
「あ、そうだ 飯田さん 今度パリのカフェに関係する
映画が公開されるらしいんですけど知ってますか?
アカデミー賞も受賞したっていう、、、」
「え?なんですかそれ?」
「なんだったかなー また名前がわかったらお知らせします!」
と 普段はあんまりそういった話をしないクルミドのスタッフに
突然控え室で呼び止められるという経験をして なんだか変だ
妙な匂いがする、、、これはどうもそこには何かはあるってこと?
と感じていたら また別の人からもこの映画についての話をされて
これは運命的な匂いがする、、、と思ってた。
さて そんなミッドナイトインパリの関連書籍に
わが『caféから時代は創られる』を選んでいただいたとのことなので
さっそく公開初日の一番始めに行ってきました、久しぶりのルシネマに!
なんとか時間に間に合って ルシネマの小さな座席に座ると
妙な感慨が押し寄せてくる。ここに座ったのは一体何年ぶりだろう?
最後に観たのは?「フレンチな幸せの見つけ方」だっただろうか
変な映画!と思っていたけど 結局あの映画にはかなり影響を受けてしまった。。
いろんなことを思い出しながら映画の予告編を見て、2つもパリに関する映像を
見ていると なんだかそれだけで泣けてくる。そうして今日も随分泣いた。
なんで私は泣いたのだろう?それは、、、多分パリに対する想いのせいだ。
世の中には2種類の人間がいる と 人はよく言ったりもする
この映画を観た私が世の中に2種類の人間がいるとするならば
「パリが好きでたまらない人間」と「パリなんてどうでもいい人間」
もちろん圧倒的に後者が多くて世界の95%以上くらいはそうだろう。
だから「パリが好きでたまらない人間」には多くの侮蔑の言葉や
いい加減にしなよという言葉が浴びせられる。
「もっと現実をみたら?パリは汚いよ」
「そんなの夢想だよ」
「パリなんて犬の糞と渋滞の街」
「世界を色眼鏡でみちゃいけない、、、」
沢山の人たちが(特に最近はフランス人)私に歯止めをかけてきた。
「パリに行ってどうするの?」そう 知ってますとも
そんなんじゃいけないと どれほど痛い目にあうかというのも
でも世界を広く見渡すと パリが好きで戻りたくて仕方のない人たちも居る。
でもそんな人たちは自分の国では頭がおかしいと思われている。
だけど居たのだ!映画の中に。私はこの主人公となら絶対に友達になれると思う。
頭の中はパリで昔のモンパルナス?それって私のことじゃないか
それならば関連書籍に選ばれるのもうなづける。そして私は
この主人公と同じくらいある意味頭がおかしいのだろう。
でもしょうがないじゃん、サルトルだって時折幻覚の伊勢エビに追いかけられたし
ボーヴォワールは「あなたは精神分裂病だ」とサルトルに言われたりもしていたわけで
作家とか 何かを創作する人たちは 多少は頭がおかしいからこそ
創作ができるのかもしれない。だって強い思い入れや他の世界への
夢想がなければ 物なんて書く必要性が生まれない。
現実に満足してたら?やっぱり書けない。だって強い力が働かないから。

この物語の中には現代のアメリカで脚本家としてそれなりに
売れているけど昔のパリがいいと思っている人が主人公で、
他にも1920年代のアイドル的存在だけど19世紀末のベルエポックに
住みたいと思っている人もいる。そしてベルエポックに行って
ロートレックやらに会ってみるともっと昔の時代がよかったと言うそうな。
まあそんなのいつの時代も変わらない。
結論としては仕方ない、僕がいるのは現代なんだという感じだったけど
結局彼はアメリカを捨ててパリに残ることにした。
現代でも美しいパリ 雨の日が美しいパリに。
パリの夜には奇跡が起こる。
たとえ奇跡までいかなくっても パリの夜はきらきらしている
それは夜がふける程 に その美しさを増していく
そんな都市があるということ ピカソはパリが嫌いだったらしいけど
それでも彼も夜のパリを散歩していた 夜のパリには
フェットがあった ワインやシャンパン そしてダンス
眩い光に出会える街、、、

「もしきみが幸運にも 青春時代にパリに住んだとすれば
きみが残りの人生をどこで過ごそうとも パリはきみについてまわる
なぜならパリは 移動祝祭日だからだ」
(ヘミングウェイ 『移動祝祭日』より)
パリには今でも美しい時代の名残が残ってる。
ガートルードスタインのサロン?現代だって
ミッシェルの家のサロンはそれではないか?映画の中で
ガートルードは何カ国語かをしゃべってた。
そこはとても国際的なサロンであった。ミッシェルの家だって
今でも3カ国後はスタンダードで ロシア語やスペイン語や
ドイツ語だったり いろんな言葉が飛び交っている。
そして即興ではじまるダンスの時間 アメリカからやってきた
哲学者たち 世界中からやってきている学生達、、、

みんな 元気にしてるかなあ
みんな 元気だろうなあ
また 私がパリにいったら 「やあミキ いたの?」と
そんな感じで言われるだろう 「あなたはパリのどこに住んでるの?」と
また普通に聞かれるだろう ウッディアレンの愛している街
パリという街には今でも 世界中からその空気を愛してやまない人たちが
なんとかビザを取得して そこに住み着いているのだけれど
お金を稼ぐのは大変だ。。。
それでもいつか やっぱり私はパリに住みたい。
映画の主人公の彼のように 売れっ子の作家になったら
「じゃあ僕は帰らないから。パリに住むことに決めたんだ」なんて
言えるかな。フランス人たちは日本こそ素晴らしい パラダイスだよと
言うけれど たしかにパンもおいしいし 地下鉄では眠れるけれど
最近では素敵なカフェも増えて来たし そりゃラジオクラシックも聴けるけど、、、
やっぱりいつか パリで仕事がしたいなあ。
「何しに来たの?」ではなくて それなりの仕事を持って
いまでもまだ 外国の人から見たら キラキラしてまぶしさの残る
そんな街 で 私も一緒にワイン片手に笑いたい。
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