ポポロ通信舎

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生涯青春学習 96歳大学生

2017年04月12日 | 研究・書籍
「やりたいことは、。まだまだある。」
『96歳の大学生』歌川豊國著(PHP研究所)を読む。
本書は2000年2月の発行。
残念ながら著者の歌川さんは大学在学中2000年11月97歳で他界された。
歌川さんの本職は浮世絵師。歌川派6代目。
1903(明治36)年生まれ。高等小学校を卒業してすぐに実社会に入った。
93歳で大阪府立桃谷高校定時制に入学、そして96歳で近畿大学法学部に進む。
目標は大学院進学だった。勉学の目的は、これまで歩んできた実体験を文献に残すため。それには高度な教育を身につけたいと願ってのことだった。
人間誰もが人生に目標を持ち、お迎えがくるその瞬間まで勉強し努力するということの意義を歌川さんは身をもって示していた。「漫然と生きるな」とも。
 
絵師としての“数学”
 
数学では「0」ゼロは無い数ですが、絵師としては「0」は境界として有る数。物と物、色と色の両方の起点の役割、0の左に1を加えれば10と絵師は解釈する・・
マイナスとマイナスを掛けてプラスになるというのも体で理解できない。相場で損に損を重ねれば「大損」、それがなぜプラスになるのか・・
疑問を持つことはエネルギーのもと。新しさを求め、自己の未完成さを知る。
享年97歳の大学生。
学習に向かい続けた歌川さんの情熱には深く敬服いたします。
 
余談ですが、歌川さんが学んでいた近畿大は、昨年から英語名を「Kinki」から「Kindai」に変更し「Kindai University」に。これまでのKinkiはKinky(変態)と似た発音のため海外で怪訝に思われることもあったからだとか
 

【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔
 
 
96歳の大学生―やりたいことは、まだまだある。
歌川豊國 著(浮世絵師6代目)
PHP研究所
 
 

【近大発アイドル】KINDAI GIRLS 『青春 × 青春』

 
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