白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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Master対棋士 第33局

2017年03月17日 23時32分06秒 | Master対棋士シリーズ(完結)
皆様こんばんは。
ツイッターの日本棋院若手棋士アカウントの担当者が、小池芳弘二段から木部夏生二段に交代しました。
個人アカウントも持っている木部二段ですが、今回はどんな情報を発信してくれるのでしょうか。
楽しみですね。

また、明日からはグランドチャンピオン戦の準決勝、決勝が行われます。
準決勝は午前10時から、決勝は午後2時から、幽玄の間で中継されます(解説・平田智也七段)。
勝ち残っているのは井山裕太六冠河野臨阿含・桐山杯一力遼竜星・広島アルミ杯・おかげ杯山下敬吾九段の4名です。
激戦を勝ち抜いて来た3名に加え、スーパーシードの井山六冠がここで登場!
注目の戦いを、ぜひお楽しみください。

さて、本日はMasterと古力九段の2回目の対局をご紹介します。



1図(実戦)
Masterの黒番です。
黒1から3と、左辺を割って行きました。
白△を大きく睨む構想です。
白は12と先制攻撃して行きました。





2図(実戦)
左上で難しい折衝がありましたが、黒1でほぼ治まり形となりました。
ならばと白2と繋ぎ、今度は黒△の一団にプレッシャーをかけました。
ここで黒としては、ただ守るだけの手は打ちたくありません。





3図(実戦)
実戦は黒1と、左下の一団を補強しながら、左辺の白一団に迫って行きました。
Master得意の壁攻めです。
黒9までとなり、中央が黒っぽくなって来た事が感じられるでしょう。
次に白Aとダメを繋ぐようでは話にならないので・・・。





4図(実戦)
白1から黒の薄みを衝いて反撃に出ました。
ここで中央を止めるのではなく、黒2、4とかわしたのが柔軟な所です。
上下を繋げてしまえば、まだ完璧に生きていない左上の大石や黒△の心配が無くなるという訳です。





5図(実戦)
白9までとなり、見えている地は白が多い局面です。
しかし、今後黒△がどう働くか、右下隅や下辺にどの程度黒地が見込めるか、そして左辺白の大石が生きていない事によるマイナスが未知数です。
総合的に考えると、既にはっきりと黒良しなのかもしれませんね。
人間にはとても数字にできない世界ですが・・・。