白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一六段のブログです。ほぼ毎日更新しています。
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ハネ出しの方向(問題解答)

2017年01月25日 23時06分12秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
明日は第53期森ビル杯十段戦(産経新聞社)決勝、今村俊也九段余正麒七段の対局が行われます。
50歳のベテランと21歳の新鋭が互角に戦えるというのは、囲碁の素晴らしい所だと思います。
井山裕太十段への挑戦権を獲得するのは、どちらでしょうか?
注目の対決は、幽玄の間で中継されます。
ぜひご覧ください!

さて、本日は昨日予告した通り、問題の解答を行います。



1図(テーマ図)
AとB、どちらのハネ出しが正解かという問題でした。
ここの形だけ見ればどちらでも同じようですが、実際には全く違った結果になります。

方針を定めるにあたって重要な事は、周囲の状況を確認する事です。
左下白〇はしっかりした構えですが、左上白△の構えには隙間が空いています。
手薄な左上を守るような展開を目指したい所です。





2図(正解1)
正解は白1と、下方へハネ出す手です!
当たりましたか?





3図(正解)
ハネ出せば、黒1~白6までが自然な進行です。
白は左上と繋がり、全体が強い石になりました。
こうなれば黒Aと打ち込んで来ても、白Bで何事も起こりません。
渡りたい方の逆にハネ出すという、1つのパターンです。





4図(正解?)
左上白と繋がりたい、という考え方に辿り着きながら、白1を選んでしまった方もいらっしゃるでしょう。
実戦もそう打たれ、白7までの進行になりました。
何だ、前図と対して変わらないじゃないか、と思われるかもしれませんね。

確かにこの図は白が成功しています。
しかし、これは黒が間違えたからなのです。





5図(失敗1)
白1、3には、Aではなく黒4という手があります。
この手は、知らないとなかなか打てませんね。





6図(失敗2)
白1と抜けば、黒2を利かしておいて黒4の打ち込みです。
左下の黒1子を切り離したものの、こちらに火が付いてしまいました。





7図(失敗3)
黒6までとすっかり荒らされた上に、全体の白の眼が無くなっています。
左下で得た僅かな利益では、とても釣り合いません。
白、大失敗と言えるでしょう。

何気ないように見えて、1局の勝敗を左右しかねないほどの場面でした。
戦いの最中のミスは大きな失点に繋がりますから、気を付けたいですね。
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