武闘派法律家の真実ブログ

専門家責任税理士・司法書士が弁護士から損害賠償請求される危険な時代・余り過ぎた弁護士が同じ下位の資格者へ襲いかかる

キーエンス1500億否認は国税は事業承継コンサルタントの極端な相続税の租税回避を排除・さらに高額支払報酬はオーナー相続対策の認定役員賞与課税へ

2016-10-20 08:07:43 | 日記
以下記事転載
2016.8.29 06:00

自社株の相続めぐり銀行が中小企業経営者へ提案の節税策、国税がNO! 追徴課税などを受け国提訴が相次ぐ…
http://www.sankei.com/west/news/160829/wst1608290009-n1.html

 自社株の相続対策に悩む中小企業の経営者が、取引銀行から提案された別会社へ株を売却するなどの「節税策」を実行したところ、税務署に認められずに課税され、国を相手取った訴訟に発展するケースが増えている。国税当局が租税回避行為とみなして厳格に臨んでいるためだ。専門家は、こうした国の判断を認める判例が出てくれば、節税策を提案する銀行や税理士の責任も問われると指摘する。
持ち株会社方式で相続税の節税もくろむ
 〈年商数十億円のA社を経営するBさんは、同社の全株式を所有している。社長職は来年度にも息子に譲ることを決めている。だが、業績は堅調で自社株の評価額が高く、自分の死後に株を相続する息子の相続税負担が心配だ〉
 「団塊の世代」が70歳代に入ったここ数年、こうした株式承継の悩みを抱える中小企業(非上場)経営者が増えている。このため、取引銀行などが会社に「節税策」を提案するケースが多い。
 提案されるのは、Bさんが持ち株会社(P社)を設立したり、既存の別会社を持ち株会社にしたりして、自身がもつ自社株(A社株)をP社へ移すというもの。そうすることで、P社株の評価額(株価)だけを下げておけば、A社株とP社株を相続する場合よりも相続税が節税されるという理屈だ。具体的には、P社は取引銀行から借り入れをし、BさんからA社株を買い取る。国税庁通達はP社とA社を親子関係にしたり、P社の借金が増えたりすれば株式評価額は下がると規定しているため、通達を形式適用した場合のP社の株価は、A社株買い取り前よりも大幅に下がる。
 A社株は相続財産ではなくなったため、息子はBさんの死後、株価が大きく下がったP社株式だけを相続財産として相続税の申告を行うことになる。
国税当局が認めず
 ところが税務訴訟を多く手がける都内の弁護士によると、こうして下落させた株価を国税当局が認めず更正処分(追徴課税)を行うケースが昨年ごろから徐々に増えているという。東京国税不服審判所に審査請求したものの認められず、課税取り消しを求めて国を提訴する事例も出始め、今後の司法の判断が注目される。同弁護士は「富裕層への課税強化の流れから、調査の現場が積極的に執行する方向にかじを切った印象だ」と指摘する
国税庁通達どおりとはいえ、このような株の評価減は相続税を減らす以外に目的がない。このため、「これらのケースでは国税当局が租税回避行為と認定した可能性がある」(資産課税に詳しい税理士)という。
銀行には幾重にもうまみも、責任は税理士へ
 本来は他の株式会社を支配するために、その会社の株式を保有する「持ち株会社方式」を、節税策として提案することは、取引銀行にとっても数々のメリットが生まれる。P社に多額の融資を実行でき利息収入が入るほか、Bさんの手元に残るA社株譲渡代金を生命保険や投資信託などに振り向けさせることで、販売手数料も得られる。
 一方で、税務訴訟に詳しい弁護士は「節税策を否認する国の判断が不服審や訴訟で認められていけば、そうした策を適切な説明なしに提案した銀行の責任も問われるようになる」とクギを刺す。
 また、税務書類の作成や税務相談はたとえ無償でも税理士以外が行うことは禁止されている。このため、銀行側は提案時、経営者に「具体的な税額計算は税理士にご確認を」と言い添えることが大半で、税務に関する最終的な責任は顧問税理士にあるとの立場だ。
銀行提案の節税策が失敗した場合、経営者にリスクを十分に説明しなかったとして、顧問税理士の責任が問われる可能性もある。

2016/09/20 10:04 AM  NEWS
持株会社がまた否認
キーエンスの創業者の株式贈与の否認
http://yo-matsushima.com/news/1103.html
持株会社方式の株価評価が否認される事例が最近多いと聞くが、
具体的に否認された事例が報道された。1500億円以上の申告漏れ、
ということでそれだけ評価額を小さく申告していた可能性もある。
あくまでも報道を見る限りだが、非上場会社に株を持たせ、
類似業種比準方式で評価したものの、株式の保有が大きいため、
類似は実態を反映していない。こんな課税だったと解される。

http://mainichi.jp/articles/20160917/k00/00e/040/295000c
おそらくは、総則6項で否認をしたと思われる。こうなると、
6項に注意と言われるが、その要件は極めてあいまいである。書いてあるのは、

財産評価基本通達6項(この通達の定めにより難い場合の評価)
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。

とあるだけで、その解釈は以下とされている。なお、書いておくべき逐条解説
にはこれよりも短いコメントしかない。

東京地裁平成4年3月11日判決(Z188-6866)
画一的に評価通達に基づいてその不動産の価格を評価すべきものとすると~現実の交換価格によつてその価額を評価した場合に比べて相続税の課税価格に著しい差を生じ、実質的な租税負担の公平という観点からして看過し難い事態を招来することとなる場合があるものというべきであり、そのような場合には、評価通達によらないことが相当と認められる特別の事情がある場合に該当するものとして~現実の交換価格によつて評価することが許されるとするのが相当である。

特別の事情が分からないから困るのだが、特別の事情が要件とされている。
いろいろと適用された事例はあるようだが、よくある例としては、相続や贈与により取得した時期と近似した時期に取引があるケース。この場合、評価通達ではなく、その取引金額が妥当だろ、という課税処分が多くなされているようだ。
その一方で、以前あったトステムの事案では、監査法人に鑑定を
国税庁が依頼して、その金額で処分したようだ。監査法人のバリュエーションは通達にそもそも依拠していないので、前提から間違っている気がして
ならないが。
http://blogos.com/article/100815/
こんな状況がまかり通るのはいかがなものかと思うが、所詮は
立法論の世界。法律や通達が悪い、といくら言っても、通達がある以上はそうせざるを得ませんよ(調査官)、立法判断や行政判断にはタッチしたくありません(裁判所)と言って、状況は一向に改善されないだろう。
残された方法は、OBを使った圧力か、若しくは出国税を覚悟しての国外逃亡か。いずれにしても、租税法律主義を逸脱したやり方で、決して望ましくはなく、ただただ情けない結論であるが。

相続税対策 | 資産運用など | 相続税用語集
2016/09/22
Category:相続税対策
キーエンス創業家相続税対策に失敗、株式贈与1500億円申告漏れ
キーエンス創業家が資産管理会社(持株会社)を利用して相続税対策のために株式の贈与を行ったが、国税はキーエンス創業家の相続税対策を認めず1500億円の申告漏れを指摘しました。
またしても資産管理会社(持株会社)を利用した相続税対策を国税が認めないとする報道がなされました。
2016年8月29日の産経新聞において、銀行が提案した自社株対策を国税が認めず訴訟になっている事例が多発しているとの報道があったばかりでした。
これについては、2016年9月5日付の税理士長嶋の相続税対策参考ブログ「銀行が主導した自社株の相続税対策が国税から否認され訴訟に」において詳しくご紹介しています。
このような報道が続いていることを考えると、自社株の相続税対策に資産管理会社(持株会社)や一般社団法人を利用することは、税務リスクが相当高くなっていると税理士長嶋は感じます。
国税が本気になっていることが伝わってきますので、今後の自社株の相続税対策には相当の注意が必要でしょう。

キーエンス創業家の報道から読み取れることは、次の2つです。
(1)キーエンス創業家は相続時精算課税制度を利用して株式贈与を行った可能性が高い
(2)国税がキーエンス創業家の相続税対策を認めなかった根拠が「財産評価基本通達第6項」の可能性が高い
(産経新聞:2016年9月17日)
キーエンス創業家、1500億円申告漏れ 株贈与、300億円追徴課税 大阪国税、資産管理会社の評価減認めず
http://www.sankei.com/west/news/160917/wst1609170046-n1.html
センサーや計測機器の大手メーカー「キーエンス」(大阪市東淀川区、東証1部)の創業者、滝崎武光名誉会長(71)の親族が大阪国税局の税務調査を受け、同社株を保有する資産管理会社の株式の贈与をめぐって約1500億円の申告漏れを指摘されたことが17日分かった。
過少申告加算税を含めた贈与税の追徴税額は約300億円。

キーエンスの筆頭株主は創業者の資産管理会社、ティ・ティ(大阪府豊中市)で、今年3月現在で発行済み株式総数の17・87%(16日終値で7823億円)を保有する。
関係者によると、滝崎氏らはティ・ティの経営にかかわる別会社を設立し、別会社の株式を親族に贈与。親族は、法人を親子関係にすると株式評価額が下がると規定する国税庁通達に沿って贈与税の申告を行った。これに対し、国税局は通達の形式適用を認めず、申告された別会社の株式評価額が低すぎると認定し、課税したもようだ。滝崎氏は昭和49年にキーエンスの前身となる会社を設立。平成12年まで社長、27年まで会長を務めた。同社の28年3月期の連結売上高は2912億円、最終利益は1056億円。
________________________________________

【キーエンス創業家は相続時精算課税制度を利用して株式の贈与を行った可能性が高い】この新聞報道から感じたことは、追徴された贈与税があまりにも小さいということです。親子間の贈与で一定の条件を満たしたときは、平成27年以降、贈与された財産が4500万円を超えると贈与税率は55%です。
1500億円の申告漏れであれば、単純に750億円の贈与税が課税されるはずですが、追徴された贈与税が300億円です。
この状況から考えられることは、相続時精算課税制度を利用して贈与がなされたことが推測できます。
相続時精算課税制度を利用したときの贈与税は、次の算式により計算します。
贈与税=(贈与された財産の価額-2500万円)×20%
単純に1500億円×20%=300億円となり、報道されている追徴税額の300億円と同額であることから、相続時精算課税制度を利用した可能性を推測することができます。
【相続税法における財産評価】
相続税や贈与税の財産評価は、相続税法22条において次のように定められています。
「この章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、その財産の取得の時における時価により、その財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。」

つまり、財産の評価は相続や贈与があったときの時価により評価することが原則となっています。
しかしながら、実務上は「財産評価基本通達」により相続財産を評価することとなっています。
財産評価基本通達において財産の評価の原則及びその具体的評価方法等を定めることになったのは、次のような理由からです。
・相続税等の課税対象となる財産は多種多様であること
・財産の評価は必ずしも容易ではないこと

財産評価基本通達を定めることで、国税内部の財産の評価に関する取扱いを統一し、課税の適正化・公平化を図ることを目的とされています。

ところが、キーエンス創業家は国税が定めた財産評価基本通達の通りに財産の評価をして贈与税の申告・納税をしたが、国税はそれを認めず1500億円の申告漏れを指摘しました。
その理由は「財産評価基本通達第6項」にあると考えられます。
【財産評価基本通達第6項の趣旨】
財産評価基本通達第6項には次のような定めがあります。
「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。 」

国税がなぜ財産評価基本通達第6項を適用したのか。
それを理解するには、そもそもの話として財産評価基本通達が定められた趣旨を理解しなければならないでしょう。

現在の財産評価基本通達は平成3年に定められたもので、それ以前は次の2つが相続税・贈与税の財産評価の基準とされていました。
・昭和39年「財産評価基本通達」
・国税庁長官通達「相続税財産評価に関する基本通達」

現在の財産評価基本通達が定められた平成3年はバブル経済崩壊直後であり、地価の急激な下落がみられたように社会経済情勢の変化に財産評価基本通達が対応できなかった歴史的な事実があります。
また、その当時、取引相場のない株式の評価など財産評価基本通達の隙間を利用した相続税の回避事例なども見られました。
そのため、財産評価基本通達に定める評価方法を形式的に適用することは、その財産の時価と大きく乖離した結果を招くこととなり、課税の公平を著しく欠くケースが生じることも考えられます。

このようなことから、財産評価基本通達は税法ではなく、あくまでも国税職員のみを拘束する内部文書として存在する「通達」であり、財産評価の方法として単に一般的な基準として定めているに過ぎず、このような著しく不適当な状況が発生することを前提としているからこそ、個々の財産の状況に応じた適正な時価の評価を行うことができるように「財産評価基本通達第6項」を定めているものと考えられます。
財産評価基本通達第6項は、財産評価基本通達に定める個別の評価方法により財産を評価した価額と、相続税法第22条に規定する「時価」との間に著しい乖離があると認められる場合には「著しく不適当」と認め、財産評価の大原則である相続税法第22条に定める「時価」により財産評価を行うとする趣旨と考えられます。
【財産評価基本通達により評価した価額が「著しく不適当」であるとされる事例】
では、財産評価基本通達で評価した価額が「著しく不適当」であると認められる事例とは、どのような事例なのでしょうか。
大きく次の2つに分けることができます。
・財産評価基本通達の定めによる評価方法が社会経済情勢等の著しい変化に対応できていない場合
・一般的な財産評価の基準を定めているに過ぎない財産評価基本通達が法的効力を有するとして財産評価基本通達を適用して財産の評価を行い、相続税や贈与税の租税回避を行っている場合
特に、相続税や贈与税の租税回避を行うことを目的としている場合において、財産評価基本通達により評価した価額が正当な価額であると国税を認めさせるためには、次のような点を総合的に検討する必要があるでしょう。
(1)財産評価基本通達に定める評価額と相続税法第22条に規定する時価との間に著しい乖離があるかどうか
(2)被相続人や贈与者が行った行為の背景や事情から、その実行した行為について経済的合理性があるかどうか。
(3)被相続人や贈与者が行った行為により、相続税や贈与税の税負担の公平性を保てるかどうか。
(4)相続税法の立法趣旨である富の再分配機能に反していないか。
(5)財産評価基本通達の趣旨である客観的交換価格(時価)をできるだけ簡単な方法で的確に算定することができるかどうか。
(6)財産評価基本通達に定められている方法以外の評価方法が、相続税法第22条に定める時価と比べて合理的な方法かどうか。

キーエンス創業家の贈与税について国税が申告漏れを指摘した理由は、税理士長嶋個人的には上記(2)の経済的合理性があるかどうかが大きなポイントになったのではないかと感じます。
・キーエンス創業家の資産管理会社「ティ・ティ」の株式を現物出資して、別会社を設立する合理的な理由があったかどうか
・別会社の株式を親族に贈与する合理的な理由があったかどうか
・資産管理会社「ティ・ティ」の株を直接親族に贈与する場合に比べて、財産の評価額に大きな乖離があったのかどうか

単に相続税を逃れるためだけに別会社を設立し、その別会社の株式を親族に贈与したとすれば、それは資産管理会社「ティ・ティ」の株式を親族に贈与したのと同じであると指摘されても文句は言えないでしょう。
【なぜキーエンス創業家は素人のような相続税対策を実行してしまったのか?】
税理士長嶋の個人的な感想ですが、なぜキーエンス創業家はこんな素人のような相続税対策を実行してしまったのでしょうか。
当然のことながら顧問税理士や顧問弁護士がいるはずですが、なぜ彼らは止めようとしなかったのか。
資産管理会社を利用した自社株の相続税対策を国税が認めなかったのは、キーエンス創業家が初めてではありません。
記憶に新しいところでは、2014年12月にトステム創業家が110億円の申告漏れを指摘され、相続税60億円の追徴課税を受けており、これも当時新聞報道がなされました。
これについて2014年12月24日付の税理士長嶋の相続税対策ブログ「トステム創業家110億円申告漏れ、相続税60億円追徴課税」においてご紹介しています。

なぜ顧問税理士や顧問弁護士はトステム創業家の過去の失敗事例から学ぼうとしなかったのでしょうか?


税理士長嶋はいつも指摘することですが、上場企業オーナーにおいてこのような新聞報道がなされることで大きな痛手になるのは、創業家の名前に傷が付いてしまうことです。
このような結末が予測されるのであれば、素人のような相続税対策を実行せず、素直に税金を払ったほうがまだマシでしょう。
キーエンス創業家の顧問税理士や顧問弁護士は、このリスクを理解していなかったのでしょうか。
【相続税対策参考ブログ】
・持株会社を活用した自社株の相続税対策はうまくいくのか?(2016/08/03)

・オランダなど海外法人節税防止へ、ユニクロ柳井氏どう動く?(2016/07/05)

・相続税対策に持株会社を活用することに限界を感じた(2016/05/18)

・会社経営者の相続税対策が困難を極める3つの理由(2016/04/04)

・自社株の相続税対策に相続時精算課税は意味がない(2015/04/14)

・相続税対策を監査法人に相談したが解決できない(2013/04/26)

・相続税対策に持株会社は意味がない(2012/05/23)

キーエンスの相続時精算課税制度で株価が暴落していたら相続税の破産リスク
http://chester-tax.com/encyclopedia/4597.html相続時精算課税制度 ~値上がりする財産を贈与する~
値上がりしても贈与時の額で
 相続時精算課税制度の持ち戻しに際しては、もう一つ、「時価主義」というルールがあります。たとえば、有価証券を時価100円のときに贈与した場合、持ち戻しの際にそれが時価10万円に高騰していたとしても、1円に急落していたとしても、贈与時の時価10円で評価されるというルールです。
 この時価の差を利用すれば、相続財産を実質的に減らして、相続税をおさえることができます。
 たとえば、親が持っている農地に、将来幹線道路が通る予定だとしましょう。しかしまだ正式発表されておらず、土地の評価額はまださほど上がっていません。
 そこで、これ以上評価額が上がる前に、子にその土地を贈与します。現在の評価額が2000万円ほどの土地なので、相続時精算課税を利用します。
 さて、幹線道路は無事開通し、親子の予想どおり、土地の評価額はぐんと上がりました。
 一方、相続で持ち戻された際は、評価額はもとの時価である低い額で済ませられるのです。
値上がりは確約できない?
 しかし残念ながら、これはロジックが先走りしたテクニックです。
 確実に値上がりする財産ならともかく、そうでない場合、時価がそのままなら問題はありませんが、下落していた場合は、余分な相続税を納めることになります。
 先ほどの幹線道路の例でいえば、「幹線道路計画がとん挫して、上がりかけていた土地の評価額も下がってしまった」というケースです。ですから、本当に確実に値上がりする財産を見極められた場合にだけ、このテクニックの利用をおすすめします。…むずかしいとは思いますが。
 実は、この時価主義は、暦年贈与に相対的なメリットをもたらしています。
 相続時精算課税は、財産の時価の変動によっては、税を余分に払うリスクが常につきまといます。一方、暦年贈与は、その年ごとに税を精算してしまいますから、贈与財産の価値がその後どんなに値上がりしても、税金が増えるリスクがありません。


キーエンス創業家の株式贈与で1500億円申告漏れ。滝崎武光氏といえば日本の超大富豪で高収益企業を作った人物。滝崎家の株式贈与を考察する。
Posted on 2016年9月16日 by okatai
日本の超大富豪の生前贈与をめぐる話。
http://www.okatai.com/blog/2016/09/16/keyence-founder-takizaki-1500-oku-sinkoku-more/
キーエンスの創業者、滝崎武光名誉会長の長男が株式贈与で1500億円を超える申告漏れ
日経新聞によると、キーエンスの創業者、滝崎武光名誉会長の長男が大阪国税局の税務調査を受けたとのこと。

• 創業者の長男は、大阪国税局に、贈与された資産管理会社の株式を巡り1500億円を超える申告漏れを指摘されたことが16日、関係者への取材で分かった
まず読み方ですが、キーエンス創業者は「たきざきたけみつ」氏です。ご存知の方も多いでしょう。日本の超大富豪として有名な方です。
キーエンス創業者の滝崎武光氏について
上記日経新聞によると、滝崎氏は1974年、キーエンス前身のリード電機を設立。2000年まで社長、15年まで代表権を持つ会長を務めた。
• 滝崎氏は1974年、キーエンス前身のリード電機を設立
• 2000年まで社長、15年まで代表権を持つ会長を務めた
この方はガチの金持ちです。昨年の2015年に一線から退きましたが、以前のBloombergによると、その時の個人 資産は72億ドル(約8400億円)で国内4位だったとのこと。

• 個人 資産は72億ドル(約8400億円)で国内4位
おそろしいでほどの大富豪でしょう。
あと、キーエンスという会社。これまたけっこうすごい会社で、高収益企業で有名な会社であります。
そんな高収益企業を作り上げた創業者の株式贈与をめぐる今回の1500億円という巨額の申告漏れ報道。一体どうなっているのでしょうか。
キーエンス創業家の親子間の贈与、追徴税額は過少申告加算税を含め300億円超か
上記日経新聞によると、株式の評価が著しく低いと判断されたといい、追徴税額は過少申告加算税を含め300億円超とのこと。既に全額納付したもようだとのこと。

• 株式の評価が著しく低いと判断されたといい、追徴税額は過少申告加算税を含め300億円超
• 既に全額納付したもよう
株式評価方法が問題だったと。下記がそのスキーム。
キーエンス創業者(名誉会長)の滝崎氏の株式贈与方法について
上記日経新聞によると、滝崎家の資産管理会社「ティ・ティ」はキーエンスの発行済み株式の17%超(約7800億円相当)を保有するとのこと。
滝崎氏らはティ社株を現物出資して新たに非上場の資産管理会社を設立し、数年前、新会社の株式を長男に贈与したとのこと。

• 滝崎家の資産管理会社「ティ・ティ」(非上場、大阪府豊中市)はキーエンスの発行済み株式の17%超(約7800億円相当)を保有
• 滝崎氏らはティ社株を現物出資して新たに非上場の資産管理会社を設立し、数年前、新会社の株式を長男に贈与
これは非常におもしろい話です。要するに、今回のスキームは、この新会社を設立することであったとみていいでしょう。下記でもう少し具体的に見て説明します。
キーエンス創業家の贈与株についての国税庁の見方は
上記日経新聞によると、国税庁は取引相場のない非上場株の評価額は、業種や事業内容が類似する上場企業の株価などを基に算定するよう通達で求めているとのこと。
長男は通達に沿って新会社株を評価したというが、新会社がティ社を通じて大量のキーエンス株を間接保有していることから、国税局は評価が過小だと認定したもようだとのこと。

• 国税庁は取引相場のない非上場株の評価額は、業種や事業内容が類似する上場企業の株価などを基に算定するよう通達で求めている
• 長男は通達に沿って新会社株を評価したという
• 新会社がティ社を通じて大量のキーエンス株を間接保有していることから、国税局は評価が過小だと認定したもよう
滝川家の株式相続をめぐる問題を簡単に整理
ちょっと整理しましょうか。今回のポイントは、滝川名誉会長が、この新会社の株式を長男に贈与している点です。そんでもって、強調しないといけないのは、上記日経新聞によると、この新会社はティ・ティを事実上支配していたという点でしょう。
• 事実上支配
なぜこの点が重要なのか。それは、新会社の事実上の支配下にあったティ・ティという会社は、資産管理会社であり、キーエンス株を17%保有しているからです。下記で結局何をしていたのか書きます。
要するに滝崎武光氏は長男に、通常の時価評価よりも低い評価となる、非上場株式を贈与したということ。大阪国税局はこれを著しく不適当と認めた。
結局今回のポイントは、滝崎家が通常の時価評価よりも低い評価で株式を評価していたと認定された点なわけですが、これがなぜ起こったのか。
日経新聞によると、相続税法は相続や贈与で取得した財産について、時価で評価して申告税額を算出すると規定とのこと。ただ、非上場株式のような取引相場がない資産の価値を通達に従い算定すると、実際より極端に低い評価となる場合もあるとのこと。
このため通達は総則第6項で、規定に基づく評価が「著しく不適当」と認められる場合、国税庁長官の指示で評価を改めることができると定めるとのこと。長男は「類似する上場企業の株価などに基づき算定する」
とした規定に沿って評価したうえで申告したとのこと。しかし、国税局はこの評価額を認めなかったとのこと。

• 相続税法は相続や贈与で取得した財産について、時価で評価して申告税額を算出すると規定
• ただ、非上場株式のような取引相場がない資産の価値を通達に従い算定すると、実際より極端に低い評価となる場合もある
• このため通達は総則第6項で、規定に基づく評価が「著しく不適当」と認められる場合、国税庁長官の指示で評価を改めることができると定める
• 長男は「類似する上場企業の株価などに基づき算定する」とした規定に沿って評価したうえで申告
• しかし、国税局はこの評価額を認めなかった
実質ティ・ティを支配していた新会社。その新会社の株を贈与し、評価していた。そんでもって、この評価の仕方だと、けっこう低く評価できたってことですよ。
滝崎氏と長男の1500億円申告漏れに関するコメント
上記日経新聞によると、日本経済新聞はキーエンスを通じ、滝崎氏と長男に事実関係の確認を求めたが、16日現在で回答はないとのこと。

• 日本経済新聞はキーエンスを通じ、滝崎氏と長男に事実関係の確認を求めたが、16日現在で回答はない

スキームとしては実におもしろいスキームでした。今後創業家からコメントはあるのでしょうか。
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