白石勇一の囲碁日記

ほぼ毎日更新、囲碁棋士白石勇一六段のブログです。
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先週の対局・前編

2017年05月03日 22時50分04秒 | 対局
皆様こんばんは。
本日から大学囲碁部の団体戦、通称関東リーグが行われています。
かつて私も選手として出場しましたが、あれからもう14年が経ちます。
時の流れを感じますね。

我が母校の中央大学は近年苦戦が続いています。
しかし、苦しい時でも応援するのが本物のファンというものです。
力を合わせて頑張ってくれることを期待しています。

さて、先週棋戦戦Cリーグが開幕しました。
私の相手は関西棋院の瀬戸大樹八段、段の低い私が出向いての対局でした。



1図(テーマ図)
私の黒番、黒△と打って左下隅で生きた場面です。
不確定な場所が多く、形勢判断は難しいですが、これからの勝負と思っていました。




2図(変化図)
左上黒は白A、黒B、白Cとスペースを狭められると死んでしまいます。
また、白1と打たれると、黒△を動くのは難しそうです。
しかし、黒2、4と右辺を広げて対抗し、こちらの構えも中々のものです。





3図(実戦)
ところが、実戦は白1!
黒を固めて損な手ですが、打って来たということは、明らかに上辺に仕掛けるための準備です。
私は大丈夫だと思っていたのですが、どうやらどこかに錯覚があったようです。

しかし、右辺が破れては終わりですから、黒2と受けるしかありません。
そして白3、5は元々想定していた手段ですが、実際に打たれてみて、ようやく見落としていた手段に気付きました。





4図(変化図)
この後白1、3と逃げるのは、黒4の後AとBが見合いで白取られています。
このために、ずっと前に黒△と白△を交換しておいたのです。

しかし、もう一つ黒Cと白Dも交換しておくべきでした。
それなら黒一団は完全に生きていたのです。
手続きを怠った実戦は、急転直下の終局を迎えることに・・・。

<次回へ続く>
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