三猿

見ざる聞かざる言わざる、所謂「三猿」。
日本では日光東照宮に代表されるこの「三猿」には深い謂れがあるそうで、起源は諸説あれど孔子の「論語」に「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」（礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ）という言葉があるとか。
日光東照宮の猿の彫刻は一生を表していて、その中の三猿が特に有名なわけだけど。
見ざる聞かざる言わざる、これを正しく実践するのは至難の業だな、と。
どうしたって気になって見てしまうし、どうしたって気になって聞いてしまうし、気になってしまえば良いにつけ悪いにつけ言葉にしたくなるし、なかなか自制するのは難しいです。
正しく三猿を実践するためには、ある種の悟りのようなものが必要なんだろうなぁ。
あ、上に何度か「正しく」と書いているのは、「自分の都合の良いように、ではなく」という意味です。
正しいものを見、正しいものを聞き、正しく言葉にする。
三猿の教えを見聞きする度に、己の未熟さを痛感するばかりです。