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よきことはカタツムリのように

2016-12-24 15:29:00 | 

  「スロー」と言えば辻信一先生。『スロー・イズ・ビューティフル』から刊行される著書を読んでは、自分自身をリセットしています。「より速く、より大きく、より多く」という世の中の流れに知らぬ間に乗ってしまっていることを自省できます。

 御存じの通り、3.11で福島原発が崩壊しました。「より速く、より大きく、より多く」の象徴のダウンから、日本人の考えも変わらないはずはありません。また、資本主義もグローバルへ伸展しているものの、成長の余地が限りなく少なくなっているにもかかわらず、成長することこそが第一義になっています。そして、地球環境が侵され、人間には格差が広がり、戦争は止まず、難民は発生し、生きることさえ難しくなるばかりです。

  私たちは幸せになるためにこの世に誕生し、平和に暮らしたい。しかしながら、そうはなかなか許されない。そのためには、自然界の中で一番危険な存在である人間が、地球という自然が織りなす姿に戻るべきであり、それが「スロー」なのでしょう。「グローバルからローカルへ」、「『分断』や『分離』から『つながり』や『関係性』へ」、我々の思考も行動も変えていく必要があります。

 本書で二つのことを教えてもらいました。一つは民主主義も人間社会の為ではなく、「生態系というコミュニティー全体にとって良いことをする」「アース・デモクラシー(地球民主主義)」を目指すこと。そうして、もう一つは、「文明の進歩とか、開発とか、経済成長とかの裏側にはいつも大量の難民がいる。文明とは難民を生み出すシステムであり、文明と難民とが表裏一体の関係にある」こと。つまり、両者とも地球全体を優先的に考えることが必然であるのでしょう。

『よきことはカタツムリのように』(辻信一著、春秋社、本体価格1,800円)

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