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メルケルの苦境は民主世界の危機の始まり

2017-11-19 13:24:23 | ニュース
たまには真面目な問題について、日本から遠い国で起こっている心配なことについて論じてみたい。

世界中の目がトランプ大統領のアジア訪問に向いている間に、連邦議会選挙で与党が大幅に議席を減らしたドイツの連立協議が難航し、いまだに連立政権の骨格が決まらずメルケル首相が苦境に立たされている。ドイツ政界の混乱は長期的に見てドイツ国内問題を越えて世界にとって深刻であると私は憂慮する。

全ては2015年の難民100万人(正しくは90万人?)受け入れ決断から始まった。世界中が称賛したこの決定の後、メルケル首相は急速に支持率を下げ、9月の連邦議会選挙で大敗し第一党の位置をかろうじて保った。選挙後難民受入れ政策の誤りを認め20万人に減らした(それでも他国と比べれば多いと思うが)。

連立政権からドイツ社会民主党(SPD)が離脱を決め、自由民主党(FPD)及び緑の党と連立協議を開始した。報道では両党はSPDより更に遠い「右と左」で、難民受け入れ・欧州統合政策などが相反する両党に挟まれ調整が難航している。水と油みたいな組合せの連立では難しい、再選挙になる可能性もあるという。

その間にもCOP23や仏大統領の欧州統合化提言など政治日程は進み、国内政治の土台がしっかりしないメルケル首相のリーダーシップの衰えが同時進行しているようだ。同時に中東欧で大衆迎合するポピュリズムに乗って右派政権が台頭し、今まで難民受け入れに理解を示した親メルケル政権にとってかわった。

こうしてメルケル首相は国内外のポピュリズムに包囲されつつある。米国のトランプ現象だけではなく、ポピュリズムが世界地図を書き換えつつある。勿論、現下のグローバリゼーションに乗った米国IT企業に富が集中し格差が拡大、民主主義システムの富の配分の失敗と失望というのも重要な要因だ。

これが私が危機感を覚える理由だ。自由な民主主義を守る警察官の役割を降り自国第一のトランプ大統領下の米国の相対的影響力低下が続く中、中国マネーになびく国が増えている。それらの多くはお金が欲しい強権国だ。大戦後のパックスアメリカーナの下で民主主義国が増えたが、今逆行している様に感じる。

ポピュリズムの最後の防波堤としてメルケル首相に期待する向きがあった。が、ここに来てメルケル首相の失速は即EUの弱体化であり、即ちEU統合からの後退の危機の始まりと恐れる。私は昨年トランプ大統領が誕生した時、次世代の世界のリーダー候補としてメルケル首相をとりあげ、軍事力を背景にしない国のリーダーを難しさを論じた。

しかし、その時は難民問題で国内の政治基盤が脆弱になるとは予想しなかった。国内のポピュリズムに足元をすくわれる事態となった。私はこの後の展開を悲観的に見る。連立政権の生みの苦しみは10年以上続いたメルケル政権の終わりの始まりだと予想する。そうなれば、世界の民主主義が待ち受ける試練となるだろう。

この危機の救いを求めるとしたらそれは米国しかないと私は考える。最近の米国から流れて来るのはロシアゲート、銃撃事件、オピオイド(薬物)問題、そしてセクハラ事件と内向きなニュースばかりだ。ブッシュ父大統領など何十年も前のセクハラまで蒸し返され大騒ぎしている。だが、バカ騒ぎにうんざりして正気に戻り立ち直る時がいつか来る。米国の復元力は凄い。問題はそれがいつ来るかだ。■
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