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スマホが神になる

2016-10-19 15:56:31 | 

 スマホに関しては、『やってはいけない脳の習慣』で、子どもの学力とスマホの関係についてこのブログでも書かしてもらいました。

http://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/2179c3eafce4eac1f62385b9a4eca2be

 いくら勉強しても、スマホを扱えば、インプットした勉強の内容がアウトプットできない脳の構造に変えている、とても恐ろしい結果を踏まえて、スマホへの対応に書かれた本でした。

 本書『スマホが神になる』では、スマホが人間の時間を奪い、また、生きる上での悩めることや不明なことについては検索一発で気軽に解決する点から、「スマホは、信仰を弱体化させることにも結び付いていく可能性がある」ことを、宗教学者の島田裕巳氏が書いています。まさに、宗教は世俗化し、重要な地位を占めなくなっています。

 さらに、興味深い論調は、資本主義と宗教の関係です。「宗教には、資本主義がかき立てる欲望の充足を否定する傾向があるから、宗教というものは、本質的に現代の社会、とくに資本主義が高度に発達した社会とは衝突する。」つまり、資本主義の発展と宗教の衰退が表裏一体であるとしています。しかし、資本主義が将来的には息詰まる見込みがある中、宗教が息を吹き返すか、資本主義の情報の一つのツールであるスマホがその地位を奪うのかが焦点になっています。

 スマホによって、読書は隅の方に追いやられていると思いますが、出版業界だけでなく、スマホは時間を奪うことによって、従来のものすべてが影響を受けていることを知って、脅威を感じます。「神という存在は、人に救いをもたらすものであると同時に、人を支配し、拘束する存在である。」ならば、「スマホを絶えず開いていなければならない」という心理状態に置かれれば、「スマホに支配されている」感覚に陥り、無神論者を増やすというシナリオは的を得ているかもしれません。

『スマホが神になる 宗教を圧倒する「情報革命」の力』(島田裕巳著、角川新書、本体価格800円)

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