バンマスの独り言 (igakun-bass)

趣味と実践の音楽以外に日々感じる喜びや怒り、感動を記録するためのブログです。コメント大歓迎です!

今日のこの秋晴れの青空をあなたは知らない

2005年11月07日 | 社会・政治
今朝仕事に出るときは小雨模様で暗い夜明けでした。それがいつもの最終納品先、立川駅前に着く頃は快晴で、小高い場所からは意外に大きくて近い富士山がくっきり見えました。

カーラジオから悲しいニュースが流れました。そう、本田美奈子サンの白血病による死。
突然襲う怖い病気、気を付けることができない災難。まだ38歳だそうですね。気の毒です。

僕は4人の子供を授かりましたが、7年ほど前に3番目に生れた娘を1歳7ヶ月で失っています。生れた時から腎臓系の数値が異常で、血圧も200あり極度の貧血、世田谷の国立小児病院に生れた病院の分娩室から救急車で搬送・・・以後、原因を特定できずにこの病院のいろいろな科で検査や入院治療をうけていました。ここには血液科があり、実に多くの子供の白血病患者と知り合いました。強い薬の為のスキンヘッドはあたりまえ。ベッドをビニールカーテンで囲み外から遮断した状態で一ヶ月もベッドから離れられない・・そんな患者を毎日見ながら病気のことや患者の精神状態などを勉強しました。
腎臓科にいた時は「生検」といって小さな手術で臓器の断片を取り検査をされたり、幼い娘には過酷とも言える検査の数々でいろいろ辛い事ばかりでした。
その後の一時退院で家で家族とのつかの間の楽しい日々を送っていた矢先、ミルクをあげようとだっこした瞬間に心臓がそのささやかなパルスを止めてしまいました・・・。

そんな昔の悲しい出来事の記憶が今朝の本田サンのニュースで、あふれんばかりに心の中を占領してきました。
本田サンの辛さはどんなにシビアだったでしょう。やりたいことはまだまだあったでしょう。どんなに無念な死か! 彼女は昨日の早朝に亡くなりました。昨日は曇りのち雨。
寂しい日だ~、なんて言っていたんでしたっけ。
だから今日のこのインディアンサマーの抜けるような青空と温かい風を彼女は知らないのです。
空も海も山も森も雲も風も街も人も・・みんな変わらないのにこの人だけはもういない。
つまり「死」というものは実にさりげないものなのです。彼女の周囲の人々は悲しみにくれますが、世界は地球は宇宙は変わりなく動いているのです。

人の死の知らせはいつも自分の娘の早すぎた死と重なり合って心に刺さってきます。
僕は本田サンの事はあまり知らないのですが、アイドル系でデビューしたあと、努力してミュージカルの分野では立派な結果を出してきた女性でしたね。透き通るハイトーンはとても美しかったですね。日本のサラ・ブライトマンだと思っていました。

今日は朝から人の死というものにどう向き合えばいいのかをずっと考えています。

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4 コメント

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白血病と悪性リンパ腫 (末松康生)
2005-11-08 01:24:32
五十嵐さん

本田美奈子さんの死、ぼくも同じ気持ちで聞きました。まだまだやりたいことが多かったと思います。さぞや無念だったことでしょう。

白血病と悪性リンパ腫とは兄弟の病気だそうです。医者によれば白血病にかかるひとは真面目で賢明な人。そしてリンパ腫にかかる人はひねくれて、斜にかまえる人がなる傾向にあるそうです。かく言うぼくは2年半前にその悪性リンパ腫(白血病と同じに血液のガンです)にかかって今も元気に生きています。なるほどぼくはあまり真面目な人間ではありません。ひねくれてもいます。皮肉なものです。ひねくれものが生きのこり、あのすばらしい才能と情熱を持った38歳の女性が亡くなってしまう・・・・・・紅葉が赤くなるころに。

なんと美しい季節の残酷なできごと。

せっかくもらった命ですから、もう少し生きていたいです。ぼくは。本田さんには申し訳ないけど・あと3年だけでいいです。生かしてください。神様!

五十嵐さんたちとロックがやりたいのです。

あと3年あればぼくのブルースハープも何とかさまになるでしょうから。

本田さんの死に、こんなことを考えました。

結局ぼくは本田さんの気持ちを考えない自分勝手なやつなのです。本田さんごめんなさい。

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白血病と悪性リンパ腫(2) (末松康生)
2005-11-08 10:50:09
・・・・・・・きのうに続きます。

そして五十嵐さんのお子さんのこと。ぼくには幸いにして34歳と32歳の元気な娘がいますがあの子達が大きくなる過程で、すこし重い病気にかかったときなど「もし、万が一・・」を考えることがあって、そのイメージだけでも自分の体のどこかをもがれるような

むごさ、痛さを経験したことがあります。でも五十嵐さんはイメージなんかじゃなくてほんとにお子さんを失くされた・・・五十嵐さんにとって本田さんの死がどんなにが痛切なものだったか、察しあげます。

ここにひとつの「天才論」があります。

「天才は早く亡くなる」というのがその論旨ですがその理由は、神様は何らかの学びを完成させたものだけを自分の近くにお呼びになる。つまりお召しになる。

モーツァルトやラディゲをはじめ、ジミヘンにジャニスにジョンレノン・・・・・そして夏目雅子。この過去の天才たちは神様が「もう、君たちは人生を卒業してよい。もはや学ぶべきことはない」と裁断をくだされた、というわけです。すこし乱暴な論理ですが、これがなかなか説得力があると思うのです。まだ生きている、生かしてもらっている自分をごらんなさい。

おたがい、学ぶべきことがまだまだ目いっぱいあるでしょう?ぼくの場合はありすぎですけどね。神様はまだまだ免許皆伝をくださらないのです、凡才には。

ぼくの甥が20歳でオートバイ事故で亡くなりました。サーファーだった彼の葬儀に200人の仲間がやってきてくれました。200人のサーファー仲間。彼らは口々に

ぼくの甥を「特別なヤツ」とか「最高カッコイイ」とか言ってくれていました。多分彼もまたまぎれもない神様に選ばれた「天才」だったと思えるのです。天才の得意分野はさまざまです。芸術や学問もさることながら、名前のつかない分野もあるように思えます。

甥の場合サーフィンの技術というより,仲間をまとめる力が並ではなかった、と思います。

ぼくが悪性リンパ腫と診断されたとき、もう少しで神様に呼ばれるかな?というところだったのですが、結局こうして生かされているわけです。まだまだ免許皆伝というわけには行かないようです。

もっとよく学びなさい!という神様の声が聞こえてきます。

本田美奈子さんはきっと天才だったに違いありません。あれ以上やるべきことはなかったのではないでしょうか?彼女は彼女の能力の中でやるべきことはすべてやったのだ、と思いましょう。ぼくら凡才は・・・
返信する
考えること。 (鍵盤姫)
2005-11-08 10:55:07
お気楽ご気楽に毎日を過ごしていると

「人間の死の深い哀しみ」に直面して

胸が張り裂けそうになります。

本田美奈子さんの突然の訃報にも

もちろん驚きました。

そして

五十嵐さんのブログと

コウセイさんのコメントを拝読し

生ける者だけが描ける「死」について

考えさせられました。

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重いテーマでしたね (igakun-bass)
2005-11-08 18:01:31
>康生 さま



長文によるコメント、今生きている我々はその事実を感謝すべきだ・・・生きている者達よ、一生懸命生きろ!とのあなたの真意が読み取れました。いつもありがとうございます。あなたの短文の中に光る比喩の奥深さとこのような長文の中に見える真実の重みには、お付き合いを始めて以来、ずっと僕の励みになり羅針盤となっています。(一緒にロック/ブルースしてる時は丁々発止を楽しんでいますが)



>鍵盤姫 さま



生きていなけりゃどーもならんということです。

最近、自分はいくつまでベースを弾けるんだろうって考えることがあります。弾けるうちが華というもんです。
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