白石勇一の囲碁日記

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おかげ杯感想

2017年05月15日 22時05分03秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は有楽町囲碁センターにて指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。

さて、本日は第8回おかげ杯の2日目が行われました。
結果は、村川大介八段李沂修七段を破り、初優勝を果たしました。
決勝は目まぐるしく景色が変わって行く大熱戦でした。
決勝に相応しい好勝負だったと思います。

ですが、今回はあえて準決勝、大西竜平二段と李七段の碁をご紹介します。
決勝は当然注目されるとして、もしこの碁を見逃してしまったら勿体無い!という1局です。



1図(実戦)
大西二段の黒番です。
開始早々、黒1~5と意欲的な打ち回し!
早くも大西二段らしい、スケールの大きな構想を見せています。





2図(実戦)
黒1といきなりのツケ!
左下隅の位置を意識しての趣向でしょうが、私には絶対に浮かばない手ですね。





3図(参考図)
ちなみに、このような江戸時代から打たれている型があります。
実戦はこれと似ていますが、白△の位置が1路違います。
本図は全体の黒石がつながりそうですが、実戦の黒はいかにも隙間が多く、まとめ方が難しそうに感じます。
しかし、何とかしてしまう自信があるのでしょうね。





4図(実戦)
左下隅でも凄い事をやっています。
黒1、3と2つツケ、黒5の切り違い!
確かにツケたり切ったりは捌きの常套手段ですが、それにしてもこの打ち方は過激ですね(笑)。
本局のように、あちこちにペタペタとツケて行く手法は、張栩九段の得意技ですね。
案外似た所があるのかもしれません。





5図(実戦)
ただ、結果は白△と打たれ、左下黒△が壊滅状態です。
流石に何か誤算があったでしょうか?

しかし、勝負はまだまだ終わりません。
上辺でも両者の手筋の応酬から、派手な振り替わりか演じられるのです。
着手の意味が分からなくても、雰囲気で楽しめる1局ではないかと思います。
ぜひ幽玄の間でご覧ください。

ちなみにもう1局の準決勝、村川八段と寺山玲四段の対局も中継されました。
やはり力の籠った内容です。
早碁にも関わらず、よく戦えるものですね。
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