノビー難民”を取り込むことで固定ファンとする。
姉歯なみの偽装まで行かなければ手抜き商品の量産は可能でしょうし、裁判終結までに左右双方の政治気違いの気を引き付け、一般人の耳目を集められればよいのです。
彼の言説の矛盾や論の稚拙さを指摘しても仕方ないと思います。重要なのは、彼が左右を股にかけていること。そして左右の自称知識人が矛盾に気づかないタダの極楽トンボであった。というお寒い現実ではないでしょうか。
「議論などナンセンス。フィーリングこそが全て」ということを証明しているんですよ。彼の行動は。
凍てつく寒いソ連、KGBが目をひからせているプレッシャー、とか言っても餓死する危険はないわけですよねw
それに、いたのはモスクワでしょw
こっちも書評でぶった切ってください。
今年ワースト1を決めるのはまだ早いです(笑)
日本の冬とは桁違いだと聞いたことがありますよ。バッテリーが上がったら凍死する危険性もあるそうですし(友人の話)。
それにしても思うのは、適当な事書いて、遂に消えもせず残ってる人が多い日本の言論界って何なんですかね〜。
小田実なんて、その際たるもんでしょ。北朝鮮は税金が無いとか書いておきながら、結局作家生命を絶たれる事も無く天寿を全うしたんですからね。恐ろしい事ですよ、ホント。
http://watashinim.exblog.jp/
上のブロガーに言われているようなことは米原万理にはじまって多くに言われていたのに(米原に対しては「釈明」していたのに*笑*)。
2008年01月27日掲載 リンク記事
「<佐藤優現象>批判」
論文「<佐藤優現象>批判」 全文公開
ー金光翔(キム・ガンサン)
佐藤優現象批判全文
しかも岩波の編集者が、彼を絶賛しているのが笑えます。大川周明に「全面的に賛成する」という著者を使わざるをえないとは、左翼の人材も払底しているのでしょう。しかも、沖縄について岩波に原稿を書くときは、「証拠があろうとなかろうと、軍がいたんだから強制はあったに決まってる」と、岩波と同じ非論理的な主張をするところは、彼も商売人です。
彼の初期のルポルタージュはおもしろいし、筆力もあると思いますが、『獄中記』の読書記録をみても、学問的にはアマチュアであることは明白です。悪いけど、同志社の神学部なんて、だれでも入れる偏差値ですよ。彼が「思想家」として祭り上げられるのは、日本の「論壇」の衰退を象徴しています。
おそらく佐藤がキリスト教徒だからでしょう。
片岡鉄哉の「日本永久占領」という本を見ればわかると思いますが、戦後の社会党はキリスト教左派と共産主義者が集まったところです。
社民党の土井たか子もキリスト教徒です。イスラエルの外交官かなにかが日本について書いた本でそう言ってました。
だからたぶんその流れで左派の雑誌にも書かせてもらえるんでしょう。もちろん、それだけじゃなく外務省に入ったまじめな人であったり、マルクスがすきであったりもするでしょうが。
1点でも傑作を書けば、それがずっと人に栄養を与え続ける。
本なんてそんなもんでしょう。
個々の作品を批評したり、時期時代に分け特徴を掴むのは良い
ことですが、そこから一気に飛躍し、作家の価値について
バブルだの何だのという視点で語るのは、嫉妬まじりに見えます。
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