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司法書士が専門家責任で労働組合潰し会社分割で1000万円損害賠償請求される・紛争性ある民事信託・家族信託での高額成功報酬型・財産比例報酬は非弁行為

2016-10-11 10:12:17 | 日記
福住コンクリート工業事件・大阪高裁判決―濫用的会社分割による労働組合潰しについて元代表者の責任に加え関与した司法書士の責任 を認める
2016年01月15日
http://www.minpokyo.org/journal/2016/01/4372/
弁護士 谷  真介
3 N氏の責任のみを認めた地裁判決と指南・関与した司法書士の責任まで認めた高裁判決
平成27年12月11日の大阪高裁判決(佐村浩之裁判長)は、
司法書士が会社分割に関する豊富な経験を有していたこと、
会社分割登記だけでなく会社分割による財産関係をも把握していたこと、
組合との合理化に絡むトラブルが会社分割の原因であることを認識していたこと、N氏に新福住の社長を紹介したこと、
組合員がすべて新福住に残ることを知っていたこと、
会社分割無効の訴えの期間制限についてN氏に回答したこと等
の間接事実を認定し、そこから司法書士がN氏と共謀して故意で会社分割・組合潰しを示唆したことを認定。過失どころか故意の責任(共同不法行為責任)を認め、司法書士に合計約1000万円の損害賠償を命じたのである。

4 本件の意義
本件は、会社法の分野においても制度の欠陥が指摘され分割会社に残された会社債権者からの詐害行為取消訴訟が頻発するなど問題の多い会社分割制度を利用し、分割会社に組合員を残して分割会社のみ事業閉鎖をし組合員を解雇して組合を壊滅させることにより、従来なされていた偽装閉鎖・解雇と同様の目的を達成する新手の手法に対して、首謀した元代表者N氏の不法行為責任に加えて、これに指南・関与した司法書士の責任まで認められた判決であり、先例的にも意義がある。会社分割制度の問題点について、労働者保護の側面からも警鐘をならすものであり、平成27年5月1日に改正施行された改正会社法でもその点の配慮はなされておらず、この事件をきっかけに立法的解決が必要である。(弁護団は、徳井義幸、谷真介、喜田崇之)



司法書士への報酬返還(損害賠償)請求が現実化する場面
http://www.yageta-law.jp/site_debt/topic/T005.html

~司法書士は安易に本人訴訟支援を行うと将来にわたり大きなリスクを負う~
~すでに司法書士への返還請求を募る弁護士が出現~
~今,司法書士は過払金返還請求を受ける貸金業者に似た状況にある~
上記最高裁判決平成28年6月27日は,司法書士が140万円超の事案について,例え本人名義の交渉であっても報酬を得た場合,不法行為として,その報酬相当額の返還を求めることができると判断し,実質的に,報酬の返還請求を認めました。
では,実際に,司法書士への報酬返還(損害賠償)請求が行われるのはどのような場面でしょうか。
貸金業者への過払金返還請求と同様に,依頼者本人が,次々と,司法書士に報酬の返還を求め始めるということは考えにくく,現時点では,実際に返還請求がされる可能性が高いのは,相続人や破産管財人など本人以外に本人の財産に正当な処分権限を持つ第三者が現れた場合であると考えられます。
形式的な本人名義での交渉,本人訴訟支援業務を行っている司法書士は,依頼者本人との関係だけうまく処理できればよい(本人が了解していれば良い)という前提でそれらを行っていると考えられますが,実際には,依頼者本人との関係だけにはとどまらず,返還請求権を行使できる第三者が現れないようにする必要があり,安易に形式的な本人名義での交渉,本人訴訟支援業務を行うと,将来にわたり,いつ,報酬相当額の返還(損害賠償)請求を受けるか分からないリスクを負うことになります。
また,すでに,広告で,司法書士への報酬返還請求を募る弁護士が現れており,長くグレーゾーンとされてきた金利が否定されたことにより過払金返還請求が広く行われるに至ったように,長くグレーゾーンとされてきた本人名義での交渉・本人訴訟支援の適法性が否定されてことによる司法書士への報酬返還(損害賠償)請求が広く行われる可能性もあります。
‥‥略・・・・
2.相続人による請求
依頼者本人の相続人は,相続権に基づき司法書士に報酬返還(損害賠償)請求をすることができます。
140万円超の事案について報酬を受け取ることは誰との関係でも客観的に違法となるので,依頼者本人は了解・納得していたとしても,それで適法になることはありません。
相続人による請求は,今後,相当数が行われると予想されます。
理由として,まず,前述の通り,相続人は,本人の預金通帳や預金履歴で過去の入出金を把握できるので,司法書士に対する報酬返還請求権の存在を把握しやすい立場にあります。
そして,相続人は,司法書士とは個人的な関係・信頼関係がないので,司法書士に対する報酬返還請求をためらう理由がありません。
また,相続人は,相続人自身に経済的な利益があるか否かで行動するということです。例えば,その司法書士が過払金500万円について20%の100万円の報酬を受け取っている場合,本人は400万円手元に残り満足だったとしても,相続人が重視するのは,司法書士へ支払った100万円を回収できるか(自分のものにできるか)であり,本人の手元に残った400万円ではありません。特に本人が生前に400万円をほとんど使ってしまっていた場合であればなおのことです。100万円もの金額を返してもらえると知れば,多くの相続人は返還請求を選択すると考えられます。相続人にとって,被相続人である本人の手元に当時400万円が残ったことは行動の基準にならず,あくまで,相続人として100万円回収できるかどうかが基準になるのです。
特に相続人が経済的に困窮している場合や,他の相続債務がある場合,報酬返還請求をしない理由はありません。
また,相続問題は,弁護士が関与して財産関係を調査する場合が少なくありません。弁護士が一通り調べて,弁護士が代理して返還請求することは考えられます。
・・・略・・・
専門家は,自己防衛として,違法・不適切なことをしてをいけないのです。
ところが,司法書士が,140万円超の事案について,本人名義での交渉・本人訴訟支援を行い報酬を受領している場合どうでしょう。「行ったことに違法・不適切な点はなにもない」とは言えません。そして,実質的に司法書士が裁量で書類を作成し,貸金業者と交渉したことは,誰よりも依頼者本人が知っています。指示されたとおり書類を作成して,指示された伝言を取り次いだだけという言い訳は通じません。
その不満が正当であるかどうかにかかわらず,不満を抱き,司法書士への信頼を失った依頼者が報酬返還請求をためらう理由はありません。
不満を抱いたことをきっかけに,司法書士の業務についてネットで調べ,今回の最高裁判例に行き当たり,本人が報酬返還請求をすることは十分にありえます。
司法書士への報酬返還(損害賠償)請求権の消滅時効
~損害を知ってから3年~
~損害を知ったことの立証責任は司法書士側にある~
140万円超の事案について司法書士への報酬返還(損害賠償)請求は,いつまでにする必要があるか,いつ消滅時効が成立するでしょうか。
上記最高裁判決平成28年6月27日は,損害賠償責任として,司法書士に報酬相当額の支払を命じています。
損害賠償責任の消滅時効は,加害者及び損害を知ったときから3年で成立します。
業者からの借金の時効は5年,過払金返還請求権の時効は10年であることと比較して,短いように感じる方もいると思います。
しかし,加害者及び損害を知ったときから3年ということは,本人が,損害,すなわち司法書士が違法に報酬を受領したことを知らない限り時効期間は進行しないので,例えば,報酬を支払ってから10年後に,実は違法な報酬であると知った場合,そこから3年で時効が成立するので,報酬を支払った日から13年間時効は成立しないことになるので,知った時期によっては,非常に長期間時効にかからないことになります。
このことは,司法書士にとって,非常に長期間,いつ,本人が損害を知り,あるいは,いつ,相続人や破産管財人が現れて損害を知り,返還請求をしてくるか分からないことを意味します。
しかも,被害をいつ知ったかの立証責任は司法書士側にあります。返還請求を受けたとき,請求してきた本人等が3年以上前に違法な報酬であることを知っていたことの立証は容易ではありません。
このように,140万円超の事案について,司法書士が安易に本人名義の交渉・本人訴訟支援を行うと,その司法書士は,長期間にわたって大きな不安を背負いこむことになります。

返還すべき報酬額と利息
~報酬を支払った日から年5分の法定利息が発生する~
過払金には発生時から年5分の過払金利息(法定利息)が発生しますが,司法書士が依頼者へ返還すべき報酬額には利息(法定利息)は発生するでしょうか。
上記最高裁判決平成28年6月27日によれば,140万円超の事案について司法書士に支払わせることができるのは,不法行為責任に基づく,報酬相当額,すなわち報酬と同額の損害賠償金です。
損害賠償金には,不法行為日から年5分の法定利息が発生します。
消滅時効の起算点は,加害者及び損害を知った日からですが,法定利息は,知った日がいつかにかかわらず,不法行為日からです。
不法行為日は,司法書士に報酬を支払った日です。
仮に200万円の過払金について報酬40万円を支払い,10年後に初めて損害を知って請求した場合,賠償金40万円に10年間の年5分の利息20万円を加えて,合計60万円を請求できることになります。



財産管理でも紛争性が有るなら非弁行為となる。匿名掲示板
懲戒処分にまでは至らなかったが、弁護士会会長から弁護士法72条違反ということで警告書が出されたよ。相続人甲の依頼を受けて受任した認定司法書士が、規則31条1号・2号を根拠に被相続人の遺産分割協議について代理の依頼を受けて、相続人乙の代理人弁護士宛てに相続人甲の意見を説明した通知書を送付し、内容証明郵便で金銭の返還を催告した。 600万円分。
結果の判断としては、そもそも規則31条1号・2号の業務は、司法書士法29条1項1号から定められたものであって、弁護士法72条の規制対象には該当しない。 ただし、最判昭46.7.14及び最判平22.7.20の最高裁判決から、たとえ規則31条1号・2号の業務であったとしても、法定代理権の行使を除いて紛争疑義が具体化・顕在化した場合には、弁護士法72条の規制対象に該当する可能性があることになる。そこで、今回の事案については、600万円の帰属に関して、既に紛争疑義が具体化・顕在化したものと考える余地があるから、 規則31条1号業務に該当するかどうかは疑義がある。
つまり、弁護士法72条違反の可能性が高い。 当該弁護士会会長から指摘されて警告書が送られた時点で、当該司法書士は紛争疑義を認識したので辞任している。 しかし、既に相続人甲から当該司法書士が依頼を受けた時点で、相続人甲には弁護士に依頼するように助言していたことから、 最初の受任時点の段階で紛争疑義が生じることがほぼ不可避である案件であることを忍していたとも思われる。 いずれにしても600万円の返還請求は裁判外和解交渉代理ではないかと評価されるおそれがあるわけだから、 規則31条1号業務であったかどうか疑義があるのは間違いない。 だから処分しまーす、だそうな。 ただ懲戒処分には至ってないようだ。注意勧告で済んでるらしい。ただ、報酬受領の有無はどうなってたのかわからないので、 今後弁護士会会長から法務局長宛てに非弁での懲戒請求が行ったりするのかもしれない。
高額請求報酬は財産比例成功報酬は非弁行為弁護士法72条違反となりえます。代理人でない無権代理の書類作成は之ほど高額で有りません。
和歌山判決最高裁では司法書士の裁判書類作成報酬は5万円と判示しました。
事例
それにしても平成28年6月27日和歌山最高裁判決について、さっそく司法書士業務には影響が出てる。 140万円超の書類作成を今しているんだが、被告の上場某消費者金融会社が連日のように原告本人に最高裁判決のことを言ってきている。 140万円超は司法書士には裁判外和解の代理ができませんが、どうなってますか?としつこい。別の人の事件で控訴されいる案件でも原告本人に対して ずっと連絡しまくって原告本人にネガティブキャンペーンをしている。最高裁判決により、140万円超は司法書士には裁判外和解代理ができないわけだから 、困ったね。同業者でも140万円以下で簡裁提訴して判決もらったけど、被告が控訴して、司法書士の代理権が無くなったところで、原告本人に対して
徹底的に140万円超の最高裁判決について何度も何度も連絡したり書面送付したりされてるケースも聞いた。判決から半月も経たないうちに、消費者金融側は 徹底的に司法書士攻撃し始めてるね。140万円以下であっても控訴されれば最高裁判決で裁判外和解代理権も既にないから、司法書士として直接抗議することもできない。 現場混乱しているな。 まあ最高裁判決のおかげで、140万円以下で簡裁代理権を行使してその後に控訴された場合、司法書士としての訴訟代理権は消滅するけど、 (訴外の)裁判外和解代理権はまだ消滅してませんから抗議します!って方法も使えなくなったしなあ。司法書士が控訴によって代理権が訴訟上も訴訟外も消滅したとたんに、 消費者金融が徹底して攻撃してくる。140万円以下であっても控訴されれば最高裁判決で裁判外和解代理権も既にないから、司法書士として直接抗議することもできない 今までは明らかにこんなことはなかったから、上場会社でも方針変えたのだろうか。平成28年6月27日判決後に受益額説でやれば非弁や弁護士法72条違反の故意犯で懲戒請求と報酬返金になるんだろうし、対応するとすればそこじゃないの


料金のご案内
相談料
• 2時間       9,800円
• 超過1時間毎   +5,800円
尊厳死宣言書、任意後見契約書、死後事務委任契約書作成
• 定型のもの     58,000円より
• 起案を要するもの 98,000円より
• 公証役場手数料その他の実費は別途申し受けます
公正証書遺言
• 遺言書記載相続財産 x 1.2% (5000万円まで)
• 報酬が38万円を下回る場合は、38万円
遺産分割協議書作成
• 調査により確定した相続財産 x 6% (5000万円まで)
• 報酬が118万円を下回る場合は、118万円
遺言執行
• 遺言書記載相続財産 x 6% (5000万円まで)
• 報酬が118万円を下回る場合は、118万円


日沼功行政書士逮捕に関する会長談話
https://www.satsuben.or.jp/info/statement/2008/opi01.html
 2008年(平成20年)10月28日、札幌地方検察庁は日沼功行政書士を弁護士法違反の疑いで逮捕した。この捜査は、札幌弁護士会が、本年4月2日、同人を告発したことを端緒として進められているものである。
 弁護士法第72条は、非弁護士の法律事務の取扱い等を禁止しており、同法77条はこれに違反する者に対して2年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑罰を定めている。弁護士には、厳格な資格要件と職務上の規律が定められ、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命として誠実適正に法律事務を遂行することが求められている。しかるところ、かかる規律に服さない非弁護士が自己の利益のために法律事務に介入した場合には、市民の権利をないがしろにする恐れが大きいことは言うまでもなく、このような被害を防止し、法律秩序を維持することが弁護士法72条の立法趣旨である。本件は、まさに利益相反行為等不適正な法律事務の取扱いにより、関係者の利益が害されたという事案である。 よって、当会は告発人として、捜査機関に対し、さらに厳正な捜査、訴追を求めるとともに、今回の逮捕を機に、非弁護士取り締まりをなお一層強化するほか、自らも弁護士に与えられた使命の重さを再確認し、市民の権利擁護、法律秩序の維持に努めていく所存である。
2008年10月29日
札幌弁護士会 会長 三木正俊


報酬を得て行政書士が行った遺産分割と非弁行為,不法行為の成否2016年03月19日
テーマ:民事訴訟 判例時報2281号で紹介された事例です(東京地裁平成27年7月30日判決)。本件は,行政書士が報酬として約122万円を受け取った遺産分割に関し,行政書士に依頼した依頼人が,行政書士が相続人との間で交渉し,遺産分割業務を行うことは弁護士法に違反する違法無効なものであるとして,支払った報酬全額に加えて,不利な内容で遺産分割を成立させたことによる損害の賠償を求めたというものです。 裁判所の判断としては,将来法的紛争が発生することが予測される状況において書類を作成し,相談に応じて
助言指導し,交渉を行ったという本件行政書士の行為は非弁行為に該当するとして,行政書士に委任した契約は無効であり,支払済みの報酬全額の返還を命じました。また,きちんと相続分を計算して算出したうえで依頼人が取得できるはずであった相続額との差額約120万円についても,行政書士が遺産分割を行ったことにより発生した損害であるとしてその賠償が命じられています

かけだし消費生活相談員、悪戦苦闘。2009-02-07
消費生活センターとは
http://d.hatena.ne.jp/csc3/20090207
ネット広告で登録のある行政書士事務所や探偵事務所に消費者被害救済の依頼をしたが「内容証明を送ってくれただけで、業者からは音沙汰無しだった」「住所地に事務所はありました、との報告だけだった」とセンターに相談する方が多くいます。当然といえば当然。行政書士にはセンターの相談員がする斡旋にあたるような交渉権限はありませんし、探偵事務所は調査が業務です。センターが有する数百万件にも上る全国苦情情報ももちあわせていません。これらのネット広告(HP)に記載された実績にもこちらの客観情報ではありえないようなもの


独自説が良いが、今は専門家責任や140万円超えの無権代理の非弁行為や懲戒請求が厳しい時代なので危機管理意識がないと思われます
家族信託活用マニュアル 単行本 – 2015/12/10
河合 保弘 (著)

5つ星のうち 1.0間違いが多くて実用に耐えない
投稿者 会務嫌い 投稿日 2016/1/6
 著者は、本書で、信託を使えば遺留分減殺請求が防げる旨、繰り返し述べる。

 例えば、「これらは、民法上に遺留分制度が存在している限り、遺言では完璧な対応が不可能な部分です。」「家族信託は、これらの各ステージの悩みに対して、たった1枚の契約書で対応できてしまうのです。」(以上、本書34頁)、「民法上の相続制度の不便で不自由な部分をまったく気にしないで、所有者が自由に家族信託契約をすることができるということは、間違いありません。」(本書41頁)として、読者に、信託が遺留分減殺請求を防げる制度であるとの期待を抱かせる。

 そして、「遺留分対抗型信託」という活用事例を挙げ(本書178頁)、「Cさんが遺留分減殺請求をしてきたとしても、信託法91条に基づく受益権消滅の規定により遺留分減殺請求権が発生しないと主張でき」るという(本書181頁)。

 しかし、学理上、「当然ながら信託が民法上の規定すべてに優越するということにはならない。たとえば、民法上の遺留分の規定に抵触することは許されない」(『信託法【第4版】』(新井誠)91頁)、「後継ぎ遺贈型受益者連続信託も遺留分減殺請求の対象となる」(同書513頁)とされており、信託で遺留分減殺請求を防ぐことはできない。このことは学者の共通認識となっており、例えば、信託に係る遺留分減殺請求について学説を紹介した『成年後見制度―法の理論と実務〔第2版〕』512頁以下を読めば、信託に対する遺留分減殺請求を否定する説など存在しないことが分かる。

 なお、著者は、「万に一つ裁判所がCさんの遺留分を認めたとしても」(本書181頁)としているが、万に一つどころではなく、学理上、遺留分減殺請求は確実に認められるのであるから、裁判所が遺留分減殺請求を否定する可能性はほとんどない。

 また、著者は、「遺留分給付型信託」という活用事例も挙げ(本書174頁)、親不孝な子どもCさんには賃料等の4分の1を給付すれば、それ以上の給付を行う必要はないとする(本書177頁)。

 しかし、後継ぎ遺贈型受益者連続信託の場合、第2受益者が条件付で受益権を通じて取得する相続財産も、遺留分の算定の基礎に含まれるから(前掲『信託法【第4版】』513頁)、Cさんに4分の1を給付しただけでは、第1受益者の相続財産を算定の基礎としただけであるので、これでは足りないことになる。

 このように、信託を用いて遺留分減殺請求を防げる、という著者の説明は残念ながら間違いである(新井誠教授は立法過程まで詳細に立ち入って信託法の体系書を著しており、その記述が間違えている可能性はほとんどない。)。読者に無用な期待を抱かせるものである。

 以上のように、本書には致命的な間違いが多く見られ、実用に耐えるものとはなっていない。読む際には十分な注意が必要である。

【2016年2月2日 追記】
 2016年1月31日に、著者と思われる方が反論されているところ、看過できない記述を含むので、追記する。

 著者は「契約行為である信託法が優先適用されないのか?」と述べるが、まず、「契約行為」という用語自体、法律用語としてあまり用いることはないと思われる。「契約」は「法律行為」の一種である。そして、信託行為には、「契約」方式、「遺言」方式、「生前単独行為」方式の3種類がある(前掲『信託法【第4版】』117頁)。信託行為は契約とは限らないのである。したがって、「契約行為である信託法」という著者の記述自体、不正確である。信託法の体系を理解していないものと疑わざるを得ない記述である。

 そして、著者は「『間違いである』と断定することは大変危険であ」ると述べる。しかし、著者の独自の見解が正しいものであるかのごとく読者に喧伝する方が圧倒的に危険である。本書181頁によれば、裁判所が遺留分を認める確率を「万に一つ」としており、著者の独自説が裁判所で採用される可能性が極めて高いと読者に思わせる記述をしている。そのように信じてしまって信託を設定し、後に受益者が訴訟に巻き込まれ、あげくの果てに敗訴した場合、著者はどのように責任を取るつもりであろうか。さらには、仮に法律実務家が、遺留分減殺請求の危険性を十分に説明せずに、そのような信託契約書を作成して報酬を得るようなことがあれば、もはや詐欺に近い所行である。信託が遺留分の規定に抵触することが許されないことは、信託法の大家である新井誠教授が述べているのみならず、信託法改正の際も、当然の前提とされているのである(法務省 法制審議会 信託法部会 第29回議事録)。裁判官は特定の法律を研究しているわけではないため、立案の過程で当然の前提とされていることや、研究者が当然の前提であると考えていることは、専門家を尊重し、そのとおりに判断する可能性が高い。したがって、裁判所もそのとおりに判断する可能性が高いのである。

 判例がないならば、立法過程や学説等から判決を予測するのが法律実務家の役目であって、「判例がない」などと逃げるのであれば法律実務家の存在意義は低い。まして、立法過程や学説等を十分に勉強せずに、独自説を正しいものであるかのように喧伝するのは、信託の利用者に大きな損害を与える危険性が高い行為である。

 著者は、「私の考え方は既存の学説とは異なるものであるかも知れず、これまで貴殿が学習してこられた知識が及び至らないものであると思います」と述べるが、一介の司法書士の独自説にどれほどの価値があると思っているのか。思い上がりも甚だしいと言わざるを得ない。研究者が言っていることが常に正しいとは限らないが、何十年も民法や信託法を研究してきた研究者の文献を、まずは謙虚に読むことである。

 著者は、遺留分制度が「将来の民法改正議論において、改正必要部分として審議されるべき事項であるいうことについては、おそらく誰しもが異論のないところであろう」と述べるが、将来の議論ではなく、現に法制審議会にて審議されているところである。ただし、遺留分規定を削除するかどうかなどということは全く議論になっておらず、遺留分を減らすということも議論されていないようである。

 さらに著者は、「法律とは人を苦しめ悩ませるためにあるのではなく、人の願いを叶え、想いを実らせるためにあるものと信じております。」という。しかし、法律の目的や機能は、対立しうる人々の利害の調和であり、特定の立場の者の願いや想いを叶えることではない。憲法に照らして適切なのか否かについていえば、私有財産制も絶対ではなく、29条2項には「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」とあるのであって、法律で遺留分を定めたとしても、違憲であるとはいえない。

 長くなったが、本書を読む際には、以上も参考にされたい。

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