白石勇一の囲碁日記

ほぼ毎日更新、囲碁棋士白石勇一六段のブログです。
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穹窿山兵聖杯・2回戦

2017年11月07日 21時48分17秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は穹窿山兵聖杯2回戦が行われました。
棋譜は幽玄の間でご覧頂けます。
ここでは私の注目した場面をご紹介しましょう。



1図(向井-崔1)
向井千瑛五段(黒)と崔精七段の対局です。
崔七段は韓国最強の女流棋士で、中国の於之瑩五段と双璧です。

黒1、3とは独特の打ち方です。
黒△が弱いので、そこから動くのが自然な発想でしょう。
しかし、向井五段はあえて足の遅い手を打ち、白4までと包囲させてから黒7以下でこじ開ける作戦です。

近年はAIの台頭以前から、スピードを重視する棋士が増えていました。
その中にあって、足を止めて全力ストレートを打って行くかのような向井五段です。





2図(向井-崔2)
コウを争いながらの乱闘の結果、白△までの分かれになりました。
黒△を取り、白×も大きな地を持って治まっては白優勢でしょう。
向井五段らしい打ち回しでしたが、結果的には上手く行きませんでした。





1図(王-藤沢1)
王晨星五段(黒)と藤沢里菜三段の対局です。
藤沢三段が苦しそうな形勢から必死に頑張っているように見えました。
白1は黒Aなら白Bと目一杯に白地をまとめようという、一種の勝負手でしょう。





2図(王-藤沢2)
しかし相手もさるもの、ひるまずに黒1、3と前進しました。
白6と反撃して、果たしてこの黒が生還できるかどうか?
取られたら負けになるので、怖いという気持ちも働きそうですが、読みに自信があるのでしょうね。
この後、黒は正確な手順で勝負を決めました。

世界の女流棋士のレベルアップは凄まじく、世界一への道は男性棋士よりも厳しいです。
しかし、日本も若くて強い女流棋士が増えていますから、今後に期待しましょう。
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