かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

2周回遅れのダボス会議評

2018-01-31 18:18:27 | ニュース
世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で「米国第一主義」を唱えるトランプ大統領に対し、グローバル化を推進する欧州やインドが一斉に自由貿易と多国間協力を主張して包囲網を築いたと報じられた。日本経済新聞の菅野幹雄氏は加えて「かすむ日本」と評し存在感のなさを指摘した。このコメントは表面的で失望した。

ダボス会議に参加する人達は‘ダボス人’と言われ、グローバリゼーションで成功したエリート達だ。彼等は先進国や急成長中の新興国のリーダーである。一方で成功から取り残され利益の配分を得られなかった人達が隠れた主役だ。その格差は今も拡大を続けており、テロやポピュリズムの源泉になっている。

見方を変えると、今回のダボス会議はグローバリゼーションの成功者とポピュリズムの代表(正統性は怪しいがポピュリズムの票で当選した)が相対したと言える。グローバリゼーションの利益配分は本来ダボス会議の最大のテーマであり、この数年ダボス会議は問題を正しく捉えて答えを出せなかった。中でもロイターのコメンテーターはダボス会議は今回も筋違いの議論をして的外れの結論を出したと酷評した。

私は日本経済新聞の物事を現実的に捉え大局を外さない報道姿勢を高く評価する。だが、今回の菅野氏のダボス会議論評は本質を捉えていない、バスに乗り遅れるな的な「ありがちな内容」だと感じた。存在感のない日本を残念に思う気持ちが勝って的を外したのだろうか。世界の著名人が集まって議論を戦わすあの「ダボス会議」という名前に負けて正しく評価できてないと考える。

しかし、それはまだ1周遅れだ。その他の主要メディアは悲惨なばかりに問題意識がない。というか分かっていない。今日のニュース番組でも大相撲のゴタゴタを最重要な出来事として根掘り葉掘り伝えていた。今日はトランプ大統領の年頭の一般教書演説があり、今後1年間の施政方針を示し予想される日本への影響を報じる為かと思ったが、そうでもなかった。もう救いようがない。

マスコミは2周遅れと指摘しようと思ったが、現実には姿が見えないので何週遅れているか分からない。ダボス会議で日本はかすんでいたと菅野氏は指摘したが、日本のテレビ報道はかすむどころか存在してなかったようだ。世界のメディアと連携できるほどの力量が無いと自らギブアップしたとしたら寂しい。■

【注】ダボスの舌戦 かすむ日本(日本経済新聞 菅野幹雄)
   2周遅れのダボス会議批評(Rueters Peter Thal Larsen and Rob Cox)

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 政治の「神は細部に宿る」だ... | トップ | 働き方改革は子供の運動会で... »

コメントを投稿

ニュース」カテゴリの最新記事