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0.0な人々

けさの日経新聞に、政府が「コピーワンス」を緩和するよう放送業界と家電業界に求めるという記事が出ていた。これはニュースではなく、昨年の情報通信審議会の中間答申で打ち出された方針である。

コピーワンスは、ハードディスクに録画した段階で1回とカウントするので、それ以上コピーするには、元のファイルを消す「ムーブ」しかできない。ムーブに失敗したら、すべて消えてしまうし、編集もできない。今は自由にコピーできるテレビを、わざわざ高い金を出してコピーできないデジタルテレビに買い換えるのは、やめたほうがよい。

・・・というわけで、コピーワンスは、デジタル放送の普及を阻害する自縄自縛になってしまった。これからコピーワンスを緩和するとして、これまでに売れたテレビやHDDレコーダーはどうするのか。今でもメーカーによってコピーワンスへの対応が異なって混乱しているのに、今ごろこんな大幅な仕様の変更をしたら、大混乱になるだろう。

こんな横暴なコピープロテクトをかけているのは、世界でも日本だけである。しかも、それがほとんど議論されないまま(総務省が指導して)決まった。これは、アメリカでbroadcast flag(これはフラグをつけるだけでコピーを止めるわけではない)が大論争になり、行政訴訟でFCCが敗訴したのと対照的だ。

そういえば「新東京タワー」も、地元ではすっかり実現した気分になっているようだが、これはNHKと民放キー局でつくる「在京6社新タワー推進プロジェクト」が決めただけで、着工予定は2008年。しかも放送局は建設費をまったく負担しないで、年間30億円程度の賃貸料を払うだけだ。東武鉄道が600億円以上の建設費を負担できるのか、また採算がとれるのか、地元でも不安視する声が強い。最終的には、区が「公的支援」するシナリオなのだろう。

今月のICPFシンポジウムでも、「問題はWeb1.0か2.0かというより、いまだに地デジとか再販制度とか言っている0.0な人々の声が一番大きいことだ」という話が出た。先週から朝日新聞の1面で始まっている「ウェブが変える」という連載は、Wikipediaに始まって、Google、Winny、そして今日はロングテール。ほとんど1年遅れの話題だ(1年後にはNHKの番組になるのだろう)。朝日の記者は、読者はよく知らないと思って懇切丁寧に説明しているのだろうが、世間のビジネスマンはとっくに知っている。一番遅れているのがマスメディアなのである。

追記:このシンポジウムの議事録をICPFのサイトで公開した。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 3 )
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コメント
 
 
 
Unknown (スルッとKANTO)
2006-07-31 07:56:52
しかし、実際、IT業界のビジネスマンはともかく、世間の人は意外と
知らないものなんですが。
少なくともウチの親は全く知らないし、ウチの会社の重役も「?」だ。

企画部の人が新事業を提案する際に、各事業部から「ブログって何?」と
担当から聞かれた、と嘆いていた。
ウチの会社は5年遅れだ。

地域差もある。

渋谷区・目黒区辺りのIT環境と、広島県庄原市や岩手県釜石市のIT環境では、
5年は差があるだろう。
ホリエモンの選挙の際に、広島5区のネット普及率が20%程度だったか、
そんな話題があったと思う。
都市部の尾道が平均を「引き上げている」と思われるので、
山中の庄原市とか、せいぜい10%?

「ネットなんて見たことない」方が、実は多数派なのである。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2006-07-31 17:50:23
新聞の読者層を考えれば、別に不思議でもなんでもないかと。
まぁ、メディア側がそれを先端として報道しているのか、
読者層を考慮したうえでの報道なのかはわからないけど。
 
 
 
東武鉄道 (さぬきうどん)
2006-07-31 19:08:42
私も東武鉄道を利用しているのですが、「新東京タワー」の建設費を出すくらいなら「開かずの踏切」の解消に予算を割くべきだと思います。この前にも北池袋でJRとの共同の踏切で母子が亡くなるという悲惨な事故が起こったばかりです。
 
 
 
Unknown (Inoue)
2006-08-05 16:01:59
 費用対効果から考えたら、電波塔より衛星ですよ。
 500億円かかる巨大電波塔でも、関東一円がせいぜいですが、打ち上げ、運用費用込みで200億円の放送衛星なら、一基で日本全国一円に放送ができる。
 全員に同じ内容のデータを流す放送事業では、地上放送よりも衛星放送の方がずっと効率が良いのだから、地上電波塔など廃止してしまえばよい。
 
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