猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

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イラク・サマワの陸自撤収決定―空自は輸送業務拡大

2006-06-21 05:54:45 | 安全保障・自衛隊
 イラク特措法に基づきイラク復興のためサマワに派遣されていた陸上自衛隊を撤収することが正式決定した。サマワ周辺の治安権限が7月に多国籍軍から移譲されると発表したのを受け、米英両国やオーストラリアと協議したうえで「(日本として)一定の役割を果たしたと判断し、撤収を決定した」ということである。今後は、かねてから言われてきたように空自による輸送活動を拡大して国連や米国など多国籍軍の輸送支援を行うことや、ODAによる復興支援という形に切り替わっていく。
 以下に、イラクへの陸自派遣の意義と課題について箇条書きでまとめておきたい。

(意義)
・日米同盟の強化
・国際社会で日本の顔が見えるようになった
・イラク人による一定の評価を得て、新政府との良好な関係が維持できる見通し

(課題)
・憲法解釈のいびつさによる武器使用の極度の制限により、他国部隊に護られるという不名誉
・「非戦闘地域」でしか活動できないという神学論争が起こった
・特措法ではなく恒久法の必要性

一部のイラク人の期待(インフラの本格復興)と特措法に定められた支援内容(人道支援)の齟齬が一部では伝えられてはいるが、今回のイラク復興支援は歴史的な第一歩であると評価してよい。我が国の国際貢献は、それなりの成功を収めているのだから、我が国が堂々と国際貢献できるように憲法解釈を改めるなり憲法改正するなりすべきである。



(参考記事1)
[イラクに派遣した陸自撤収を決定=小泉首相]
 [東京 20日 ロイター] 小泉首相は20日午後、記者会見し、イラク・サマワに派遣していた陸上自衛隊を撤収する考えを表明した。また、現時点で、イラク訪問は考えていないとした。
 小泉首相は、イラクのマリキ首相が19日、サマワ周辺の治安権限が7月に多国籍軍から移譲されると発表したのを受け、米英両国やオーストラリアと協議したうえで「(日本として)一定の役割を果たしたと判断し、撤収を決定した」と述べた。撤収については、特に首相退陣の時期を意識しなかったという。 
 自衛隊が国際平和協力活動を行う際の海外派遣要件を定める「恒久法」に関し、将来イラクのように復興支援などが必要な国が出てきた場合「様々な問題があり、議論しなければならない」と述べ、任期中の恒久法設置に否定的な考えを示した。
 今後、民間中心の復興支援の必要性について「民間の方々が早くイラクで復興支援をできるような状況になれればと願う」とし、そうした状況ができればイラクの国づくりが本格的に進んでいると考えたいと指摘した。小泉首相のイラク訪問の可能性については「安全面や他国への配慮を考え、現時点では考えていない」と述べた。
(ロイター) - 6月20日15時2分更新

(参考記事2)
[空自の活動範囲拡大 額賀氏、イラク陸自撤退後] 
 額賀福志郎防衛庁長官は20日午後、防衛庁で記者会見し、イラク南部サマワの陸上自衛隊撤退後の支援について、現在はサマワ近郊のタリル空港とクウェート間の輸送業務に当たっている航空自衛隊の活動範囲を拡大した上、国連や米国など多国籍軍の輸送支援に乗り出すことを表明した。
 額賀氏は「国連、米国などの支援要請に応えていく。バグダッドや北部アルビルへの輸送が可能と考えている」と強調。活動範囲拡大に伴い、多国籍軍などとの連絡調整、情報収集に当たる空自の「バグダッド連絡班」を編成し、クウェートを拠点とする空自要員も約10人増員する方向だ。
(共同通信) - 6月20日19時59分更新

(参考記事3)
[陸自撤収後、ODA軸にイラクの復興支援]
 政府は20日、イラク南部サマワの陸上自衛隊撤収を決めたことを受け、石油、天然ガスなどエネルギー分野の開発事業を中心とした政府開発援助(ODA)を軸に復興支援を実施する方針を固めた。
 埋蔵量が豊富なエネルギー資源に関する基盤整備を進め、経済復興を促進することが狙いだ。米軍のイラク攻撃に反対したフランスなどが復興支援に消極的な状況が続いていることから、政府は多くの国が参加する支援の枠組みづくりを呼びかける考えだ。
 小泉首相は20日昼、ガーニム・アルジュマイリ駐日イラク大使と首相官邸で会い、「引き続きイラクを支援する」と伝えた。大使は「難しい時期に日本が支援してくれたことに大変感謝している」と語った。
(読売新聞) - 6月21日3時3分更新

(参考記事4)
「復興道半ば、なぜ帰る」=電力が不足、巨額支援実感なく-表情複雑・サマワ市民
 【サマワ20日時事】イラク南部ムサンナ州サマワでは、陸上自衛隊が撤収することに対し、「活動には感謝している」と惜しむ声がある一方で、「ヤバニ(日本人)はなぜ復興の道半ばで帰るのか」と複雑な表情を見せる市民も多い。
 陸自が法律上できる人道復興支援活動は、医療と給水支援、学校など公共施設の復旧整備だ。しかし、市民の目は、旧フセイン政権の圧政とイラク戦争で荒廃した電気や道路といったインフラの本格復興という、陸自ができない分野に向く。
 同州には、日本の政府開発援助(ODA)で約230億円が無償供与されたが、電力不足がまだ続く中、巨額の支援を実感する人は少ない。 
(時事通信) - 6月20日11時1分更新


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町村前外相の慧眼 (tsubamerailstar)
2006-06-22 20:32:06
昨年首相に「ここで引いたら日本はテロとの戦いから逃げたという烙印を押されることになる」と反対表明をしたんだそうですね。今日の日経見て「へぇ」と思いました。

インド洋と空自の経験は、台湾海峡、朝鮮半島有事の際の「後方支援」のいい練習台になると思います。
こんばんは (さいごう)
2006-06-22 23:44:57
ご無沙汰していました。



「非戦闘地域」という政府の逃げ道のような言葉のあやで、自衛隊の派遣自体へのごまかしをしたことへの罪は大きいと思います。



まあ、そうは言っても今まで自衛隊に関してはこのようなごまかしで存在してきたという積み重ねがありますので、それほど現政権が悪いとも言い切れませんが。



自衛隊に関しては、憲法改正と安全保障基本法の制定できちんとした立ち位置を与えてやることが彼らの志気の高揚に繋がりますし、国民自体にも理解が広がると考えています。



陸自のイラク派遣は、後世になってみれば自衛隊にとって大きな転換点だったと思われるのではないでしょうか。
コメントありがとうございます (猫研究員。=高峰康修)
2006-06-23 01:01:50
>tsubamerailstarさん

町村さんはそんなまっとうなことを言っていたのか…。まさに慧眼。

国際貢献が「演習」になるというのは、暗黙の了解ですね。どの国の軍隊も、国際貢献を名目にした海外派兵に際しては、そういう意識は持っているはずです。



>さいごうさん

お久しぶりです。

「自衛隊は国内法上は軍隊じゃないが国際法上は軍隊」なんて訳の分からない論理ははやく放棄しなければなりません。そんな状況で現在の自衛隊のような士気の高さを保つ事ができているのは驚嘆すべきことかもしれません。

陸自のイラク派遣は、歴史の転換点だったと言われるだろうし、そうなるように今後の安全保障政策をきちんとしていくべきでしょう。

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