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Google/YouTubeの次の課題
2006-10-10 / IT

GoogleのYouTube買収については、おおむね好意的な評価が多いようだ。株価も上がっている。16.5億ドルという価格も、Googleの時価総額1300億ドルからみれば大したことはないし、たとえばヤフーが1999年にBroadcast.comを57億ドルで買収したのに比べれば、まだバブルという域には達していない。
しかし懐疑的な意見も多い。Broadcast.comを売ったMark Cubanは、「Googleという深いポケットを持ったYouTubeは、損害賠償でもうけようとする弁護士たちの恰好の餌食になるだろう」と予想している。YouTubeは「DMCAのセーフハーバーで免責される」と主張しているが、セーフハーバーは、ISPの提供しているホームページにユーザーがコンテンツを載せるような場合を想定しており、投稿ビデオを配信するYouTubeに適用されるかどうかはわからない、とDeclan McCullaghは指摘している。
しかし本質的な問題は、法律論ではない。DMCAでISPが免責されたのも、すでにウェブが広がってしまい、ユーザーのコンテンツを事前にチェックする義務をすべてのISPに課したら営業が成り立たなくなる、という既成事実のためだった。だからNapsterは、P2Pが広がる前につぶされた。YouTubeが生き残る上で必要なのも"too big to fail"の力関係を作り出すことだから、Googleがバックについた意味は大きい。
さらに重要なのは、企業にとっても「YouTubeを生かしておいたほうが得だ」と思わせることだ。この買収と同時に、YouTubeはユニバーサル、CBS、ソニーと音楽ビデオの配信についてライセンス契約を結んだ。ユニバーサルは先月、YouTubeを訴える意向を示唆していたが、逆にYouTubeをプロモーションに利用するほうが有利と考えたようだ。企業にとって重要なのは、著作者の人格権ではなく利益なので、何年もかけて法律を改正するよりも、企業の利益になるしくみを作ったほうが早い。
権利処理の問題は、ある程度は技術的に解決できる。著作権のある映像についても、自動的に権利処理を行って広告収入をシェアすることは、技術的には可能だ。しかし小さなビデオクリップにいちいち権利処理コストをかけられないので、それをどこまで低コストに処理できるかが勝負だろう。GoogleとYouTubeは、そういう権利処理のプラットフォームを開発しているという。オープンで低コストの自動権利処理システムができ、Google/YouTubeが採用すれば、それが国際標準になるかもしれない。
ただし技術だけでは解決できない問題も多い。音楽では、日本でいえばJASRACのような権利者団体があり、包括契約のしくみもあるが、映像にはそういう制度がない。権利処理を自動化するには、まず権利を一本化し、強制ライセンスによって許諾権を切り離し、ライセンス料に定価を定めるなど、定型的な処理手続きをつくる必要がある。これも今までは必要に迫られていなかったので進んでいないが、Google/YouTubeが権利処理コストを下げればもうかるという先例をつくれば、まとまるかもしれない。
情報処理がウェブ上で自動化され、効率が高まる一方で、権利処理はきわめて非効率で、コンテンツ流通の最大のボトルネックになっている。この問題を解決した者が、次のマイクロソフトになるだろう。これは技術的にもビジネス的にもきわめて困難で、しかも小さな企業が採用しても意味がないという点で、Google/YouTubeにふさわしい課題だ。彼らが新しいプラットフォームをつくって成功すれば、制度は後からついてくるだろう。
しかし懐疑的な意見も多い。Broadcast.comを売ったMark Cubanは、「Googleという深いポケットを持ったYouTubeは、損害賠償でもうけようとする弁護士たちの恰好の餌食になるだろう」と予想している。YouTubeは「DMCAのセーフハーバーで免責される」と主張しているが、セーフハーバーは、ISPの提供しているホームページにユーザーがコンテンツを載せるような場合を想定しており、投稿ビデオを配信するYouTubeに適用されるかどうかはわからない、とDeclan McCullaghは指摘している。
しかし本質的な問題は、法律論ではない。DMCAでISPが免責されたのも、すでにウェブが広がってしまい、ユーザーのコンテンツを事前にチェックする義務をすべてのISPに課したら営業が成り立たなくなる、という既成事実のためだった。だからNapsterは、P2Pが広がる前につぶされた。YouTubeが生き残る上で必要なのも"too big to fail"の力関係を作り出すことだから、Googleがバックについた意味は大きい。
さらに重要なのは、企業にとっても「YouTubeを生かしておいたほうが得だ」と思わせることだ。この買収と同時に、YouTubeはユニバーサル、CBS、ソニーと音楽ビデオの配信についてライセンス契約を結んだ。ユニバーサルは先月、YouTubeを訴える意向を示唆していたが、逆にYouTubeをプロモーションに利用するほうが有利と考えたようだ。企業にとって重要なのは、著作者の人格権ではなく利益なので、何年もかけて法律を改正するよりも、企業の利益になるしくみを作ったほうが早い。
権利処理の問題は、ある程度は技術的に解決できる。著作権のある映像についても、自動的に権利処理を行って広告収入をシェアすることは、技術的には可能だ。しかし小さなビデオクリップにいちいち権利処理コストをかけられないので、それをどこまで低コストに処理できるかが勝負だろう。GoogleとYouTubeは、そういう権利処理のプラットフォームを開発しているという。オープンで低コストの自動権利処理システムができ、Google/YouTubeが採用すれば、それが国際標準になるかもしれない。
ただし技術だけでは解決できない問題も多い。音楽では、日本でいえばJASRACのような権利者団体があり、包括契約のしくみもあるが、映像にはそういう制度がない。権利処理を自動化するには、まず権利を一本化し、強制ライセンスによって許諾権を切り離し、ライセンス料に定価を定めるなど、定型的な処理手続きをつくる必要がある。これも今までは必要に迫られていなかったので進んでいないが、Google/YouTubeが権利処理コストを下げればもうかるという先例をつくれば、まとまるかもしれない。
情報処理がウェブ上で自動化され、効率が高まる一方で、権利処理はきわめて非効率で、コンテンツ流通の最大のボトルネックになっている。この問題を解決した者が、次のマイクロソフトになるだろう。これは技術的にもビジネス的にもきわめて困難で、しかも小さな企業が採用しても意味がないという点で、Google/YouTubeにふさわしい課題だ。彼らが新しいプラットフォームをつくって成功すれば、制度は後からついてくるだろう。
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中山信弘:著作権法



ちょっと気になったのは、メディアが権利侵害に眼をつぶってYouTubeを容認したことと同じようなことが、著作権についても起こるのではないかということです。つまり、JASRACのようなシステムが孤立化することも予想されるのではないかということです。
事実、有名アーチストに有利な運営でインディーズ系の人たちの不満が募っているとも聞きます。
真正コピイと劣化コピイの2極化が結果として現れるのではないか。
そんな印象を持っています。
http://www.metacafe.com/
無料放送のGyaOよりも充実したコンテンツ提供が可能になるんじゃあ。
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