衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

社会学的観点から衣服をとらえる・・・・・・

2010-01-30 09:27:53 | 衣・考
松本衣デザインには、「社会学」という科目があります。

毎年のことですが、その意図をわかってもらうのには、かなりの熱意と努力を要します。

簡単に言ってしまえば、「服を着る人間が社会的存在である」から、なのですが・・・・・

また、私の経験では、衣服デザイン(素材、デザイン、技術もパターン・法制)が大いに社会性をもつものだと意識できたときから、仕事が急激におもしろいものになりました。

1年生など、今は、「縫うおもしろさ」かもしれませんが、もっともっと世界が広がっていきます。

社会学を学ぶとは、そういうことを意味します。

お楽しみに!

本日の写真は、アトリエの片隅で「出番」を待つ、縫製工場で捨てられた端切れです。

ここにも「社会学」のヒント!

技術、知識、訓練、経験そして・・・・・納得!

2010-01-29 13:06:12 | 衣・考
同居の年寄りに「聖歌をピアノで弾いて」と言われて、弾いてみた。初体験?クリスマスソングは覚えがあるけど・・・・

そうか!

と突然わかった!

知ってる人には当然、と笑われる話なのでしょうが・・・・・

聖歌はオルガンの時代の曲だなー・・・と。

そして、ああ、これがゴスペルになって、ジャズになったことがわかる・・・・

と思ったのです。

和音の感じ、リズム、旋律・・・すべてが・・・・・

日本の音楽とはちがうなー、と。

子供のころのピアノは、まるで訓練そのものだった。嫌いではなかったけれど、たぶん好きでもなかったと思う。

でもある程度の訓練ができていると、そのうえで楽しむことができる。

また、今までの人生の中で、そこへ、さまざまな知識を身につけたり、理解できるようになって、「わかる!」という実感に出会える。

これまた、嬉しかったなー。

たぶん、天才は、若い時に、このすべてを実感するのでしょうけれど。

ファッション(衣服)分類から・・・・・・

2010-01-28 18:33:00 | 衣・考
前2回のつづき

で、さまざまな衣服の分類を試みてみると、やりやすいのが、ダントツ「グレード分類」です!

衣服のグレードは、今の時代、大変な幅(差)があります。

一方やりにくいのは、オケージョン分類、国別スタイル分類など・・・・・境界がどんどんなくなってきているのです。

今日、授業中に気付いた!

デザイン画を描いていて、男女差を意識していない学生がいる!

ユニセックス、というわけでもなく、意識の中にないようなのです。性差が。

・・・・・・時代ですねー。

今時ファッション・・・・

2010-01-26 10:03:44 | 衣・考
昨日のつづき・・・

コメントありがとうございます!

・・・・
おもしろくないのは、特に「服」です。

その分のエネルギーとお金が、・・・・・・

まず、靴へ行ってます。そして、メイク、ヘアー、・・・・バッグ・・・

社会全体としては・・・・「身体そのもの」へ行ってると思います。

エステ、健康、姿勢、整形、スポーツ・・・・・

かっこいい服だけ着てもかっこよくはなれない!ということかなー・・・・

「目立たない」「がんばらない」「癒しケー」「草食ケー」などが時代のキーワードなのですから・・・・

本来、親や教師はがんばってはならない!存在であるべきだと心しているのですが・・・・

がんばらないことも、なかなか苦しいものがあります。

今時のファッション?・・・・・・

2010-01-25 09:20:41 | 衣・考
学生の課題で、衣服分類の方法として、アヴァンギャルド、コンテンポラリー、コンサヴァティブの3つに分類せよ、というのを毎年やる。

私の担当は数年ぶりのこと。

学生は、雑誌を切り抜いて、ファイルにして提出するのだが・・・・

どの学生をみても、アヴァンギャルドとコンテンポラリーの差がない。

学生は、ギャル系、クラブファッション、パリコレ作品などをもってくるのだが・・・・?

で、見本を示そうと、試みてみた。

アヴァンギャルドがない!

そう、今の時代、アヴァンギャルドがない、のです。

これこそが「時代」というものでしょう。

60年代からファッションを眺めている者からすると、今、最もファッションがつまらない時代です。

ファッション界やマスコミが、ファッション人間として常に対象としているのは20歳代なので、その人たちは当然、順次入れ替わっていっているわけなのですが・・・・

だから、ご本人たちにとっては、いつもファッションはワクワクと新鮮なものであるにはちがいないのですが・・・・・・

考えてみると、今の文化全体が、「クセノない」ものを好むようです。

ビールやコーヒーを好まない、苦みのないのがよい。甘いものは好きだけれど、甘さ控えめがよい。
音楽もあまりハードなものは敬遠・・・・

スナック菓子も、チョコレートも、果物も・・・・・似たような嗜好と見えます。

そうなると、ファッションだけが、着るものだけがとがっていられるわけがありません。

更には、コンテンポラリーとコンサヴァの差も小さいことに気付きました!

本日、松本散策のかたへ、おすすめ!

2010-01-24 10:33:12 | 衣・考
本日、松本で、どこへ行こう?という方に、おすすめします。

建築家・山田健一朗さんの、完成引き渡し前の住宅が「公開」されています。

場所は惣社(そうざ)です。

市内からバスもありますし、歩いても30分ぐらいです。周辺も散策しても興味深い家がいくつも見られます(外だけですが)

昨日、ご本人の案内で、見てきました。

かわいらしい、楽しい家です。

昨日は、彼の作品を3軒見る機会を得たのですが、私の印象・・・・・

外観はどれも、「風景になじんでいる」

中へ入ると、「工夫が効いている・・・」です。

建物はこうあってほしいです!なかなか社会性をわきまえた建築だと思いました。

作品のひとつ、イタリアンレストラン「Le CIELO]は、是非、緑茂った夏に行ってみたいと思いました。

ゆったりした空間は、他のグループと共有空間であることが気になりません。

街中では許されない空間が、街のすぐわきにあった!感じです。

「公開」の家は、もちろん「無料」。温かい家でもあります。

ご本人のHPから検索してください。

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本日の写真は、安曇野の今朝 7時半です。

春!

2010-01-23 09:36:37 | 衣・考
大寒をすぎたばかりで、「今冬1番の寒さ!」という地域もあるそうですが

気がつくと、日差しの明るいこと!

ファッションビジネスの授業では、一応テキストどおりに「○度になったら・・・・」と店頭ディスプレイのことなど話しますが、

実際には、とくに松本のように「晴天」の多い地域では、季節感は温度よりも「日差し」であると私は感じております。

植物も、動物たちも、そして人間どもも、そのように動いている、というのが、観察結果でもあります。

こういうことは、テキストにはでてこないですねー。

FBというのは、「自然界」を見てはいないですねー

でも、だから、まだまだ「オリジナル発想による」MDは、おおいに可能なのですよ!

「地域限定」というのは、こういう発想でしょう?

めぐる季節を実感するとき・・・・・

2010-01-22 09:28:07 | 衣・考
信州特有の、「堅大根 かただいこん」が食べごろになる時期です。

わたしの大好物です。

時間のゆったりあった若いころには、大根を育てるところから始めて漬けたこともあった。

近頃は、知人が、それはみごとに漬けたのを毎年くれる。私がつかり始めが好きと知っていて、正月あけにいただいた。

人によって、味付けなど様々なのが、漬けものの魅力でもありますが、わたしは、塩と糠だけのものが好みです。

糠の色にほんのり染まった大根は美しいです!

また、なんとも言えない歯ごたえも!

今年は暖冬なので、塩を多めにしたとのことで、少ししょっぱいですが、ホントにおいしい!

その彼女との会話;

昔の人は、こうやって、味噌つくったり、干し柿つくったり、漬けもの、・・・・こうしてまた季節がめぐってくることを、毎年毎年実感したんだねー。

それは、ほんとうに、自然との会話のようですよねー・・・・・

最近、ごく若い友人一家が、そんな生活をして、二人して機織りで生計をたてているけれど、なんだか、嬉しい。ひとごとでも・・・・・・

豊さって・・・・・?????

長い人生やっていると、おもしろいことが・・・・・

2010-01-21 13:17:31 | 衣・考
久しぶりのコメントは、嬉しいですねー

ありがとう!

まだ学校へ行って学ぶ機会をもっているなんて、幸せですねー。

お菓子も、フランス語もなんでもやっておくことです。血となり肉となるのですよ、それが。

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人生はとても短い!と今は思ってます。

で、長くやってくると、おもしろいことはあるものだ、という話2つ。

一つ目は、子供のころの同級生の息子が、受講生として現れたこと。彼の父親の顔は18歳までしか知らない。

で、息子は25歳で、目の前にいる。?????

2つ目。

30年来会っていない、やはり同級生から、突然のメール!

PC検索をしていたら、偶然このブログを見つけたとのこと。

若気の至りで、私が悪いことをして「もう会えない」と思っていたので、それは嬉しかった!

お互いが死んでなくてよかった!と本気で思いました。

今年中には会おうと、メールしあってます・・・・・・

こんなことって、

人生のおもしろさだなー・・・・