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不況は創造的破壊のチャンスだ
ビッグスリーの破産が秒読みになってきたが、メディアの論評で「救済せよ」というのは、私の見たかぎり皆無だ。目立つのは創造的破壊という言葉である。たとえばNewsweekは、デトロイトの垂直統合型産業構造はとっくに寿命が尽きているので延命する価値はないと断定し、諸悪の根源である労働組合をつぶして自動車産業の創造的破壊を行なうには破産しかないと論じている。民主党は救済法案を出そうとしているが、この調子では否決されるおそれが強い。今度は金融危機法案と違って、世界は否決を歓迎するだろう。
マルクスやシュンペーターが論じたように、創造的破壊こそ資本主義の本質的なメカニズムである。うまく行っているときはコーポレート・ガバナンスなんて必要ない。危機に陥ったとき、古い企業を解体して資本市場で所有権を移転し、新しい挑戦者が参入するメカニズムが資本主義なのだ。その意味で、今週のASCII.jpにも書いたが、日本にとっても今が破壊的イノベーションのチャンスである。
こう書くと、「不況のときは創造的破壊もできない」という類の反論があるかもしれないが、これは誤りである。Economist誌も指摘するように、アメリカ経済が最悪といわれた1980年代に、マイクロソフトもアップルもシスコもオラクルも育ったのだ。これは特記する価値がある。というのは、竹森俊平『経済論戦は甦る』以来、日本では「創造的破壊は清算主義だ」という俗論がまかり通っているからだ。
シュンペーターは金融機関の清算を奨励したわけではなく、不況は新たな企業が「新結合」によって既存企業を倒すチャンスだとのべたのだ。これに対して竹森氏が「不況は創造的破壊を減少させる」という証拠として示すのはCaballero-Hammourだが、彼らは「創造的破壊が資本主義のコアだ」という大前提で、リストラが不況期に必ずしも増えないという「弱い証拠」を示しただけだ。Caballeroも最近の本では、ゾンビ企業が日本の長期不況の元凶であることを指摘し、不況期に創造的破壊を支援する金融政策が必要だとしている。そもそも不況期にリストラしなければ、いつするのか。景気のいいとき社員をクビにする社長がいたら、見せてほしいものだ。
IT産業でも、1980年代が大きな分岐点だった。このころ日本企業がわが世の春を謳歌する一方、アメリカは「明日は今日より貧しくなる」という暗いトンネルでもがいていた。ウォール街ではハゲタカが企業を切り売りし、沈没するIBMからは大量のエンジニアが西海岸へ脱出した。しかしこの苦しい80年代に多くの「恐竜」が死に絶え、IBMは社員を半分に減らし、アメリカ企業は資本効率を上げ、人的資源が新企業に移転されたのだ(Holmstrom-Kaplan)。
こうした不況期の創造的破壊が90年代の飛躍に結びついたのであり、「IT革命」などという結果だけまねても本質的なイノベーションは生まれない。日本企業は、80年代に「ナンバーワン」などとおだてられて改革を怠ったまま90年代の創造なき破壊に陥り、いまだにそこから立ち直っていない。世界市場で壊滅状態のITゼネコンもビッグスリーのように退場し、社内で立ち枯れている優秀な人材を市場に解放したほうがいいのではないか。
マルクスやシュンペーターが論じたように、創造的破壊こそ資本主義の本質的なメカニズムである。うまく行っているときはコーポレート・ガバナンスなんて必要ない。危機に陥ったとき、古い企業を解体して資本市場で所有権を移転し、新しい挑戦者が参入するメカニズムが資本主義なのだ。その意味で、今週のASCII.jpにも書いたが、日本にとっても今が破壊的イノベーションのチャンスである。
こう書くと、「不況のときは創造的破壊もできない」という類の反論があるかもしれないが、これは誤りである。Economist誌も指摘するように、アメリカ経済が最悪といわれた1980年代に、マイクロソフトもアップルもシスコもオラクルも育ったのだ。これは特記する価値がある。というのは、竹森俊平『経済論戦は甦る』以来、日本では「創造的破壊は清算主義だ」という俗論がまかり通っているからだ。
シュンペーターは金融機関の清算を奨励したわけではなく、不況は新たな企業が「新結合」によって既存企業を倒すチャンスだとのべたのだ。これに対して竹森氏が「不況は創造的破壊を減少させる」という証拠として示すのはCaballero-Hammourだが、彼らは「創造的破壊が資本主義のコアだ」という大前提で、リストラが不況期に必ずしも増えないという「弱い証拠」を示しただけだ。Caballeroも最近の本では、ゾンビ企業が日本の長期不況の元凶であることを指摘し、不況期に創造的破壊を支援する金融政策が必要だとしている。そもそも不況期にリストラしなければ、いつするのか。景気のいいとき社員をクビにする社長がいたら、見せてほしいものだ。
IT産業でも、1980年代が大きな分岐点だった。このころ日本企業がわが世の春を謳歌する一方、アメリカは「明日は今日より貧しくなる」という暗いトンネルでもがいていた。ウォール街ではハゲタカが企業を切り売りし、沈没するIBMからは大量のエンジニアが西海岸へ脱出した。しかしこの苦しい80年代に多くの「恐竜」が死に絶え、IBMは社員を半分に減らし、アメリカ企業は資本効率を上げ、人的資源が新企業に移転されたのだ(Holmstrom-Kaplan)。
こうした不況期の創造的破壊が90年代の飛躍に結びついたのであり、「IT革命」などという結果だけまねても本質的なイノベーションは生まれない。日本企業は、80年代に「ナンバーワン」などとおだてられて改革を怠ったまま90年代の創造なき破壊に陥り、いまだにそこから立ち直っていない。世界市場で壊滅状態のITゼネコンもビッグスリーのように退場し、社内で立ち枯れている優秀な人材を市場に解放したほうがいいのではないか。
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希望を捨てる勇気:停滞と成長の経済学
なぜ世界は不況に陥ったのか
ハイエク 知識社会の自由主義
つぎはぎだらけの脳と心
傲慢な援助
In FED We Trust
倒壊する巨塔―アルカイダと「9・11」への道
Free: The Future of a Radical Price
アニマル・スピリット
ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質
10万年の世界経済史
Macro-economics
思考する言語:「ことばの意味」から人間性に迫る
市場の変相:サブプライム後の「金融適者生存」の法則
The Venturesome Economy
CIA秘録:その誕生から今日まで
スティーブ・ジョブズの流儀
クラウド化する世界
生政治の誕生 ミシェル・フーコー講義集成 8
Gridlock Economy
Against Intellectual Monopoly
最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?
オークションの人間行動学
地球と一緒に頭も冷やせ!
禁断の市場―フラクタルでみるリスクとリターン
暴走する資本主義
市場リスク 暴落は必然か
The Illusions of Entrepreneur ship
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基本的には、あの頃と今も大して変わっていないようですが、一つ、無茶苦茶、アメリカ人が肥って来ている。動けないくらい、肥って来ている。この国の変り身の早さ、アダプトの速さ、それを金に替えてしまう速さは良く知っています。この身体で今回破壊が起きるでしょうか?
しかし、Mr. Daniel J. Ikensonの8月28日2007年のThriving in a Global Economy: The Truth about U.S. Manufacturing and Tradeの統計等が示すとおり、実は、アメリカの製造業が健全であり、2007年、2008年の実績がマスコミの裏で健全だったとしたら、ドル安は、彼らに格好の機会を与える事になるのでしょうか。
http://www.freetrade.org/files/pubs/pas/tpa-035.pdf
そもそもゾンビだから殺せといっても、どうゾンビを認定するかが問題だと思うのですが・・・
ハウジングサーバーなどをITゼネコンに借りると、富士通(の子会社)、松下(系列)、
さらに実際の作業をする下請けが右往左往。結局、受注元の人は見守るだけっていうのが
日本のITです。ある意味、イット産業です。
全く同意いたします。
この社会にとって最大の資源とは何かと考えると、結局はクリエイティブでかつ緻密な思考ができ飛躍を恐れない人材だと思っております。日本では(アメリカも)公的機関や大企業がそういう人材をサンクコストという鎖で繋いでおります。不況は、そういう人材に自らの鎖を外させる絶好のインセンティブです。その結果、経済を活性化させる新規産業が産まれると思います。
>危機に陥ったとき、古い企業を解体して資本市場で所有権を移転し、新しい挑戦者が参入するメカニズムが資本主義なのだ。
危機の時代に、自らリストラクチャー・リエンジニアリングができない企業はゾンビだ。
たとえば、"行き倒れ太郎"を見よ。
自民党が乾坤一擲の勝負のためのみに選んだのに、解散せず、次善の策も子供だましの論理で先送りした。
前にも進まず、後にも退かない。
ただ、そこに立ち尽くし・立ち枯れて行く一方だ。
危機の時に活路を見出せず、自前で立ち・歩くことができない企業はゾンビ企業である。
「ところがほとんどの日本人は、普遍語としての英語もできない」まさにそのとおりなのですが、では、はたしてほとんどの日本人は、現地語である日本語ができているのでしょうか?
できていないと思います。これは、「英語ができる」などと言っている人が訳した日本語を読めばわかります。多くの場合、文意を正確に読み取れていないか、読み取れていたのだとしても、それを日本語に正しく表現することができていない。機械翻訳とあまり差がない場合が多い。これは、英語の能力の問題ではありません。また、日本語の能力の問題には違いないのですが、その原因は、そもそも日本語・英語を問わない、言語を扱う能力の欠如に起因するのではないでしょうか。そのように考えると、現在の日本語教育や英語教育の問題は、教える側の言語能力の欠如が問題なのであって、必ずしもカリキュラムの問題ではないのでは、と感じます。そして、言語能力の欠如というのは、基本的に思考能力の欠如と同じことでありましょう。ここでいう「思考能力」というのは、与えられた方法で与えられた問題を解く能力のことではなく、問題を発見し、それを独自の方法で解く。事物や他者の表明した理念に対してそれを理解し、独自の解釈を与え、言語によって表現する能力のことであります。それが欠如している、教える側にも、教わる側にも。
私はいわゆる「受験英語」というものは、たしかに難題ばかりで全部が好きにはなれませんでしたが、ただ英文読解については、楽しく勉強することができました。というのも、問題が古今の大思想家や文学者の文章から引用されていたのですから。ヘレン・ケラーが最初に湧水を手で触って体験するシーン、バートランド・ラッセルの論理的で緻密な文章、G.K.チェスタトンやJ.B.プリーストリー、サマセット・モームらの巧みな文章。ルイス・マンフォードの興味深い近代科学・工業社旗論。私は、はじめて、英語という言語を使ってこのように論理的な、あるいは美しい文章が書けるのか、ということを知り、英語の表現のもつ審美的な価値に目覚めたのです。受験英語がなければ、そういうことを知る機会もなかったでしょう。
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