goo

グローバルなクラウド

今週のEconomist誌の特集は、cloud computing。当ブログの読者には既知の話も多いと思うが、『クラウド化する世界』よりビジネス的な分析が行なわれている。特に重要な指摘は、クラウド化はデータセンターのグローバル化であり、ムーアの法則の帰結だということだ。

右の図でもわかるように、企業のITコストのうち、ハードウェアの比率は年々下がる一方、増えているのが管理費と冷房費だ。したがって人件費・電気代を節約してマシンを浪費することが合理的になる。このサーバは国内にある必要はなく、インドや中国などに分散したほうがはるかに安い。このように国際競争が起こる点が電力会社と違うので、utility computingといっても電力のような停滞産業にはならないだろう。

Web2.0の次のWeb3.0があるとすれば、このようにインターネットを分散計算環境にすることだろうが、これも発想としては新しいものではない。インターネットは、もともとリモート・コンピューティングを安上がりに行なうためのコンピュータの共同利用システムであり、「インターネット全体を並列コンピュータにする」というのは初期からの夢だった。

ITゼネコンにとって深刻なのは、最大の収益源であるITサービスの分野でも新興国との競争が始まることだ。今まで彼らはレガシーシステムで無知な役所や企業を囲い込んできたが、これからはインドのデータセンターが顧客に「うちなら1/20のコストでやれますよ」と売り込んでくるかもしれない。これに対抗する上でハンディキャップになるのは人件費とともに、世界最高水準の電気代だ。少しでも冷房費を節約するには、北海道にチャンスがあるかもしれない。
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
« バーナンキのpoor... 金融危機のマイク... »
 
コメント
 
 
 
冷房費 (bobby)
2008-10-24 13:05:19
>少しでも冷房費を節約するには、北海道にチャンスがあるかもしれない。

私も読んでいてそう思いました。香港は夏が長いので、自社内のマシンルームに専用エアコンを設置しなければいけない。月に占めるエアコン代(経費)が馬鹿にならないのです。香港とシンガポール以外の先進工業国(地域)のほとんどは、自国内の寒冷過疎地を活用できますね。
 
 
 
冷房費 (tama-don)
2008-10-24 17:50:24
稚内では太陽光発電基地ができております。
太陽光発電による電力はまだ割高ですが、年間で気温が摂氏25度以上になる事が滅多に無いことを考えると、稚内などの道北の日本海側(フェーン現象が少ない)地域は有力だろうと思うのです。
 
 
 
Re:冷房費 (bobby)
2008-10-25 11:31:06
>少しでも冷房費を節約するには、北海道にチャンスがあるかもしれない。

全国の平均気温のサイトを探してみました。北海道は、夏は短いが冬は長く厳しいので、サーバー氷結防止の為の暖房費がかなりかかるのではないかと推測。そこで、ちょっと緯度を下げて、青森から仙台あたりはどうなかと考えてみました。人件費と家賃が安く、原発が近くにあって電力事情がよければ、データセンターを運営する固定費は、東京や大阪よりずっと安く済むのではないかと思いました。

http://tenki.wet.co.jp/data/max_temp.html
 
コメントを投稿する
 
現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
 
現在、トラックバックを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。