白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

本日の対局

2017年06月29日 21時17分47秒 | 対局
皆様こんばんは。
DeepZenGoの連勝が、ついに途切れましたね。
勝ったのは西健伸二段大西竜平二段です。
今回は死活などの部分戦の甘さが表れた印象でした。

さて、私は本日対局がありました。
相手は宮崎龍太郎七段です。



1図(実戦)
私の黒番です。
白1の両ノゾキから、黒△を切り離しに来られた場面です。

戦いが始まりそうな場面は非常に重要であり、そこで正しい判断ができるかどうかが、後の展開を大きく左右します。
この場面で考えるべきことは、まず黒〇の勢力が大きな財産であり、これを活用しなければならないということです。
もう1つは、左下は白〇が待っているので、ここで戦っても黒は苦しくなるだろうということです。





2図(実戦)
という訳で、白にお付き合いせず、黒1などと右上一帯を広げるのが自然です。
白2、4と取り切ってくればさらに黒5あたりに回り、赤で囲った一帯が黒の巨大な勢力圏になります。
もしこうなるなら、黒十分の展開でしょう。
私の第1感(最初に浮かんだ手)もこちらでしたが・・・。





3図(実戦)
実戦は黒1と押さえてしまいました。
石数が少なくても、この後黒Aと出て行けば何とかやれるような気がしてしまったのですが、実際に読んでみると良くなる図が見えません・・・。





4図(実戦)
そこで止む無く、左辺で生きる展開に・・・。
しかし、白8と中原の絶好点に回られては、一瞬にしておかしくなりました。
黒△が弱くなり、右上一帯の黒勢力の輝きが失われ、逆に赤で囲ったあたりが白の勢力圏になろうとしています。
プロにあるまじき非行に走ってしまいました。

苦しい碁になりましたが、後に勝負手が奏功して辛勝しました。
運は良かったですが、反省の多い1局でした。
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