苦楽時雨つれづれ草紙~

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フリーライター・三文コラムニストの夢前孝行です。

いつまで続く旅

2016年10月29日 21時39分19秒 | 日記
                いつまで続く旅


僕の人生はいつまで続くのか分からない。三度も肝臓癌で入院し手
術をしてもまだ死期は来ない。死を待っているわけじゃないけれど
何処まで続くのだ僕の旅はと……。

僕は旅をしてきた
それも七十一年という長い年月の旅だ
たくさんの出来事と
たくさんの人が僕の前を通り過ぎ
そして去っていった
固い友情で結ばれていた人も何人かいた
でもそれらの人も
僕の前を通り過ぎていった
僕には固定した友人はいない
集団や群れで暮らすのが嫌な僕は
いつもはぐれ鳥のように
岩陰に隠れて体を休めたり
他の鳥が飛んでいない上空で
一人翼を広げて旋回したりしていた
その行為こそが僕の唯一の休息であり
生き甲斐だった
僕の旅はもう終わりに近付いてきた
僕は旅の途中
立ち寄った街や
農家が立ち並ぶ村や
寂(さび)れた都会
それに喧噪な街から
詩という手紙をポストに放り込み
見えないあなた達に届けてきた
そして又
見えない次の街へとむかう……
   
   2013年詩集『未達の夢』より
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