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壁と卵

村上春樹氏のエルサレム賞受賞スピーチの一部が、現地紙に出ている。当然「曖昧だ」とか「混乱する」とか否定的に論評しているが、抄録としてはもっとも長いので、スピーチの部分をそのまま引用しておこう:
So I have come to Jerusalem. I have a come as a novelist, that is - a spinner of lies.

Novelists aren't the only ones who tell lies - politicians do (sorry, Mr. President) - and diplomats, too. But something distinguishes the novelists from the others. We aren't prosecuted for our lies: we are praised. And the bigger the lie, the more praise we get.

The difference between our lies and their lies is that our lies help bring out the truth. It's hard to grasp the truth in its entirety - so we transfer it to the fictional realm. But first, we have to clarify where the truth lies within ourselves.

Today, I will tell the truth. There are only a few days a year when I do not engage in telling lies. Today is one of them.

When I was asked to accept this award, I was warned from coming here because of the fighting in Gaza. I asked myself: Is visiting Israel the proper thing to do? Will I be supporting one side?

I gave it some thought. And I decided to come. Like most novelists, I like to do exactly the opposite of what I'm told. It's in my nature as a novelist. Novelists can't trust anything they haven't seen with their own eyes or touched with their own hands. So I chose to see. I chose to speak here rather than say nothing.
So here is what I have come to say.

If there is a hard, high wall and an egg that breaks against it, no matter how right the wall or how wrong the egg, I will stand on the side of the egg.

Why? Because each of us is an egg, a unique soul enclosed in a fragile egg. Each of us is confronting a high wall. The high wall is the system which forces us to do the things we would not ordinarily see fit to do as individuals.

I have only one purpose in writing novels, that is to draw out the unique divinity of the individual. To gratify uniqueness. To keep the system from tangling us. So - I write stories of life, love. Make people laugh and cry.

We are all human beings, individuals, fragile eggs. We have no hope against the wall: it's too high, too dark, too cold. To fight the wall, we must join our souls together for warmth, strength. We must not let the system control us - create who we are. It is we who created the system.

I am grateful to you, Israelis, for reading my books. I hope we are sharing something meaningful. You are the biggest reason why I am here.
イスラエル人の前でこのようなスピーチを行うことは、受賞を拒否するよりはるかに困難な決断だ。彼の小説はデビュー作が『群像』に載ったときからすべて読んでいるが、このスピーチは彼の最高傑作だ。よくやったよ、君は日本人の誇りだ。

追記:この記事はヤフーニュースのヘッドラインになって、11万PV以上のアクセスがあった。いろいろなバージョンの翻訳も、この記事へのコメントやTBからたどれる。スピーチのもっと長いダイジェストも出た。
コメント ( 83 ) | Trackback ( 31 )
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コメント
 
 
 
すげえ感動した (whywearehere)
2009-02-16 23:44:42
白状しておく。村上春樹は読んだことない。
だというのにこのスピーチには感動した。
泣いた。
こんど村上春樹を買おうと思う。
 
 
 
この授賞式で村上さんが置かれた状況を (文京区在住)
2009-02-17 00:21:01
16日現在において、良く書いているのがこの記事だと思います。

http://www.guardian.co.uk/books/2009/feb/16/haruki-murakami-jerusalem-prize

村上さんは、イスラエルだけでなく、パレスチナの正義を掲げる人権派団体からのプレッシャーとも戦っていたのですね。

村上さんはやはりタフです。
 
 
 
自由なイスラエル (常岡浩介)
2009-02-17 01:45:52
> イスラエル人の前でこのようなスピーチを行うことは、受賞を拒否するよりはるかに困難な決断だ。

この点がよく分かりませんでした。イスラエルは言論の自由がしっかりと保証されているところで、米国あたりよりも幅の広い多様な政治主張があります。
そのような環境でこんなオブラートを何重にも包んだような表現を使うほど、「びくつく」必要があるのかどうか疑問です。村上氏はこれまでも中東事情に強いわけでもなく、政治的発言をしてきたわけでもありませんでした。こんなふうにびくついた発言が現地の「自由な」言論社会の中で影響力を及ぼせるとは考えにくいです。
 
 
 
夜のニュースで見てました (じん)
2009-02-17 02:01:32
仕事の手を止めてみてました。
特にこの一説、シビれました
If there is a hard, high wall and an egg that breaks against it, no matter how right the wall or how wrong the egg, I will stand on the side of the egg.

ニュースのタイミングとしては、中川財相の件と対照的に見えてしまいますが、、、
私はCNNをBGM代わりにつけっぱなしにしてるんですが、中川氏の居眠りの方にウェイトを置かれているのが残念。
 
 
 
いいこと言いますね (bunta)
2009-02-17 02:10:26
でも何となく既視感が、、、ということで思い出しましたが、特に後半部分については、チャップリンの「独裁者」での主人公のクライマックスの演説に、とてもよく似ていますね。恐らく参照された、もしくはインスパイアされたのは間違いないのかな、と。

ところで、池田さんは小説なぞはついぞ読まないとばかり思い込んでいました(というか、そのように先日おっしゃっていたような、、、)
 
 
 
翻訳 (池田信夫)
2009-02-17 02:19:49
翻訳も、さっそく2種類出ています:

http://maturiyaitto.blog90.fc2.com/blog-entry-139.html

http://ahodory.blog124.fc2.com/blog-entry-201.html

要旨も共同が配信しています:

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2009021601000180_Detail.html

そのうち全文が出ると思うけど、この超ダイジェストだけでも、不思議に人を感動させる文章ですね(みんなそう書いている)。それは彼の置かれた立場(空爆を命じたペレス首相が目の前に座っている)を想像することによる「非文学的」な感動なので、村上氏は拒否するでしょうが。
 
 
 
Unknown (enagoya)
2009-02-17 08:59:33
村上さんは立派だと思います。が、
労働者が卵で、企業が壁だという連想をする人も少なくないでしょうね。茶々を入れてすみませんが。
 
 
 
すばらしい (Taro)
2009-02-17 09:05:18
良く考えた深い内容。最後の
You are the biggest reason why I am here.が効果的ですね。冒頭のI have come to Jerusalem.につながってきます。
 
 
 
誤植なのかそれとも・・・ (佐藤秀)
2009-02-17 10:03:30
>I have a come as a novelist

このaはあっちの記事の誤植なのでしょうか。comeって名詞で使うと卑猥語になって、そのままその通り言っていたとしたら凄い文学的表現と思うのですけど・・・。
 
 
 
ペレスの前で言うという想像力があれば (言葉の力)
2009-02-17 10:12:11
イスラエルを支持する立場の人には当然不愉快なスピーチでしょうから否定的になるのは仕方ないとして、このスピーチをどう取るかは、その人の文学的素養が大きく影響すると思いました。

比喩は素晴らしく、見事に真実をついていますが、文学的素養が無い人には、回りくどくて酷くびくついた表現としか思えないでしょう。

ただ、選考委員をはじめとするイスラエルの知識人の胸には苦い思いを確実に残したはずです。即効性は無く、大きくも無いかもしれませんが、小さな思いを埋め込んだろう事は容易に想像できます。

そして、このように埋め込まれた小さな思いは、各人の中で育っていつか爆発する事もあるはずだと信じています。
現代では圧倒的少数派になってしまった小説を良く読む人間としては、そう信じています。
 
 
 
自分は卵でいいが家族は守りたい (victokun5)
2009-02-17 11:18:30
私はイスラエルよりの人間なので、村上先生のスピーチにまったく感動しません。

私は自分自身については、村上先生と同じように、他人と自分においては自分は傷ついても人を傷つけたくない。ただ、自分の子供が私のボケた平和感で、彼女たちの未来を失うことはもっとしたくない。

今回のガザ侵攻が、イスラエル人によるただの虐殺かそれともイスラエルの子供の未来(卵)を守ることなのかわからないので手放しに村上先生のスピーチに感動できません。

池田先生のブログは何時も共感が持てるのに、今回は共感できず、自分がおかしいのでは?と少し悩みました。
 
 
 
失われてしまった作家 (wehjk)
2009-02-17 11:25:13
村上春樹は自分にとってすでに失われてしまった作家である。

この人の頂点は『羊をめぐる冒険』であり
この小説は何十回も読んだけど
その後は説教爺になっていった。

村上春樹はフランツ・カフカではない。
カフカは(生前ある程度高い評価を得ていても)死ぬまで
誠実に自身の作家性を追求し続けた。

ある時期を越えてからの村上春樹はビジネスマンであり作家ではない。
それでも初期の作品を時折、読み返す理由とは
「他に読んでもいいと思える作家が日本に一人もいない」からであり
「在命中のただ一人の天才だから」であろう。

話題の「壁と卵」演説も、ニュースで映像付きで見ていて
正直、しらけてしまった。

この15年、本当の意味で戦闘的であったことなど一度もない村上春樹が
わざわざ外国まで出かけて行って何、かっこつけてるんだ?

このしらけ度合とは数年前に村上氏が週刊誌上で
「僕らの世代は学生運動を未だに総括していない」とか言って
団塊に何かを訴えているのを読んで以来である。


しかし今朝、池田センセのブログを読んでいて壁卵が絶賛されているのを見て
世代の断絶を感じた。そうか、団塊はあれに共感してるのか。そうか・・・。

 
 
 
感動的でしょうか? (soudenjapan)
2009-02-17 12:35:04
引用箇所を読む限りでは、彼は何も言ってないと思います。

イスラエル、パレスチナ、どちらの立場が正しいのか自分は知らない。ただ、正邪に関係なく、自分は必ず弱者の味方をするようにしている。

そう書いて、あとは、なぜ弱者の味方をするのか、その理由を細々と書き連ねているだけじゃないですか。どっちが正しいのか判断がつかずにイスラエル政府を批判できるわけありません。要するに、彼は「自分は弱者の味方」という自己紹介をしたにすぎません。

イスラエル側に対しては、その政治的立場を批判する気はない、と安心させるメッセージ。パレスチナの支持者に対しては、あたかも彼らの味方であるかのごときメッセージ。みんなに配慮しながら、しかも、何も言わないまま、池田先生やこのブログの読者までも感動せしめてしまう筆力。踏み絵をふまされる難しい状況において、この絶妙なスピーチ。たいした政治感覚じゃないですか。
 
 
 
彼の立つ側 (nill)
2009-02-17 13:16:42
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4063622.html
では"whether this to create impression i supported one side in the conflict and that i endorsed the policy of a nation that chose to anguish (with or by?) its overwhelming military power..."
と発言しています。「圧倒的な軍事力」に明らかに触れています。
また、「卵と壁」に言及する様子を池田さんが引用されたエルサレムポストは"no room for reinterpretation"と記述しています。つまり、イスラエルの記者も比喩と対応するものが何か、十分に理解したのではないかと。
スピーチは解釈の余地を許すものでしたが、それは一方の側を疎外するというのは彼個人の信条としては絶対に許せなかったからでしょう。
彼が文壇政治に全く興味がないとは私は思いませんが、それでもこのメッセージは、含意あるにもかかわらずひどく明快で、私個人はひどく心を動かされました。
とかく、「旗を見せろ」という連中の多いこの世の中ですが、大いなる絶望とわずかな希望をもってそれを拒否する「小さな旗」に私もまた、賛成します。
「隷属への道」を拒否する手がかりとして今回の発言がささやかながらも長く語り継がれれば、と思います。
 
 
 
あまり報道されていない現況 (codeblueline)
2009-02-17 13:16:53
自分は、村上春樹氏は一小説家として言うべきことを言った(仕事した)という感想です。彼の絶妙な政治感覚云々は既に織り込み済みのことであって、あんな所で「問題発言」なんかされたらそれこそエライ迷惑。子どもじゃないんで・・。

それより、巷のTVメディアはG7の酔っ払い報道に忙しく、結局この話題もネットや一部有識者?の間に限定の話で終わってしまいそうなところがチョットだけ寂しい感じが。
 
 
 
system は目的か手段か (miki)
2009-02-17 13:49:00
system はもともとそれを使うことがより有益だったから(道具として使うために)構築されたのに、いつの間にかそれ自体が目的化され、それを維持拡張することのためにそれを使うはずの個人がかえって不利益を被る状況がしばしば発生しています。

一般的に system は油断するとすぐにそのような状況に陥る傾向があると思います。
そうなることを防ぐには村上春樹氏のような視点が必要だと強く感じます。
 
 
 
言わなくてもよい事を言う意味 (松本孝行)
2009-02-17 14:22:54
確かに場所が場所名だけに、ガザでの紛争に触れないわけにはいかないかもしれませんが、別に言わなくても特に問題はなかったかと思います。

が、あえてそれに言及したという点に彼の言葉に対する信念とでもいうような強さを感じました。言わなくてもいい事をあえて言う、それは彼が言う必要性を感じていたのでしょうね。

自分がもし、あの場にいて同じことが言えたか?というと、おそらく日本人の多くはおべんちゃらを言って表面だけ取り繕っていたのではないかな?と思います。もちろん、私もその1人になっていたでしょう。

それだけでも村上さんはすごいと思いますね。
 
 
 
訳してみました (akira)
2009-02-17 14:23:46
私も訳して、はてな匿名ダイアリーにあげてみました。確かに難解だとか、あいまいだとか言われるようなスピーチですね。

http://anond.hatelabo.jp/20090217141115
 
 
 
初めてのコメントです (boyah)
2009-02-17 15:38:54
池田様いつも興味深く拝見させて頂いております。

村上氏の受賞に関しては毎日新聞の夕刊で知ったのですが、記事から読み取れるメッセージはとても小さく彼が何を実際に伝えたかったのかイマイチはかりかねていたのですが、ここで抜粋ながらも知ることができてとても嬉しいです。

表舞台に立つことを嫌う村上氏の重い腰をあげさせて、伝えなければならなかった言葉。

僕は彼のその小さな叫びが、世界の多くの方々に摘みとってもらえることを静かに願います。

これからも楽しく記事拝見させてもらいます。

毎日更新されるのは大変なことでしょうが、また様々な軋轢もあることでしょうが、これからも歯に衣着せぬ記事を期待しております。

失礼いたします。
 
 
 
やはり、快挙 (tanakac)
2009-02-17 15:42:13
これだけやさしい英語で「壁と卵」の深い寓話をつくりだした才能はやはり大したものだと思う。大江健三郎とは明らかにレベルが違う。

イスラエルは非常に強力な国家なので日本を含む西側メディアも黙殺もしくは無視といった印象だが、この「壁と卵」の話は普遍性があるので、のちのちジワジワと効いてくるのではないか。

ノーベル賞も受賞するかもしれない。
 
 
 
感動しました (在米日本人)
2009-02-17 15:42:47
村上春樹は小説家であって政治家や評論家ではないので、明確な政治的発言をしないことで、非難される筋合いはないでしょう。どうせ数え切れないほど多くの政治家や外交団が、明確すぎるほどの政治的提案と非難の応酬を繰り返してきたのに、イスラエル・パレスチナ紛争の糸は、もつれるばかりなのです。

むしろここで感動的なのは、村上氏の、イスラエル・パレスチナ「双方に対する」、深い同情心であり、愛情だと思います。「いかに卵が悪くて、壁が正しくても、」と言っているように、自分はパレスチナ側も悪い部分があることは充分判っているよ、それでもイスラエルさんよ、「いくら正しくても、それをやっちゃあ、おしまいよ。」と。 

全く文学的で無い言い方でいうと、たったそれだけなのですが、政治的言語が全く効力を失った場で、彼は、小説家としての全く異なる言語で調停を語りかけているのです。それは紛争の解決を望み、かつ、文学を生業とする人間として、最高の誠実さだと、私は思います。

そして自分の小説を愛読してくれるイスラエルの人々に対する深い信頼感から、彼はエルサレムに出向いて、自ら彼らに語りかけることに決めたわけですね。
 
 
 
なんというか、、 (黒猫)
2009-02-17 16:08:37
僕にとっては「無味無臭」って感じです。
「Imagine」や「What a Wonderful World」の方が圧倒的に感動的だと思います。
歌で言えば「we are the world」程度なのではないでしょうか。。
まあ、もともと彼の作品はナイーブでかつ明確なメッセージ性が無いので万人にうけるのだと思いますが。。
尾崎豊のメッセージが「みんな思っているけどなかな言えないこと、できない行動」であり「若者の代弁者」としてカリスマ的人気を得ていたのと似ています。。でも、彼は「問う」だけで「答え」は出さずに死んでしまった。。のでしらけるのです。。
 
 
 
卵と私? (zosojh)
2009-02-17 16:10:29
彼の比喩では、人間は卵なのだろうけれど、壁で守ろう・守られようとするのも卵の意思であるわけで。。。卵の味方か、そうじゃないかと問われたら、壁を作っている人間だって、私も卵だ、卵の味方だと云うだろう。村上春樹の云ってることは蚊に刺されるよりも何も感じない。つまり、メッセージの内容より、いつ、どこで、世界のムラカミが何かを発言したか?が意味を持つのだろう。
 
 
 
 (それから)
2009-02-17 17:06:19
ガザ攻撃の最中、オバマもヒラリーも沈黙していました。彼らは村上に比べて、卵のかけらも勇気がなかった。
 
 
 
Unknown (STしん)
2009-02-17 17:38:22
春樹ファンなのに全然チェックしていませんでした。

有難うございます。邦訳も為になりました。

あとアラブ問題は微妙ですが、イスラエル内にも右左あって今回の状態で受賞して現地でスピーチしたのは勇気がある行為だと思います。

私はイスラエルの友人がいますが、(今でも友人かはさて置きw)彼は軍人でしてラビン首相暗殺の時、自宅待機が終わった直ぐあとで「あれはアラブ側なの?」と聞いた時の彼の沈黙が忘れられません。

かくも複雑で混沌な世界の中で、正式な場において【発言をした人間】として村上氏は称えられるべきだと私は思います。
 
 
 
Unknown (小林一)
2009-02-17 18:25:58
受賞を辞退するよりも、受賞のスピーチで喜びを
普通語るのに、あえてこういった発言をする
村上春樹の勇気に感動を覚えた。
 
 
 
一村上ファン (blue)
2009-02-17 18:47:18
白?黒?(ここではイスラエル?パレスチナ?)といった様な単純で分かりやすい二元論がもてはやされる風潮の中で,さすがのスピーチだと思います.


イスラエルやパレスチナのどちらに正義があるかという議論を展開しておらず,その上で自分の立場を曖昧に誤魔化してはいない.彼ははっきりと苦しんでいる人の立場に付くといっている.

人が幸福になるために作り出したシステム.そのシステムは強化され,巨大化し,矛盾を許さず,いつしかそれを作り出した人までをも苦しめているという壮大なジレンマ.

彼のようにシステムに立ち向かう人が増えれば,すべての問題は解決するような気がします.
 
 
 
STAND ALONE COMPLEX (戯言遣い)
2009-02-17 19:29:08
 
村上春樹は比喩や抽象的表現をあえて用いることで、
自分自身は可能な限り何れのシステムにも立たない中立的立場を確保している。

そして村上の文章を解釈しようとする人間は、己の属する立場(システム)を否応無く露出する事になる。
システムに属する人間は具体的解釈を試みる過程で、己の属するシステムが優位になるよう偏向解釈を行わ
ざるを得ないから。

要するに、このスピーチは、非常に巧妙であり、面白いトラップが隠されていたってこと。
(その罠にまんまと引っ掛ったのは、自社の社説の都合のいいように翻訳した新聞社。)
 
あと「壁」の比喩は、今回の「空爆」だけじゃなく「ホロコースト」など多義的な意味も含んでいる。
「卵」は、ホロコーストで虐殺されたユダヤ人であり、今回の空爆で死んでいったアラブ人でもある。
(つまり、壁と卵は、イスラエルの歴史であり拡大解釈すれば人類の歴史の比喩でもある。)
 
つまり、この村上スピーチを浅はかな政治的発言と捉える人間は
その時点で、自分自身の浅はかさを自ら露呈していることになる。

あと、「卵」は「鳥」になる事もあるから
壁を越える可能性もあるっていうメタファーも含んでるんだろう。
作家の唯一の武器をスピーチで使ったんだね、この人は。
 
 
 
 
Unknown (Unknown)
2009-02-17 19:35:28
>よくやったよ、君は日本人の誇りだ。

えらい上から目線ですね(^^;
 
 
 
Unknown (KK)
2009-02-17 19:46:18
なんだかあまり知られてないみたいなので。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200902100087.html?ref=reca

村上氏はこの現実にある壁のことも知ってらっしゃったかも知れません。

しかし、村上氏と対比して、中川氏が批判されたりしてますが、G7の会議の内容には触れていない。会議前に中川氏がガイトナーとの会談の内容は評価されるもので、日本にはまともなマス・メディアがないんでしょうか。


余談ですが、よく厳しく人を非難される池田さんが人を誉めているのを見ると嬉しくなってしまいますね。アゴラでもソフトバンクの功績について誉めてらっしゃいましたし。
何か誉めるのをブログに載せるのも読者にいい影響があるんじゃないかと、池田さんがそういう記事を載せるのを望んでいたので。
 
 
 
Unknown (とげとげ)
2009-02-17 20:35:03
>>zosojhさんの説明が明確でわかりやすいですね。ただそこまでわかりやすいのになぜ何も感じないのかがわかりませんが。
 
 
 
無共感,無感動 ()
2009-02-17 20:36:25
英文と和訳を何度か読み返しましたが,僕に文学的素養が無い為か知的レベルが低いせいか,全く共感せず全く感動もしませんでした.
むしろ感動されてる方が居られることが不思議くらいです.
一般的に物事は否定するよりも肯定する方に勇気が要りますから,池田先生の勇気には敬意を表します.

やはり小説家は「嘘」を語ってる方が良いのでは?
 
 
 
さあ (かも)
2009-02-17 21:02:19
イスラエルから見ても、壁も卵も同じようにあることを考えると、村上氏の論をを賞賛するのもまた、一つのバイアスなのかも。
 それより、国家元首の前で、その国を非難するような発言をするのは、やはりどう考えてもまずい。例えそれが、一方の側から見てどれ程の正義であろうとも。
 何故なら、如何なる事情があろうとも、国家元首とはその国家にとって最高に信頼され、尊敬される存在なのだから。

 村上氏が、彼の国に反論するなら、受賞するべきではなかったし、受賞するのなら、反論すべきではなかったと私は考えます。
 
 
 
訳す人の感性による違い (ryo-ma)
2009-02-17 21:04:00
このスピーチは訳す人の感性によって、日本語のニュアンスが少しずつ異なってくるのが面白いですね。
僕も昨晩訳していたのですが、他の方の訳との比較が興味深いです。
http://ameblo.jp/fwic7889/entry-10209684877.html
 
 
 
パレスチナ人は間違った卵ですか (おさむ)
2009-02-17 21:30:21
「壁がいかに正しくて、卵がいかに間違っていても、わたしは卵を支持します。」とは驚きを禁じえません。壁と卵の相対的な位置関係は容易に逆転するものです。ホロコーストの犠牲者であったユダヤ人とパレスチナ人を虐殺するユダヤ人自身がそれを示しています。アメリカの支援がなくなれば再度関係は逆転しまう。「弱きを助ける」のも何らかの正義があると感じるからではないでしょうか。冒頭の言葉は村上氏にイスラエルの不正義を正す直言を述べる勇気がなかっただけであって、間違った卵に譬えられたパレスチナ人への侮辱であると思います。
 
 
 
村上氏の言葉は心に染み入った (ひろ”ゆ”き)
2009-02-17 21:53:42
昨日ニュースで見た村上春樹氏の受賞講演を思い出しながら帰路に着いた。

彼が"壁"・"卵"と論じたものはそれを聞くイスラエル人たちにはどのように聞こえたのだろうか?

彼らにとり"壁"はこの2600年以上にわたって身近なものであった。
BC607年のネブカドネザル王によるエルサレムの攻囲戦。
篭城したユダヤ人たちはエルサレムの城壁にこもり反抗したが、王の破壊と虐殺は徹底的であった。
その後エルサレムは数百年間、荒地であったと言う。
またAD70年のチィツス将軍配下のローマ軍に滅ぼされた時は
4年にわたり"壁"の中に留まり、城壁内の100万人以上の人々が打ち滅ぼされた。
餓えに苦しむ妊婦はその生れ落ちた子を食べたと言う。
そして10万人が奴隷としてローマ社会に散っていった。
20世紀に入っても、ナチスが支配する国々ではワルシャワでのゲットー、アウシュビッツ・ダハウなどの強制収用所で彼らはまたもや内側から"壁"を見上げるしかなかったのだ・・・

この期間ユダヤ人たちは"壁"にいつも阻まれ、押しつぶされるか弱い"卵"のような存在であった。
村上春樹氏の"壁"・"卵"の話を聞いたイスラエル人は壁のように聳え立つ、政治体制の前に無力であった父祖たちの苦難の歩みを思い返し、村上氏が父祖たちと連帯すると理解したのかもしれない。

しかし今日、"壁"のようにガザに住む人々の前に圧倒的な軍事力を誇示するのはイスラエルだ。
村上氏の言葉によれば彼ら"卵"に加勢すると言う。
一体、このイスラエル人たちの変転を私たちはどのように理解したらよいのだろうか?

イスラエル人の宿痾である"壁"と"卵"ー私はそれらに取り付かれた人々の系譜に連なることがなかった幸福と安堵に、しばし浸った・・・

・・・赤信号で止まった時、いくら拭いても窓ガラスの曇りは晴れることはなかった。
 
 
 
かもさん曰く (Taro)
2009-02-17 22:47:45
「村上氏が、彼の国に反論するなら、受賞するべきではなかったし、受賞するのなら、反論すべきではなかったと私は考えます」

授賞がイスラエル側の自由意思だとすれば、それを(1)受け入れた上で、反論しないのも、(2)受け入れた上で、反論するのも、(3)受け入れない、のも、受賞者側の自由意思でしょう。

イスラエル側の自由意思が、賞を受け入れることで、成就されるなら、受賞者側の自由意思もまた成就されて悪い理由はないはずです。なぜなら、イスラエル側に利用されてしまったのですから。なぜ、受賞者側は授賞者側を利用しては、というより一言述べるさえしてはならないのでしょうか。我々は、個人の自由を尊重する態度を失ってはならないでしょう。

「国家元首とはその国家にとって最高に信頼され、尊敬される存在なのだから」

国家元首を面前で侮辱したわけでもないですし、だから、会場から引きずり出される事態にもならなかった。「国家元首」とやらとは異なる意見を表明したとしても礼儀は尽くしたと思います。「国家元首」だからといって、おもねる必要はないでしょう。受賞者は文学者として賞を受けたわけです。文学者として、作家として自己の考えを述べることを躊躇する必要はないでしょう。礼儀は尽くした上で、言うべきことは言わなければならない。それが自由社会の掟です。権威に媚びへつらうのでは、作家が受賞する価値がなくなるのです。
 私は、あの英文は良く考えられた文章だと思いました。率直に言って。簡潔ながら意味が込められている。
 
 
 
世界平和を力強く訴えたミスユニバース日本代表のようだ......。 (haruomi)
2009-02-17 23:29:03
「あの日本人は何かイスラエルに批判的な事を言ってるらしいけど、政治的な小説家なのかな?」
「いや、全然。でもアジアではすごい数の読者がいるらしいよ。」
「で、なんで気に入らない国の文学賞をもらいに来てるのさ?矛盾してるね。」
「矛盾してるよね。どうもこの機会にイスラエル人に訴えたかったということらしいよ。」
「へえ、どうしてさ。別に日本人はイスラエルに来られないわけじゃないんだから、訴えたいことがあるなら自費で来て辻説法すればいいじゃないか。文学賞なんか断って、その時にメディアに意思を表明しても良い。その方が説得力あるだろうに。
わかった。彼は文学にすべてをささげる生活をしてて渡航費が無かったんだな。」
「いや、すごい金を稼いでトウキョウの一等地に家があるらしいよ。」
「ますますわからないな。」
「街角じゃなくてスポットライトを浴びた演壇で言いたかったんじゃないか?」
「まさか......いくらなんでもそりゃないだろ。そんなことがあるか?」
「分からんぞ。ブッシュJr.だって大統領になったんだから。きっと東洋人とか日本人にしか分からない深遠なロジックがあるんだろうさ。」
「なむあみだあ(オーム)」
「ノーベル文学賞にもノミネートされたらしいからな。」
「ああ......そういうことか(笑)。」
「俺が選考者だったら落とすけどね。」
「俺も。なむあみだあ(オーム)。」
「若いころのキーワードは『誤解されないように書くのは難しい』だってさ。」
「矛盾してるな。」
「矛盾してるよね。」
 
 
 
Unknown (comap)
2009-02-17 23:50:35
英語力不足のため訳文と照らし合わせて判断したのですが、壁と卵が直接イスラエル(壁)とパレスチナ(卵)に当てられてるのではないところがポイントかと思いますが?

壁はシステムのことだと言ってるようですから、「人間を拘束する人間が作ったシステムと戦う弱い個人(=文学)」ということで、ようするにものすごく抽象的なんですよね。これだけ抽象的な物言いがしっくり分かるのは日本人ぐらいじゃないでしょうか。

あのリアルな現場でこれ言えちゃうところが感動的なのだろうか?
 
 
 
卵と壁 (モーツァルトファン)
2009-02-18 00:09:26
いろんなとらえ方があるようですが、卵を「〜人」、壁を「空爆・紛争」ととらえる方が多いですね。でも、僕には村上さんの文章はそんなにクローズな、直接的な比喩ではないように思えます。uniqueやindividualという単語が何度もでてくる通り、卵なのは個人としての人間なのではないでしょうか?

イスラエルはこうだ、パレスチナはこうだ、というような言論が目立つけれど、本当はひとりひとりいろんな考えをもっているはずです。空爆に疑問を感じるイスラエル人だって、聖戦を主張するのに疑問を感じるパレスチナ人だっているでしょう。それを大きく括って「〜人」として見てしまうこと、これ自体がすでに個と対立する「システム化」であって、そのような発想を前提にしてしまえば、どうしても「イスラエル対パレスチナ」の構造でしか見えなくなってしまう。そうやって実際に争いあう現状、これこそ、壁にぶつかっていく壊れていく卵ということなんじゃないでしょうか?

そういう意味で、「卵=individuality」を無視し破壊する「壁=システム」をいつの間にか作ってしまっているのは、僕たちでもあるのではないだろうか?
 
 
 
Unknown (maeda thailand)
2009-02-18 00:33:06
おさむさま。そりゃあんまりな言いぐさだ。村上氏は間違っているかどうかは何の意味もない、と言っているのです。
NO MATTER ....というのはそーゆーことです。
 
 
 
Unknown (comap)
2009-02-18 01:00:50
maeda thailand様

ですよね。
まず嘘つきな小説家というつかみで入ってますんでw

とはいえ、この路線、例え日本だって全て成り立つとは限らないですよね。例えば、先年炸裂した慰安婦問題とか竹島問題とかでもいいのですが、こうしたのっぴき成らぬテーマに絡めてここまで抽象的な世界の話だけされたら、あんたさん何が言いたいの?わざわざ来て、になるような?
 
 
 
Unknown (Unknown)
2009-02-18 01:22:46
昨日投稿された池田氏の村上氏に対するこの記事や読者の反応を見ていて、「言葉」というものの力と限界を見た気がした。

人が何に感動し、真実を見るかということを考えていた。彼らは「言葉」にそれを見ることもあれば、そうでない場合もある。言葉が「世界」ならば、誰もが言葉を通して真実を見るだろう、だが、言葉は世界ではない。村上氏も池田氏も、言葉が世界では無いことを知っているからこそ、言葉を使えるのだが、言葉を使えない人は同様には「世界」を見る事はできない。

それでも言葉しかない
 
 
 
壁は (かず)
2009-02-18 01:48:10
壁は「嘆きの壁」にかけているのかもしれませんね
 
 
 
マルクスのエピソード (一法曹)
2009-02-18 01:55:20
 学生時代に読んだマルクスのエピソードを思い出しました。シェークスピアの戯曲を始めて観劇した若きマルクスは「何気なく普段使っていた慣用句に深い意味があると感激するか,慣用句を紡いだだけの陳腐な劇とみるか,そこで両極端に評価が分かれるだろう」と日記に書いたとか。
 
 
 
卵のプレゼンス (Y-BAT)
2009-02-18 03:30:06
巧い喩えがみつかりませんが、ある意味、白州次郎みたいなもんかな、と…。エルサレムへ行ったこともそこでしゃべったことも、粋ですね。しかも説得力がある。こういうのもソフトパワーですね。もともと村上春樹について書きたくてWebをはじめたのを憶いだしました。とにかく、行ってよかったですね、エルサレムへ。作家である村上春樹が、自分が作家であることを肯定して、作家なり(ならでは)の方法論で行動に出た、ということでしょうが。
 
 
 
Unknown (ma_sa_ka_2)
2009-02-18 03:42:52
より全文に近そうな英原文です。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1064909.html
 
 
 
Unknown (comap)
2009-02-18 08:18:32
興味深いご意見w
  ↓
>言葉が世界では無いことを知っているからこそ、言葉を使えるのだが、言葉を使えない人は同様には「世界」を見る事はできない。

この見解も村上的だと思いますね。誰もが立場をはっきりさせて語ってるこの現実的な現場に超越的に現れて抽象的に難なく状況を越えられる別の足場があるのでこう言えるのです。日本人は標準でこれが出来る。
 
 
 
肝心な点は (Taro)
2009-02-18 08:27:38
I have only one purpose in writing novels, that is to draw out the unique divinity of the individual.

これでしょう。これが卵なんですよ。この卵は、壁の内側・外側、右側・左側、どちらにもいる。

それぞれの卵を発見し、観察すること。それによって、それぞれの卵のそれぞれに異なるdivinityを了解すること。彼はそれが文章を書く唯一の目的だ、と言っている。

その卵を強大な軍事力が押しつぶして殺戮するのがsystemであり壁であるなら、壁の側には立てない。そのsystemのいう考え方や宣伝には乗れない。

そういう単純なことを、意味深く丁寧に説明していると思います。村上が言っていることは、偶然にもlibertarianismの本質にも通じますね。libertarianismは壁をより低くして、最小化する考えですから。とにかく、センスの良い英文だと感心しました。

 
 
 
Unknown (comap)
2009-02-18 08:51:25
もうひとつは、村上さんは世界を解く鍵はこれだと「壁と卵」という二項対立を持ってきて、それに全面依存し「私の主体」を見出していく訳ですが、この設定自体が単純すぎないかという事がある。壁と卵が分離不可能のひとつの人間の歴史の事態ではないかと見れば(壁=システムは人間が作ったものと明言していますし)、はたしてこんな簡単に分離して壁を対象化し自己を確立することなど本来可能かどうかという問題。

まぁその前に「嘘と真実」という二項対立がまくらにあってここで小説家として超越していますけどね。小説家は超越できるけれど政治家は出来ないというのは本当でしょうか(笑 「言葉」の技がレトロな気がしますね。


 
 
 
おもしろい (俄。)
2009-02-18 11:29:08
抽象的な表現にすることによって、
何を「壁」とし何を「卵」と見るか?

各人の「痛いハラ」がコメントに表れている。

おそらく、聞いていた人たちもそれぞれに自分のハラをさすった事だろう。

おもしろいなw
 
 
 
Unknown (モーツァルトファン)
2009-02-18 11:46:07
再投稿です。リンク先の全文読みました。全然あいまいでも抽象的でもないですね。壁と卵のメタファーが何を意味するのか、何度も繰り返し説明しています。(特にWhat is the meaning of this metaphor? 以下)

思えば、メディアというシステムによって押しつぶされたオウム被害者の個としての姿に向き合った「アンダーグラウンド」のときも、村上さんはこの問題と積極的に関わっていました。Show the flag的な反応を越えた、優しい視点を提供してくれています。

お父さんの戦争体験の話、初出でびっくりしました。
 
 
 
Unknown (isamu)
2009-02-18 11:48:29
この程度の英文でも4、5個の知らない単語があるようなレベルの自分でも、辞書片手にこの村上春樹のスピーチを読んで、一瞬背筋が寒くなる(妙な表現かも)ような感動を覚えた。昨日だったか、翻訳されたものを読んだとき、なんの感動も感じなかったことを思えば、この違いはどこからくるのだろうかといぶかっている。たぶん、臨場感の違いかなと思う。空爆を続けたイスラエル側も女子供を盾にして戦っているパレスチナ武装勢力も wall であり、そこへ投げつけられて砕け散る罪も無いひとたち egg 、どちらが正しいのか悪いのかなど問題ではなく、私は egg の側に立つと、インターネットのブログに投稿するのとは訳が違って、当事者たちの前で言い切った村上春樹氏。池田先生のおっしゃるように、このスピーチは村上春樹の最高傑作だと思う。まさに、“よくやったよ、君は日本人の誇りだ”と私も言いたい。
 
 
 
すごいコメントの量ですね。 (閑話ノート)
2009-02-18 11:52:50
膨大なコメントをすべて拝読した。それぞれ受け止め方は一様ではないが、これでいいのではないか。言葉とは、語りかけることとは、そういうことだと思う。
いずれにしても、村上氏のスピーチは長く歴史に残るだろう。
 
 
 
ペンは剣よりも強し? (極楽蜻蛉)
2009-02-18 12:53:36
小説家がfictionで書いたストリーがある国の読み手から賞賛を受け、賞を受ける事になった。読み手は、同じ人間だけど小説家のオリジナルの言語とは違うし、地球上の位置する場所も違い、顔かたちも、文化も宗教も歴史も違ってた。しかし、読み手達は、その小説家のストリーに感動した。

小説家は、小説家としてその目でその国を見て、そして自分の意見をその賞の場で言明した。感動を共有できる人達に、もしかして同じように感動を共有できるであろう人達をどうして無闇に傷つけなければならない?

賞を拒否する事、非難する事は、寧ろ簡単。村上氏は、読み手を尊重しながら、ペンを持つ仕事をしている者として、物申したのだと思います。
 
 
 
初めて (英訳ん)
2009-02-18 13:35:21
卵と壁。
すばらしいスピーチだと思います。
これを掲載された池田様も感服いたしました。

 
 
 
卵とその不確かな壁 (KJ)
2009-02-18 14:28:42
村上春樹が『街とその不確かな壁』という小説を書いていることを知っている者であれば、今回のスピーチの「壁」というキーワードがただの漠とした比喩ではなく、彼自身にとっても非常に個人的な(つまり小説的な)意味を内包し、そこに文学的な意義の広がりが生じていることに気づくと思います。『街〜』だけでなく、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』も、その続編とされる『海辺のカフカ』でも、壁はとても象徴的なメタファーとして小説作品そのものを覆い、主人公を包囲し、読者を圧迫してきました。その壁といかに対峙し、それをいかにして乗り越えていくか(時にはもっと別なやり方で)が作者にとっても読者にとっても作中人物にとっても不条理な現実からの突破口であり、自らの存在意義となっていたのです。

このスピーチは、あくまで文学賞受賞のスピーチであって、彼のプライベートワークとしての講演でもなければ大学の講義でもないわけですから、政治的な発言として受け取るよりは、やはりむしろ文学者として、間接的な読者に向けられた文学的なメッセージとして読み取るべきだと思います。

内容が内容だけに過敏な反応があるであろうことは百も承知で、あくまでもイスラエルの読者にむけて、そして多少は日本やその他の国々のの読者のことも意識して、彼らの日常と自身の小説が同じ普遍性の中で存在していることを伝えたかったのでしょう。
 
 
 
卵と爆弾 (卵爆弾)
2009-02-18 15:14:11
ときどき、壁を越えて飛んできた間違った卵の中には爆弾が仕掛けられていたりする。
壁のこちらにいた卵は、血だらけになって足がもげたり脳みそが飛び出たり・・・わずか2年の人生だったり。
爆弾卵を投げたやつらは、自らの卵をも壁にめがけてぶつけたり、高射砲担がせたり、わずか9年に満たない人生だったりする。これを聖戦というらしい。
現地を自分の目で見た文学者は卵の側に立ち高度に文学的表現で平和な国に無責任な信者を募り、ちゃっかり賞金を頂いて帰国していきましたとさ。
村上春樹という東京の一等地に住む権力者の言葉でなかったら、言い古されたヒューマニズムにしか聴こえなかったかもしれない。腐った卵も信心しだい。
 
 
 
Unknown (nabajo)
2009-02-18 17:29:44
 このスピーチには「大きな感動」を得た。

まさに、日本人の誇りである。

貴殿の記事にも感銘する。
 
 
 
うーん (ぽえぽえ)
2009-02-18 18:19:41
個人的にしっかりした主張があって良いスピーチだと思います。

でも英語のブログとか記事のコメントを見ると反響がいまいちですね。せっかく世界的な機会に日本人が、めずらしく秀逸なスピーチをしたのに、もったいない。

イスラエルを表立って批判する文化人とか芸術家は結構いますが、こういってはもともこもないけれど、現状が変わるわけでもないんですよね。心とか感情に訴えるだけでなく、そこから人間を実際に動かしていく作用が、さらに必要です。
 
 
 
比喩 (leny)
2009-02-18 18:26:01
老荘は「道」は比喩でしか表現できないと言ったとか。

優れた比喩は受け取る人それぞれに千差万別の意味を生じさせ、受け取った人が具体的な言葉で紡ぐと、その人自身の影が映し出されるようですね。

言葉の波紋が際立ったエントリーで面白いです。

ぼくは、システムは卵を守る為の存在で、卵を抑圧する、もしくは守れないようなシステムは取り換えちゃえ、って風に受け取りました。また、システム同士の争いに巻き込まれるのは卵にとって無意味だ、とも。
 
 
 
恐ろしい (のぼる)
2009-02-18 19:55:06
原文を読んで,ここ数日のマスコミ報道の恣意的な曲解を理解できました.システムとしてのマスコミが日本を機能不全にさせていることを,改めて理解し,そして背筋が寒くなりました.

同時に,村上春樹という作家が同じ日本人で,私たちと同じ社会にまだいるということ,誇りに思いました.

内田樹さんのブログの感想も秀逸でした.
 
 
 
no matter how right the wall or how wrong the egg, (codeblueline)
2009-02-18 20:27:01
結局↑の一節が最後まで引っ掛かります。(この後に続く"I will stand on the side of the egg."はとりあえず措いておくとして)。

「壁」がイスラエルを特定している訳ではないことは分かった。人間が作ったシステムのことを指しているのだとしても、春樹氏はそれに対して、あまりにも高くて、暗くて、冷たい(too high, too dark, too cold)とは言っても、一言も「間違っている」とは言っていない。むしろ逆に、"no matter how right the wall"とさえ言っている。これは要するに、村上春樹氏自身が、壁=システムの正当性を自覚しているということではないのか?

システムはあまりに非人間的だとは思うけれど、本当は正しいのかも知れませんよ(否、本当は正しいのですよ)。でも、自分は所詮「脆弱な卵」なのだから常に"I will stand on the side of the egg."ですよと言っているのでは?

それが、小説家の立場というものなのか、実は21世紀の知識人?に典型的な態度なのか、富裕層に属する商売人にありがちな発想なのか、案外一般の人がフツーに器用〜に使い分けているものに過ぎないのか・・自分には一切分かりませんが。
 
 
 
興味深い作家です。 (大松弘行)
2009-02-18 21:31:04
池田先生、いつもblogで大変勉強させていただいております。私も池田先生と同じく、村上氏を日本人の誇りだと思います。また、いろいろな意見があると思いますが、作家として正しい選択だったのではないでしょうか。彼はスピーチの中で人間を「卵」と表現しましたが、それこそ卵を投げつけられても、罵声を浴びてもかまわない覚悟でイスラエルに向かったのだと思います。とても、勇気ある決断です。
 
 
 
大量の投稿があって (かも)
2009-02-18 22:03:11
 それでも私は、何故これほどまでに、村上氏の発言が賞賛されるのか理解できない。
 何よりも、氏は、彼の国の如何なる機関かの授賞の栄に浴し、膝を折って、頭を垂れて受け取ってしまっている。
 その上で、「壁」とはなにか。確かに、卵は、弱くいたいけない幼子や、小学生や、無辜のひ弱な個人かも知れない。
 だが、壁とは何か。制度なのか、国家権力なのか、イスラエルというその国なのか。何も書いていない。
 例えば、システムという訳を、文字通りシステムと訳すか、制度と訳すかによってまるでその意味するところは違ってしまう。
 そして、此の壁が、制度で有れ国家で有れ、国家権力で有れ、イスラエルにとって、微動だにすることもなく不同の決意を持って、此の国の国是、国家存立の基盤が語られ続けてきた歴史を考えるときに、それを国家元首の前で語ることに、如何なる意味があるのか。如何なる翻意を与えることが出来るのか。甚だ疑問と言わざるを得ない。
 壁をイスラエルのガザに対する攻撃と位置づけるなら、イスラエルに対する、パレスチナのロケット攻撃もまた壁になりうる。その時イスラエルの国民は、また、ひ弱な卵でしかない。
  村上氏が、雄弁であればあるほどにまた、反論も巻き起こる。

 如何なる論争を積み重ねようとも、村上氏が、甘んじて、イスラエルの、国家規模の賞与の授与の栄に浴したことだけが事実として残ってしまう。
 その事への疑問が消せない。
 
 
 
Unknown (maeda thailand)
2009-02-18 22:04:25
comap様 レスありがとうございます。

>ですよね。
>まず嘘つきな小説家というつかみで入ってますんでw

今朝(かな?)主催者側の公式議事録みたいのを懲りずに訳してみて少しだけ進化したかもw。

池田氏の抜粋を訳をしてるときから思っていたのですが、嘘つきな小説家、とか嘘の紡ぎ手という言い方に違和感がありました。

主催者ノートでは「as a professional spinner of lies」とあるように、これは「職業上嘘を許される者達」に意訳した方がいいかもしれません。

(ここから余談)が、それは軍人までですね。それに続く中古車のセールスマンは分かりません(何か個人的なトラブルでしょうか?)が、唐突にでてくる精肉業者や、建設業者の嘘 というのはここ数年の日本で起きた事件を指してるようです。これは実際に発言したかどうかが謎なんですが。

まあ本当の全文が出てくるまで待ちましょうというのが今のスタンスです。
 
 
 
Unknown (maeda Thailand)
2009-02-18 22:11:50
codeblueline様

>むしろ逆に、"no matter how right the wall"とさえ言っている。これは要するに、村上春樹氏自身が、壁=システムの正当性を自覚しているということではないのか?

部分的な引用で失礼します。

たしかにそうです。ただそれは「システム」が暴走(主従が逆転する事態)が起こらないことが前提です。

だからこそ血の通った人間を無条件に支持すると宣言していると受け止めています。通り道のりだけどいつかはこのろくでもないシステムを人々は乗り越えるべきだ。 という意味と理解しています。


 
 
 
全文訳と心の揺さぶり (ryo-ma)
2009-02-18 23:19:38
全文がでていたので、訳してみました。
http://ameblo.jp/fwic7889/entry-10210795708.html

村上春樹氏の文章は、英語だろうと日本語だろうと心を揺さぶってくる「何か」があるように思います。

今回のスピーチを訳していても揺さぶられるのですが、それが何なのかが分からないのです。目の前にあるのにつかめない、不思議な文体です。
 
 
 
Unknown (comap)
2009-02-19 01:03:36
ryo-noさんの全訳、なんだ抜粋訳って全然意味捉えてないのかとビビりつつ読みました(笑
自分、かなり誤解してたかと申し訳ない気に成りつつ後半に入っったところ、ん〜、やっぱり同じことかと思ったのがこの一文。

>私が今日皆さんのもとに持ってくることができればと思っているものは、たった一つだけです。私たちは皆、国家や民族や宗教を越えた、独立した人間という存在なのです。

これが無理だからこその話なんじゃないですかと? いや、無理じゃないんだ、文学はそれを可能にする何かだ、となるのか? 文学関係無しで言わせて貰えば、そりぁ無理ありますぜ、だと思います。村上さんやはり超越してます。
 
 
 
イスラエルで魂を語る (カトキチさん)
2009-02-19 06:03:59
(全訳より)
>私たちは皆それぞれが、生きた魂を実体として持っているのです
>私たちが少しでも勝てる希望があるとすれば、それは皆が(自分も他人もが)持つ魂が、かけがえのない、とり替えることができないものであると信じ、そしてその魂を一つにあわせたときの暖かさによってもたらされるものであると信じています。

と、イスラエルで自前の教義を開陳することで、

>フィクションを創り出すことによってこそ、真実はその姿を現すのではないか

宗教はフィクションだと表現されたとか。
 
 
 
訂正 (comap)
2009-02-19 07:18:07
自分の前レス↑

誤→抜粋訳って全然意味捉えてないのかと
正→抜粋英文

でした。
翻訳の問題では全くないですよね。
申し訳ありません。
 
 
 
no matter how right the wall or how wrong the egg (Taro)
2009-02-19 09:06:30
no matter how right the wall or how wrong the egg

高く冷たい壁に激突して卵が粉砕するときに、「壁の方が間違っている」という主張は成り立たないからですよ。壁は価値判断を支配する壁でもある。それは、卵自身の価値判断にも浸食してくる。

だから、no matter how right the wall or how wrong the eggといって、価値判断自体を無意味なものとみなして、卵の側に立つわけでしょう。

壁が正しくても、卵が間違っていても、構わないのです。そんなことを乗り越えて卵の側に立つことに意味がある。そう言っているのだと思います。
 
 
 
経済学の教科書からみると (迎 秀昌)
2009-02-19 09:58:11
こうした紛争なり対立では、コースの定理やナッシュ均衡などの見方もあってよいと思います。

法律家や宗教家など正邪を言い募っていても埒が明きませんし、ゲーム理論で言えば悪い均衡に陥ってしまいます。

例えば紛争は利害関係当事者の数が増えるほど、公害の事件のように解決が困難になります。
離婚や遺産相続となれば、外野がけしかけるのでまとまるものもまとまらず、犬も食いません。

パレスチナ問題の経緯をほとんど知りませんが、少なくとも当事者双方の側で、それぞれの集団を代表して交渉に当たれる人物が、狂信的な者による暗殺やピンポイントによる爆撃などで死亡することはマイナスでしょう。

少なくとも日本国憲法第九条を紛争地で唱えるなどということを真面目に言う政治家をもつ国からは、あまり偉そうに外野から感情的なコメントをいうのは控えるべきなのかと思ったりします。
 
 
 
中野翠 (kis784)
2009-02-19 10:17:51
>村上氏が、雄弁であればあるほどにまた、反論も巻き起こる。

かつて中野翠が村上氏を
「どこを突かれても痛くないように全身理論武装している小説家」
と評したのが言い得て妙です。
 
 
 
Unknown (maeda Thailand)
2009-02-19 12:19:54
HAARETZのスピーチ原稿(草稿?)に共同通信社の記者がテープを元に補完した全文と和訳です。今現在で、村上氏が「話したこと」に一番近いように思います。

http://www.47news.jp/47topics/e/93880.php

ご参考まで
 
 
 
Unknown (comap)
2009-02-19 22:46:11
>この暗喩が何を意味するのでしょうか?いくつかの場合、それはあまりに単純で明白です。爆弾、戦車、ロケット弾、白リン弾は高い壁です。(村上スピーチ全文翻訳から抜粋)

自らが提起した「壁と卵」の暗喩の具現として今回のイスラエルの軍事問題があるともこのようにきっぱり言ってるわけですから、同じテーブルで「個人は国家を超越する存在」とも定義(無条件の前提)する論旨は無理があるというか、矛盾、成り立ちようがない、と思います。「個人を超える国家の問題」以外の視点が見出せないからこそそこに「存在の苦」があると捉えざるをえない局面、テーブルはそのど真ん中に位置します。

村上さんは、「嘘と真実」「壁と卵」といった観念上の二項対立と「国家と個人」という現実の対立関係は同じ性質のものだと本当に信じてる(れる)のでしょうか? そして世界もそれを無条件で信じろと?(汗
村上さんが語るところ、暗喩としての「壁と卵」の力関係の設定(壁>卵)と、現実の「国家と個人」の力関係(国家<個人)の両極とも言えるギャップを彼はどう論理付けするのでしょう? 少なくてもそれを埋める具体的プロセスというものが見出し得るからこそ言うのだろうと問われますね。 

 
 
 
この国の水準 (のぼる)
2009-02-20 01:21:09
マスコミが誤解を平然と,そして正義のように報道した事実.社説にさえ公然と曲解を述べる.いや,どうしたことだろうと憂えるしか方法はないのだろうか?

このブログのコメントにも違和感を感じること内容が多数ある.シンプルな,日本人の語った英語なのだから,少なくとも全文をもう一度読み直せと言いたい.

どうして彼のメッセージが正しく伝わる気配が無いのだろうか?数年のタイムラグが必要なのか?

本当にどうしたのだろうと嘆かずには居られない.大丈夫かみんな?
 
 
 
Re のぼる様 (comap)
2009-02-20 11:16:22
村上スピーチが観念上の暗喩に現実をあてながら、具体的国家問題と個人の関係を一切論理立て出来そうもないという事実をどう見るのですか? 自分はそれでも村上さんに最大好意的に聞くなら、「我々は無条件で個人の側に立つべきなのだ、なぜならそれは国家以上の存在なのだから」と言い続けようじゃないないか、ということなのか?そのぐらいです。
 
 
 
なぜそんなに (Taro)
2009-02-21 09:24:36
こねくり回して解釈する必要があるのでしょう。
彼は、壁と卵の比喩を用いると同時に、

It is we who created the system.とも言って、To fight the wall, we must join our souls together for warmth, strength.と言っています。

二元論的対立を絶対的なものとみなしているわけでもなければ、卵と壁との関係が相補的であったり、相互に入れ替わり得る関係であることを認めた上で、壁の限界を乗り越える可能性を示唆しているのでしょう。それだけのことを言っているに過ぎないが、それだけのことはちゃんと言っている、のです。
 
 
 
Re Taro様 (comap)
2009-02-21 15:43:35
>なぜそんなに
>こねくり回して解釈する必要があるのでしょう。

そこをよく考えなければスピーチの本質が掴めないからではないでしょうか。あまりに即座に感動し始める人が多かったw

村上さんは言葉を拡張する基盤として観念的な二項対立に強く依存しており、これに関しては単純な手法というべきです。「壁と卵」は直接現実の「国家と個人」にかぶさります。善悪の価値基準も無く入れ替え可能であると何気に決まっちゃってるかの暗喩側の定義に沿って、現実側もそうなると持っていくマジックを実現しようとしてるのです。これだけだと単純過ぎると思われたのか、さらに全体に「嘘と真実」というもう一枠かぶせることで内側で成される主のマジックの単純さを見えにくくしているのです。

そして外側にベールのようにある機能はメビウスの輪的に内側のマジックに連鎖してもいます。「嘘と真実」の対立関係も小説家(システムと戦う個人)と政治家(システムに従事する者)という現実側に当てられており、「壁と卵」に暗喩同士で連携できるのです。ただしこちらは入れ替え可能とはしておらず小説家の特権が定義されている。しかし、いわゆる嘘か本当かわかりませんよ的な機能で拡張もできるのです(これはアイデアだったかもしれません)w

一種類の二項対立を核に連続的に論を膨らませていくのではなく、意味の近似するそれらのセットを立体的に上手く組み立てているのです。村上さんの文学について知識がないのですが、もしかしたら関係あるのでしょうか?(・・;
 
 
 
相手あるスピーチなのでは (nav)
2009-02-23 00:13:55
文学者だから比喩的、文学的表現で発言することが使命であるが、あまりに抽象的過ぎて相手に伝わらなくては意味がないし、これはスピーチなのだからそれほど複雑あいまいにしないと思う。
そして伝えたい相手とは、出席することで面することができるイスラエルのお偉方が主である。でなければ、つまり両陣営とか世界の人々相手なら、受賞するにせよしないにせよメッセージをどこかに載せて発すればよかった。

村上氏は、過去イスラエルの人々(あなた達)は壁に囲まれた卵だったが、今はアメリカを頂点とする国際的な軍事及び経済システムに依って壁(システム)を構築する側にあり(実際に壁を作って)、そして卵から鳥に成長し壁を越えて(国連平和的なバランスを超えて)空爆する側になっている。だから私(村上氏)は卵の側に立ち、壁でありかつて壁に立ち向かった卵であったこともあるあなた達にここで自重を促したい、あるいは今後文学という手段で促すかもしれない。と発言したと捉えています。

またご本人が意図しているか解らないが、似たように壁(世界システムの強者)と卵(途上の弱者)の両方の強みと痛みを知っている日本人として聞き入れてもらえないか、とも聞き取れます。(実際はユダヤの方が深いかもしれないし、日本が痛みを知る故に相手を慮っているとはいい切れませんが、勝手な拡大解釈として)
 
 
 
追記 (nav)
2009-02-23 00:29:16
一文学者でしかない卵である自分が、国家(壁)に対しての発言という構造も、出席して発言するというスタンスに含めていますね。

池田さんや皆もそこが感動的ですよね。
 
 
 
感動? (のぼる)
2009-03-01 02:46:39
>> 池田さんや皆もそこが感動的ですよね。

最初のダイジェスト版スピーチからは真意は分からなかったはずなのに,感動コメントが続出したんですから,怖いですよ.

自分はテレビを全く観ないのですが,世間的にはこの事件はどういう扱いになったのか気になります.
 
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