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仮説:ポピュリズムの分岐点

2017-05-18 11:10:10 | ニュース
フランスは中道のマクロン氏を大統領に選び、ドイツ最大州の議会選挙ではメルケル首相を擁する与党が勝利した。他のEU各国でも極右政党に一時ほどの勢いがなくなった模様だ。EUは伝統的な保守・リベラル政党のエリートが仕切る政治の継続を選んだ。英米が仕掛けたポピュリズムの波による秩序の崩壊を拒否し、欧州はより安定志向が徐々に広まっている様だ。

一方、トランプ大統領を選んだ米国は、先週コミー元FBI長官を罷免し混乱に一層拍車がかかった様に感じる。深刻なのはトランプ大統領の振る舞いを不適切とみる米政府内からの内部告発がここに来て頻発し、それを大手メディアが報じて対立が深まっていることだ。大統領就任直後から第4の権力メディアを敵に回し、次に政府内部の身内まで敵に回し内部告発が出ると危険だと以前投稿した通りのシナリオになってきた。

共にポピュリズムの勢いが広がった欧州と米国で何故このような決定的な違いが生じたのか、例によって偏見を恐れず大胆な仮説を考えてみたい。

グローバリゼーションの結果、先進国では貧富の格差が広がった。そのしわ寄せが極端な形で現れたのが、欧州では若者世代の高い失業率、米国では製造業労働者の生活苦・不満という形で表れた。欧州には元々階級社会の残滓が残る中で急激な難民流入、一方米国は世界市場で富裕階級のみが益々豊かになり格差が広がった。これらの要因が絡み合い、米国発のポピュリズムはより中下層労働者に偏たり亀裂が深まった。

不遜な言い方で申し訳ないけど、結果として同じポピュリズムといっても欧州の方が分断がゆるく両岸に知性が残されていた。少しでも(!)知性が残っている限りトランプのような無茶苦茶な人間を大統領に選ぶことはなかった。米国人の中にも知性のある人は恥ずかしくて表立っては言えない所謂「トランプ隠し」をした。換言すると米国ではワシントンに代表されるエリートに対し、余りにも「怒り」が強い人が多かったと言える。

欧州人が冷静になれたのはトランプ大統領の米国を「他山の石」としたこともあると思う。マクロン大統領は政治的には傍流だが、ヒラリーほど著名ではなくともエリート中のエリートだった。それでもマクロンだったのは怒りを抑えて混乱より「安定した生活」を優先したということだ。欧州でも格差が広がっているが米国の超が付くほどの格差ではない。ただ、米国の富裕層が不正をしたというのではなく、世界でビジネスをして富を得たからなのだが。

再度不遜な言い方をするが、社会を知性の有る無しで線を引きそこを境にして権力争いをやるのは極めて危険だ。時に境界線は流動的だ。そして誰の票でも1票は1票、知性の程度に応じて割引されるわけではない。そこに民主主義の落とし穴があると感じる。他にも同じような問題はある。我が国でこの種の最大の問題はシニア民主主義ではないだろうか。だと言って、民主主義に変わるシステムは思いつかない。■
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海外
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