皆様、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、新年早々ですが、昨日に引き続いて利民杯2回戦が行われました。
許家元四段は韓国の申眞諝六段、芝野虎丸三段は中国の羋昱廷九段と対局しました。
申六段は韓国の二番手であり、羋九段も中国の二番手争いをしている存在です。
大変な強敵との戦いは、残念ながら許四段、芝野三段共に敗れました。
本日は、芝野三段の戦いを振り返ってみましょう。
1図(実戦黒27)
羋九段の黒番で、黒△と飛んだ場面です。
色々と目に付く所がありますが・・・。
2図(実戦白28~白34)
白1~5と力を溜めておいて、黒6に白7の打ち込み!
芝野三段らしい、戦い志向の作戦です。
3図(実戦黒35~白44)
黒1の両ガカリには、先手を取って白10と、右辺の黒を圧迫!
この漠然とした打ち方も、芝野三段の特徴です。
4図(実戦黒45~黒55)
ここで黒1以下が機敏でした。
先手で白△を切り離し、右辺黒の安全を確保してから、黒11の荒らしに向かっています。
5図(変化図)
ここで白1と遮れば、一例として黒10までの進行が考えられます。
どちらが攻めているか分からず、白としては心配な展開でしょう。
6図(実戦白56~白黒63)
そこで白1とかわし、白3から右下黒を取りに行く進行を選びました。
黒6に手を抜いて白7に向かいましたが、黒8とは流石に鋭い踏み込みでした。
7図(実戦黒77)
その後黒△まで、下辺の黒を凌ぎました。
白Aには黒B、白C、黒Dで生きています。
ここで常識的には、白Eの開きでしょう。
それなら穏やかな進行になりますが、白が大変な形勢に見えます。
8図(実戦白78~黒81)
そこで、実戦は白1と黒2を換わって、白3!
上辺を目一杯に広げましたが、黒4の急所が見え見えです。
一見すると白が苦しいようにも見えますが、白はあえてこれを誘いました。
9図(実戦白82~白96)
白15までとなってみると、いつの間にか白が攻勢に立っています。
芝野三段らしい、大きな構想でした。
10図(実戦白112)
その後黒△の3子を抜き、白1にも回っては、かなり形勢が接近したように見えました。
世界でもトップクラスの羋九段に対しても、力負けしていません。
11図(実戦黒259)
しかし、芝野三段の奮闘も、僅かに及びませんでした。
最後は黒△のコウ立てを見て投了しました。
受ける一手ですが、黒Aの所のコウに勝てません。
最後まで打てば盤面9目、コミ7目半なので1目半負けでしょうか。
近年、世界で戦える日本の若手が続々と現れています。
まだトップとの実力差はありますが、いずれ世界戦優勝者が現れると信じています。
今後とも、応援をよろしくお願いいいたします!
本年もよろしくお願いいたします。
さて、新年早々ですが、昨日に引き続いて利民杯2回戦が行われました。
許家元四段は韓国の申眞諝六段、芝野虎丸三段は中国の羋昱廷九段と対局しました。
申六段は韓国の二番手であり、羋九段も中国の二番手争いをしている存在です。
大変な強敵との戦いは、残念ながら許四段、芝野三段共に敗れました。
本日は、芝野三段の戦いを振り返ってみましょう。
1図(実戦黒27)
羋九段の黒番で、黒△と飛んだ場面です。
色々と目に付く所がありますが・・・。
2図(実戦白28~白34)
白1~5と力を溜めておいて、黒6に白7の打ち込み!
芝野三段らしい、戦い志向の作戦です。
3図(実戦黒35~白44)
黒1の両ガカリには、先手を取って白10と、右辺の黒を圧迫!
この漠然とした打ち方も、芝野三段の特徴です。
4図(実戦黒45~黒55)
ここで黒1以下が機敏でした。
先手で白△を切り離し、右辺黒の安全を確保してから、黒11の荒らしに向かっています。
5図(変化図)
ここで白1と遮れば、一例として黒10までの進行が考えられます。
どちらが攻めているか分からず、白としては心配な展開でしょう。
6図(実戦白56~白黒63)
そこで白1とかわし、白3から右下黒を取りに行く進行を選びました。
黒6に手を抜いて白7に向かいましたが、黒8とは流石に鋭い踏み込みでした。
7図(実戦黒77)
その後黒△まで、下辺の黒を凌ぎました。
白Aには黒B、白C、黒Dで生きています。
ここで常識的には、白Eの開きでしょう。
それなら穏やかな進行になりますが、白が大変な形勢に見えます。
8図(実戦白78~黒81)
そこで、実戦は白1と黒2を換わって、白3!
上辺を目一杯に広げましたが、黒4の急所が見え見えです。
一見すると白が苦しいようにも見えますが、白はあえてこれを誘いました。
9図(実戦白82~白96)
白15までとなってみると、いつの間にか白が攻勢に立っています。
芝野三段らしい、大きな構想でした。
10図(実戦白112)
その後黒△の3子を抜き、白1にも回っては、かなり形勢が接近したように見えました。
世界でもトップクラスの羋九段に対しても、力負けしていません。
11図(実戦黒259)
しかし、芝野三段の奮闘も、僅かに及びませんでした。
最後は黒△のコウ立てを見て投了しました。
受ける一手ですが、黒Aの所のコウに勝てません。
最後まで打てば盤面9目、コミ7目半なので1目半負けでしょうか。
近年、世界で戦える日本の若手が続々と現れています。
まだトップとの実力差はありますが、いずれ世界戦優勝者が現れると信じています。
今後とも、応援をよろしくお願いいいたします!