白石勇一の囲碁日記

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書評・第6回 昭和囲碁風雲録

2017年07月13日 21時54分56秒 | 書評
皆様こんばんは。
本日は昭和囲碁風雲録をご紹介します。



著者の故・中山典之七段は囲碁を覚えたのが遅く、純粋なアマチュアとして楽しんでいましたが、21歳で突如棋士を志し、30歳で入段を果たすという、異色の経歴を持った棋士でした。

著者は貴重な筆が立つ棋士でした。
著作は100冊以上に及び、その功績は計り知れません。
しかし、現代では年齢制限が厳しくなり、著者のような棋士が生まれる可能性は低くなっています。
プロ碁界のレベルアップの代わりに、失っているものもあるでしょうね。

さて、本作は著者の代表作の1つです。
内容としては、明治~近代の囲碁の歴史を記述したものです。
登場人物たちの発言や内面の感情までもが描写され、臨場感あふれる文章になっています。

そのような文章が書けるのは、著者の才能もさることながら、自身が勝負の世界に身を置いていたことも大きな要因でしょう。
私は著者と2回対局する機会がありましたが、楽しそうに碁を打つ様子はイメージ通りでした。
しかし、気が付いたこともあり、それは著者はかなりの負けず嫌いではないかということです(笑)。
そんな著者だからこそ、命懸けで対局する棋士の気持ちも理解できたのではないでしょうか。

本書には時々盤面図も出て来ますが、それはあくまで参考資料です。
全体的には、囲碁が打てない方でも楽しめる内容になっています。
多くの方に読んで頂き、棋士の世界に興味を持って頂けると嬉しいですね。
後世に残すべき名著だと思います。
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