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清く貧しく美しく?
2007-06-25 / IT
渡辺千賀さんの「日本は世界のブラックホールか桃源郷か」という記事を読んで、また小姑モードでコメントしたくなった。
携帯以外の通信機器も、ながく「NTT規格」で鎖国してきたおかげで、インターネット機器は壊滅状態。今ではNTTのNGNエッジルータでさえ、中身はシスコという有様だ。NTT規格で非関税障壁を設けるしくみは、かつては一種の産業政策として機能していたが、それが今では業界を破滅の渕に追い詰めているのだ。
「ITゼネコン」と呼ばれる大手コンピュータ・メーカーの経営実態もボロボロ。かつて高い競争力を誇った家電メーカーも、ソニーやビクターや三洋など、軒並み沈没だ。こういうことになったのは、日本市場というほどほどに大きな「桃源郷」に安住してきたためだ。渡辺さんもご存じ(だと思う)の海部美知さんは、これを「パラダイス鎖国」と命名した。
経済学的にいうと、この原因は大きくわけて二つある。一つは、インターネットによって情報機器の市場がグローバル化し、規模の経済(収穫逓増)が大きくなって国際的再編が進んでいるのに、日本のメーカーは世界の資本市場から隔離されているため、企業買収・再編の流れから取り残され、過少規模・低収益のメーカーが多数のこっている。たとえば携帯電話メーカーは、海外市場では主要メーカーは5社しかないのに、日本だけで9社もある。
もう一つは、メーカーが官庁・銀行・キャリアなどのドメスティック規格で下請け・孫請け構造に組み込まれているため、グローバルな最終財市場の競争にさらされないことだ。こういう大口の法人契約では大きく成長することはできないが、そこそこの利益が確実に上げられるため、技術革新を追求するよりもレガシーシステムで囲い込んで末ながく食い物にしようというインセンティブが働きやすい。
だから、このままでは日本経済は、好むと好まざるとにかかわらず、「清く貧しく」衰退してゆくだろうが、それが美しいかどうかは疑問だ。1990年代、日本のGDP成長率が年率にして1%ほど下がっただけで、この世の終わりが来たような騒ぎだった。日本の輸出依存度(GDP比)は約10%だから、外貨が稼げなくなったら何十万という企業が倒産し、何百万人もの失業が発生するだろう。まぁそうなってみないと、桃源郷なんかもうないことに気づかないのかもしれないが・・・
「外貨をそれほど稼がずとも、自立して清く貧しく美しく、割と幸せに生きる」幸か不幸か、日本のIT産業は、今そういうシミュレーションをやっている最中だ。特にひどいのは、渡辺さんおすすめのように世界から完全に孤立した携帯電話業界で、日本メーカーの世界市場シェアは、全部あわせても(外資と合弁のソニー・エリクソンを除くと)5%ほどしかない。おかげで各社とも青息吐息で、さすがに総務省も見かねてSIMロックの規制に腰を上げた。
マクロ経済素人が考えることなので、まぁダメダメかもしれないが、本当にシュミレーションしてみたら面白いんじゃないかなぁ、と思うんですよね。
携帯以外の通信機器も、ながく「NTT規格」で鎖国してきたおかげで、インターネット機器は壊滅状態。今ではNTTのNGNエッジルータでさえ、中身はシスコという有様だ。NTT規格で非関税障壁を設けるしくみは、かつては一種の産業政策として機能していたが、それが今では業界を破滅の渕に追い詰めているのだ。
「ITゼネコン」と呼ばれる大手コンピュータ・メーカーの経営実態もボロボロ。かつて高い競争力を誇った家電メーカーも、ソニーやビクターや三洋など、軒並み沈没だ。こういうことになったのは、日本市場というほどほどに大きな「桃源郷」に安住してきたためだ。渡辺さんもご存じ(だと思う)の海部美知さんは、これを「パラダイス鎖国」と命名した。
経済学的にいうと、この原因は大きくわけて二つある。一つは、インターネットによって情報機器の市場がグローバル化し、規模の経済(収穫逓増)が大きくなって国際的再編が進んでいるのに、日本のメーカーは世界の資本市場から隔離されているため、企業買収・再編の流れから取り残され、過少規模・低収益のメーカーが多数のこっている。たとえば携帯電話メーカーは、海外市場では主要メーカーは5社しかないのに、日本だけで9社もある。
もう一つは、メーカーが官庁・銀行・キャリアなどのドメスティック規格で下請け・孫請け構造に組み込まれているため、グローバルな最終財市場の競争にさらされないことだ。こういう大口の法人契約では大きく成長することはできないが、そこそこの利益が確実に上げられるため、技術革新を追求するよりもレガシーシステムで囲い込んで末ながく食い物にしようというインセンティブが働きやすい。
だから、このままでは日本経済は、好むと好まざるとにかかわらず、「清く貧しく」衰退してゆくだろうが、それが美しいかどうかは疑問だ。1990年代、日本のGDP成長率が年率にして1%ほど下がっただけで、この世の終わりが来たような騒ぎだった。日本の輸出依存度(GDP比)は約10%だから、外貨が稼げなくなったら何十万という企業が倒産し、何百万人もの失業が発生するだろう。まぁそうなってみないと、桃源郷なんかもうないことに気づかないのかもしれないが・・・
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希望を捨てる勇気:停滞と成長の経済学
なぜ世界は不況に陥ったのか
ハイエク 知識社会の自由主義
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倒壊する巨塔―アルカイダと「9・11」への道
Free: The Future of a Radical Price
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ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質
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Macro-economics
思考する言語:「ことばの意味」から人間性に迫る
市場の変相:サブプライム後の「金融適者生存」の法則
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CIA秘録:その誕生から今日まで
スティーブ・ジョブズの流儀
クラウド化する世界
生政治の誕生 ミシェル・フーコー講義集成 8
Gridlock Economy
Against Intellectual Monopoly
最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?
オークションの人間行動学
地球と一緒に頭も冷やせ!
禁断の市場―フラクタルでみるリスクとリターン
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市場リスク 暴落は必然か
The Illusions of Entrepreneur ship
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さらば財務省!―官僚すべてを敵にした男の告白
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秘密の国 オフショア市場
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
財投改革の経済学
中山信弘:著作権法



「グローバリズム全体主義」とでも言いましょうか。
「引きこもり」は古代の昔から、日本人の民族性、identityとでも言うべきものなので、もはや伝統的な日本人のidentityを放棄しなくてはならない時代になったと言えるかもしれませんね。
マクロ経済がダメになる過程で「美しく」あることは不可能です。経済成長を実現できなくなった瞬間、世の中では対立が凄惨なものになります。
「美しく」ありたいならなお、経済成長を実現し、パイを広げ失業率を低い状態にもっていかないとなりません。
世界一の携帯電話会社は国内だけでは食えないから強くなったのだと思います(データなし)。(新帝国主義だと言えばそうですが、旧帝国主義(=悪とした)の呪いが未だ解けない)
自動車業界はこれから日本人が買わない分をどこかに売らないとならないでしょうね。既に桃源郷は崩壊していますので。
地理的経済的要因に左右されるのは仕方のないことだが、その先を考えられるトップが生まれないのは悲しいですね。所詮社内政治の結果がそうさせるのでしょうかね。
それを当て込んでいるのかもしれませんね。既得権益?なんちゃって。
>法人契約では大きく成長することはできないが、そこそこの利益が確実に上げられる
上記と同様のお話が「国産ロケットはなぜ墜ちるのか」(松浦晋也氏著)にありました。通信でも科学技術でも建築でも食品でも、どこでもそのような構図があるのでしたら、人口が減っていく日本の行き場所はないですね。
それは悪趣味な物言いでは。
せめて彼女自身のブログに批判として書き込んでみては?
エリクソンやモトローラなどは、通信機器をコア事業とするメーカーですが、日本の大手端末メーカーにおいては、携帯電話の端末製造をコア事業として位置づけている会社がないのが現状だと思います。
もちろん、パラダイス鎖国的な甘えがあることは否定できませんけど。
特に携帯電話業界に関しては自分がいるドメインですので、本当にどうなることやらという感じです。
しかし例としてあげられたいくつかの家電メーカーですが、ソニーの場合、2006年度の地域別売上で日本の占める割合は29%にすぎません(アニュアルレポート参照)。 早くから海外に進出をしていたメーカーの一つであるため、ほど良いサイズの国内市場に頼りすぎて衰退しているというロジックだけでは説明がつかないでしょう。
原因があるとすれば、一つは商品開発が国内で行われているというところでしょうか。グローバル企業と言われようが、エンジニアや商品企画のほとんどが日本人で、日々、日本の市場に触れて生活をしているのでは、世界市場の流れは肌感覚としてつかめきれないでしょう。技術の規格や革新をそれなりに自分達でセットしていた時にはそれでも回っていたのでしょうが、ITワールドの潮流は日本を完全にスルーしています。開発拠点が国内にあるんではタイムリーに良い商品を出すのは難しいんでしょうね。
記事の趣旨から離れてしまってすいません。
エコノミストとか投資関係者は、薄利多売を日本企業の欠点として非難されるが、実は日本商人の倫理観に基いていたのではないだろうか。知足と言うのは武士だけの専売特許ではなかったと思います。
不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。ご容赦下さい。
とりかたによってはもっと悪趣味なことを彼女のブログに書き込んであります。ちょっと反省しました。
しかし私としては、ヒトのグローバルな移動が可能であるという鎖国と全く正反対(江戸時代の日本にも貿易はありましたが、日本人が海外に出るのはそれとは比べ物にならないほどのレアケースでしたよね)の状況の恩恵を受け、おそらくご本人がその素晴らしさを十分ご存知であるのに「日本の皆さんは鎖国していたほうがいいですよ」と言われるのは、相当悪趣味だと思ったのです。
その気持ちを相当抑えて皮肉ったのが上のコメントのつもりでした。
>グローバル企業と言われようが、エンジニアや商品企画のほとんどが日本人で、日々、日本の市場に触れて生活をしているのでは、世界市場の流れは肌感覚としてつかめきれないでしょう。
グローバル市場においての日本製品の競争力低下は、kenさんの説が最も的を得ているように思います。(携帯電話の業界においての話ですが)逆に現ソフトバンクの前身のボーダフォン時代では、3G端末のメニュー画面が世界(欧州)統一仕様で、日本ユーザーからはものすごく不評でした。
極大化されたグローバル競争に抗うことは誰にも出来ないのです。
参考:cnetの末岡洋子さんのコラム
携帯電話業界では、2010年を目処にSIMロックの規制解除と日本特有の端末販売奨励金制度の廃止などを目指していくようですが、SIMロックの問題が解決すれば、日本の端末メーカーが、世界シェアを大きく伸ばすことに果たしてつながるのでしょうか?
場合によれば、さらに衰退に拍車が掛かることもあります。もちろんパラダイス鎖国に黒船襲来的なインパクトはありそうですが、結果はやってみないとわからないということでしょうか?
日本国内の金融機関で販売されている金融商品も、まるで「パラダイス鎖国」状態。余計な金融サービスが付き過ぎてて、個人投資家は判断に苦しんでいる感じ。個人金融資産1500兆円の半分でも そこそこ「全うな資産運用」に目覚めたら、軽く日本のGDP成長を10%増やすことは可能です。
ちなみに、私のブログ記事 張らせて下さい。
イギリス・アメリカは錬金術か?1〜2
http://diary.jp.aol.com/applet/uvsmfn2xc/20070622/archive
その意図はいいのですが、ISDNもOSIも国際規格でしたよね。国際機関どうしの競争で負け組になりつつあるITUに依拠することが、「国際的パラダイス鎖国」にならなければいいのですが・・・
>そこそこの利益が確実に上げられるため、技術革新を追求するよりも
>レガシーシステムで囲い込んで末ながく食い物にしようというインセンティブが働きやすい。
まさにイノベーションのジレンマの世界ですね。
江戸時代350年、ほぼ完全鎖国していながら、開国してからはすぐに追いついた、しかも、鎖国している間に国際競争力の源泉となる社会関係資本が蓄積された可能性すらある・・・ということを以前から大変に興味深く思っています。
さて、今日国内の携帯電話メーカーが世界的には苦境にある、というのは間違いないところですが、、、
その原因のひとつが所謂NTTの求める技術水準が国際的な水準の遥か上に行き過ぎていたこともあると思います。
国内メーカーはそれについていくことがまず利益を確保するための最短距離であった訳で。また、一時はそれで充分な利益がありました。
さて、携帯電話が国内独自規格となってしまったのは、いくつかの要因があります。
まず、携帯に充てられる周波数帯の余裕がなく、当時(96年頃)日本ではデジタル化、電波の効率的な利用が主要命題となっていたが欧州はそこまで行っていなかった、ということ。また、今日国際標準と言われるGSMは元はNTTの技術がかなり入っているのですが、当時日本の特許庁?がNTTの特許を認めなかったためフリーで使われてしまったということがあります。
家電は、かつて欧米で標準となった規格に則って世界を席巻したのですが、日本発の規格について、特に欧州は政治的に対処してくる、という側面もあると思われます。
鎖国中も独自の文化が発展したわけですし。江戸時代の浮世絵が世界の芸術に大きな影響を与えたことは有名ですし、現代ではアニメ等オタク産業が注目されています。技術の世界でも、新幹線の技術を海外に輸出したのは、この前ニュースになりました。
携帯電話の世界も決して停滞していたわけでなく(競争は行われていたわけで)、カメラ、GPS、ワンセグ、電子マネー、着歌等々、日本独自の発展をしています。これらが世界に通用するかどうかが問われると思います。個人的には、日本人にとって便利なものは外国人にとっても便利なはずであり、十分通用すると思いますが...
ただし、日本という小さなパラダイスの中で過当競争を続ける現状は、百害あって一利無しであり、この状況を打破するためのなにがしかのインパクトがほしいとは思います。
2.日本のサービス企業について。NTTの携帯は、国内市場と寡占に安住している。(みずほなどのメガバンクと同じ)官僚体質のためか、海外のアライアンスも多額の損失を出して、また国際規格でも失敗している。
3.日本の製造企業について。トヨタ、コマツ、新日鉄などの多国籍企業は、健全な中長期計画を立案して、今のところ、成果を挙げている。
4.韓国企業では、最大手のサムソンが、ウオン高などにより、売上げ、営業利益が激減し、開発研究予算も削減している。対照的に、日本企業による設備投資が拡大。シャープ、松下は薄型TVパネル、東芝はフラッシュメモリーなど。
5.日本は、エネルギーと食料を将来も輸入するが、中長期的な輸出プロダクト・ミックスなど、予想屋は別として、誰にも予想できません。(足元のサババルレースで忙しい。)
日本がとりわけ特殊だとは思えないのですが…。
日本人だけが民生、軍事の区別がつかないだけでは?
他所では国の予算(軍事開発)で生まれた技術が民生に流れるけど、日本は補助金で予定調和を目指したわけで、当然の結果かとおもいます。
携帯に限らず、銀行、車、鉄、造船、道路、電力、ガス、水道、自治体などなど、数が多すぎるもの、たくさんありますよ。
・スローライフ(ヨーロッパ的にグローバリズムに逆らって慎ましく精神的に豊かな暮らしをする)
・格差社会が広がってエリートは海外へヘッドハンティングされるなど無国籍的になり、一方下層の人々はグローバリズムに飲み込まれながら、中国やインドの労働力とシェア争いをせねばならなくなる。
との事ですが、今回の話を読んでてもなんだか本当にそうなりそうで怖いです。
同様に、日本で素晴らしく成功している様々な携帯電話をベースにした技術サービスも、日本という文化の中でこそ成功しただけけで、世界では見向きもされないかもしれない。
世界市場で携帯が売れ始めた時点で、韓国メーカーやノキア(当時はとても小さな会社だった)に比べて、日本メーカーが特別に不利だったのでしょうか?
海外現地の人が欲しいと思う物をつくらなかったメーカーの自身の問題では。
メーカーの目が内にだけ向いていた姿勢は、規格のせい?
海外旅行に行った人ならわかる通り、欧米の携帯電話はちゃちで、日本のそれと比べるとオモチャ同然です。あんなものを日本のメーカーが作ったって、中韓のメーカーにコストで勝てるわけがない。その逆に海外性の携帯が日本であまり売れていないのも事実です。ボーダーフォンの「世界共通端末」が惨敗したのはご存知の通り。
要は、日本と海外では携帯電話の進化が全く別の方向に進んでいるのです。携帯は海外では電話ですが、日本ではメールマシン+電話もできるという位置づけです。池田さんはご自身で携帯をあまり使いこなしていらっしゃらないのでしょうか?
よくも悪くも「芸術品」になった日本の携帯電話技術は、またどこかで活きることが必ずあると思います。この問題を嘆く必要は全くないと考えていますが、いかがでしょうか?
中国本土ではピンイン入力が普及しているが、携帯電話のピンインによる「先読み変換」の技術は大変優れている。
日本ではやっと少し普及し出した電話付きPDA端末だが、GSMの世界では既にかなり普及している。日本の携帯電話でなくても、日本の自宅にスリングボックス(等の装置)を置いて、海外で、電話付きPDA端末からリアルタイムに日本のテレビ番組を見る事ができる。
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