さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 トロイ

2012年11月09日 | 海外旅行
トロイの遺跡は、ホメロスの叙事詩「イリアス」に描かれたトロイ戦争の舞台となった伝説の地です。トルコ旅行でも欠かせない訪問地になっていますが、遺跡自体の保存状態は悪く、見どころが少ないという問題点もあります。

トロイの遺跡での最大の見どころが、このトロイの木馬であるのは、ちょっと残念なことです。

このトロイの木馬も、もう少しうまく作ってくれたらなという気もします。



木馬の内部には、階段で上がることができます。



木馬の内部は二層になっており、これは上段の小部屋です。

トロイア戦争において、ギリシア勢の攻撃が手詰まりになってきた時、オデュッセウスが木馬を作って人を潜ませ、それを城内に運び込ませることを提案しました。この計略は成功し、内部から城門を開いてキリシャ軍が城内に突入したことから、トロイは陥落することになりました。



木馬の中から、下を見下ろしたところ。トロイ軍は誰もいないようです。



トロイの街は、興亡を重ねて、9の都市の遺跡が重なっています。トロイ戦争は、第6市の時代に起きたとのことです。



遺跡内に進みます。



南東塔と城壁



東門

第6市の時代のものなので、パリスやヘレナもここを歩いたのでしょうか。



高台にはアテナ神殿の土台が残されています。



アテナ神殿跡からは、ダーダネルス海峡を望むことができました。昔は、海辺は街の近くに迫っていたようです。



アテナ神殿の土台には、由緒ありげな亀が歩いていました。

ギリシャ神話における亀にまつわる伝説としては次のようなものがあります。ヘルメスは亀の甲羅に弦を張って竪琴を造りました。ヘルメスの演奏を聞いたアポロンは竪琴を譲ってもらい、後にオルフェウスに渡されます。最後に、竪琴は天に上って琴座になりました。

もっとも場所がトロイなので、トロイ戦争に参加した英雄アキレスにちなんで、「アキレスと亀」のパラドックスを思い浮かべるべきでしょうか。

私にアキレスの足の速さはありませんが、のんびり歩いている亀を簡単に追い越すことができました。



さらに遺跡を進んでいきます。





屋根で保護された壁の跡です。



異なる時代の層が重なっているのが判ります。





第1市の住居跡



この発掘現場では、各年代の層が重なっていることを示しています。



第6市の城壁と石畳になった坂道。木馬は、この坂道を上って、運びいれたのでしょうか。







聖域。トロイ第8市のもので、トロイにおける最初のギリシャ人都市です。



オデオン(音楽堂)。ローマ時代の第9市のものです。



説明を聞きながら歩いても1時間ほどで遺跡を一周することができました。



ドイツ人考古学者シュリーマンは、幼少の頃に読んだホメーロスの「イーリアス」に感動してトロイア発掘を志し、当時は伝説と考えられていたトロイアが実在することを発掘によって証明したことで知られています。子供向けの伝記本などによって、シュリーマンの業績は、このように知られていますが、実際の評判はあまり良くないようです。

当時の遺跡の発掘技法は確立されていなかったこともありますが、シュリーマンは、古代文明を解明する考古学者というよりは、トレジャー・ハンターであり、宝探しで遺跡を掘り返してしまったため、現在では、9代の歴史を重ねた都市の姿を解明することが困難になってしまっています。

シュリーマンは、トロイで黄金の財宝を発見し、これを「プリアモス王(イリアスに出てくるトロイの王)の財宝」と名付けましたが、現在では、それより千年以上前のトロイ第2市に関連したものであることが判っています。



シュリーマンは、発見した財宝はヘレナの宝飾品と信じて、妻のソフィアに身に着けさせ、「君は僕の美しいヘレナだ」と言ったといいます。

シュリーマンによって発掘されたこれらの財宝は、無許可でひそやかにドイツに運び出され、ベルリンの博物館で展示されました。第二次大戦中に行方が判らなくなりましたが、モスクワのプーシキン美術館の地下倉庫に移送されおり、現在は同美術館で公開展示されています。

トロイの遺跡は、保存状態が悪く見る物は少ないとはいえ、ギリシャ神話に思いをはせるためにも、トルコ旅行では欠かせない場所と言ってよいでしょう。
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